STEP 1 文書の有用性 第 日々さまざまな情報が飛び交うビジネスの場では、日常のこまごまとしたコミュニケー ションは会話で済ませるにしても、大事なやり取りは文書で行われます。そうすること で、情報の正確な伝達・共有ができるようになります。さらに文書には、記録性や保存 性に優れているという特長もあります。 章 ビジネス文書 1 1 文字によるコミュニケーション コミュニケーションの手段として、電子メールなど新しいメディアの利用が広がっています が、情報伝達の主流が文字であることに変わりはありません。今後、IT(情報通信技術)化 がどんなに進んでも、文書の役割が小さくなることは決してないと考えられます。 会社で扱う文書は、 「ビジネス文書」と呼ばれています。適切に作られたビジネス文書は、 情報を確実に伝えることができます。大勢の人に宛てて同じ内容のものを同時に発信す ることもできます。 ビジネス文書のやり取りによって、相手との情報交換の密度をどんどん高めていくことが できるのです。発信者の考えや伝えたい情報を、 わかりやすい文章で正確に記述し、 ビジ ネス文書として発信する技術は、 すべてのビジネスパーソンに求められる必須のものです。 作成した文書が、目的に合っていなかったり必要な情報が欠けていたり、わかりにくかっ たりしたら、仕事がスムーズに進まないばかりか相手からも信頼を得ることができなくな ります。ビジネスパーソンの能力は、状況に合った適切な文書が作成できるかどうかに よって評価される面が大きいといってもよいでしょう。 報告書 11 2 ビジネス文書の役割 ビジネス文書は個人によって作成されても、ひとたび会社や組織の名前で発信されれば、 の文書に対する評価がビジネスに大きな影響を及ぼします。文書の形式や文章に問題が 文書は紙でやり取りされ、紙で保管されるとは限りません。電子メールで伝えられた文字 1 章 あった場合、会社や組織の信用を落としかねません。 第 公式な文書として扱われます。プライベートな手紙や電子メールとは決定的に異なり、そ に記録された文字情報であっても、 すべて文書であることに変わりはありません。 3 章 情報や考えを伝え、意思の疎通、説得、通告などを行うという役割があります。 ビジネスの 第 1 情報や考えを伝える 2 章 ビジネス文書の役割は、次のように考えられます。 第 情報もPC(パソコン)の中に蓄積された文字情報も、CDなどの電子メディアやサーバー 第 場では、業務を遂行するために情報や考えを正確に伝え、相手に行動してもらうことが必 要です。正確に伝えたいときは、文書にするのが一番です。文書であれば、関係している人 側にとっても頭を整理することができるという効果があります。文書にすることで、口頭で 4 章 に、同時に間違いなく同じ情報を伝えることができます。また文書にすれば、情報の発信 5 章 2 記録として残す 第 伝えたときに起こりがちな聞き間違いの心配も防止できます。 割も持っているということです。 6 章 ありません。現在の考えや行動を正確に記述し残すことで、将来の行動につないでいく役 第 文書には、記録性や保存性があります。会話は、時間がたてば記憶から薄れ、ときには 「言った」 「言わない」のトラブルになることもありますが、文書であればそのような心配は 第 章 7 第 章 8 模擬試験 付録 索引 12
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