「マンション発売」は前年比マイナス(日本)

2016年3月17日
(No.1,783)
〈マーケットレポートNo.4,716〉
「マンション発売」は前年比マイナス(日本)
「マンション発売」の動向は、不動産経済研究所が毎月発表する、首都圏及び近畿圏の「マンション市場
動向」で見ることができます。1戸当たりの面積や平均販売単価、契約率、翌月への繰り越し戸数(在
庫)なども公表され、マンション販売の最前線の状況を詳しく把握することができます。
16年2月の首都圏の発売戸数は3カ月連続で前年比マイナス
首都圏、近畿圏とも減少
■16年2月の首都圏の 「マンション発売」戸数(新規ベース、以下同様 )は 2,237戸で、前年同月比
▲13.9%と3カ月連続のマイナスとなりました 。同時に公表された近畿圏の「マンション発売」戸数は
1,640戸、同▲13.9%と2カ月連続の前年割れでした。
契約率は再び70%台
価格上昇は続くが鈍化傾向へ
■マンション発売の好不調を判断する「契約率」は
首都圏が72.9%、近畿圏が72.0%と、分かれ
目とされる70%をともに3カ月ぶりに上回りました。
■首都圏マンションの2月の1戸当たり平均価格は
5,773万円と前年同月比+1.4%、1㎡当たり
単価は同+2.8%で、ともに9カ月連続の上昇
でした。同時に発表された近畿圏マンションの
1戸当たりの平均価格は3,717万円で同4カ月
連続、1㎡当たり単価は63.2万円で同8カ月
連続の上昇となりました。ただ、いずれも上昇率
は鈍化しています。
マイナス金利が後押し
(%)
80
首都圏マンション発売戸数(前年同月比)
60
40
20
杭工事問題
(15/10)
鉄筋偽装問題
(05/11)
0
▲ 20
▲ 40
▲ 60
▲ 80
消費税増税
(14/4)
平均値 ▲ 8.0%
1月 ▲11.0%
2月 ▲13.9%
3月 +1.0%
(見込み)
04
06
08
10
12
14
16 (年)
(注)データは2004年1月~2016年3月。3カ月移動平均。
2016年2月まで実績。3月は不動産経済研究所の見込み。
(出所)不動産経済研究所のデータを基に三井住友
アセットマネジメント作成
■杭打ち不正問題の波及に一定の歯止め
■3月は発売戸数が増加する見込み
懸案だった杭打ち工事の不正問題ですが、首都圏で
大手不動産業者と住民の間で合意が決定するなど
一定の進展が見られました。杭打ち不正問題は全国
で調査が続いており、引き続き注視する必要がありま
すが、首都圏に限れば次第に落ち着きを取り戻すと見
られます。
不動産経済研究所によれば、3月の首都圏マン
シ ョ ン 発 売 戸 数 は 4,500 戸 、 前 年 同 月 比 で
+1.0%となる見込みです。日銀のマイナス金利政
策の導入が購入をためらっていた方々の背中を押し、
実需が表面化した面もありそうです。価格上昇も鈍
化してきていることから、マンション発売の増加が期待
できそうです。
2016年 3月 15日 日銀の金融政策(2016年3月)
2016年 3月 8日 日本国債の「マイナス利回り」(日本)
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