自動車運転に関する改造装置の工夫

表 1. 四肢機能と運転補助装置の関係
障害部位
両上肢 両下肢
両下肢
右下肢と
右上肢と 左上肢と 左上肢と
三・四
右下肢
右上肢
左上肢 左下肢
と手指
右上肢
左下肢 右下肢 左下肢
肢麻痺
装置名
足操作ステアリング
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手動アクセルブレーキ
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左側アクセルペダル
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ステアリング旋回ノブ
左ウインカー
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足操作ウインカー
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足操作ライト切替
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足操作クラクション
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足操作駐車ブレーキ
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左側ライトスイッチ
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左側エンジンキー
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右側駐車ブレーキ
自動シートベルト
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電動パワーシート
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ドア開閉ステー
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シフトレバーブランケット
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駐車ブレーキレバーブランケット
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イグニッションキーステー
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助手席倒しレバー
車いす積載装置
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小径ステアリング
ジョイスティック
障害に応じて
いずれか選択
環境操作スイッチ
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●
*国産右ハンドルのオートマチックトランスミッション車を使用した場合。●:必要な装置、○:あれば便利な装置。
じて操作をしやすくするためのワイヤーロープを設置する場合もあります。窓の開閉やエアコ
ン操作、前照灯などのスイッチにも、必要に応じて操作しやすくするための金属板を設置しま
す。キーの操作を確実にするためのキーホルダーも障害の状況によっては必要です。
[2] 上肢の有効可動域が少なく、操作力が小さい場合
ステアリング旋回操作やアクセルとブレーキなど、運転に必要な操作を電気的な制御により
補助する装置が市販されています。通常のパワーステアリングシステム(操舵力軽減装置)より
も、極めて小さな力でステアリング操作が可能です。この技術を用いることにより、ステアリ
ング径の極めて小さい、小径ステアリングで運転するシステム(図 2)と、ジョイスティックレ
24 自動車運転に関する改造装置の工夫
①左ウインカーのための延長レバー
②手動アクセルブレーキ装置
③駐車ブレーキレバーブランケット
④ステアリング旋回ノブ(固定型)
⑤リクライニングレバー操作用ロープ
⑥ドア開け用ワイヤー
⑦ドア閉じ用ワイヤー
⑧車いす固定用フック&ロープ
図 1. 両上肢で運転する手動装置と運転席周りの改造内容
図 2. 小径ステアリングでの運転操作 図 3. ジョイスティックでの運転操作
図 4. コントロールボックス
図 5. フランツシステム
①右足用コンビネーションスイッチ
②足用ウインカーレバー
③ステアリングボックス
④足用ウォッシャースイッチ
⑤足用ヘッドライト切替スイッチ
⑥足用シフトチェンジレバー
⑦足操作対応トランクオープナー
⑧足用ドアクローズバー
⑨足用ホーンスイッチ
ステアリングペダル
足用ワイパーレバー
足用駐車ブレーキレバー
バーで操作するシステム(図 3)があります。ジョイスティックレバーのシステムでは片手のみ
で運転することも可能です。小径ステアリングのシステムは、操作感覚が通常の自動車と同じ
になり、直感的な運転が可能です。この場合はアクセルとブレーキを別途用意する必要があり
ます。このようなシステムを利用する方は、シフトチェンジレバーや、ウインカー、ワイパ
ー、エアコンなど、運転にかかわるほかのレバーやスイッチ操作を、小さい可動域で実現させ