36x48 Vertical Poster - 国際言語文化研究科

第47回日本語教育学講座講演会
日本語多義動詞の意味分析の方法論の確立をめざして
講師:森山新先生(お茶の水女子大学教授)
言語学習において語彙力が重要なことは言うまでもないが、語彙学習は専ら学習
者の独学に委ねられ、学習者は語彙学習を辞書に頼らざるを得ない。しかしなが
ら辞典の語義記述は専門家の内省に頼る結果、辞書によってまちまちであり、母
語話者のような判断基準を欠く学習者を混乱させている。こうした中、近年、認
知意味論の観点から、単に語義を配列するだけでなく、語義間の拡張の動機付け
や意味構造を明記することで、語義を暗記する認知的負担を軽減しようとする試
みが行われている(例えば『日本語多義語学習辞典』、アルクなど)。しかしこ
れらでも、その意味分析は執筆者の内省に委ねられ、語義記述にはやはり辞書に
よってばらつきが見られる。このような中、多数の母語話者に用例間の類似性を
判定してもらい、クラスタ分析などを行うことで、意味構造を明らかにしようと
する試みも始まっている。このような心理実験的手法で明らかになった意味構造
は語義分析が主観的であるという内省分析の短所はある程度補完され、母語話者
間で共有する意味構造に近づくことができるが、一方で調査対象者が一般の母語
話者ということもあり、その語義分類は表面的で精度に欠けるなどの限界も指摘
されている。このため内省分析のほうも、方法論の整備を行い、精度を上げるべ
きとの指摘も出ている。本講演ではこれまでの研究をふりかえりつつ、多義動詞
を例に意味分析改善のための具体的方案を提示する。
日時:2015年11月13日(金) 13:00〜14:30
場所:名古屋大学全学教育棟北棟406号室
(地下鉄名城線「名古屋大学駅」①番出口徒歩5分)
入場無料
国際言語文化研究科「次世代研究者育成プロジェクト:大学院生のための最前線研究講演会」
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問い合わせ先:鷲見幸美<[email protected]>
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