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数学 Ⅲ
高 校 新 演 習
目 次
第 1 講
第 2 講
第 3 講
第 4 講
第 5 講
第 6 講
第 7 講
第 8 講
第 9 講
第 10 講
第 11
1講
2
複素数平面⑵ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
複素数平面と図形 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
2次曲線⑴ ─放物線─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
・・・・・・・・・・・
2次曲線⑵ ─楕円─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2次曲線⑶ ─双曲線─
27
・・
2次曲線⑷ ─接線─
接線─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
媒介変数表示
示 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
37
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
極座標
標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
・・・
関数
関数⑴ ─分数関数・無理関数─
分数関数・無理関数─
無理関数─ ・・・
47
・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
関数⑵ ─逆関数・合成関数─
─逆関数・合成関数─
関数・合成関数─
52
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・
数列の極限
極限 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
57
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・
無限級数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
62
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・
関数の極限⑴ ・・・・・・・・・・
関数の極限
67
・
・・・・・
関数の極限⑵ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関数の極限
72
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
・・・・・
微分
微分法
77
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いろ
いろいろな関数の導関数⑴
な関数の
82
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いろいろな関数の導関数⑵
ろいろな
87
微分
微分の応用⑴ ─接線─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92
微分の応用⑵ ─関数の増減─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
微分のいろいろな応用⑴ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102
微分のいろいろな応用⑵ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107
不定積分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112
定積分の計算⑴ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117
定積分の計算⑵ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 122
積分の応用⑴ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 127
積分の応用⑵ ─面積①─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 132
積分の応用⑶ ─面積②─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137
積分の応用⑷ ─体積─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142
積分の応用⑸ ─曲線の長さと道のり─ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 147
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
m
a
第 12 講
第 13 講
第 14 講
S
複素数平面⑴
第 15
5講
第 16
1 講
第 17 講
第 18
1 講
第1
19 講
第 20 講
第 21 講
第 22 講
第 23 講
第 24 講
第 25 講
第 26 講
第 27 講
第 28 講
第 29 講
第 30 講
e
l
p
第
1講
複素数平面⑴
基 本 事 項
複素数平面
1
複素数 a=a+bi を座標平面上の点(a,b)で表すとき,この平面を複素数平面,または複素平面という。
複素数平面においては,x軸を実軸,y軸を虚軸という。
複素数平面上で複素数 a を表す点Aを A
(a)
と書く。または,単に点 a と呼ぶこともある。
複素数の実数倍,加法,減法
2
a,b を複素数,kを実数とし, a を表す点をA, b を表す点をBとするとき
>
実数倍:b=ka
>
OB=k OA
3点 0,a,b が一直線上にあるための条件は,b=ka (kは実数)
>
>
>
>
>
>
和:C
(a+b)のとき,OC=OA+OB 差:D(a−b)のとき,OD=OA
OA−O
−OB
共役な複素数
3
たは a の共役複素数という。
複素数 a=a+bi に対し,a=a−bi を a に共役な複素数,または
e
l
p
m
a
a と a について,次のことが成り立つ。
a+a=2a
a−a=2bi
aa=a2+b2
a=a
a が実数
a=a a が純
が純虚数
a=−a,a
a
=−a,a
0
のこと
。
複素数 a,b について,次のことが成り立つ。
a+b =a+b
ab =a b a−b
b =a−b
a
a
( b )= b
S
an=
( a )n (nは自然数)
自然数)
複
において
おいて
また,複素数平面において
に関して対称
点 a は点 a と実軸に関して対称
に関して対
に関して対称
点 −a は点 a と虚軸に関して対称
点 a と原点に関して対称
関して対
点 −a は点
間の
絶対値と2点間の距離
4
複素数 a=a+bi に
に対し,㲋a2+b2 を a の絶対値といい, a と表す。
a = a+bi =㲋a2+b2
複素数の絶対値について,次のことが成り立つ。
a ≧0
a 2=aa
a = −a = a
複素数平面において,原点Oと点 a の距離は a ,2点 a,b 間の距離は b−a
例題 1
a=2+3i,b=1−i,c=4 のとき,次の点を複素数平面上に記せ。
2
⑴ A
(a)
⑵ B(b)
⑶ C(c)
⑸ E(a−b)
⑹ F
(−2b)
⑺ G(a+2b−c)
⑷ D
(a+b)
解答
右の図のようになる。
⑷ a+b=3+2i
F
⑸ a−b=1+4i
⑹ −2b=−2+2i
y
4
3
2
1
⑺ a+2b−c=i
-2
E
A
D
G
O
-1
1
2
3
C
4 x
B
複素数 a=a+bi と点(a,b)が対応する。ベクトルのイメージも利用しよう。
類題 1
a=3−6i,b=−2+5i,c=2i のとき,次の点を複素数平面上に記せ。
⑴ A
(a)
⑵ B(b)
⑸ E
(a−b)
⑹ F
⑶ C(c)
( 13 a)
⑷ D
(a+b)
⑺ G
(a+2b−3c)
e
l
p
m
a
S
例題 2
a=2−5i,b=−4+pi とする。3点 0,a,b が一直線上にあるとき,実数pの値を求めよ。
線上に
の値を
kは実数)
(kは実数)
るとき
数)とできるから
解答 3点 0,a,b が一直線上にあるとき,b=ka
−4+pi=k
(2−5i)
−4+pi=2k−5ki
5ki
p,k は実数であるから
数であ
4=2k
−4=2k,p=−5k
これ
k=−
=−22,p
p=100
これを解いて k=−2,p=10
b=ka
bが
3点 0,a,b
が一直線上にあるための条件は
にあるため
にあるための条件
ka(k
(kは実数)である。
類題 2
a b が一直線上にあるとき,実数pの値を求めよ。
a=3−3i,b=p+4ii とする。3点
と
0,a,b
例題 3
a=3−2i,b=1+2i とするとき,次の式の値を求めよ。
( a )2
⑴ a2+
2
⑵ a2−
(a)
⑷ a+2b
⑸ ab
⑶ 1
1
−
b b
(3+2i)=9+4=13 より
解答 ⑴ a+a=(3−2i)+(3+2i)=6,aa=(3−2i)
2
2
a2+
(a)
=
(a+a )
−2aa
=62−2×13=10
⑵ a−a=(3−2i)
−(3+2i)=−4i より
2
a2−
(a)
=
(a+a )
(a−a )
=6×
(−4i)=−24i
3
⑶ b−b =(1+2i)−
(1−2i)=4i,b b =
(1+2i)
(1−2i)=1+4=5 より
b−b
1
1
4
=− i
− =−
b b
5
bb
⑷ a+2b=
(3−2i)
+2(1+2i)=5+2i より
a+2b =㲋52+22 =㲋29
⑸ ab =(3−2i)
(1−2i)
=−1−8i より
2
ab =㲋(−1)2+
(−8)
=㲋65
(別解) ab 2=
(ab (
)ab )=aab b = a
2
b
2
これと, ab ≧0, a ≧0, b ≧0 より
ab = a b
2
㲋12+22
=㲋32+
(−2)
=㲋65
共役複素数の性質を用いて,効率良く計算しよう。
類題 3
e
l
p
m
a
S
a=3+4i,b=−2−3i とするとき,次の式の値を求めよ。
よ。
2
(a)
⑴ a2+
2
⑵ a2−
(a)
⑶ 1 1
−
b b
⑸ ab
⑷ 3a+2b
例題 4
㲋 3 +3i とするとき,3点
a=3+i,b=3+5i,c=3−2
3+5
とするとき 3点 A(a)
),B
(b),C(c)を頂点
を頂点とする三角形 ABC はどの
角形
ような三角形か。
b−a = 4i
A
4i =44
解答 AB=
BC c−b = −2
−2㲋 3 −2i
BC=
=㲋(−2㲋 3 )2+
(−2)2 =4
a−c = 2㲋 3 −2i
CA= a
2
2
=㲋
(2㲋 3 )
(2
+
(−2)
−2)
=4
B=BC
よって,AB=BC=CA
が成り立つから,三角形 ABC は正三角形である。
複素数平面において,2点 a,b 間の距離は b−a で求められる。
類題 4
a=−1+2i,b=3−i,c=2+6i とするとき,3点 A(a),B(b)
,C(c)を頂点とする三角形 ABC はどのような三角
形か。
4
a=1+i
とするとき,点 a,a2,a3,a4 を複素数平面上に記せ。
1
a=2+3i
とするとき,次の点を表す複素数を求めよ。
2
例題 1
例題 1
⑴ 虚軸に関して点 a と対称な点
⑵ 点 a を実軸の方向に3,虚軸の方向に −6 だけ平行移動した点
>
>
⑶ 原点をO,点 a をAとしたとき,OB=3 OA で定まる点B
a=a−3i,b=2+bi,c=8b+12i とする。4点 0,a,b,c が一直線上にあるとき,実数
き,実 a,b の値を求めよ。
3
例題 2
a=3−4i,b=1+i とするとき,次の式の値を求めよ。
めよ。
4
例題 3
⑴ a +
(a)
3
⑵ ⑶ 3
b
b
+
a+1 a+1
a−b
a+b
S
m
a
e
l
p
2
(z+2)
zが虚数,
数
が実数であるとき,
の値を求めよ。
実数であるとき,
実数であるとき
, z の値を求
5
z
問いに答
6 z =1, z−i =11 のとき,次の問いに答えよ。
⑴ z−z,z2+
1
の値をそれぞれ求めよ。
値をそれぞれ
z2
⑵ aを実数とするとき, z−ai の最小値を求めよ。
3点
A(7−3i)
,B(−1−7i)
,C(−5+i)
から等距離にある点を表す複素数を求めよ。
7
例題 4
A
8 (3+5i),B(4+2i)とする。点Pが虚軸上,点Qが実軸上をそれぞれ動くとき,線分の長さの和 AP+PQ+QB
の最小値を求めよ。
例題 4
5
入 試 問 題 演 習
1
1
z =㲋 5 ,z+z=2 であるような複素数zを求めよ。
〈小樽商科大〉
複素数 z=−1+i に対して,集合
2
S={a0+a1z+a2 z2 a0,a1,a2 は0または1}
を考える。Sの中で絶対値が最大の複素数を求めよ。
〈横浜市立大〉
a,b を実数,3次方程式 x3+ax2+bx+1=0 が虚数解 a をもつとする。このとき,次の問いに答えよ。
き,次の
3
〈防衛医大・改〉
b ,および係数
3つめ
⑴ a の共役複素数 a もこの方程式の解になることを示せ。また,3つめの解
び係 a,b を a,a を用
いて表せ。
e
l
p
b の値
⑵ a の実部が3, a の絶対値が4であるとき,b,a,b
の値を求めよ。
m
a
数)を
複素数 z=x+yi(x,y は実数)
を,z+
4
2
S
1
値を求
が実数となるように動かすとき,x
実数となるように動かすとき
なるように動かすと ,x2y+4y3 の最大値を求めよ。
z
〈東京医科歯科大〉
複素数平面上を動く点Pは,原点Oを出発して,硬貨を1回投げるごとに,次の規則に従って移動する。
を動
原点O
して
1
1
が出た 1+i だけ移動する。”
“表が出たら,1だけ移動し,裏が出たら
後P
点に対
硬貨をn回投げた後Pが移る点に対応する複素数を
zn とするとき,次の問いに答えよ。
〈杏林大〉
⑴ 硬貨を3回投げた後,z
後 z3=
=3 となる確率を求めよ。
⑵ 硬貨を5回投げた後,z5=5+2i となる確率を求めよ。
⑶ 硬貨を7回投げた後, z7−7 ≦5 となる確率を求めよ。
複素数zに関する等式
z+i + z−i =2㲋 2 ……① について,次の問いに答えよ。
2
⑴ zが①を満たすとき,z も①を満たすことを示せ。
⑵ z=x+yi(x,y は実数)が①を満たすとき,w=㲋 2 x+yi は w =㲋 2 を満たすことを示せ。
6
〈静岡大〉