特許シーズ集 - 鹿児島県工業技術センター

藍植物からの藍染め法 (特許第4660640号)
い
ち
お
し
概
要
本発明は,簡便な方法で藍植物から赤紫の
色素を生成,染色する特許です。草木染め
としては,比較的堅牢度が良い染色です。
絹製品の染色に使えます。
リュウキュウアイ,生葉,
インジルビン,赤紫,
染色
キ
ー
ワ
ー
ド
本発明は,リュウキュウアイなどの藍植物の生葉を-20℃で冷凍処理したのち沸騰
水で処理することにより赤紫色の色素を抽出する方法と,その色素を使い絹糸など
を染色する方法を提供するものです。従来藍染めの原料として利用されてきた藍植
物から簡単な操作で赤紫色色素を抽出することが出来ます。また,絹糸を淡い赤紫
色に染色することができます。各種染色堅牢度は草木染めとして良好な値を示しま
す。
【技術分野】
本発明は,藍植物の生葉から赤紫色の色素を抽出する方法と,
その色素を使い絹糸などを染色する方法に関するものです。
藍植物の生葉
【課題】
藍植物から抽出される藍の色素(インジゴ)に赤紫色の色素が
含有されていることは以前よりわかっていましたが,安全で簡
単な方法で赤紫色の色素を抽出し染色する方法はありませんで
した。
【解決手段】
藍植物の生葉を-20℃で冷凍し,1~2週間冷凍した後,凍った
ままの葉を熱湯に入れて,そのまま加熱を続けると赤紫色の色
素が抽出されます。図1に工程を示します。抽出された色素を
用いて絹糸を建染めで染色し,冷凍期間による色の変化を図2
に示します。冷凍期間により,色合いと色の濃さが変化するこ
とがわかります。約2週間の冷凍処理で赤紫色の色素がより多
く抽出されました。
染色した絹糸の堅牢度測定結果を表1に示します。良好な堅牢
度であることがわかります。そのときの絹糸を図3に示します。
表1
図2 抽出される色素の冷凍期間による変化
鹿児島県工業技術センター
冷
凍
1~2週間
熱湯による抽出
赤紫色の色素
染
色
染色物
図1 工程図
各種染色堅ろう度
洗濯(変退色)
摩擦
耐光
4-5級
5級
4級
図3 染色した絹糸
担当者:食品・化学部 向吉郁朗