トルコの金融政策(2016年3月)

2016年3月25日
(No.2,425)
〈マーケットレポートNo.4,727〉
トルコの金融政策(2016年3月)
金利誘導レンジの上限を引き下げ
上限金利を0.25%引き下げ
14
主要な政策金利は据え置き
12
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は24日、金利誘
導レンジの上限を0.25%引き下げ10.50%とする
ことを発表しました。足元では、米国の利上げへの
警戒感が薄らぎ世界的に金融情勢が安定化しつ
つあり、トルコリラは底堅く推移しています。中銀はこ
うした環境下、金利誘導レンジを広く維持する必要
性が低下したと判断しました。
■一方、主要な政策金利である1週間物レポ金利は
7.50%に、金利誘導レンジの下限は7.25%に、
それぞれ据え置きました。
金利(上限)
10.75%→10.50%
1週間物レポ金利
7.50%
8
6
翌日物中銀借入
金利(下限)
7.25%
4
2
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(注)データは2014年1月1日~2016年3月24日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(前年同月比、%)
11
【消費者物価指数】
8.78
(16/2)
8
誘導レンジには引き下げの可能性
■2月の消費者物価指数は前年同月比+8.78%と
中銀の目標(年+5%)を大きく上回っています。
中銀は、14年1月に通貨防衛のため大幅に利上げ
して以降、利下げを限定的にとどめています。今回
も金融引き締め姿勢を続ける方針が示されたことか
ら、当面主要な政策金利は据え置かれそうです。
■一方、相次ぐテロによる観光客減少などから、景気
には不透明感が強い状況です。中銀は、景気への
配慮を強める場合、金利誘導レンジをさらに引き下
げて市中金利の低下余地を作る可能性があります。
■隣国シリアの軍事情勢や難民問題などを巡りトルコ
と欧米主要国の外交関係が深化しており、エルドア
ン大統領やダウトオール首相を中心とする政権に安
定感が高まっています。高金利の下支えもあり、リラ
は底堅い推移が続きそうです。
翌日物中銀貸出
10
金融引き締め姿勢を継続
リラは底堅い推移継続へ
【各種政策金利】
(%)
市場予想
7.89
(17/3)
5
トルコ中央銀行の物価目標、年+5.0%
2
13/3
14/3
15/3
16/3
17/3
(年/月)
(注)データは2013年3月~2016年2月。 市場予想は、トルコ
中央銀行が2016年3月21日に発表した調査結果。
(出所)トルコ中央銀行、Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友
アセットマネジメント作成
【トルコリラ】
(円/リラ)
55
(リラ/米ドル)
1.9
対円
(左軸)
50
リラ高
2.2
2.5
45
リラ安
対米ドル(右軸)
40
2.8
3.1
35
14/3
14/9
15/3
15/9
3.4
16/3 (年/月)
(注)データは2014年3月1日~2016年3月24日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2016年 3月 23日 最近の指標から見る中国経済(2016年3月)
2016年 3月 17日 米国の金融政策(2016年3月)
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