エコ紙 芝 居 とカイワレ大 根 の発 芽 実 験

かみしば い
だいこん
エコ紙 芝 居 とカイワレ大 根
53
はつ が じっけん
の発 芽 実 験
生活の森グループ
かみしばい
ちきゅうじょう
わりあい
剱持万枝
じゅんかん
クイズと紙芝居 で、水の大切さ、水の働き、 地 球 上 の使える水の割合 、水の 循 環 につ
よご
げんいん
せいかつ はいすい
いて学びます。水の汚れ の大きな 原因 は、私たちが毎日当たり前に流す生活 排水 です。
私たちは、毎日水を使いながら、知らず知らず、汚してしまっているのです。私たちが
毎日のくらしの 中で「水を大切に使う」
「汚れをふきとる」
「水で 落ちる汚れは水やお湯
せっ けん
せい ぶんかい
し よう りょう
で洗う」
「水で落ちない 汚れは石 鹸 など生 分解 の早い物を使 用 量 を守って使う」の4つ
を行う事が、水を守り、 生き物全ての命を守ることにつながること 気づきます。
〈石鹸と合成洗剤の見分け方〉
●準備するもの
だい どころ よう えき たい せっ けん
・台 所 用 液 体 石 鹸 ( 台所用石けん )
ごうせい せんざい
ちゅうせい
・台所用合成 洗剤 (台所用 中 性 洗剤)
ゆ
・コットン
・しょう油
・はし(かき混ぜるため)
とうめい
・透明 なプラスチックのコップ
・空きカップ(紙コップでも良い)
だい こん
たね
ひんめい
・カイワレ大 根 の種 (コマツナでの代用も可)
●体験の手順
1.プリンなど
の空きカップ3
わた
し
個に綿 を敷 き、そ
かくにん
※品名 を見て確認 してください。
3(実験A)
よう
2.次のA、B、C、を1の容
き
1日目から毎日同じように、2
器 にそれぞれ入れる
のA、B、C液をそれぞれカイ
A.1Lの水に、台所用液体
ワレ大根の種にかけ続けて 発 芽
はつ が
せいちょう
れぞれに、カイワ
レ大根の種をま
かんさつ
と成 長 のようすを観 察 する。
石鹸を5mL溶かした物
B.1Lの水に、台所用合成
く
洗剤を1.5mL 溶かした物
C.1Lの水に、しょう油を
4(実験B)
1日目だけA、B、C液をそれ
ぞれカイワレ大根の種 にかけ、
5mL溶かした物
2日目からは、毎日水だけをあ
げて発芽、成長のようすを観察
*
め やす
るうる
A、Bとも商品の表示にあります「使用量の目 安 」で実験を行ないます。
●かいせつ
《実験Aから分かること》
石けん水、洗剤の水、しょう油を、カイワレ大根の種にか
け続けると、発芽する種もありますが、その後の成長は止まってしまいます。この結
しょく ぶつ
えい きょう
果から、石けんや洗剤、しょう油などを水に流すと、水を汚し、 植 物 などに影 響 を与
えてしまうことが分かります。できるだけ、石けんや洗剤、しょう油など の汚れを流
さないことが「水を守る」ことにつながります。
のう ど
《実験Bから分かること》
うす
2日目から水に切りかえ、はじめに溶かしたものの濃 度 が薄
まっていくと、石けん水と、しょう油からは、発芽、成長していきます。この結果から、
こ
実験 A で「石けん」や「しょう油」をかけた種は、石けんやしょう油の濃度が濃 いために
成長できなかったことがわかります。しかし、洗剤の水では、成長が止まってしまいます。
さまた
これは、1日目に、洗剤を入れた事が、植物の成長を 妨 げていると考えられます。水を守
りょう
しつ
せいしつ
るためには、汚れの 量 (濃度)だけではなく、汚れの質(流すものの性質 )にも気をつけ
た方が良いことが分かります。
ちが
〈合成洗剤と石鹸の違 い〉
合 成 洗 剤
項
目
石
ひつじ
1918 年、物資の不足から石鹸の
鹸
あぶら
はい
誕
生
5000 年前、 羊 の 脂 と木の灰 から
歴
史
自然に誕生。
原
料
米ぬか
だいようひん
代 用品 として誕生。
ぎゅう し
石油
ヤシ油
ゆ
し
トウモロコシ
など
牛脂
ラード
ごうせいかいめんかっせいざい
原料の油 脂 から合 成 界 面 活 性 剤 を
作り方
作り出す。
はだ
ヤシ油
お酒造 りの よう な、 も ともと 自然 界
にあった、変化に基づいて作る。
し げき
肌 の弱い方が刺 激 を感じる事がある。
こうすい
ゆう き ぶつ ふ
人
体
人体に対する刺激が少ない
長
所
自然の力(微生物)で分 解 され、洗 浄
か
低水温、硬 水 でも使用でき、有 機 物 負 荷
ぶんかい
せんじょう
りょく
が少ない。石鹸に比較して使用料が少
力 が高い
なく済む。
ふ えいよう か
・もともと自然界にない物なので分解
短
所
・使用量が多いと、富 栄 養 化 になる
せんじょうこう か
されにくい
・一定の濃度を下回ると洗 浄 効 果 が
び せいぶつ
・微 生 物 の働きを弱める
せん い
失われる
じゅうなんざい
・繊 維 を固くする為、 柔 軟 剤 が必要と
・低水温や硬水では溶けにくくなる。
なる。
●気をつけよう
ま ちが
・石けん水や合成洗剤を溶かした水を、間 違 って飲まないようにしましょう。
ひょう じ
かく にん
しょく ぶつ げん りょう
・石けんと合成洗剤は、 表 示 を見て、確 認 しましょう。 植 物 原 料 100%から作ら
ひん めい
れていても、作り方で、合成洗剤になります。容器 の横や裏の表示の品 名 を確認し
ましょう。
●持ち帰り物品について(実験Bを持ち帰ります)
①持ち帰ったあと、家で水をあげて、その後の植物の成長を観察してみましょう。
②この実験で育てた植物は、食べないようにしましょう。
●くわしくしらべてみよう
富山和子「森は生きている」講談社
青い鳥文庫
左巻健男「水といのちを考えよう」
フレーベル