本校の環境教育はこんな生徒を育てています。

生徒・教職員の皆さんへ
そして保護者、地域の皆様へ
2015.10.28 No.5
本校 の環境教育 はこ んな生徒を育て ていま す。
1年生は校地内の生態調査や立命館大学理工学部での特別授業など
幅広い環境学習を行い、2年生は自分が選んだテーマについてグルー
プで探求学習をします。それぞれの専門家に指導を受けながら学習す
るので、深い学び方や専門的な探求方法 を習得できます。知識の詰め
込みでなく、自ら課題を見つけ解決する学習が本校環境教育の特徴で
す。学校での環境学習をきっかけに、自主的に家庭で自由研究をした
り、地域で環境美化活動に参加したりする生徒も多くなってきました。
1年生の特別授業
硎谷友汰さんは「琵琶湖」グループで学習しています。琵琶湖博物館環境学習センターの池田さんの指導で
魚の解剖をしたことから「魚の胃腸の中をもっとくわしく調べよう」と思い、自由研究に取り組みました。琵
琶 湖 で 自 ら 釣 っ て き た ブ ラ ッ ク バ ス の 胃 や 腸 の 中 を 観 察 。授 業 で は 胃 の 中 に 小 魚 や ス ジ エ ビ を 見 つ け ま し た が 、
顕微鏡を使うことで胃の中にミジンコや藻類も発見しました。腸内には元の形をとどめない消化済みの物質が
多い中、小魚の鱗など消化されにくい物質を見つけたそうです。
杉田美優さんは「大学」グループです。立命館大学理工学部の樋口
研究室で指導を受け、大気中の二酸化窒素濃度の測定・比較などを通
して「大気汚染」について学んで きました。授業で聞いた酸性雨に興
味を持ち「酸性水が植物に与える影響」について家庭で自由研究をし
2年生のグループ学習
ました。水に溶かした様々な濃度の食酢でかいわれ大根を種から育て
た 結 果 、 0.5% 以 上 で は 全 く 発 芽 せ ず 、 植 物 へ の 酸 性 水 の 影 響 は 予 想 以 上 に 強 い こ と が わ か っ た そ う で す 。
安達誠さんは「地域」グループで学習しています。 生まれた頃からマンション住まいだった安達さんは、桜
ヶ丘町のフィールドワークをして桜ヶ丘中央公園や新宮神社の豊かな自然に感動しました。昆虫図鑑が大好き
だった安達さんは、町内に生息する生き物に注目し「桜ヶ丘の生態系」について調べました。夏休みに部活動
の前と後に桜ヶ丘へ通い、ハエやミミズからキツネまで菌類、節足動物、肉食昆虫、ハ虫類、鳥類、哺乳類な
ど約60種類の生き物を観察し、桜ヶ丘町内でも食物連鎖が成立していることがわかったそうです。
この他にも工場排水について学習している「企業」グループでは、家庭から
出 る 生 活 排 水 に つ い て 調 べ る 生 徒 も 出 て き ま し た 。ゴ ミ 問 題 を 学 習 し て い る「 行
政」グループでも、地域のゴミ拾いに参加するようになった生徒や、家庭での
電気使用量を昨年と比較しながら節電に取り組む ようになった生徒もいます。
環境教育は、一人ひとりの意識と関心が高まり身近な行動につながることが大
切です。そういう生徒がたくさん育っていることを嬉しく思います。
環境クリーンウォーキング
学校での学びは、教室の中で完結するのではなく、社会で 、生活の中で
生かされる力を身につけるのでなければならないと私達は考えます。
2年連続、科学部が 県最優秀賞を受賞 !
自信と喜びにあふれる科学部の生徒達
10月20日に行われた県科学研究発表会で、本校科学部が今年
も県教育長賞を受賞しました。昨年度の研究成果と課題を踏まえ、
今 年 度 は 弁 天 池 ,仮 又 池 ,大 池 で の 通 年 調 査 を 通 し て 「 季 節 に よ っ て
プランクトンの生息数や種類は違うのか」を研究。 科学部のこの研
究も本校環境教育の精華であり「自ら課題を見つけ、探求し、人と
協力して問題を解決する」取組みです。発表内容の一部をごく簡単
に紹介します。
『プランクトンは、水温の低い12〜4月はどの池でも少なく、水温が20℃を越える
5〜9月はどの池でも多かった。5月にはミジンコ等の節足動物が急増し、緑藻類や
ケイ藻類は減少した。この時期には緑藻類を食べて緑色になっているミジンコや、体
内に卵を持つミジンコが多く観察され、親ミジンコから幼体が生まれる瞬間も観察さ
れた。このことから、ミジンコは5月が産卵時期のため増加し、緑藻類やケイ藻類は
卵を持つミジンコ
ミジンコに食べられて減少したのではないかと考えた。
その後6月に緑藻類やケイ藻類などの植物プランクトンが増え始め、7〜9月に多く
見られたのは、水温が高いことや日照時間が長く光合成が活発にな ることにより増殖
したのではないかと考えた。調査した池にはたくさんのゴミがあったが、ゴミがプラ
ンクトンに与える影響についても今後調べてみたい。』
橋 野 碧 さ ん は「 デ ー タ 処 理 は 大 変 だ っ た け ど 、地 道 な 作 業 が 大 き な 結 果 に つ な が る こ
幼体が生まれた瞬間
と が わ か り 、や り が い を 感 じ ま し た 。」部 長 の 中 西 涼 花 さ ん は「 今 年 の 夏 ま で 3 年 生 の
先輩が導いてくれたおかげです。これからも頑張ります。」と話していました。
リーダーよ、育て!
生徒会 新執行部が始動
執行部面接の様子
10月14日に生徒会の立会演説会と 会長選挙があり、23日には新生徒会
長の玉村一唯さんと副会長2人が執行部を選ぶ面接を行いました。私もそっと
様子を見ていたのですが、執行部入りを希望した一人ひとりに会長副会長が動
機や決意から普段の生活態度まで質問し、厳しい指摘もしていました。そこに
は生徒会活動に本気で取り組んでほしいという真剣さが感じられました。28
人の面接が終わると3人とも疲れ切った様子でしたが、その後も長い検討をし
てやっと新しい執行部が決定しました。
新執行部は今、11月18日の生徒総会に向けて準備に全力をあげています。その
直前の14日には代表が宮城県塩竃市の玉川中学校を訪問して、伝統の交流をさらに
深めようとしています。また前期生徒会が制定した「玉中スマホルール」を一層定着
させるための啓発活動も計画しているようで、強い意欲と行動力を感じます。生徒会
の新しい出発となる生徒総会とその後の活動が楽しみです。
を
今日、力あるリーダーの育成は日本社会の重要な課題です。 「自分達で学校をよく
していこう。皆で励まし合って成長していこう。」とする本校の生徒会活動から社会
前期生徒会代表
のリーダーが陸続と育ちゆくことを期待し、全力で応援していきたいと思います。
(文責
利倉)