横浜国立大学 出願特許概要シート(出願公開後) 非晶質が非常に尐ない微細なゼオライトを製造する方法 技術名 発明の名称 微細ゼオライトの製法 出願番号 特願2010-118304 公開番号 発明者 脇原 徹、多々見 純一、市川 竜麻、米屋 勝利 特開2011-246292 整理番号: YNU09073 分類 C01B 39/46 特許番号 技術概要 本発明は、微細なゼオライトを製造する方法に関し、より詳細には、粉砕法により得られる微細なゼオライト結晶に不可 避的に生じる非晶質が無い、又は非常に尐ない微細なゼオライトを製造する方法に関する。 解決すべき技術課題 ゼオライトは、微細な空孔の作用により、分子ふるい、イオン交換材、吸着材、触媒などとして有用であり、微細化するこ とにより特性が向上する傾向にある。しかし、ゼオライトを粉砕して粒径が0.5μ m以下の微細なゼオライト結晶を製造 しようとすると、非晶質化し、結晶性が低下して、ゼオライト本来の性能を発揮できなくなる。本発明は、非晶質の無い又 は非常に尐ない微細なゼオライト結晶を製造する方法を提供する。 どのように解決したか ゼオライトの粉砕などにより得られる粒径が0.5μ m以下の微細なゼオライトを、特定組成のアルミノシリケート溶液中 に分散させ、再結晶化させることにより、非晶質の無い又は非常に尐ない微細なゼオライトを製造することができる。 すなわち本発明は、ゼオライト(出発物質)を、下記組成 AM2O/BAl2O3/CSiO2/DH2O (式中、MはK又はNaを表し、A/Dが0.00035~0.02000、B/Dが0.000003~0.000250、C/Dが0.00 01~0.0160である。)のアルミノシリケート溶液に分散させ、再結晶化させることから成る平均粒径が0.01~0.5 μ mの上記組成式で表わされる微細ゼオライトの製法である。この処理により、非晶質部が溶液に溶解し、溶解したゼ オライトが残ったゼオライト結晶上に再結晶すると考えられる。 効果 ゼオライトの粉砕などにより得られる粒径が0.5μ m以下の微細なゼオライトを、特定組成のアルミノシリケート溶液中 に分散させ、再結晶化させることにより、非晶質の無い又は非常に尐ない微細なゼオライトを製造することができる。そ の結果、触媒やイオン交換材、吸着材等として高性能の微細ゼオライトが得られる。 優位性・特徴技術 ゼオライト結晶のイオン交換材、吸着材、触媒等の機能は、空孔内拡散が律速となるので微細化が求められる。粒径1 00nm以下の微細ゼオライトを得る方法としては、テンプレートを用い核発生・結晶成長を制御する方法(いわゆるボト ムアップ法)があるが、コストがかかる難点がある。 本発明は、採掘した鉱石を微粉砕するという大量生産に適した方法を基本とし、その方法の持つ非晶質化の問題を解 消したものであり、コスト的にも工業化に適している。 代表図 実施例1で粉砕された ゼオライト及びAS処理 後のゼオライトのX線 回折スペクトルを示す 図 【本件問い合わせ先】 横浜国立大学産学連携推進本部 産学連携課知的財産係 TEL045-339-4450/FAX045-339-3057
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