PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

2016年2月24日
(No.2,403)
〈マーケットレポートNo.4,679〉
トルコの金融政策(2016年2月)
政策金利の据え置きを継続
市場予想通り据え置き
14
金融引き締めスタンスを維持
12
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は23日、市場の
大方の予想通り、主要な政策金利である1週間物
レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限を
10.75%に、下限を7.25%に、それぞれ据え置くこ
とを発表しました。
■中銀は、2014年1月に通貨防衛のため大幅に利
上げして以降、利下げを限定的にとどめており、金
融政策は引き締めスタンスにあるとしています。
翌日物中銀貸出
金利(上限)
10.75%
10
1週間物レポ金利
7.50%
8
6
翌日物中銀借入
金利(下限)
7.25%
4
2
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1 (年/月)
(注)データは2014年1月1日~2016年2月23日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
物価と景気の両方に配慮
中銀の政策に手詰まり感
■1月の消費者物価指数は前年同月比+9.58%と、
前月の同+8.81%から大幅に上昇しました。野菜
など食品価格を中心に物価上昇圧力が根強く、市
場では物価高が当面続くと見られています。
■物価高と中銀の金融引き締めスタンスに加え、相
次ぐテロによる観光客減少の影響も懸念され、景
気は勢いを欠く状況が続くと見られます。物価高と
景気減速の両方に配慮が必要な状況下、中銀は
様子見姿勢を当面続けざるを得ないと思われます。
(前年同月比、%)
11
【消費者物価指数】
9.58
(16/1)
8
市場予想
7.96
(17/2)
5
トルコ中央銀行の物価目標、年+5.0%
2
13/2
14/2
15/2
16/2
17/2
(年/月)
(注)データは2013年2月~2016年1月。 市場予想は、トルコ
中央銀行が2016年2月18日に発表した調査結果。
(出所)トルコ中央銀行、Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友
アセットマネジメント作成
(円/リラ)
リラは持ち直しの兆し
【各種政策金利】
(%)
55
【トルコリラ】
50
(リラ/米ドル)
リラ高
対円
(左軸)
1.9
2.2
■中銀の政策手詰まり感や、中国の景気減速懸念、
世界的な金融情勢の不安定化などは、トルコリラへ 45
2.5
リラ安
の下押し圧力となっています。
対米ドル(右軸)
2.8
■22日、隣国シリアを巡り米国とロシアがアサド政権と 40
反体制派への停戦呼びかけに合意し、地政学リス
3.1
クが和らぎました。リラは米ドルに対し持ち直し気味 35
14/2
14/8
15/2
15/8
16/2(年/月)
に推移しており、通貨安定で物価見通しが改善す (注)データは2014年2月1日~2016年2月23日。
れば、景気不透明感も後退すると期待されます。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2016年2月19日 資源価格の動向
2016年2月 5日 「外国人観光客」減少と政策期待(トルコ)
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