東大阪労働基準監督署 - 大阪労働局

大阪労働局
Press Release
東大阪労働基準監督署発表
平 成 28 年 3 月 24 日
労働安全衛生法違反の疑いで書類送検
−フォークリフトの用途外使用を行った疑い−
平成 28 年3月 24 日,東大阪労働基準監督署(署長 島田晴弘)は,成和化学工業株
式会社及び同社の代表取締役を労働安全衛生法違反の疑いで大阪地方検察庁に書類送
検した。
記
1 被疑者
せ い わ か が く こうぎょう
(1)成和化学 工 業 株式会社
所在地
大阪府東大阪市中新開
事業内容
廃液再利用業
(2)同社代表取締役A
2 違反条文
【フォークリフトの用途外使用】
労働安全衛生法違反
同法第 20 条第1号
同法第 27 条第1項
労働安全衛生規則第 151 条の 14
同法第 119 条第1号(罰則)
同法第 122 条(両罰)
3 事件の概要
被疑者成和化学工業株式会社は,大阪府東大阪市中新開に本社事務所及び工場を置
き,廃液再利用業を営む事業者,被疑者Aは,同会社の代表取締役で,同事業の業務
全般を統括管理し,労働者を指揮監督するとともに労働者の安全を管理する者である
が,
被疑者Aは,被疑会社の業務に関し,平成 27 年8月 20 日,同会社敷地内において,
労働者Bをして,屋外作業場の上部テントに溜まった雨水を落とす作業を行わせるに
あたり,フォークリフトのフォークにパレットを差し込み,これを地上 2.59 メートル
の高さに上げて,その上で作業を行わせ,もって,フォークリフトの主たる用途以外
の用途にこれを使用したものである。
4 参考事項
(1)被疑者Aがフォークリフトの用途外使用を恒常的に労働者に行わせていたことに
端を発し,平成 27 年8月 20 日,労働者Bが,高さ 2.59 メートルのフォークリフ
トのパレット上から墜落し,その結果,同人が重傷を負うという労働災害が発生し
た。
(2)労働安全衛生法では,フォークリフトを荷役運搬機械としており,原則的に本来
の用途である走行および荷役以外の用途で使用することを禁じている。
(3)適用法条文は別紙のとおり。
別紙
労働安全衛生法(昭和47年6月8日法律第57号)
(事業者の講ずべき措置等)
第20条第1号
事業者は,次の危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
1 機械,器具その他の設備(以下「機械等」という。)による危険
(罰則第 119 条第 1 号)
第27条第1項
第20条から第25条まで及び第25条の2第1項の規定により事業者が講ずべき措置及び前
条の規定により労働者が守らなければならない事項は,厚生労働省令で定める。
(罰則)
第119条
次の各号のいずれかに該当する者は,6 月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処する。
1 第14条,第20条から第25条まで,第25条の2第1項,第30条の3第1項若しくは第4
項,第31条第1項,第31条の2,第33条第1項若しくは第2項,第34条,第35条,第3
8条第1項,第40条第1項,第42条,第43条,第44条第6項,第44条の2第7項,第5
6条第3項若しくは第4項,第57条の3第5項,第57条の4第5項,第59条第3項,第61
条第1項,第65条第1項,第65条の4,第68条,第89条第5項(第89条の2第2項にお
いて準用する場合を含む。),第97条第2項,第104条又は第108条の2第4項の規定に違
反した者
第122条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に
関して,第116条,第117条,第119条又は第120条の違反行為をしたときは,行為者を
罰するほか,その法人又は人に対しても,各本条の罰金刑を科する。
労働安全衛生規則(昭和47年9月30日労働省令第32号)
(主たる用途以外の使用の制限)
第151条の14
事業者は,車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ,労働者の昇降等当該車両系荷役
運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。ただし,労働者に危険を
及ぼすおそれのないときは,この限りでない。