公表特許公報 特表2015

(19)日本国特許庁(JP)
〔実 44 頁〕
公表特許公報(A)
(12)
(11)特許出願公表番号
特表2015-527065
(P2015−527065A)
(43)公表日 平成27年9月17日(2015.9.17)
(51)Int.Cl.
FI
テーマコード(参考)
C12N 15/09
(2006.01)
C12N
15/00
A
2B150
C12N
9/42
(2006.01)
C12N
9/42
ZNA 4B017
C12N
1/15
(2006.01)
C12N
1/15
4B023
C12N
1/19
(2006.01)
C12N
1/19
4B024
C12N
1/21
(2006.01)
C12N
1/21
審査請求 有
予備審査請求
4B032
未請求 (全70頁) 最終頁に続く
(21)出願番号
特願2015-524590(P2015-524590)
(71)出願人 513207806
(86)(22)出願日
平成24年8月3日(2012.8.3)
デュポン
ニュートリション
(85)翻訳文提出日
平成27年4月3日(2015.4.3)
エンシス
エーピーエス
(86)国際出願番号
PCT/CN2012/079653
デンマーク、コペンハーゲン
(87)国際公開番号
WO2014/019219
ーケー−1001、ピー.オー.ボックス
(87)国際公開日
平成26年2月6日(2014.2.6)
17、ランゲブロゲイド
バイオサイ
ケー
ディ
1
(74)代理人 100071010
弁理士
山崎 行造
(74)代理人 100118647
弁理士
赤松 利昭
(74)代理人 100138438
弁理士
尾首 亘聰
(74)代理人 100138519
弁理士
奥谷 雅子
最終頁に続く
(54)【発明の名称】酵素
(57)【 要 約 】
本発明は、食品製品、飼料製品、又はモルト飲料製品の製造、例えば醸造工程、に使用
するのに適した、改良された性質を有する新規な酵素、及び当該酵素を含む組成物に関す
る。
( 2 )
JP
1
2015-527065
A
2015.9.17
2
【特許請求の範囲】
、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸
【請求項1】
置換を有する、又はその任意の機能性断片である、請求
エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素であって、
項1∼7のいずれか一項に記載の酵素。
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
【請求項9】
号5、配列番号6、配列番号17、配列番号18、配列番号19
配列番号1∼25のいずれか1つによって同定されるアミ
、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、
ノ酸配列、又はその任意の機能性断片を含む、請求項1
配列番号24、及び配列番号25から選択されるいずれか1
∼8のいずれか一項に記載の酵素。
つと少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又
【請求項10】
はその任意の機能性断片を含む酵素。
【請求項2】
配列番号1∼25のいずれか1つによって同定されるアミ
10
ノ酸配列、又はその任意の機能性断片からなる、請求項
不溶性アラビノキシラン基質(WU−AX)アラビノキ
1又は3のいずれか一項に記載の酵素。
シラン基質への活性に対する可溶性アラビノキシラン基
【請求項11】
質(WE−AX)への活性の比率が、約7.0未満、例
請求項1∼10のいずれか一項に記載の酵素をコードす
えば約6.5未満、例えば約6.0未満、例えば約5.
るDNA配列を含むDNA構築物。
5未満、例えば約5.0未満、例えば約4.5未満であ
【請求項12】
る、請求項1に記載の酵素。
請求項11に記載のDNA構築物を含む組み換え発現ベ
【請求項3】
クター。
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素であっ
【請求項13】
て、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、
請求項11に記載のDNA構築物又は請求項12に記載
配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配 20
のベクターで形質転換された細胞。
列番号15、及び配列番号16から選択されるいずれか1つ
【請求項14】
と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又は
請求項1∼10のいずれか一項に記載の酵素、請求項1
その機能性断片を含む酵素。
1に記載のDNA構築物、請求項12に記載のベクター
【請求項4】
、又は請求項13に記載の細胞を含む調製物。
40∼70℃の範囲、例えば45∼65℃の範囲、例え
【請求項15】
ば50∼65℃の範囲、例えば55∼65℃の範囲の至
請求項1、2、及び4∼10のいずれか一項に記載のエ
適温度を有する、請求項1∼3のいずれか一項に記載の
ンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素を、任意の1
酵素。
種以上のβ-グルカナーゼと組み合わせて含む組成物。
【請求項5】
【請求項16】
配列番号1∼25から選択されるいずれか1つのアミノ酸
30
前記1種以上のβ-グルカナーゼが請求項3∼10のい
配列と少なくとも81、82、83、84、85、86
ずれか一項に記載のエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活
、87、88、89、90、91、92、93、94、
性を示す酵素である、請求項15に記載の組成物。
95、96、97、98、又は99%の同一性を有する
【請求項17】
、又はその任意の機能性断片である、請求項1∼4のい
請求項3∼10のいずれか一項に記載のエンド-1,3(4)-
ずれか一項に記載の酵素。
β-グルカナーゼ活性を示す酵素を、任意の1種以上の
【請求項6】
キシラナーゼと組み合わせて含む組成物。
アミノ酸総数が、350未満、例えば340未満、例え
【請求項18】
ば330未満、例えば320未満、例えば310未満、
前記1種以上のキシラナーゼが請求項1、2、及び4∼
例えば300未満のアミノ酸、例えば200∼350の
10のいずれか一項に記載のエンド-1,4-β-キシラナー
範囲、例えば220∼345の範囲のアミノ酸である、 40
ゼ活性を示す酵素である、請求項17に記載の組成物。
請求項1∼5のいずれか一項に記載の酵素。
【請求項19】
【請求項7】
前記エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性及び前記エン
前記酵素のアミノ酸配列が、配列番号1∼25から選択さ
ド-1,4-β-キシラナーゼ活性が、少なくとも2種の異な
れるいずれか1つのアミノ酸配列と比較して少なくとも
る酵素、例えば2つの異なる種(species)からの少な
1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のア
くとも2種の異なる酵素に由来する、請求項15∼18
ミノ酸置換を有する、又はその任意の機能性断片である
のいずれか一項に記載の組成物。
、請求項1∼6のいずれか一項に記載の酵素。
【請求項20】
【請求項8】
少なくとも2種の酵素の組み合わせを含む請求項15∼
前記酵素のアミノ酸配列は、配列番号1∼25から選択さ
19のいずれか一項に記載の組成物であって、前記2種
れるいずれか1つのアミノ酸配列と比較して最大1、2 50
の酵素が、次の配列からなるリストから選択されるそれ
( 3 )
JP
2015-527065
3
4
ぞれの配列番号と少なくとも80%の配列同一性を有す
配列番号3及び配列番号10、
るアミノ酸配列を有する2種の酵素、又はその任意の機
配列番号4及び配列番号10、
能性断片である、組成物。
配列番号5及び配列番号10、
配列番号1及び配列番号7、
配列番号6及び配列番号10、
配列番号2及び配列番号7、
配列番号17及び配列番号10、
配列番号3及び配列番号7、
配列番号18及び配列番号10、
配列番号4及び配列番号7、
配列番号19及び配列番号10、
配列番号5及び配列番号7、
配列番号20及び配列番号10、
配列番号6及び配列番号7、
配列番号17及び配列番号7、
配列番号21及び配列番号10、
10
配列番号22及び配列番号10、
配列番号18及び配列番号7、
配列番号23及び配列番号10、
配列番号19及び配列番号7、
配列番号24及び配列番号10、
配列番号20及び配列番号7、
配列番号25及び配列番号10、
配列番号21及び配列番号7、
配列番号1及び配列番号11、
配列番号22及び配列番号7、
配列番号2及び配列番号11、
配列番号23及び配列番号7、
配列番号3及び配列番号11、
配列番号24及び配列番号7、
配列番号4及び配列番号11、
配列番号25及び配列番号7、
配列番号5及び配列番号11、
配列番号1及び配列番号8、
配列番号6及び配列番号11、
配列番号2及び配列番号8、
20
配列番号17及び配列番号11、
配列番号3及び配列番号8、
配列番号18及び配列番号11、
配列番号4及び配列番号8、
配列番号19及び配列番号11、
配列番号5及び配列番号8、
配列番号20及び配列番号11、
配列番号6及び配列番号8、
配列番号21及び配列番号11、
配列番号17及び配列番号8、
配列番号22及び配列番号11、
配列番号18及び配列番号8、
配列番号23及び配列番号11、
配列番号19及び配列番号8、
配列番号24及び配列番号11、
配列番号20及び配列番号8、
配列番号25及び配列番号11、
配列番号21及び配列番号8、
配列番号1及び配列番号12、
配列番号22及び配列番号8、
30
配列番号2及び配列番号12、
配列番号23及び配列番号8、
配列番号3及び配列番号12、
配列番号24及び配列番号8、
配列番号4及び配列番号12、
配列番号25及び配列番号8、
配列番号5及び配列番号12、
配列番号1及び配列番号9、
配列番号6及び配列番号12、
配列番号2及び配列番号9、
配列番号17及び配列番号12、
配列番号3及び配列番号9、
配列番号18及び配列番号12、
配列番号4及び配列番号9、
配列番号19及び配列番号12、
配列番号5及び配列番号9、
配列番号20及び配列番号12、
配列番号6及び配列番号9、
配列番号17及び配列番号9、
配列番号21及び配列番号12、
40
配列番号22及び配列番号12、
配列番号18及び配列番号9、
配列番号23及び配列番号12、
配列番号19及び配列番号9、
配列番号24及び配列番号12、
配列番号20及び配列番号9、
配列番号25及び配列番号12、
配列番号21及び配列番号9、
配列番号1及び配列番号13、
配列番号22及び配列番号9、
配列番号2及び配列番号13、
配列番号23及び配列番号9、
配列番号3及び配列番号13、
配列番号24及び配列番号9、
配列番号4及び配列番号13、
配列番号25及び配列番号9、
配列番号5及び配列番号13、
配列番号1及び配列番号10、
配列番号6及び配列番号13、
配列番号2及び配列番号10、
50
配列番号17及び配列番号13、
A
2015.9.17
( 4 )
JP
5
2015-527065
A
2015.9.17
6
配列番号18及び配列番号13、
配列番号23及び配列番号16、
配列番号19及び配列番号13、
配列番号24及び配列番号16、並びに
配列番号20及び配列番号13、
配列番号25及び配列番号16
配列番号21及び配列番号13、
【請求項21】
配列番号22及び配列番号13、
醸造用途においてロイターリングの前に用いる場合、増
配列番号23及び配列番号13、
加する総圧力が、470mmWC未満、例えば450m
配列番号24及び配列番号13、
mWC未満、例えば430mmWC未満、例えば410
配列番号25及び配列番号13、
mmWC未満、例えば390mmWC未満、例えば37
配列番号1及び配列番号14、
配列番号2及び配列番号14、
0mmWC未満、例えば350mmWC未満、例えば3
10
30mmWC未満、例えば310mmWC未満、例えば
配列番号3及び配列番号14、
300mmWC未満、例えば290mmWC未満の値に
配列番号4及び配列番号14、
軽減する、請求項15∼20のいずれか一項に記載の組
配列番号5及び配列番号14、
成物。
配列番号6及び配列番号14、
【請求項22】
配列番号17及び配列番号14、
醸造用途においてロイターリングの前に用いる場合、増
配列番号18及び配列番号14、
加する総圧力が、前記組成物を含まない陰性対照を用い
配列番号19及び配列番号14、
た場合と比較して、少なくとも5、7、9、11、13
配列番号20及び配列番号14、
、15、17、19、21、23、25、27、29、
配列番号21及び配列番号14、
31、33、35、37、39、41、43、45、4
配列番号22及び配列番号14、
20
7、49、51、53、55、57、59、61、63
配列番号23及び配列番号14、
、65、67、69、71、73、75、77、79、
配列番号24及び配列番号14、
81、83、85、87、89、91、93又は95%
配列番号25及び配列番号14、
軽減する、請求項15∼21のいずれか一項に記載の組
配列番号1及び配列番号15、
成物。
配列番号2及び配列番号15、
【請求項23】
配列番号3及び配列番号15、
醸造用途においてウォルトの分離の前に用いる場合、5
配列番号4及び配列番号15、
分間のろ過の後に回収したウォルトの体積によって測定
配列番号5及び配列番号15、
するウォルトのろ過性は、酵素を含まない対照に対して
配列番号6及び配列番号15、
、1.5倍を超えて、例えば1.6倍を超えて、例えば
配列番号17及び配列番号15、
30
1.7倍を超えて、例えば1.8倍を超えて、例えば1
配列番号18及び配列番号15、
.9倍を超えて、例えば2.0倍を超えて、例えば2.
配列番号19及び配列番号15、
1倍を超えて、例えば2.2倍を超えて、例えば2.3
配列番号20及び配列番号15、
倍を超えて、例えば2.4倍を超えて、例えば2.5倍
配列番号21及び配列番号15、
を超えて増加する、請求項15∼22のいずれか一項に
配列番号22及び配列番号15、
記載の組成物。
配列番号23及び配列番号15、
【請求項24】
配列番号24及び配列番号15、
醸造用途においてウォルトの分離の前に用いる場合、5
配列番号25及び配列番号15、
分間のろ過の後に回収したウォルトの体積によって測定
配列番号1及び配列番号16、
配列番号2及び配列番号16、
するウォルトのろ過性は、前記組成物を含まない陰性対
40
照を用いた場合と比較して、少なくとも5、7、9、1
配列番号3及び配列番号16、
1、13、15、17、19、21、23、25、27
配列番号4及び配列番号16、
、29、31、33、35、37、39、41、43、
配列番号5及び配列番号16、
45、47、49、51、53、55、57、59、6
配列番号6及び配列番号16、
1、63、65、67、69、71、73、75、77
配列番号17及び配列番号16、
、79、81、83、85、87、89、91、93、
配列番号18及び配列番号16、
95、97、99、110、120、130、140、
配列番号19及び配列番号16、
150、160、170、180、190、200、2
配列番号20及び配列番号16、
10、220、230、240、250、260、27
配列番号21及び配列番号16、
0、280、290、又は300%増加する、請求項1
配列番号22及び配列番号16、
50
5∼23のいずれか一項に記載の組成物。
( 5 )
JP
7
2015-527065
A
2015.9.17
8
【請求項25】
デンプン含有原料のろ過性を変更する方法であって、請
任意の1種以上の更なる酵素を含む、請求項15∼24
求項1∼10のいずれか一項に記載の酵素、請求項14
のいずれか一項に記載の組成物。
に記載の調製物、又は請求項15∼26のいずれか一項
【請求項26】
に記載の組成物で前記デンプン含有原料を処理する工程
前記1種以上の更なる酵素が、EC 3.2.1.32、EC 3.2.1.
を含む方法。
136、又はEC 3.2.1.156に分類されるキシラナーゼ、セ
【請求項36】
ルラーゼ、ラミナリナーゼ、エンド-1,5-α-L-アラビナ
醸造工程においてロイターリング中に増加する圧力を軽
ナーゼ、β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ、β-キシ
減する方法であって、請求項1∼10のいずれか一項に
ロシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、グルカン1,4-β-
記載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は請求項1
グルコシダーゼ、キシログルカン特異的エキソ-β-1,4- 10
5∼26のいずれか一項に記載の組成物で醸造用マッシ
グルカナーゼ及びα-N-アラビノフラノシダーゼからな
ュを処理する工程を含む方法。
るリストから選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項37】
【請求項27】
食品製品、飼料製品、又は、アルコール飲料若しくはノ
食品製品、飼料製品、又はモルト飲料製品の製造におけ
ンアルコール飲料や、ビール若しくはウイスキーのよう
る、請求項1∼10のいずれか一項に記載の酵素、請求
な穀物使用飲料若しくはモルト使用飲料等の飲料製品を
項14に記載の調製物、又は請求項15∼26のいずれ
製造する方法であって、請求項1∼10のいずれか一項
か一項に記載の組成物の使用。
に記載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は請求項
【請求項28】
15∼26のいずれか一項に記載の組成物でデンプン含
ドウ製品又はベークド製品の製造における、請求項1∼
有原料を処理する工程を含む方法。
10のいずれか一項に記載の酵素、請求項14に記載の 20
【請求項38】
調製物、又は請求項15∼26のいずれか一項に記載の
醸造用マッシュを製造する方法であって、請求項1∼1
組成物の使用。
0のいずれか一項に記載の酵素、請求項14に記載の調
【請求項29】
製物、又は請求項15∼26のいずれか一項に記載の組
パルプ又は紙の調製における、請求項1∼10のいずれ
成物でデンプン含有原料を処理する工程を含む方法。
か一項に記載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は
【請求項39】
請求項15∼26のいずれか一項に記載の組成物の使用
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代のバイオ燃
。
料を製造する方法であって、請求項1∼10のいずれか
【請求項30】
一項に記載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は請
穀物成分の調製のための、請求項1∼10のいずれか一
求項15∼26のいずれか一項に記載の組成物でデンプ
項に記載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は請求 30
ン含有原料を処理する工程を含む方法。
項15∼26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項40】
【請求項31】
請求項38又は39に記載の方法によって得られた製品
前記穀物がライ麦、小麦、又は大麦である、請求項29
。
に記載の使用。
【請求項41】
【請求項32】
請求項40に記載の製品を含む組成物であって、前記製
ビールの製造又は醸造工程からの副産物の改変における
品が0.1%∼99.9%の範囲で含まれるような組成
、請求項1∼10のいずれか一項に記載の酵素、請求項
物。
14に記載の調製物、又は請求項15∼26のいずれか
【発明の詳細な説明】
一項に記載の組成物の使用。
【請求項33】
【技術分野】
40
【0001】
ワイン又はジュースの製造における、請求項1∼10の
本発明は、食品、飲料(ビール等)、飼料、又はバイオ
いずれか一項に記載の酵素、請求項14に記載の調製物
燃料の製造における使用(例えば、醸造工程における使
、又は請求項15∼26のいずれか一項に記載の組成物
用)に適した改良された性質を有する酵素、及び、当該
の使用。
酵素を含む組成物に関する。
【請求項34】
【背景技術】
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代のバイオ燃
【0002】
料の製造における、請求項1∼10のいずれか一項に記
ビール製造における酵素の使用はよく知られている。マ
載の酵素、請求項14に記載の調製物、又は請求項15
ッシュのろ過性の改善及びエキス収率の向上のために糖
∼26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
化(マッシング)工程に酵素を適用することは、国際公
【請求項35】
50
開公報WO97/42302に記載されている。
( 6 )
JP
9
2015-527065
A
2015.9.17
10
【0003】
本明細書において、「機能性断片」とは、酵素の切断体
国際公開公報WO2005/118769及びWO2005/059084は、ビー
であって、非切断の基準酵素と実質的に同じ程度の酵素
ル製造工程における糖化及びろ過工程に関し、また、当
活性又は非切断の基準酵素の少なくともかなりの程度の
該工程における酵素組成物の使用に関するものである。
酵素活性を有する酵素切断体をさす。
【0004】
【0010】
国際公開公報WO99/57325は、ペニシリウム・フニクロス
第二の側面において、本発明は、
ム(Penicillium funiculosum)の菌株、当該菌株から
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素であっ
得られる新規酵素混合物、及びそれらに対する核酸配列
て、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、
に関するものである。
【0005】
配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配
10
列番号15、及び配列番号16から選択されるいずれか1つ
しかし、食品製品及び飲料製品の製造(例えば、ビール
と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又は
又はウイスキー等のアルコール飲料の製造における糖化
その機能性断片を含む酵素
工程、蒸煮工程、及びろ過工程)において有用な改良さ
に関する。
れた酵素及び酵素の組み合わせについては、更に必要と
【0011】
されている。
第三の側面において、本発明は、
【発明の概要】
本発明の酵素をコードするDNA配列を含むDNA構築
【発明が解決しようとする課題】
物
【0006】
に関する。
本発明の課題の一つは、食品製品及び飲料製品の製造(
【0012】
例えば、アルコール飲料又はノンアルコール飲料の製造 20
更に別の側面において、本発明は、
や、ビール又はウイスキーのような穀物使用飲料又はモ
本発明の酵素をコードするDNA配列を含むDNA構築
ルト使用飲料の製造)に適した酵素を提供することにあ
物を含む組み換え発現ベクター
る。本発明によって提供される酵素は、醸造における使
に関する。
用に関して改良された性質を有してもよい。この多種多
【0013】
様な改良された性質には、例えば、温度最適性の改良、
更に別の側面において、本発明は、
不溶性アラビノキシラン基質(WU−AX)への活性に
本発明の酵素をコードするDNA配列を含むDNA構築
対する可溶性アラビノキシラン基質(WE−AX)への
物で形質転換された細胞
活性の比率の改良、醸造工程のロイターリング(ロイタ
に関する。
ー式ろ過)及び/又はろ過の工程中に増加する総圧力(
【0014】
合計圧力)の軽減(減少)、及び酵素処理した原料のろ 30
更に別の側面において、本発明は、
過性の向上等が含まれる。
本発明の酵素、本発明のDNA構築物、本発明のベクタ
【課題を解決するための手段】
ー、又は本発明の細胞を含む調製物
【0007】
に関する。
本発明者らは、1種以上の酵素及び酵素の特定の組み合
【0015】
わせが、公知の酵素や公知の酵素を組み合わせた場合の
更に別の側面において、本発明は、
性質を改良すること、特に、デンプン含有原料が1種以
本発明のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素を
上の酵素で処理されて醸造用マッシュが製造される醸造
、任意の1種以上のβ-グルカナーゼと組み合わせて含
工程における酵素の使用に関して酵素の性質を改良する
む組成物
ことを発見した。
【0008】
に関する。
40
【0016】
すなわち、第一の側面において、本発明は、
更に別の側面において、本発明は、
エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素であって、
本発明のエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
素を、任意の1種以上のキシラナーゼと組み合わせて含
号5、配列番号6、配列番号17、配列番号18、配列番号19
む組成物
、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、
に関する。
配列番号24、及び配列番号25から選択されるいずれか1
【0017】
つと少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又
更に別の側面において、本発明は、
はその任意の機能性断片を含む酵素
食品製品、飼料製品、又はビール若しくはウイスキー等
に関する。
のモルト飲料製品の製造における、本発明の酵素、本発
【0009】
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明の調製物、又は本発明の組成物の使用
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に関する。
ンアルコール飲料や、ビール若しくはウイスキーのよう
【0018】
な穀物使用飲料若しくはモルト使用飲料等の飲料製品を
更に別の側面において、本発明は、
製造する方法であって、本発明の酵素、調製物、又は組
ドウ製品又はベークド製品の製造における、本発明の酵
成物でデンプン含有原料を処理する工程を含む方法
素、本発明の調製物、又は本発明の組成物の使用
に関する。
に関する。
【0027】
【0019】
更に別の側面において、本発明は、
更に別の側面において、本発明は、
醸造用マッシュを製造する方法であって、本発明の酵素
パルプ又は紙の調製における、本発明の酵素、本発明の
調製物、又は本発明の組成物の使用
、調製物、又は組成物でデンプン含有原料を処理する工
10
程を含む方法
に関する。
に関する。
【0020】
【0028】
更に別の側面において、本発明は、
更に別の側面において、本発明は、
穀物成分の調製のための、本発明の酵素、本発明の調製
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代のバイオ燃
物、又は本発明の組成物の使用
料を製造する方法であって、本発明の酵素、調製物、又
に関する。いくつかの実施形態においては、穀物は、ラ
は組成物でデンプン含有原料を処理する工程を含む方法
イ麦、小麦、又は大麦である。
に関する。
【0021】
【0029】
更に別の側面において、本発明は、
更に別の側面において、本発明は、
ビールの製造又は醸造工程からの副産物の改変における 20
本発明の方法によって得られた製品
、本発明の酵素、本発明の調製物、又は本発明の組成物
に関する。
の使用
【0030】
に関する。
更に別の側面において、本発明は、
【0022】
本発明の方法によって得られた製品を含む組成物であっ
更に別の側面において、本発明は、
て、前記製品が0.1%∼99.9%の範囲で含まれる
ワイン又はジュースの製造における、本発明の酵素、本
ような組成物
発明の調製物、又は本発明の組成物の使用
に関する。
に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【0031】
更に別の側面において、本発明は、
30
【図1】ラボスケール醸造及びパイロットスケール醸造
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代のバイオ燃
において使用する糖化プロファイル。10分間のマッシ
料の製造における、本発明の酵素、本発明の調製物、又
ングイン(マッシュ投入)期間によって糖化を開始し、
は本発明の組成物の使用
その期間の後に酵素を添加した。
に関する。
【図2】グルカナーゼ及びキシラナーゼのスクリーニン
【0024】
グを確認するパイロット規模醸造の適用結果。アスペル
更に別の側面において、本発明は、
ギルス
デンプン含有原料のろ過性を変更する方法であって、本
わせたバチルス
発明の酵素、調製物、又は組成物で前記デンプン含有原
、ブランク及びUltraFlo maxを対照として試験した。収
料を処理する工程を含む方法
に関する。
ツビゲンシス(A. tub)キシラナーゼと組み合
スブチリス(B. sub)グルカナーゼを
集したデータは、平均流量(L/h)、ロイターリングの
40
工程中に増加した総圧力(mmWC、ここで1mmWC=9.80665P
【0025】
a)、及びロイターリングの工程中に記録した最大圧力
更に別の側面において、本発明は、
(mmWC)である。
醸造用途においてロイターリング(ロイター式ろ過)中
【図3】醸造におけるキシラナーゼの機能。
に増加する圧力を軽減する(減少させる)方法であって
【図4】流量−種々のキシラナーゼの候補を適用したロ
、本発明の酵素、調製物、又は組成物で醸造用マッシュ
イターリング。
を処理する工程を含む方法
【図5】ビールろ過−繰り返し行ったろ過の平均。
に関する。
【図6】ビールろ過−繰り返し行ったろ過の平均。
【0026】
【図7】実施例3の糖化工程図。
更に別の側面において、本発明は、
【発明の詳細な説明】
食品製品、飼料製品、又は、アルコール飲料若しくはノ 50
【0032】
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ビールとは、大麦穀物由来の麦芽等のモルト、必要に応
6-結合のいずれかによって(前者の結合が多い)結合し
じてデンプン含有植物原料(例えば、穀物)等の付加原
たグルコースのホモポリマーからなる。
料、及び必要に応じて香料(例えば、ホップ等)に由来
【0039】
するアルコール飲料のことを、伝統的にビールと呼んで
ビール等の発酵飲料を製造する工程は、一般に醸造と呼
いる。
ばれる。これらの飲料の製造において使用される伝統的
【0033】
な原料は、水、ホップ、及びモルト(麦芽)である。モ
本発明に関しては、用語「ビール」は、デンプン含有植
ルトに加えて、又はモルトに替えて、普通のコーングリ
物原料の発酵/醸造によって製造される全てのウォルト
ッツ、精製したコーングリッツ、粉砕した醸造酵母、米
(麦汁)発酵物を含むことを意味する。従って、又、特
、ソルガム、精製したコーンスターチ、大麦、大麦スタ
に、ビールは、もっぱら付加原料から製造されてもよい 10
ーチ、脱穀大麦、小麦、小麦スターチ、乾燥した穀物、
し、モルトと付加原料の組み合わせから製造されてもよ
穀物フレーク、ライ麦、オート麦、ジャガイモ、タピオ
い。
カ、及びシロップ(コーンシロップ、サトウキビシロッ
【0034】
プ、転化糖シロップ、大麦及び/又は小麦シロップ)等
本発明に関しては、用語「発酵」は、培養物中で微生物
の付加原料を、デンプン供給源として用いてもよい。デ
を生育させることによるエタノール等の物質の生産を意
ンプンは、酵素によって、最終的に発酵性糖に変換され
味する。一般に、酵母等の微生物が発酵に使用される。
る。
【0035】
【0040】
本明細書において、用語「モルト」は、モルトにした大
主としてモルトから製造されるビール(例えば、付加原
麦等、任意のモルトにした穀物を意味する。「付加原料
料は15∼20%までである)に関しては、種々の理由
」は、モルト又は大麦麦芽以外の全てのデンプン含有植 20
により、モルト(モルトは、主として、選ばれた品種の
物原料を意味する。
大麦から製造される)は、ビールの全体の性質及び品質
【0036】
に大きな影響を及ぼす。第1に、モルトは、ビールの最
用語「デンプン含有植物原料」は、例えば、大麦、小麦
初の香味料である。第2に、モルトは、発酵性糖の大部
、トウモロコシ、ライ麦、ソルガム、キビ、又は米、及
分を供給する。第3に、モルトはタンパク質を供給し、
びこれらの任意の組み合わせ等の1種以上の穀物であり
このタンパク質はビールのボディー及び泡の性質に関与
得る。デンプン含有植物原料は、例えば、粉砕する、モ
する。第4に、モルトは、糖化の時に必要な酵素活性を
ルトにする、部分的にモルトにする、又はモルトにしな
供給する。
い等の処理を行ってもよい。モルトにしていない穀物も
【0041】
、又、「原料穀物」と呼ぶ。非穀物性のデンプン含有植
ホップも又、香味付を含めて、ビールの品質に重要な影
物原料は、例えば、ジャガイモ及びキャッサバ等の塊茎 30
響を及ぼす。特に、ホップ(又は、ホップ成分)により
植物を含む。
、ビールに望ましい苦味物質が添加される。更に、ホッ
【0037】
プは、タンパク沈殿剤として働き、保存剤並びに泡形成
本明細書において、用語「飲料」及び「飲料製品」は、
及び安定化の補助剤となる。全てのビールが、ホップを
オールモルトビール、ビール純粋例の下で醸造したビー
用いて製造されるわけではない。プロテアーゼ(例えば
ル、エール、ドライビール、ニアビール、ライトビール
、パパイン)等の他の安定化剤も又、使用してもよい。
、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、
【0042】
ボックビール、スタウト、モルトリカー、ノーアルコー
本発明を限定的に解釈するものではないが、伝統的なビ
ルビール、ノーアルコールモルトリカー等の発泡性発酵
ール醸造工程は、次のように説明できる:
飲料を含む。また、用語「飲料」又は「飲料製品」は、
【0043】
非発泡性ビール、及び代替モルト飲料(例えば、フルー 40
ビール製造工程は、当技術分野で周知である。簡単にい
ツの香り(レモン、オレンジ、ライム等の柑橘類の香り
えば、ビール製造工程は、5つの工程を含む:(a)糖
、又はベリーの香り)のモルト飲料)、リカーの香りの
化(マッシング)及び/又は付加原料の蒸煮(クッキン
モルト飲料(例えば、ウォッカ、ラム、又はテキーラの
グ)、(b)ウォルトの分離及び抽出、(c)ウォルト
香りのモルトリカー)、又はコーヒーの香りのモルト飲
の煮沸及びホップ添加(ホッピング)、(d)冷却、発
料(例えば、カフェインの香りのモルトリカー)、等)
酵、及び貯蔵(storage)、(e)熟成(maturation)、加
を含む。
工、及び包装。一般的には、第1工程では、粉砕又は圧
【0038】
砕したモルトを水と混合し、制御された温度の下で一定
ビールは、基本的に同様の工程によって、種々のデンプ
の時間保持して、モルト中の酵素にモルト中のデンプン
ン含有植物原料から製造することができる。デンプンは
を発酵性糖へ変換させる。
、主として、グルコース残基が、α-1,4-結合又はα-1, 50
【0044】
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第2工程では、マッシュをロイタータン(ロイター式ろ
21690-64-2)」を参照してもよい。
過槽)又はマッシュフィルター(マッシュろ過布)へ移
【0052】
し、そこで液体を穀物残渣から分離する。この甘い液体
キシラナーゼは、EC 3.2.1.8、EC 3.2.1.32、EC 3.2.1.
は、ウォルト(麦汁)と呼ばれ、残りの穀物残渣はスペ
136、及びEC 3.2.1.156に分類される。キシラナーゼの
ントグレイン(モルト粕)と呼ばれる。一般的にはマッ
活性は、例えば、本実施例に記載したように測定しても
シュを抽出するが、この抽出においてスペントグレイン
よい。本発明のエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を
(モルト粕)に残っている可溶性エキスを回収するため
示す酵素と組み合わせて用いるための好ましいキシラナ
に、マッシュに水を加える。
ーゼは、EC 3.2.1.8、EC 3.2.1.32、EC 3.2.1.136、及
【0045】
びEC 3.2.1.156に分類されるキシラナーゼ(例えば、国
第3工程では、ウォルトを激しく煮沸する。これにより 10
際公開公報WO2010072226、WO2010072225、WO2010072224
、ウォルトが殺菌され、色、香味、及び香りが増す。煮
、WO2005059084、WO2007056321、WO2008023060A、WO942
沸中のある時点で、ホップを添加する。
1785、WO2006114095、WO2006066582、US2008233175、及
【0046】
びWO10059424に開示されているいずれかの酵素)を含む
第4工程では、ウォルトを冷却して発酵槽へ移す。この
。
発酵槽は、予め酵母が添加されているか、又はウォルト
【0053】
添加後に酵母を添加する。酵母は、発酵によって糖をア
エンド-1,4-β-キシラナーゼは、EC 3.2.1.8に分類され
ルコールと二酸化炭素ガスに変換する。発酵の最後に発
る。この酵素は、キシランの1,4-β-D-キシロシド結合
酵槽を冷却する。又は、発酵を止めるために発酵槽を冷
をエンド加水分解する。
却してもよい。酵母は、凝集し、回収される。
【0054】
【0047】
20
本明細書において、用語「ファミリー11キシラナーゼ
最終工程では、ビールを冷却し、ある期間貯蔵する。こ
」、「グリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリー11
の貯蔵期間中に、ビールは清澄になり、香味が増し、ビ
」、又は単に「GH11キシラナーゼ」は、EC 3.2.1.8
ールの外観、香味、賞味期間に悪影響を及ぼす可能性の
に分類されるエンド-1,4-β-キシラナーゼをさし、これ
ある物質が沈殿する。包装の前に、ビールにカーボネー
は、キシランの1,4-β-D-キシロシド結合をエンド加水
ションを行い、必要に応じて、ビールをろ過及び低温殺
分解し、「B. Henrissat著、"A classification of gly
菌する。
cosyl hydrolases based on amino acid sequence simi
【0048】
larities"、Biochem. J. 280 (1991), pp. 309−316」
発酵後には、通常、約2重量%∼約10重量%のアルコ
に従ってファミリー11キシラナーゼに分類される。
ールを含む飲料が得られる。非発酵性の炭水化物は、発
【0055】
酵中には変換されず、最終ビール中で溶解固形物の大部 30
用語「ファミリー10キシラナーゼ」、「グリコシドヒ
分を形成する。
ドロラーゼ(GH)ファミリー10」、又は単に「GH
【0049】
10キシラナーゼ」は、キシラナーゼ(EC:3.2.1.8)、
この残渣が残るのは、モルトのアミラーゼがデンプンの
エンド-1,3-β-キシラナーゼ(EC:3.2.1.32)、セロビ
α-1,6-結合を加水分解することができないからである
オヒドロラーゼ(EC:3.2.1.91)等のいくつかの公知の
。非発酵性の炭水化物は、ビール12オンス当たり、約
活性を有する酵素を含む。
50カロリーの寄与をする。
【0056】
【0050】
いくつかの実施形態において、エンド-1,4-β-キシラナ
近年、ライトビール、減カロリービール、又は低カロリ
ーゼ活性を示す本発明の酵素は、ファミリー11キシラ
ービールと呼ばれる醸造飲料が、特に米国市場で広く普
ナーゼである。いくつかの実施形態において、エンド-1
及している。米国において定義されているように、これ 40
,4-β-キシラナーゼ活性を示す本発明の酵素は、ファミ
らのビールは、製造業者の通常のビールより約30%低
リー10キシラナーゼである。
いカロリーのビールである。
【0057】
【0051】
一つの側面において、本発明の酵素組成物は、実施例に
伝統的な醸造工程に関する他の情報、及び本発明に適用
記載したアッセイによって測定されるエンド-1,4-β-キ
する醸造技術の技術分野において使用する用語の定義に
シラナーゼ活性を有する。
ついては、「"Technology Brewing and Malting"、Wolf
【0058】
gang Kunze著 (the Research and Teaching Institute
キシラナーゼ活性を測定するアッセイは、pH3.5又
of Brewing, Berlin (VLB)), 2nd revisedEdition 1999
はpH5、及び50℃で、基質としてキシランを用いて
, ISBN 3-921690-39-0, 3rd edition (2004): ISBN 3-9
、実施してもよい。あるいは、酵素の更に別の特性及び
21690-49-8, 4
t h
updated edition, 2010 (ISBN 978-3-9 50
仕様について、これと異なるpH及び温度の値でアッセ
( 10 )
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イを実施することができる。酵素活性は、540nmで
素の別の特性及び仕様について、これと異なるpH値で
のキシロースによる吸光度の単位時間当たりの増加から
アッセイを実施することもできる。
計算される。
【0065】
【0059】
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性の1単位は、アッ
いくつかの実施形態において、本発明の酵素組成物は、
セイの条件(pH5.0(又は指定されたpH)及び5
実施例に記載したアッセイによって測定した場合、少な
0℃)の下で、1分間に1μmolのグルコース当量を
くとも約5000U/g、例えば少なくとも約6000
生じる酵素の量として定義される。
U/g、例えば少なくとも約7000U/g、例えば少
【0066】
なくとも約8000U/g、例えば少なくとも約850
0U/gのキシラナーゼ活性を含む。
いくつかの実施形態において、本発明の酵素組成物は、
10
実施例に記載したアッセイによって測定した場合、少な
【0060】
くとも約10000U/g、例えば少なくとも約120
本発明の酵素組成物は、セルロース分解活性を有しても
00U/g、例えば少なくとも約14000U/g、例
よい。セルロースの系統名は4-(1,3;1,4)-β-D-グルカ
えば少なくとも約15000U/g、例えば少なくとも
ン4-グルカノヒドロラーゼであり、セルロース分解酵素
約18000U/gのβ-グルカナーゼ活性を含む。
又はセルラーゼはEC 3.2.1.4に分類される。セルラーゼ
【0067】
は、例えばセルロース、リケニン、及び穀物のβ-D-グ
更に別の側面において、本発明の酵素組成物は、ラミナ
ルカンの(1→4)-β-D-グルコシド結合をエンド加水分解
リナーゼ活性を有するか、又はラミナリナーゼ活性を有
し、又β-D-グルカン(1,3-結合も含んでいる)の1,4-
する任意の1種以上の更なる酵素を含む。ラミナリナー
結合も加水分解する。セルラーゼには、又、エンド-1,4
ゼ活性は、アッセイのセクションに記載したラミナラー
-β-D-グルカナーゼ、β-1,4-グルカナーゼ、β-1,4-エ 20
ゼ(laminarase)アッセイの記載のように決
ンドグルカンヒドロラーゼ、セルラーゼ A、セルロシン
定する。
AP、エンドグルカナーゼ D、アルカリ セルロース、セ
【0068】
ルラーゼ A3、セルデキストリナーゼ、9.5 セルラーゼ
ラミナリナーゼは、E.C. 3.2.1.6に分類されるエンド-1
、アビセラーゼ、パンセラーゼ SS、及び1,4-(1,3;1,4)
,3(4)-β-グルカナーゼ、又はE.C. 3.2.1.39に分類され
-β-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ等の別の名称も
るグルカンエンド-1,3-β-D-グルコシダーゼであってよ
ある。
い。ラミナリナーゼ、エンド-1,3-β-グルカナーゼ、エ
【0061】
ンド-1,4-β-グルカナーゼという代替名を持つエンド-1
本発明の一つの側面において、本発明の酵素組成物のセ
,3(4)-β-グルカナーゼは、E.C. 3.2.1.6に分類される
ルラーゼ活性は、「アッセイ」という表題で下記に記載
。基質は、ラミナリン、リケニンおよび穀物D−グルカ
した「セルラーゼ活性の方法」により測定する。
30
ンを含み、酵素は、C−3の位置でグルコース残基(グ
【0062】
ルコース残基の還元性基は、加水分解する結合に関与し
更に別の側面において、本発明は、実施例に記載したア
ている)に置換されている場合に、β-D-グルカンの(1
ッセイにより決定するエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ
→3)-結合又は(1→4)-結合のエンド加水分解を触媒する
活性を有する酵素に関する。
。(1→3)-β-グルカンエンドヒドロラーゼ、エンド-1,3
【0063】
-β-グルカナーゼ、及びラミナリーゼという代替名を持
本明細書において、「β−グルカナーゼ」又は「ベータ
つグルカンエンド-1,3-β-D-グルコシダーゼは、E.C. 3
-グルカナーゼ」とは、EC 3.2.1.6のエンド-1,3(4)-β-
.2.1.39に分類され、例えばラミナリン、パラミロン及
グルカナーゼをさす。C−3の位置でグルコース残基(
びパキマンのような基質の(1→3)-β-D-グルカンの(1→
グルコース残基の還元性基は、加水分解する結合に関与
3)-β-D-グルコシド結合を加水分解する。
している)に置換されている場合に、β-D-グルカンの( 40
【0069】
1→3)-結合又は(1→4)-結合のエンド加水分解を触媒す
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物はアラビ
る。本発明のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵
ナナーゼ活性を有するか、又はアラビナナーゼ活性を有
素と組み合わせて用いる好ましいβ-グルカナーゼは、
する更なる酵素を含む。アラビナナーゼは、EC 3.2.1.9
国際公開公報WO2004087889、WO2005059084、WO9414953
9に分類される。系統名は、5-α-L-アラビナン5-α-L-
、WO2007056321、WO9531533、WO08023060、WO200510058
アラビナノヒドロラーゼであるが、アラビナンエンド-1
2、WO9828410、WO9742301、WO2006066582、WO05118769
,5-α-L-アラビノシダーゼ、及びエンド-1,5-α-L-アラ
、WO2005003319、及びWO10059424に記載されたいずれか
ビナナーゼ、エンド-α-1,5-アラバナーゼ、エンド-ア
1種のβ-グルカナーゼを含む。
ラバナーゼ、1,5-α-L-アラビナン、及び1,5-α-L-アラ
【0064】
ビナノヒドロラーゼ等のいくつかの別の名称もある。ア
標準的なアッセイはpH5.0で実施するが、更に、酵 50
ラビナーゼは、(1→5)-アラビナンの(1→5)-α-アラビ
( 11 )
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ノフラノシド結合をエンド加水分解する。アラビナナー
で、1分間に、p-ニトロフェニルβ-D-セロビオピラノ
ゼは、アラビナンにも作用する。
シドから1μmolのp-ニトロフェノールを生じる酵素
【0070】
の量として定義される。
本発明の一つの側面において、本発明の酵素組成物のア
【0077】
ラビナーゼ活性は、「アッセイ」という表題で下記に記
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物はα-N-
載したアラビナーゼアッセイにより測定する。アッセイ
アラビノフラノシダーゼ活性を有するか、又はアラビノ
は、pH3.5及び50℃で、基質としてサトウダイコ
フラノシダーゼ活性を有する更なる酵素を含む。「α-N
ンアラビナンを用いて、実施できる。また、酵素の更に
-アラビノフラノシダーゼ」又は「α-N-アラビノフラノ
別の特性及び仕様について、これと異なるpH及び温度
シダーゼ」は、EC 3.2.1.55の酵素をさす。α-N-アラビ
の値でアッセイを実施することができる。酵素活性は、 10
ノフラノシダーゼは、α-L-アラビノシドの末端の非還
540nmでの吸光度の単位時間当たりの増加から計算
元性のα-L-アラビノフラノシド残基の加水分解を触媒
される。
する。
【0071】
【0078】
アラビナーゼ活性の1単位は、アッセイの条件(pH3
.5及び50℃)の下で、ΔOD5 4 0 n m .min
- 1
本発明の一つの側面において、本発明の酵素組成物のア
の増加を生
ラビノフラノシダーゼ活性は、「アッセイ」という表題
じる酵素の量(総アッセイ体積に対して標準化したもの
で下記に記載したアラビノフラノシダーゼアッセイによ
)として定義される。
り測定する。標準的なアッセイはpH5.0および50
【0072】
℃で実施するが、更に、酵素の別の特性及び仕様につい
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物は、β-D
て、これと異なるpH値及び温度でアッセイを実施する
-グルコシドグルコヒドロラーゼ活性を有するか、又は
20
こともできる。
β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ活性を有する更な
【0079】
る酵素を含む。β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼは
α-N-アラビノフラノシダーゼ活性の1単位は、アッセ
、E.C 3.2.1.21の酵素をさす。
イの条件(pH5.0および50℃(又は指定された通
【0073】
り))の下で、1分間に、p-ニトロフェニルα-L-アラ
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物は、β-
ビノフラノシドから1μmolのp-ニトロフェノールを
キシロシダーゼ活性を有するか、又はβ-キシロシダー
生じる酵素の量として定義される。
ゼ活性を有する更なる酵素を含む。「β-キシロシダー
【0080】
ゼ」又は「キシラン1,4-β-キシロシダーゼ」は、E.C 3
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物は、グル
.2.1.37の酵素をさす。β-キシロシダーゼは、(1→4)-
カン1,4-β-グルコシダーゼ活性を有するか、又はグル
β-D-キシランの加水分解を触媒し、非還元末端から連
30
カン1,4-β-グルコシダーゼ活性を有する更なる酵素を
続するD-キシロース残基を除去する。
含む。「グルカン1,4-β-グルコシダーゼ」又は「グル
【0074】
カン1,4-β-グルコしダーゼ」は、E.C3.2.1.74の酵素を
本発明のいくつかの側面において、本発明の酵素組成物
さす。グルカン1,4-β-グルコシダーゼは、(1→4)-β-D
はセロビオヒドロラーゼ活性を有するか、又はセロビオ
-グルカンの(1→4)-結合の加水分解を触媒し、連続した
ヒドロラーゼ活性有する更なる酵素を含む。「セロビオ
グルコース単位を除去する。
ヒドロラーゼ」又は「セルロース1,4-β-セロビオシダ
【0081】
ーゼ」は、EC 3.2.1.91の酵素をさす。セルロース1,4-
いくつかの側面において、本発明の酵素組成物は、キシ
β-セロビオシダーゼは、セルロース及びセロテトラオ
ログルカン特異的エキソ-β-1,4-グルカナーゼ活性を有
ースの1,4-β-D-グルコシド結合の加水分解を触媒して
、鎖の非還元端部からセロビオースを放出する。
するか、又はキシログルカン特異的エキソ-β-1,4-グル
40
カナーゼ活性を有する更なる酵素を含む。「キシログル
【0075】
カン特異的エキソ-β-1,4-グルカナーゼ」は、E.C3.2.1
本発明の酵素組成物のセロビオヒドロラーゼ活性は、「
.155の酵素をさす。キシログルカン特異的エキソ-β-1,
アッセイ」という表題で下記に記載したセロビオヒドロ
4-グルカナーゼは、キシログルカンの(1→4)-β-D-グル
ラーゼアッセイにより測定する。標準的なアッセイはp
コシド結合のエキソ加水分解を触媒する。
H5.0で実施するが、更に、酵素の別の特性及び仕様
【0082】
について、これと異なるpH値でアッセイを実施するこ
更なる側面における本発明の酵素及び酵素組成物は、デ
ともできる。
ンプン加水分解物を含む水溶液の粘度を減少させること
【0076】
を含む工程に使用してもよい。
セロビオヒドロラーゼ活性の1単位は、アッセイの条件
【0083】
(pH5.0(又は指定されたpH)及び50℃)の下 50
本発明の酵素及び酵素組成物は、デンプン加水分解物を
( 12 )
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含む水溶液のろ過を含む工程に使用してもよい。いくつ
【0089】
かの実施形態においては、デンプン加水分解物を含む水
用語「マッシュ」は、水性のデンプンスラリー(例えば
溶液はビール製造のためのマッシュであり、他の実施形
、破砕した大麦麦芽、破砕した大麦、及び/又は他の付
態においては、デンプン加水分解物を含む水溶液は食品
加原料、又はこれらの組み合わせを含む)で、水と混合
組成物である。
されており、後に、ウォルトとスペントグレイン(モル
【0084】
ト粕)に分離されるものと理解される。
あるいは、本発明の酵素組成物は、フルーツジュース、
【0090】
ワイン、穀物加工、燃料アルコール、第1世代又は第2
用語「マッシュの分離」は、ロイターリング(ロイター
世代のバイオ燃料(例えば、バイオエタノール等)、及
び飲用アルコールの製造に使用してもよい。
式ろ過)又はマッシュろ過等によって、スペントグレイ
10
ン(モルト粕)からウォルトを分離することと理解され
【0085】
る。
いくつかの実施形態において、第1世代又は第2世代の
【0091】
バイオ燃料(例えば、バイオエタノール等)は、サトウ
用語「ビールろ過」は、精密ろ過又は膜処理等によって
キビ、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦ソルガム等の農
、ビール中にまだ存在している酵母細胞及び他の濁り生
業による供給原料から、又はトウモロコシ茎葉、スイッ
成物質を除去する分離工程と理解される。
チグラス若しくは他の植物材料等のセルロース系原料か
【0092】
ら製造される。いずれの場合も、発酵性糖は、原料から
本発明の酵素調製物(例えば、本発明により調製される
抽出し、微生物によってアルコールへ発酵させる。アル
食品成分の形態における酵素調製物)は、使用、及び/
コールは蒸留し、輸送燃料として使用してもよい。本発
又は適用方法、及び/又は投与方法に応じて、溶液の形
明の酵素組成物は、このバイオ燃料の製造において使用 20
態であっても固体の形態であってもよい。固体形態は、
してもよい。原料からの多糖類の抽出を増強するために
乾燥酵素粉末としての形態、又は粒状酵素としての形態
、多糖類の発酵性糖への分解を促進するために、及び/
とすることができる。
又は、固形分からの液体の分離、流量特性、ポンプ能力
【0093】
等の加工パラメータを高めるために、酵素複合体を添加
一つの側面において、本発明は、本発明の酵素または酵
してもよい。
素組成物、酵素キャリア、並びに、必要に応じて、安定
【0086】
剤及び/又は防腐剤を含む酵素組成物調製物を提供する
本発明の工程は、任意のグリスト(粉砕したモルト)の
。
糖化に適用してもよい。本発明によれば、粉砕穀物は、
【0094】
任意の植物および植物の一部(塊茎、根、茎、葉、及び
本発明の更なる側面において、酵素キャリアは、グリセ
種子を含む)に由来する任意のデンプン及び/又は糖含 30
ロール又は水からなる群から選択される。
有植物原料を含んでもよい。
【0095】
【0087】
更なる側面において、本発明の調製物は、安定剤を含む
いくつかの実施形態において、グリストは、大麦、小麦
。一つの側面において、安定剤は、無機塩、ポリオール
、ライ麦、オート麦、トウモロコシ、米、ミロ、キビ、
、糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され
及びソルガム由来の穀物等の穀物を含む。好ましくは、
る。一つの側面において、安定剤は塩化カリウム等の無
ウォルトのグリストの、少なくとも10%、又は、より
機塩である。別の側面において、ポリオールは、グリセ
好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少な
ロール、プロピレングリコール、又はソルビトールであ
くとも25%、又は、最も好ましくは少なくとも35%
る。更に別の側面において、糖は、小分子炭水化物、特
、例えば、少なくとも50%、少なくとも75%、少な
に、グルコース、フルクトース、及びサッカロース等の
くとも90%、又は100%(w/w)が、穀物に由来 40
いくつかの甘味性の糖のいずれかである。
する。
【0096】
【0088】
更なる側面において、本発明の調製物は防腐剤を含む。
いくつかの実施形態において、グリストは、大麦麦芽等
一つの側面において、防腐剤は、メチルパラベン、プロ
のモルトにした穀物を含む。好ましくは、ウォルトのグ
ピルパラベン、ベンゾエート、ソルベート、若しくは他
リストの、少なくとも10%、又は、より好ましくは少
の食品認可された防腐剤、又はこれらの混合物である。
なくとも15%、更により好ましくは少なくとも25%
【0097】
、又は、最も好ましくは少なくとも35%、例えば、少
本発明の特定の実施形態
なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%
いくつかの実施形態において、エンド-1,4-β-キシラナ
、又は100%(w/w)が、モルトにした穀物に由来
ーゼ活性を示す本発明の酵素は、必要に応じて任意の1
する。
50
種以上の本発明のβ-グルカナーゼと組み合わせられ、
( 13 )
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醸造に使用した場合に粘度を顕著に低下させ、マッシュ
いくつかの実施形態において、本発明のエンド-1,4-β-
及びビールの分離の改善を促す。
キシラナーゼ活性を示す酵素は、必要に応じて任意の1
【0098】
種以上の本発明のβ-グルカナーゼと組み合わせられ、
醸造に使用するための望ましいキシラナーゼ特性は、以
異臭形成を低減し、及び/又は異臭の可能性を低減する
下の点のうちの1つ以上を含んでもよい:
。
a)酵素基質特異性
【0104】
WE−AX/WU−AX比は粘度に影響を与える。いく
本発明の一つの側面は、エンド-1,4-β-キシラナーゼ活
つかの実施形態において、この比は、約7.0未満、例
性を示す酵素に関し、本酵素は、配列番号1、配列番号2
えば約6.5未満、例えば約6.0未満、例えば約5.
、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列
5未満、例えば約5.0未満、例えば約4.5未満であ 10
番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番
る。
号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列
b)酵素基質選択性
番号25から選択されるいずれか1つと少なくとも80%
酵素による切断が枝分かれ部位にどれくらい近いかで、
の同一性を有するアミノ酸配列、又はその任意の機能性
その機能性に影響を与えると考えられる。
断片を含む。
c)酵素の熱安定性
【0105】
糖化中に連続して起こるAXの可溶化−熱安定性が重要
別の側面は、エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示
な性質。従って、いくつかの実施形態において、本発明
す酵素に関し、本酵素は、配列番号7、配列番号8、配列
のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素は、65
番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番
∼78℃の温度範囲内で熱安定性である。
号13、配列番号14、配列番号15、及び配列番号16から選
d)酵素の至適pH。従って、いくつかの実施形態にお 20
択されるいずれか1つと少なくとも80%の同一性を有
いて、エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す本発明の
するアミノ酸配列、又はその任意の機能性断片を含む。
酵素は、pH5.4∼5.6の範囲の至適pHを有する
【0106】
。
本発明のいくつかの実施形態において、エンド-1,4-β-
e)酵素阻害(例えば、キシラナーゼの既知の重要な因
キシラナーゼ活性を示す酵素は、不溶性アラビノキシラ
子)。
ン基質(WU−AX)アラビノキシラン基質への活性に
【0099】
対する可溶性アラビノキシラン基質(WE−AX)への
醸造に使用した場合の前記の粘度の顕著な低下は、同一
活性の比率が、約7.0未満、例えば約6.5未満、例
の条件及び量で使用した既知の酵素又は既知の酵素活性
えば約6.0未満、例えば約5.5未満、例えば約5.
の組み合わせを有する対照(Ultraflo(登録商
0未満、例えば約4.5未満である。
標)Max等)と比較したときの、醸造使用時の粘度の 30
【0107】
低下として測定してもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の酵素は、40∼
【0100】
70℃の範囲、例えば45∼65℃の範囲、例えば50
いくつかの実施形態において、本発明のエンド-1,4-β-
∼65℃の範囲、例えば55∼65℃の範囲の至適温度
キシラナーゼ活性を示す酵素は、必要に応じて任意の1
を有する。
種以上の本発明のβ-グルカナーゼと組み合わせられ、
【0108】
醸造に使用した場合にマッシュ及びビールの分離を改善
いくつかの実施形態において、本発明の酵素は、配列番
する。
号1∼25から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列と
【0101】
少なくとも81、82、83、84、85、86、87
いくつかの実施形態において、本発明のエンド-1,4-β-
、88、89、90、91、92、93、94、95、
キシラナーゼ活性を示す酵素は、必要に応じて任意の1 40
96、97、98、又は99%の同一性を有する、又は
種以上の本発明のβ-グルカナーゼと組み合わせられ、
その任意の機能性断片である。
異臭形成(アラビノキシランの分解に関連する異臭形成
【0109】
等)の可能性を低くする。
いくつかの実施形態において、本発明の酵素は、アミノ
【0102】
酸総数が、350未満、例えば340未満、例えば33
いくつかの実施形態において、本発明のエンド-1,4-β-
0未満、例えば320未満、例えば310未満、例えば
キシラナーゼ活性を示す酵素は、必要に応じて任意の1
300未満のアミノ酸、例えば200∼350の範囲、
種以上の本発明のβ-グルカナーゼと組み合わせられ、
例えば220∼345の範囲のアミノ酸である。
ろ床崩壊(ロイターリングの場合等)の危険性を低下さ
【0110】
せる。
いくつかの実施形態において、本発明の前記酵素のアミ
【0103】
50
ノ酸配列は、配列番号1∼25から選択されるいずれか1
( 14 )
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つのアミノ酸配列と比較して少なくとも1、2、3、4
、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸置換を有
する、又はその任意の機能性断片である。
【0111】
いくつかの実施形態において、本発明の前記酵素のアミ
ノ酸配列は、配列番号1∼25から選択されるいずれか1
つのアミノ酸配列と比較して最大1、2、3、4、5、
6、7、8、9、又は10個のアミノ酸置換を有する、
又はその任意の機能性断片である。
【0112】
10
いくつかの実施形態において、本発明の酵素は、配列番
号1∼25のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配
列、又はその任意の機能性断片を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、本発明の酵素は、配列番
号1∼25のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配
【0118】
列、又はその任意の機能性断片からなる。
いくつかの実施形態において、エンド-1,4-β-キシラナ
【0114】
ーゼ活性を示す酵素とエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ
本発明の更に重要な側面は、本発明のエンド-1,4-β-キ
活性を示す酵素との組み合わせは、次の表の通りである
シラナーゼ活性を示す酵素を、任意の1種以上のβ-グ
20
。
ルカナーゼと組み合わせて含む組成物に関する。いくつ
【0119】
かの実施形態において、この1種以上のβ-グルカナー
【表2】
ゼは本発明のβ-グルカナーゼである。
【0115】
本発明の更に重要な側面は、本発明のエンド-1,3(4)-β
-グルカナーゼ活性を示す酵素を、任意の1種以上のキ
シラナーゼと組み合わせて含む組成物である。いくつか
の実施形態において、この1種以上のキシラナーゼは本
発明のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素であ
る。いくつかの実施形態において、この1種以上のキシ 30
ラナーゼは、配列番号17及び/又は配列番号18の酵素で
ある。いくつかの実施形態において、この1種以上のキ
シラナーゼは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、
配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び/又は配列
番号25の酵素、又はその任意の機能性断片である。
【0116】
【0120】
いくつかの実施形態において、エンド-1,4-β-キシラナ
エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素である第1
ーゼ活性を示す酵素とエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ
の酵素の上記の組み合わせのいずれか1つは、エンド-1
活性を示す酵素との組み合わせは、次の表の通りである
。
,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素のいずれか1つ
40
と組み合わせてもよいと理解されるべきであり、この場
【0117】
合の2つの酵素間の比率は、1:10、2:10、3:
【表1】
10、4:10、5:10、6:10、7:10、8:
10、9:10、10:10、10:9、10:8、1
0:7、10:6、10:5、10:4、10:3、1
0:2、又は10:1、例えば1:10∼10:1、例
えば2:10∼10:2、例えば3:10∼10:3、
例えば4:10∼10:4、例えば5:10∼10:5
、例えば6:10∼10:6、例えば7:10∼10:
7、例えば8:10∼10:8、又は例えば9:10∼
50
10:9の範囲内である。
( 15 )
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【0121】
配列番号12、配列番号22及び配列番号12、配列番号23及
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、少な
び配列番号12、配列番号24及び配列番号12、配列番号25
くとも2種の酵素の組み合わせを含む。ここで、前記2
及び配列番号12、配列番号1及び配列番号13、配列番号2
種の酵素は、次の配列からなるリストから選択されるそ
及び配列番号13、配列番号3及び配列番号13、配列番号4
れぞれの配列番号と少なくとも80%の配列同一性を有
及び配列番号13、配列番号5及び配列番号13、配列番号6
するアミノ酸配列を有する2種の酵素、又はその任意の
及び配列番号13、配列番号17及び配列番号13、配列番号
機能性断片である。
18及び配列番号13、配列番号19及び配列番号13、配列番
配列番号1及び配列番号7、配列番号2及び配列番号7、配
号20及び配列番号13、配列番号21及び配列番号13、配列
列番号3及び配列番号7、配列番号4及び配列番号7、配列
番号22及び配列番号13、配列番号23及び配列番号13、配
番号5及び配列番号7、配列番号6及び配列番号7、配列番 10
列番号24及び配列番号13、配列番号25及び配列番号13、
号17及び配列番号7、配列番号18及び配列番号7、配列番
配列番号1及び配列番号14、配列番号2及び配列番号14、
号19及び配列番号7、配列番号20及び配列番号7、配列番
配列番号3及び配列番号14、配列番号4及び配列番号14、
号21及び配列番号7、配列番号22及び配列番号7、配列番
配列番号5及び配列番号14、配列番号6及び配列番号14、
号23及び配列番号7、配列番号24及び配列番号7、配列番
配列番号17及び配列番号14、配列番号18及び配列番号14
号25及び配列番号7、配列番号1及び配列番号8、配列番
、配列番号19及び配列番号14、配列番号20及び配列番号
号2及び配列番号8、配列番号3及び配列番号8、配列番号
14、配列番号21及び配列番号14、配列番号22及び配列番
4及び配列番号8、配列番号5及び配列番号8、配列番号6
号14、配列番号23及び配列番号14、配列番号24及び配列
及び配列番号8、配列番号17及び配列番号8、配列番号18
番号14、配列番号25及び配列番号14、配列番号1及び配
及び配列番号8、配列番号19及び配列番号8、配列番号20
列番号15、配列番号2及び配列番号15、配列番号3及び配
及び配列番号8、配列番号21及び配列番号8、配列番号22 20
列番号15、配列番号4及び配列番号15、配列番号5及び配
及び配列番号8、配列番号23及び配列番号8、配列番号24
列番号15、配列番号6及び配列番号15、配列番号17及び
及び配列番号8、配列番号25及び配列番号8、配列番号1
配列番号15、配列番号18及び配列番号15、配列番号19及
及び配列番号9、配列番号2及び配列番号9、配列番号3及
び配列番号15、配列番号20及び配列番号15、配列番号21
び配列番号9、配列番号4及び配列番号9、配列番号5及び
及び配列番号15、配列番号22及び配列番号15、配列番号
配列番号9、配列番号6及び配列番号9、配列番号17及び
23及び配列番号15、配列番号24及び配列番号15、配列番
配列番号9、配列番号18及び配列番号9、配列番号19及び
号25及び配列番号15、配列番号1及び配列番号16、配列
配列番号9、配列番号20及び配列番号9、配列番号21及び
番号2及び配列番号16、配列番号3及び配列番号16、配列
配列番号9、配列番号22及び配列番号9、配列番号23及び
番号4及び配列番号16、配列番号5及び配列番号16、配列
配列番号9、配列番号24及び配列番号9、配列番号25及び
番号6及び配列番号16、配列番号17及び配列番号16、配
配列番号9、配列番号1及び配列番号10、配列番号2及び
30
列番号18及び配列番号16、配列番号19及び配列番号16、
配列番号10、配列番号3及び配列番号10、配列番号4及び
配列番号20及び配列番号16、配列番号21及び配列番号16
配列番号10、配列番号5及び配列番号10、配列番号6及び
、配列番号22及び配列番号16、配列番号23及び配列番号
配列番号10、配列番号17及び配列番号10、配列番号18及
16、配列番号24及び配列番号16、並びに、配列番号25及
び配列番号10、配列番号19及び配列番号10、配列番号20
び配列番号16
及び配列番号10、配列番号21及び配列番号10、配列番号
【0122】
22及び配列番号10、配列番号23及び配列番号10、配列番
いくつかの実施形態において、エンド-1,3(4)-β-グル
号24及び配列番号10、配列番号25及び配列番号10、配列
カナーゼ活性及びエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性は、
番号1及び配列番号11、配列番号2及び配列番号11、配列
少なくとも2種の異なる酵素、例えば2つの異なる種(
番号3及び配列番号11、配列番号4及び配列番号11、配列
species)からの少なくとも2種の異なる酵素に由来す
番号5及び配列番号11、配列番号6及び配列番号11、配列 40
る。
番号17及び配列番号11、配列番号18及び配列番号11、配
【0123】
列番号19及び配列番号11、配列番号20及び配列番号11、
いくつかの実施形態において、本発明の組成物を醸造用
配列番号21及び配列番号11、配列番号22及び配列番号11
途においてロイターリングの前に用いる場合、増加する
、配列番号23及び配列番号11、配列番号24及び配列番号
総圧力(合計圧力)は、470mmWC未満、例えば4
11、配列番号25及び配列番号11、配列番号1及び配列番
50mmWC未満、例えば430mmWC未満、例えば
号12、配列番号2及び配列番号12、配列番号3及び配列番
410mmWC未満、例えば390mmWC未満、例え
号12、配列番号4及び配列番号12、配列番号5及び配列番
ば370mmWC未満、例えば350mmWC未満、例
号12、配列番号6及び配列番号12、配列番号17及び配列
えば330mmWC未満、例えば310mmWC未満、
番号12、配列番号18及び配列番号12、配列番号19及び配
例えば300mmWC未満、例えば290mmWC未満
列番号12、配列番号20及び配列番号12、配列番号21及び 50
の値に軽減(減少)する。
( 16 )
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29
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A
2015.9.17
30
【0124】
て使用する配列及び酵素は、シグナルペプチドを有して
いくつかの実施形態において、醸造用途においてロイタ
いても有していなくてもよい。
ーリングの前に用いる場合、増加する総圧力(合計圧力
【0129】
)は、前記組成物を含まない陰性対照を用いた場合と比
アッセイ
較して、少なくとも5、7、9、11、13、15、1
DNS
7、19、21、23、25、27、29、31、33
系統名:1,4-(1,3;1,4)-β-D-グルカン4-グルカノヒド
、35、37、39、41、43、45、47、49、
ロラーゼ
51、53、55、57、59、61、63、65、6
IUB番号:EC 3.2.1.4
7、69、71、73、75、77、79、81、83
【0130】
、85、87、89、91、93又は95%軽減(減少 10
原理
)する。
セルラーゼのアッセイは、β-1,4-グルカンであるカル
【0125】
ボキシメチルセルロース(CMC)の1,4-β-D-グルコ
いくつかの実施形態において、本発明の組成物を醸造用
シド結合の酵素的なエンド加水分解に基づく。反応生成
途においてウォルトの分離の前に用いる場合、5分間の
物(β-1,4グルカンオリゴサッカリド)は、3,5-ジニト
ろ過の後に回収したウォルトの体積によって測定するウ
ロサリチル酸試薬を用いて、結果として生じる還元性基
ォルトのろ過性は、酵素を含まない対照に対して、1.
の増加を比色測定によって、測定した。酵素活性は、グ
5倍を超えて、例えば1.6倍を超えて、例えば1.7
ルコース当量としての還元性基の濃度と540nmでの
倍を超えて、例えば1.8倍を超えて、例えば1.9倍
吸光度との関係から計算した。
を超えて、例えば2.0倍を超えて、例えば2.1倍を
【0131】
超えて、例えば2.2倍を超えて、例えば2.3倍を超 20
アッセイはpH5.0で実施したが、酵素の更に別の特
えて、例えば2.4倍を超えて、例えば2.5倍を超え
性及び仕様について、これと異なるpH値でアッセイを
て、増加する。
実施することができる。
【0126】
【0132】
いくつかの実施形態において、5分間のろ過の後に回収
単位の定義
したウォルトの体積によって測定するウォルトのろ過性
セルラーゼ活性の1単位は、アッセイの条件(pH5.
は、前記組成物を含まない陰性対照を用いた場合と比較
0(又は指定されたpH)及び50℃)下で、1分間に
して、少なくとも5、7、9、11、13、15、17
1μmolのグルコース当量を生じる酵素の量として定
、19、21、23、25、27、29、31、33、
義される。
35、37、39、41、43、45、47、49、5
【0133】
1、53、55、57、59、61、63、65、67 30
材料
、69、71、73、75、77、79、81、83、
カルボキシメチルセルロース。供給業者:Megazyme Ltd
85、87、89、91、93、95、97、99、1
. 製品番号:CM-Cellulose 4M
10、120、130、140、150、160、17
D-グルコース‘AnalaR'。供給業者:Merck Ltd (BDH).
0、180、190、200、210、220、230
セルラーゼ活性法(DNS
製品番号:10117
CMC法)
M.W.: 180.16
、240、250、260、270、280、290、
無水酢酸ナトリウム‘AnalaR'。供給業者:Merck Ltd (
又は300%増加する。
BDH).
【0127】
酢酸(氷酢酸)‘AnalaR'。供給業者:Merck Ltd (BDH)
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、任意
. 製品番号:10001
の1種以上の更なる酵素を含む。いくつかの実施形態に
3,5-ジニトロサリチル酸GPR(3,5-ジニトロ-2-ヒドロキ
おいて、1種以上の更なる酵素は、EC 3.2.1.32、EC 3. 40
シ安息香酸)。
2.1.136、又はEC 3.2.1.156に分類されるキシラナーゼ
号:28235
、セルラーゼ、ラミナリナーゼ、エンド-1,5-α-L-アラ
水酸化ナトリウムペレット‘AnalaR'。
ビナナーゼ、β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ、β-
ck Ltd (BDH).
キシロシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、グルカン1,4-
(+)-酒石酸カリウムナトリウム‘AnalaR'。 供給業者
β-グルコシダーゼ、キシログルカン特異的エキソ-β-1
:Merck Ltd (BDH).
,4-グルカナーゼ及びα-N-アラビノフラノシダーゼから
1.5 %(w/v溶液)カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液(
なるリストから選択される。
0.1M酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.0中)(基質溶液)。
【0128】
3,5-ジニトロサリチル酸(DNS)溶液。
本明細書に記載した配列によって同定され、本発明に従
トリウムペレット及び600 g/Lの(+)-酒石酸カリウムナ
って単独で、又は他の酵素若しくは化合物と組み合わせ 50
トリウムを含む緩衝液中に20g/LのDNS
製品番号:10236
M.W.: 82.03
M.W.: 60.05
供給業者:Merck Ltd (BDH).
製品番号:10252
製品番
供給業者:Mer
M.W.: 40.00
製品番号:10219
M.W.: 282.22
32g/Lの水酸化ナ
( 17 )
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32
グルコース標準溶液(0.50 mg/ml)
単位の定義
【0134】
ラミナリナーゼ活性の1単位は、アッセイの条件(pH
手順
5.0及び50℃(又は指定された通り))下で、1分
酵素組成物をサンプル中に希釈した。また、0、0.125、
間に1μmolのグルコース当量を生じる酵素の量とし
0.25、0.375、及び0.5 mg/mlのグルコース濃度を用いて
て定義される。
、図2に示すグルコース標準曲線を作成した。
【0143】
【0135】
材料
0.25 mlの酵素溶液を50℃で1.75 mlの基質溶液(1.5% w
セルラーゼ活性アッセイに関する上記の材料を参照
/v)と混合した。10分後にDNS溶液を添加することによ
り反応を停止させた。この後、95℃で5分間加熱した。
【0144】
10
ラミナリン(ラミナリア・ディギタータ(Laminaria di
【0136】
gitata)由来)。供給業者:Sigma-Aldrich Co. Ltd.
異なるサンプルの540 nm (OD5 4 0 n m )の光学濃度を測定し
製品番号:L 9634
た。
1.00 %(w/v溶液)ラミナリン溶液(基質溶液
【0137】
ナトリウム緩衝液、pH 5.0)
計算
【0145】
酵素活性は、図2に示した標準曲線から決定する。
1.75 mlのラミナリン溶液を、50℃で10分間、0.25 mlの
【0138】
希釈酵素溶液と混合する。そして、2 mlのDNS溶液を添
活性は次のように計算する:
加することにより反応を停止する。
【0139】
【0146】
【数1】
20
0.1M酢酸
0、0.125、0.25、0.5、及び0.75 mg/mlのグルコース溶
液を用いて、標準曲線を作成した。
【0147】
式中:
光学濃度は、540 nm (OD5 4 0 n m )で測定した。
T = ΔOD5 4 0 n m TEST
【0148】
= OD5 4 0 n m TEST - OD5 4 0 n m BLANK
計算
m = 標準曲線の勾配(約1.0)
活性は次のように計算する:
c = 標準曲線のy軸切片(常にマイナスであり、約-0.02
【0149】
)180.16 ≡ グルコースの分子量
【数2】
3
10 ≡ μmolへ変換する
A ≡ アッセイ体積(ml)
30
V ≡ 酵素体積(ml)
式中:
t ≡ アッセイ時間(分)
T = ΔOD5 4 0 n m TEST
D = 実際の酵素希釈係数(例えば、1.000gを1リットル
= OD5 4 0 n m TEST - OD5 4 0 n m BLANK
に希釈する場合はD = 1000)
m = 標準曲線の勾配(約1.0)
【0140】
c = 標準曲線のy軸切片(常にマイナスであり、約-0.03
ラミナリナーゼ(DNS
ラミナリン法)
)180.16 ≡ グルコースの分子量
3
原理
10 ≡ μmolへ変換する
ラミナリナーゼによって触媒される反応は、1,3-β-D-
A ≡ アッセイ体積(ml)
グルカンの1,3-グルコシド結合のエンド加水分解に関す
V ≡ 酵素体積(ml)
る。基質には、ラミナリン、パラミロン及びパキマンが 40
t ≡ アッセイ時間(分)
含まれる。反応生成物(β-1,3-グルカンオリゴサッカ
D = 酵素希釈係数(例えば、1gを1リットルに希釈する
リド)は、3,5-ジニトロサリチル酸試薬を用いて、結果
場合はD = 1000)
として生じる還元性基の増加を比色測定によって、測定
【0150】
する。酵素活性は、グルコース当量としての還元性基の
アラビナーゼ
濃度と540nmでの吸光度との関係から計算する。
原理
【0141】
アラビナーゼ活性のアッセイは、3,5-ジニトロサリチル
アッセイはpH5.0及び50℃で実施したが、酵素の
酸試薬を用いて、結果として生じる還元性基の増加を比
更に別の特性及び仕様について、これと異なるpH及び
色測定により測定することに基づく。酵素活性は、アラ
温度の値で実施することができる。
ビノース当量としての還元性基の濃度と540nmでの
【0142】
50
アッセイ
吸光度との関係から計算した。
( 18 )
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34
【0151】
【数3】
アッセイはpH3.5で実施したが、酵素の更に別の特
性及び仕様について、これと異なるpH値でアッセイを
実施することができる。
式中:
【0152】
T = ΔOD5 4 0 n m TEST
単位の定義
= OD5 4 0 n m TEST - OD5 4 0 n m BLANK
アラビナーゼ(アラビナナーゼ(エンド-1,5-α-L-アラ
m = 標準曲線の勾配(約1.0)
ビナナーゼ))活性の1単位は、アッセイの条件(pH
c = 標準曲線のy軸切片(常にマイナスであり、約-0.02
3.5(又は指定されたpH)及び50℃)下で、1分
)150.13 ≡ アラビナーゼの分子量
間に1μmolのアラビノース当量を生じる酵素の量と 10
10 ≡ μmolへ変換する
して定義される。
A ≡ アッセイ体積(ml)
【0153】
V ≡ 酵素体積(ml)
材料
t ≡ アッセイ時間(分)
Megazymeサトウダイコンアラビナン
D = 実際の酵素希釈係数(例えば、1.000gを1リットル
アラビノースSigma A3131
に希釈する場合はD = 1000)
M.W.: 150.1
3
無水酢酸ナトリウム‘AnalaR'。供給業者:Merck Ltd (
【0160】
BDH).
アラビノフラノシダーゼ
製品番号:10236
M.W.: 82.03
アッセイ
酢酸(氷酢酸)‘AnalaR'。供給業者:Merck Ltd (BDH)
α-N-アラビノフラノシダーゼによって触媒される反応
.
は、α-L-アラビノシドの非還元性α-L-アラビノフラノ
製品番号:10001
M.W.: 60.05
3,5-ジニトロサリチル酸GPR(3,5-ジニトロ-2-ヒドロキ 20
シド残基における末端結合の加水分解に関する。この酵
シ安息香酸)。
素は、α-L-アラビノフラノシド、(1,3)-結合及び/又
供給業者:Merck Ltd (BDH).
製品番
号:28235
は(1,5)-結合を含むα-L-アラビナン、アラビノキシラ
水酸化ナトリウムペレット‘AnalaR'。
ck Ltd (BDH).
製品番号:10252
供給業者:Mer
M.W.: 40.00
(+)-酒石酸カリウムナトリウム‘AnalaR'。
:Merck Ltd (BDH).
ン、並びにアラビノガラクタンに作用する。
製品番号:10219
【0161】
供給業者
α-N-アラビノフラノシダーゼのアッセイは、p-ニトロ
M.W.: 282.22
フェニルα-L-アラビノフラノシドの酵素的加水分解に
1.5 %(w/v溶液)アラビナン溶液(0.1M酢酸ナトリウム緩
基づく。このアッセイは、連続モニタリング法ではなく
衝液、pH3.5中)(基質溶液)。
、2点法である。酵素活性の計算は、インキュベーショ
3,5-ジニトロサリチル酸(DNS)溶液。
32g/Lの水酸化ナ
トリウムペレット及び600 g/Lの(+)-酒石酸カリウムナ
ン期間の最初と最後に実施する測定に基づく。反応生成
30
物(p-ニトロフェノール)は、pH調製後、比色測定に
トリウムを含む緩衝液中に20g/LのDNS
よって測定する。酵素活性は、p-ニトロフェノールの濃
アラビナーゼ標準溶液(0.50 mg/ml)
度と400nmでの吸光度との関係から計算する。
【0154】
【0162】
手順
希釈酵素溶液の調製:
酵素組成物をサンプル中に希釈した。また、0、0.125、
全ての酵素溶液は、粉末または液体の酵素調製物から、
0.25、0.375、及び0.5 mg/mlのアラビナーゼ濃度を用い
ガラス器具による蒸留水を用いて調製する。アッセイ希
て、グルコース標準曲線を作成した。
釈誤差は、小さい体積又は重量を大きく希釈する工程を
【0155】
避けることによって、最小限にする。酵素希釈を行う場
0.25 mlの酵素溶液を50℃で1.75 mlの基質溶液(1.5% w
/v)と混合した。10分後にDNS溶液を添加することによ
合、液体サンプルであっても最初の酵素サンプルの重量
40
を測定すればより正確である。この場合、液体サンプル
り反応を停止させた。この後、95℃で5分間加熱した。
の場合には20℃でその液体の比重を測定することが必
【0156】
要である。
異なるサンプルの540 nm (OD5 4 0 n m )の光学濃度を測定し
【0163】
た。
アッセイは、連続モニタリング法ではなく、2点法であ
【0157】
るので、異なる酵素系及び条件の場合でもインキュベー
計算
ション期間内の直線性を保証することが重要である。基
酵素活性は、標準曲線から決定する。
質濃度、pH、温度、及びアッセイ時間が標準アッセイ
【0158】
条件の下では、アッセイは、ΔOD5 4 0 n m TEST (T) = 0.20
活性は次のように計算する:
∼1.50の範囲内で直線的であることが証明されている。
【0159】
50
しかし、好ましくは、ΔOD5 4 0 n m TEST (T) = 0.400∼0.8
( 19 )
JP
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35
A
2015.9.17
36
00の限定した範囲内でアッセイを実施する。
セロビオヒドロラーゼのアッセイは、p-ニトロフェニル
【0164】
β-D-セロビオピラノシドの酵素的加水分解に基づく。
手順
反応生成物(p-ニトロフェノール)は、pH調製後、比
各酵素サンプルアッセイは、3つの分析(2重試験(T
色測定によって測定する。酵素活性は、p-ニトロフェノ
EST)の分析及びブランク(BLANK)の分析)を
ールの濃度と400nmでの吸光度との関係から計算す
含む。ここに記載する手順は、単一の酵素サンプルの分
る。
析である。
【0172】
【0165】
アッセイは、ΔOD5 4 0 n m TEST (T) = 0.400∼0.800の直線
【表3】
的な限定した範囲内で実施する。
10
【0173】
手順
各酵素サンプルアッセイは、3つの分析(2重試験(T
【0166】
EST)の分析及びブランク(BLANK)の分析)を
0.25 mlの希釈酵素溶液を50℃でこの溶液に添加した。1
含む。ここに記載する手順は、単一の酵素サンプルの分
0分後に4 mlの0.4Mグリシン溶液、pH 10.8(停止試薬)
析である。
を添加することにより反応を停止させた。
【0174】
【0167】
【表4】
吸光度は、水のブランクに対して、25℃、400 nmで測定
した。
・測定したTESTの2重試験に対して、OD4 0 0 n m TESTを決
20
定した。
【0175】
・OD4 0 0 n m BLANKを決定した。
0.25 mlの希釈酵素溶液を50℃でこの試験溶液に添加し
【0168】
た。30分後に4 mlの0.4Mグリシン溶液、pH 10.8(停止
計算
試薬)をそれぞれの試験管に添加した。
【0169】
【0176】
【数4】
吸光度は、1cmのガラスキュベット中で、水のブランク
に対して、25℃、400 nmで測定した。
・測定したTESTの2重試験に対して、OD4 0 0 n m TESTを決
定した。
30
・OD4 0 0 n m BLANKを決定した。
【0177】
計算
式中:
【0178】
T = OD400nm TEST - OD400nm BLANK
【数5】
18300 = p-ニトロフェノールのモル吸光係数(1 cm経路
長)
V = 7.25 (試験における全液体体積(ml))
t = 10(分)
1 u = 1 μmol.min-1
E = 0.25(希釈酵素サンプルの体積(ml))
40
D =酵素希釈係数(例えば、1 mlを1リットルに希釈する
式中:
場合はD = 1000)
T = OD4 0 0 n m TEST - OD4 0 0 n m BLANK
【0170】
18300 = p-ニトロフェノールのモル吸光係数(1 cm経路
セロビオヒドロラーゼ
アッセイ
長)
原理
V = 7.25 (試験における全液体体積(ml))
セロビオヒドロラーゼによって触媒される反応は、セル
1000 = リットルへ変換する
ロース及びセロテトラオースの1,4-β-D-グルコシド結
10 = μmolesへ変換する
合の加水分解に関し、鎖の非還元末端からセロビオース
t = 30(分)
を放出する。
1 u = 1 μmol.min
【0171】
6
- 1
50
E = 0.25(希釈酵素サンプルの体積(ml))
( 20 )
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38
D =酵素希釈係数(例えば、1 mlを1リットルに希釈する
8.
場合はD = 1000)
選択されるいずれか1つのアミノ酸配列と比較して最大
【0179】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のア
番号付けした本発明の実施形態:
ミノ酸置換を有する、又はその任意の機能性断片である
1.
、実施形態1∼7のいずれか一つに記載の酵素。
エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素であ
前記酵素のアミノ酸配列は、配列番号1∼25から
って、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、
【0187】
配列番号5、配列番号6、配列番号17、配列番号18、配列
9.
番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番
るアミノ酸配列、又はその任意の機能性断片を含む、実
号23、配列番号24、及び配列番号25から選択されるいず
施形態1∼8のいずれか一つに記載の酵素。
れか1つと少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配 10
【0188】
列、又はその任意の機能性断片を含む酵素。
10.
【0180】
れるアミノ酸配列、又はその任意の機能性断片からなる
2.
、実施形態1又は3のいずれか一つに記載の酵素。
不溶性アラビノキシラン基質(WU−AX)アラ
配列番号1∼25のいずれか1つによって同定され
配列番号1∼25のいずれか1つによって同定さ
ビノキシラン基質への活性に対する可溶性アラビノキシ
【0189】
ラン基質(WE−AX)への活性の比率が、約7.0未
11.
満、例えば約6.5未満、例えば約6.0未満、例えば
をコードするDNA配列を含むDNA構築物。
約5.5未満、例えば約5.0未満、例えば約4.5未
【0190】
満である、実施形態1に記載の酵素。
12.
【0181】
換え発現ベクター。
3.
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素
20
実施形態1∼10のいずれか一つに記載の酵素
実施形態11に記載のDNA構築物を含む組み
【0191】
であって、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番
13.
号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号
態12に記載のベクターで形質転換された細胞。
14、配列番号15、及び配列番号16から選択されるいずれ
【0192】
か1つと少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列
14.
、又はその機能性断片を含む酵素。
、実施形態11に記載のDNA構築物、実施形態12に
【0182】
記載のベクター、又は実施形態13に記載の細胞を含む
4.
調製物。
40∼70℃の範囲、例えば45∼65℃の範囲
実施形態11に記載のDNA構築物又は実施形
実施形態1∼10のいずれか一つに記載の酵素
、例えば50∼65℃の範囲、例えば55∼65℃の範
【0193】
囲の至適温度を有する、実施形態1∼3のいずれか一つ
15.
に記載の酵素。
30
実施形態1、2、及び4∼10のいずれか一つ
に記載のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素を
【0183】
、任意の1種以上のβ-グルカナーゼと組み合わせて含
5.
む組成物。
配列番号1∼25から選択されるいずれか1つのア
ミノ酸配列と少なくとも81、82、83、84、85
【0194】
、86、87、88、89、90、91、92、93、
16.
94、95、96、97、98、又は99%の同一性を
∼10のいずれか一つに記載のエンド-1,3(4)-β-グル
有する、又はその任意の機能性断片である、実施形態1
カナーゼ活性を示す酵素である、実施形態15に記載の
∼4のいずれか一つに記載の酵素。
組成物。
【0184】
【0195】
6.
17.
アミノ酸総数が、350未満、例えば340未満
前記1種以上のβ-グルカナーゼが実施形態3
実施形態3∼10のいずれか一つに記載のエン
、例えば330未満、例えば320未満、例えば310 40
ド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素を、任意の
未満、例えば300未満のアミノ酸、例えば200∼3
1種以上のキシラナーゼと組み合わせて含む組成物。
50の範囲、例えば220∼345の範囲のアミノ酸で
【0196】
ある、実施形態1∼5のいずれか一つに記載の酵素。
18.
【0185】
、及び4∼10のいずれか一つに記載のエンド-1,4-β-
7.
キシラナーゼ活性を示す酵素である、実施形態17に記
前記酵素のアミノ酸配列が、配列番号1∼25から
前記1種以上のキシラナーゼが実施形態1、2
選択されるいずれか1つのアミノ酸配列と比較して少な
載の組成物。
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10
【0197】
個のアミノ酸置換を有する、又はその任意の機能性断片
19.
である、実施形態1∼6のいずれか一つに記載の酵素。
前記エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性が、少なくとも2
【0186】
50
前記エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性及び
種の異なる酵素、例えば2つの異なる種(species)か
( 21 )
JP
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39
40
らの少なくとも2種の異なる酵素に由来する、実施形態
配列番号22及び配列番号9、
15∼18のいずれか一つに記載の組成物。
配列番号23及び配列番号9、
【0198】
配列番号24及び配列番号9、
20.
少なくとも2種の酵素の組み合わせを含む実施
配列番号25及び配列番号9、
形態15∼19のいずれか一つに記載の組成物であって
配列番号1及び配列番号10、
、前記2種の酵素が、次の配列からなるリストから選択
配列番号2及び配列番号10、
されるそれぞれの配列番号と少なくとも80%の配列同
配列番号3及び配列番号10、
一性を有するアミノ酸配列を有する2種の酵素、又はそ
配列番号4及び配列番号10、
の任意の機能性断片である、組成物。
配列番号1及び配列番号7、
配列番号5及び配列番号10、
10
配列番号6及び配列番号10、
配列番号2及び配列番号7、
配列番号17及び配列番号10、
配列番号3及び配列番号7、
配列番号18及び配列番号10、
配列番号4及び配列番号7、
配列番号19及び配列番号10、
配列番号5及び配列番号7、
配列番号20及び配列番号10、
配列番号6及び配列番号7、
配列番号21及び配列番号10、
配列番号17及び配列番号7、
配列番号22及び配列番号10、
配列番号18及び配列番号7、
配列番号23及び配列番号10、
配列番号19及び配列番号7、
配列番号24及び配列番号10、
配列番号20及び配列番号7、
配列番号25及び配列番号10、
配列番号21及び配列番号7、
20
配列番号1及び配列番号11、
配列番号22及び配列番号7、
配列番号2及び配列番号11、
配列番号23及び配列番号7、
配列番号3及び配列番号11、
配列番号24及び配列番号7、
配列番号4及び配列番号11、
配列番号25及び配列番号7、
配列番号5及び配列番号11、
配列番号1及び配列番号8、
配列番号6及び配列番号11、
配列番号2及び配列番号8、
配列番号17及び配列番号11、
配列番号3及び配列番号8、
配列番号18及び配列番号11、
配列番号4及び配列番号8、
配列番号19及び配列番号11、
配列番号5及び配列番号8、
配列番号20及び配列番号11、
配列番号6及び配列番号8、
30
配列番号21及び配列番号11、
配列番号17及び配列番号8、
配列番号22及び配列番号11、
配列番号18及び配列番号8、
配列番号23及び配列番号11、
配列番号19及び配列番号8、
配列番号24及び配列番号11、
配列番号20及び配列番号8、
配列番号25及び配列番号11、
配列番号21及び配列番号8、
配列番号1及び配列番号12、
配列番号22及び配列番号8、
配列番号2及び配列番号12、
配列番号23及び配列番号8、
配列番号3及び配列番号12、
配列番号24及び配列番号8、
配列番号4及び配列番号12、
配列番号25及び配列番号8、
配列番号1及び配列番号9、
配列番号5及び配列番号12、
40
配列番号6及び配列番号12、
配列番号2及び配列番号9、
配列番号17及び配列番号12、
配列番号3及び配列番号9、
配列番号18及び配列番号12、
配列番号4及び配列番号9、
配列番号19及び配列番号12、
配列番号5及び配列番号9、
配列番号20及び配列番号12、
配列番号6及び配列番号9、
配列番号21及び配列番号12、
配列番号17及び配列番号9、
配列番号22及び配列番号12、
配列番号18及び配列番号9、
配列番号23及び配列番号12、
配列番号19及び配列番号9、
配列番号24及び配列番号12、
配列番号20及び配列番号9、
配列番号25及び配列番号12、
配列番号21及び配列番号9、
50
配列番号1及び配列番号13、
A
2015.9.17
( 22 )
JP
41
2015-527065
2015.9.17
42
配列番号2及び配列番号13、
配列番号17及び配列番号16、
配列番号3及び配列番号13、
配列番号18及び配列番号16、
配列番号4及び配列番号13、
配列番号19及び配列番号16、
配列番号5及び配列番号13、
配列番号20及び配列番号16、
配列番号6及び配列番号13、
配列番号21及び配列番号16、
配列番号17及び配列番号13、
配列番号22及び配列番号16、
配列番号18及び配列番号13、
配列番号23及び配列番号16、
配列番号19及び配列番号13、
配列番号24及び配列番号16、並びに
配列番号20及び配列番号13、
配列番号21及び配列番号13、
A
配列番号25及び配列番号16
10
【0199】
配列番号22及び配列番号13、
21.
配列番号23及び配列番号13、
場合、増加する総圧力が、470mmWC未満、例えば
配列番号24及び配列番号13、
450mmWC未満、例えば430mmWC未満、例え
配列番号25及び配列番号13、
ば410mmWC未満、例えば390mmWC未満、例
配列番号1及び配列番号14、
えば370mmWC未満、例えば350mmWC未満、
配列番号2及び配列番号14、
例えば330mmWC未満、例えば310mmWC未満
配列番号3及び配列番号14、
、例えば300mmWC未満、例えば290mmWC未
配列番号4及び配列番号14、
満の値に軽減する、実施形態15∼20のいずれか一つ
配列番号5及び配列番号14、
に記載の組成物。
配列番号6及び配列番号14、
20
醸造用途においてロイターリングの前に用いる
【0200】
配列番号17及び配列番号14、
22.
配列番号18及び配列番号14、
場合、増加する総圧力が、前記組成物を含まない陰性対
配列番号19及び配列番号14、
照を用いた場合と比較して、少なくとも5、7、9、1
配列番号20及び配列番号14、
1、13、15、17、19、21、23、25、27
配列番号21及び配列番号14、
、29、31、33、35、37、39、41、43、
配列番号22及び配列番号14、
45、47、49、51、53、55、57、59、6
配列番号23及び配列番号14、
1、63、65、67、69、71、73、75、77
配列番号24及び配列番号14、
、79、81、83、85、87、89、91、93又
配列番号25及び配列番号14、
は95%軽減する、実施形態15∼21のいずれか一つ
配列番号1及び配列番号15、
30
醸造用途においてロイターリングの前に用いる
に記載の組成物。
配列番号2及び配列番号15、
【0201】
配列番号3及び配列番号15、
23.
配列番号4及び配列番号15、
場合、5分間のろ過の後に回収したウォルトの体積によ
配列番号5及び配列番号15、
って測定するウォルトのろ過性は、酵素を含まない対照
配列番号6及び配列番号15、
に対して、1.5倍を超えて、例えば1.6倍を超えて
配列番号17及び配列番号15、
、例えば1.7倍を超えて、例えば1.8倍を超えて、
配列番号18及び配列番号15、
例えば1.9倍を超えて、例えば2.0倍を超えて、例
配列番号19及び配列番号15、
えば2.1倍を超えて、例えば2.2倍を超えて、例え
配列番号20及び配列番号15、
配列番号21及び配列番号15、
醸造用途においてウォルトの分離の前に用いる
ば2.3倍を超えて、例えば2.4倍を超えて、例えば
40
2.5倍を超えて増加する、実施形態15∼22のいず
配列番号22及び配列番号15、
れか一つに記載の組成物。
配列番号23及び配列番号15、
【0202】
配列番号24及び配列番号15、
24.
配列番号25及び配列番号15、
場合、5分間のろ過の後に回収したウォルトの体積によ
配列番号1及び配列番号16、
って測定するウォルトのろ過性は、前記組成物を含まな
配列番号2及び配列番号16、
い陰性対照を用いた場合と比較して、少なくとも5、7
配列番号3及び配列番号16、
、9、11、13、15、17、19、21、23、2
配列番号4及び配列番号16、
5、27、29、31、33、35、37、39、41
配列番号5及び配列番号16、
、43、45、47、49、51、53、55、57、
配列番号6及び配列番号16、
50
醸造用途においてウォルトの分離の前に用いる
59、61、63、65、67、69、71、73、7
( 23 )
JP
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A
2015.9.17
44
5、77、79、81、83、85、87、89、91
記載の調製物、又は実施形態15∼26のいずれか一つ
、93、95、97、99、110、120、130、
に記載の組成物の使用。
140、150、160、170、180、190、2
【0212】
00、210、220、230、240、250、26
34.
0、270、280、290、又は300%増加する、
バイオ燃料の製造における、実施形態1∼10のいずれ
実施形態15∼23のいずれか一つに記載の組成物。
か一つに記載の酵素、実施形態14に記載の調製物、又
【0203】
は実施形態15∼26のいずれか一つに記載の組成物の
25.
使用。
任意の1種以上の更なる酵素を含む、実施形態
15∼24のいずれか一つに記載の組成物。
【0204】
26.
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代の
【0213】
10
前記1種以上の更なる酵素が、EC 3.2.1.32、E
35.
デンプン含有原料のろ過性を変更する方法であ
って、実施形態1∼10のいずれか一つに記載の酵素、
C 3.2.1.136、又はEC 3.2.1.156に分類されるキシラナ
実施形態14に記載の調製物、又は実施形態15∼26
ーゼ、セルラーゼ、ラミナリナーゼ、エンド-1,5-α-L-
のいずれか一つに記載の組成物で前記デンプン含有原料
アラビナナーゼ、β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ
を処理する工程を含む方法。
、β-キシロシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、グルカ
【0214】
ン1,4-β-グルコシダーゼ、キシログルカン特異的エキ
36.
ソ-β-1,4-グルカナーゼ及びα-N-アラビノフラノシダ
圧力を軽減する方法であって、実施形態1∼10のいず
ーゼからなるリストから選択される、実施形態25に記
れか一つに記載の酵素、実施形態14に記載の調製物、
載の組成物。
又は実施形態15∼26のいずれか一つに記載の組成物
【0205】
27.
20
食品製品、飼料製品、又はモルト飲料製品の製
醸造工程においてロイターリング中に増加する
で醸造用マッシュを処理する工程を含む方法。
【0215】
造における、実施形態1∼10のいずれか一つに記載の
37.
酵素、実施形態14に記載の調製物、又は実施形態15
しくはノンアルコール飲料や、ビール若しくはウイスキ
食品製品、飼料製品、又は、アルコール飲料若
∼26のいずれか一つに記載の組成物の使用。
ーのような穀物使用飲料若しくはモルト使用飲料等の飲
【0206】
料製品を製造する方法であって、実施形態1∼10のい
28.
ドウ製品又はベークド製品の製造における、実
ずれか一つに記載の酵素、実施形態14に記載の調製物
施形態1∼10のいずれか一つに記載の酵素、実施形態
、又は実施形態15∼26のいずれか一つに記載の組成
14に記載の調製物、又は実施形態15∼26のいずれ
物でデンプン含有原料を処理する工程を含む方法。
か一つに記載の組成物の使用。
【0216】
【0207】
29.
30
38.
醸造用マッシュを製造する方法であって、実施
パルプ又は紙の調製における、実施形態1∼1
形態1∼10のいずれか一つに記載の酵素、実施形態1
0のいずれか一つに記載の酵素、実施形態14に記載の
4に記載の調製物、又は実施形態15∼26のいずれか
調製物、又は実施形態15∼26のいずれか一つに記載
一つに記載の組成物でデンプン含有原料を処理する工程
の組成物の使用。
を含む方法。
【0208】
【0217】
30.
39.
穀物成分の調製のための、実施形態1∼10の
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代の
いずれか一つに記載の酵素、実施形態14に記載の調製
バイオ燃料を製造する方法であって、実施形態1∼10
物、又は実施形態15∼26のいずれか一つに記載の組
のいずれか一つに記載の酵素、実施形態14に記載の調
成物の使用。
【0209】
31.
製物、又は実施形態15∼26のいずれか一つに記載の
40
前記穀物がライ麦、小麦、又は大麦である、実
組成物でデンプン含有原料を処理する工程を含む方法。
【0218】
施形態29に記載の使用。
40.
【0210】
られた製品。
32.
【0219】
ビールの製造又は醸造工程からの副産物の改変
実施形態38又は39に記載の方法によって得
における、実施形態1∼10のいずれか一つに記載の酵
41.
素、実施形態14に記載の調製物、又は実施形態15∼
て、前記製品が0.1%∼99.9%の範囲で含まれる
26のいずれか一つに記載の組成物の使用。
ような組成物。
【0211】
【実施例】
33.
【0220】
ワイン又はジュースの製造における、実施形態
1∼10のいずれか一つに記載の酵素、実施形態14に 50
実施例1
実施形態40に記載の製品を含む組成物であっ
( 24 )
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2015.9.17
46
醸造用途のためのキシラナーゼ/グルカナーゼに関する
【0225】
方法及び結果
WU-AXエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性は、1単位(μg
【0221】
ペントース/キシラナーゼサンプルg)の定義に当たる、
以下の方法は、醸造において使用するキシラナーゼ及び
上記の条件の下で可溶化したペントースの量(μgペン
グルカナーゼをスクリーニングするために使用されてい
トース)として定義される。
る。
【0226】
【0222】
キシラナーゼ活性アッセイ
方法:
サンプル(このアッセイにおいておよそOD540 = 0.25∼
水抽出可能アラビノキシラン(WE−AX)キシラナー
ゼ法:
0.30が得られるもの)、及びキシロース標準液(0、0.1
10
25、0.250、0.375、及び0.500 mg/ml蒸留水)を蒸留水
サンプル(このアッセイにおいておよそOD540 = 0.25∼
中で調製する。t=0分の時点で、1.75 mlの可溶性小麦ア
0.30が得られるもの)、及びキシロース標準液(0、0.1
ラビノキシラン(0.5%小麦アラビノキシラン(PWAXYH,
25、0.250、0.375、及び0.500 mg/ml蒸留水)を蒸留水
Megazyme, Bray, Ireland)、0.1M酢酸ナトリウム/酢酸
中で調製する。t=0分の時点で、1.75 mlの可溶性小麦ア
、pH 5中)を50℃で試験管に入れる。t=5分の時点で、2
ラビノキシラン(0.5%小麦アラビノキシラン(PWAXYH,
50μlの酵素溶液を50℃で基質に添加し、混合する。
Megazyme, Bray, Ireland)、0.1M酢酸ナトリウム/酢酸
蒸留水をブランクとして使用する。t=15分の時点で、2m
、pH 5中)を50℃で試験管に入れる。t=5分の時点で、2
lのDNS溶液(1%の3,5-ジニトロサリチル酸(DNS)、1.6
50μlの酵素溶液を50℃で基質に添加し、混合する。
%の水酸化ナトリウム、30%の酒石酸カリウムナトリウム
蒸留水をブランクとして使用する。t=15分の時点で、2m
、蒸留水中)を酵素−基質溶液及び2.0 mlの標準溶液に
lのDNS溶液(1%の3,5-ジニトロサリチル酸(DNS)、1.6 20
添加する。サンプル、ブランク、及び、標準液を添加し
%の水酸化ナトリウム、30%の酒石酸カリウムナトリウム
たDNSを、沸騰した水浴(95℃)に5分間入れる。その後
、蒸留水中)を酵素−基質溶液及び2.0 mlの標準溶液に
、サンプル、ブランク及び標準液を、25℃の水浴に20分
添加する。サンプル、ブランク、及び、標準液を添加し
間入れることにより冷却する。分光光度計を用いて、全
たDNSを、沸騰した水浴(95℃)に5分間入れる。その後
てのサンプルの光学濃度をOD540で読み取る。サンプル
、サンプル、ブランク及び標準液を、25℃の水浴に20分
の希釈、試験に使ったサンプルの量、及び標準液に基づ
間入れることにより冷却する。分光光度計を用いて、全
いて、サンプルのキシラナーゼ活性を計算することがで
てのサンプルの光学濃度をOD540で読み取る。サンプル
きる。
の希釈、試験に使ったサンプルの量、及び標準液に基づ
【0227】
いて、サンプルのキシラナーゼ活性を計算することがで
エンド-1,4-β-キシラナーゼWE-AX活性の1単位は、上
きる。
30
記の条件の下で、1分間に1 μmolのキシロース当量を生
【0223】
じる酵素の量として定義される。
エンド-1,4-β-キシラナーゼWE-AX活性の1単位は、上
【0228】
記の条件(水抽出可能アラビノキシラン(WE−AX)
グルカナーゼ活性アッセイ
キシラナーゼ法)の下で、1分間に1 μmolのキシロース
サンプル(このアッセイにおいて標準曲線内にOD540が
当量を生じる酵素の量として定義される。
得られるもの)、及びグルコース標準液(0、0.125、0.
【0224】
250、0.500、及び0.750 mg/ml蒸留水)を蒸留水中で調
水抽出不能アラビノキシラン(WU−AX)キシラナー
製する。t=0分の時点で、1,75 mlの大麦β-グルカン(1
ゼ法:
.5%大麦β-グルカン(P-BGBM, Megazyme, Bray, Irelan
サンプルを蒸留水中で調製する。t=0分の時点で、1.75
mlの不溶性小麦(0.5%小麦アラビノキシラン(PWAXYI,
d)、1M酢酸ナトリウム/酢酸、pH 5中)を50℃で試験管
40
に入れる。t=5分の時点で、250μlの酵素溶液を50℃で
Megazyme, Bray, Ireland)、0.1M酢酸ナトリウム/酢酸
基質に添加し、混合する。蒸留水をブランクとして使用
、pH 5中)を50℃で試験管に入れる。t=5分の時点で、2
する。t=15分の時点で、2mlのDNS溶液(1%の3,5-ジニト
50μlの酵素溶液を50℃で基質に添加し、混合する。蒸
ロサリチル酸(DNS)、1.6%の水酸化ナトリウム、30%の
留水をブランクとして使用する。t=15分の時点で、サン
酒石酸カリウムナトリウム、蒸留水中)を酵素−基質溶
プル及びブランクを、沸騰した水浴(95℃)に5分間入
液及び2.0mlの標準溶液に添加する。サンプル、ブラン
れる。その後、サンプル及びブランクを遠心分離し、残
ク、及び、標準液を添加したDNSを、沸騰した水浴(95
存する不溶性基質を沈殿させる。溶液に取り込まれたア
℃)に15分間入れる。その後、サンプル、ブランク及び
ラビノキシランの量は、「Rouau, X. 及び Surget, A.
標準液を、25℃の水浴に20分間入れることにより冷却す
(1994), Carbohydrate Polymers, 24, 123-132」に記載
る。分光光度計を用いて、全てのサンプルの光学濃度を
された方法を用いて決定する。
50
OD5 4 0 で読み取る。サンプルの希釈、試験に使ったサン
( 25 )
JP
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48
プルの量、及び標準液に基づいて、サンプルのグルカナ
した。大麦及びモルトの両方とも、約0.7 mm(∼0.7 mm
ーゼ活性を計算することができる。
)のローラー間隔を用いて2回粉砕した。
【0229】
【0236】
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性の1単位は、アッ
初期マッシュ温度53℃を目標にして、マッシングイン(
セイの条件(pH 5.0(又は指定されたpH)及び50℃)
マッシュ投入)を行った。マッシングイン(マッシュ投
の下で、1分間に1 molのグルコース当量を生じる酵素
入)後、水:グリスト比率を2.8:1にするためのマッシ
の量として定義される。
ュ体積の調製、及びpHを約5.56(∼5.56)にするための
【0230】
pH調製(乳酸)等、少しの調整を行った。マッシュの
ラボスケール醸造における使用方法
微調整の後、酵素を添加し、図1の糖化プロファイルを
75:25の比率のピルスナーモルト:大麦を、3:1の水:グ 10
実施した。70℃の糖化休止は15分間にプログラムしたが
リスト比率(150ml:50gグリスト)で使用して、ラボス
、ヨウ素試験によりデンプンが存在しないことが示され
ケール醸造における使用試験を実施した。最初に、マッ
るまで、休止時間を5分間延長した(Ludwig Narziss an
シングイン(マッシュ投入)及びpH調製(5.4、2 M H
d Werner Back, Technische Universitaet Muenchen (F
2SO4)の前に、水を予熱した。初期温度に復帰した後に
akultaet fuer Brauwesen, Weihenstephan), Abriss de
(10分間)、糖化プロファイル(マッシングプロファイ
r Bierbrauerei. WILEY-VCH Verlags GmbH Weinheim Ge
ル)(図1参照)を開始し、酵素を添加する。マッシン
rmany, 2005)。
グオフ(糖化終了)後、通常のプラスチック漏斗及びろ
【0237】
紙(paper filter No 1, 24 cm直径, Whatman, England
78℃での5分間の休止の後、マッシングオフ(糖化終了
)を用いて、ウォルトの分離を実施する。ろ過性能及び
)を開始した。事前に「フォルスボトム(疑似底)」の
いくつかの他のウォルトのパラメータ(すなわち、粘度 20
真下の高さまで水を入れたロイタータン(ロイター式ろ
、β-グルカン、ペントサン等)を評価した。
過槽)にマッシュを移した。ろ過ケークを形成するため
【0231】
、マッシュを5分間休止させた。この後、15分間の再循
ウォルトの濾過を30分間測定し、その後、ろ過を終了
環(140 L/h)を行い、ろ過ケークの形成とウォルトの
した。回収したウォルトは、更なる分析を行う前に、冷
清澄化を確実にした。
却した。
通常、フルスケール醸造では、所定のウォルト濁度が得
【0232】
られた時に、ろ過を開始する。しかし、本試験では、15
ろ過
分間、再循環を一定に保ち、各試験間の比較が可能なよ
ろ過データは、ブランク(外来性酵素を添加しない醸造
うにした。
)に対する5、10、15、及び20分後に回収したウ
ロイターリング中、時間(分)、回収したウォルトの体
ォルトの体積として記載した。
30
積(L)、ろ過ケーク間のろ過圧力差(mmWC、mm水柱)
【0233】
、ポンプ容量(%)、ウォルト濁度(EBC)、及びマッシ
パイロットスケール醸造
ュ温度(℃)を含むデータを収集した。
パイロットスケールの醸造設備(2 HL 容量)で試験を
【0238】
実施した。ウォルトの分離はロイターリングによって実
ろ過中にろ過ケーク間で増加する圧力は、ウォルトのロ
施し、ビールろ過は水平式珪藻土ろ過によって実施した
イターリング性能の基準の設定に寄与する因子であると
。
考えられる。非常に高い圧力差(例えば、ファーストウ
【0234】
ォルト(一番麦汁)回収中では250 mmWC、及びロイター
「チャレンジングな」醸造条件の下でグルカナーゼ及び
リングの残りについては450 mmWC)に達すると、ろ過ケ
キシラナーゼの組み合わせによるろ過の最適化を解明す
ークのレーキング(ディープカットとしても知られてい
るために、75%のモルト及び25%の大麦を含む混合グリス 40
る)が必要となる。
トを用いて、パイロットスケール醸造試験を実施した。
レーキングは、特別に設計された刃でろ過ケークをゆっ
最初に、水:グリスト比率を2.8:1(糖化開始)に設定
くり切断することにより、ろ過ケークが崩れる、又はろ
し、ロイターリングの開始時には3.1:1に増加させた。
過流路の形成を回復させる工程である。ろ過ケークのレ
これに比べて、フルスケールの醸造所のロイターリング
ーキングの後、6分間の麦汁再循環(流速:120 l/h)を
では、水:グリスト比率は、約3.2∼3.8が一般的である
行って、ろ過を継続するためにろ過ケークを水で満たし
。従って、3.1:1の水:グリスト比率という本パイロッ
た。ろ過ケークのレーキングは、それをしないと低下し
ト試験の設定は、このスケールのチャレンジングな限界
てしまうろ過性能を回復させる(それをしないとウォル
であると考えられる。
トの品質が低下する)。圧力により必要となるレーキン
【0235】
グを3回目のスパージング(湯添加)開始までに行わな
モルト及び大麦は、2本ローラーミルを用いて乾式粉砕 50
かった場合、3回目及び4回目のスパージングの開始時
( 26 )
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50
に自動的に行うレーキングを行い、ウォルト分離が終了
【0244】
するまでろ過が完全に詰まってしまうことのないように
結果を表2に示す。
した。
【0245】
【0239】
【表6】
ロイターリングは、表1に示す設定を用いて行った。
【0240】
【表5】
【0241】
最終のロイターリングの後、スウィートウォルトをマッ
シュタンに戻し、加熱して沸騰させ、ホップを添加した
。ホッピングを80分間継続させ、ホッピングの最後にp
Hを5.10± 0.05に調整する。ワールプールを用いてビ
ターウォルトからホップを除去し、その後、ウォルトを
約8℃(∼8℃)に冷却した。発酵のために、Fermentis
の下面発酵乾燥酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Sac 20
charomyces cerevisiae))W34/70を選択した。酵母を30
分間再水和させ、100 g/HLで投入した。主発酵を10℃で
【0246】
5∼6日間保ち、その後、発酵度が得られ、ダイアセチル
【表7】
が80 ppb未満になるまで、15℃で熟成(maturation)させ
た。ビールは、1℃、0.7 barで更に2∼3週間貯蔵した後
、ろ過した。
【0242】
1.2 μm PP-キャンドルプレート及び珪藻土を用いて、
ビールを水平にろ過した。ろ過装置には8プレートまで
入れることができ、約0.5 m2(∼0.5 m2)の総ろ過面積 30
が得られる。本試験では、3プレートを入れて、130 L/h
の流速でろ過を実施し、その結果、6.9 HL/(h・m2)のろ
過速度が得られた。フルスケールの醸造所では、ろ過速
度は、通常、5∼7 HL/(h・m2)に設定される。従って、
本試験の設定は、明らかに、上限であり、醸造工程にお
【0247】
ける酵素使用を選択することから得られる潜在的利益を
WE-AX酵素活性(U)及びWU-AX酵素活性(U)は、「水抽出可
検証するために、計画的にチャレンジングなビールろ過
能アラビノキシラン(WE−AX)キシラナーゼ法」の
条件を選択したものである。ビールろ過中は、ビールろ
セクション及び「水抽出不能アラビノキシラン(WU−
過性能を検証するために、流速(L/h)及び圧力値(P-in及
AX)キシラナーゼ法」のセクションで記載したように
びP-out)をモニターした。また、ビール品質を評価する 40
測定した。
ために、オリジナルグラビティ(OG)、外観エキス(AE)、
【0248】
アルコール体積(ABV)、外観発酵度(ADF)、真正発酵度(R
使用試験において更に試験するために、生化学的スクリ
DF)、pH、色、及び苦味等、いくつかのビール分析を実
ーニングの結果に基づいて、可溶性アラビノキシラン対
施した。
不溶性アラビノキシランに関し、適切な活性比を有する
【0243】
キシラナーゼを選択した。結果を表3に示す。
結果:
【0249】
キシラナーゼ:
【表8】
可溶性基質及び不溶性基質に対する活性、pH特性、及
び温度特性について、キシラナーゼをスクリーニングし
た。
50
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【0255】
グルカナーゼ活性/単位は、前記のグルカナーゼ活性ア
【0250】
ッセイで記載したように決定した。
【表9】
【0256】
20
使用試験において更に試験するために、生化学的スクリ
ーニングの結果に基づいて、適切な特性を有するグルカ
ナーゼを選択した。結果を表5に示す。
【0257】
【表11】
【0251】
ろ過性能は、前記(「ろ過」)の通り測定した。ろ過性
能は、異なる時点での陰性対照(ブランク)に対するろ
液の体積として示される。
【0252】
WE-AX酵素活性(U)及びWU-AX酵素活性(U)は、「水抽出可
能アラビノキシラン(WE−AX)キシラナーゼ法」の
セクション及び「水抽出不能アラビノキシラン(WU− 40
AX)キシラナーゼ法」のセクションで記載したように
【0258】
測定した。
ろ過性能は、前記(「ろ過」)の通り測定した。ろ過性
【0253】
能は、異なる時点での陰性対照(ブランク)に対するろ
グルカナーゼ
液の体積として示される。
活性及び温度特性について、グルカナーゼをスクリーニ
【0259】
ングした。結果を表4に示す。
キシラナーゼ及びグルカナーゼの個々のスクレーニング
【0254】
に基づいて、組み合わせ実験を実施した。結果を表6に
【表10】
示す。
【0260】
50
【表12】
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【0267】
10
【表15】
【0261】
ろ過性能は、前記(「ろ過」)の通り測定した。ろ過性
能は、異なる時点での陰性対照(ブランク)に対するろ
液の体積として示される。
【0262】
検証のために、更に、2HLパイロットスケール設備で適
切な組み合わせを試験した。結果を表7及び図3に示す
。
【0263】
20
【表13】
【0268】
図3に示した穀物中の水不溶性アラビノキシラン(WU-AX
)は、醸造所において、ろ過ケークの安定性と連動して
いる。
穀物中のフェルラ酸(FA)の濃度は、その組織に大きく依
存する。その最高濃度は果皮材料中で認められる。一方
、胚乳中の濃度はそれよりもかなり低い。異なる濃度が
報告されている。おおよそ、不溶性繊維で2700 μg/g、
可溶性繊維で185 μg/gの濃度である(Bunzelet al. 200
【0264】
30
1, Journal of Sc. of food and agriculture, vol. 81
実施例2
, p. 653-60)。
この実施例は、醸造に使用するキシラナーゼが、高分子
【0269】
量可溶性アラビノキシラン(HMWS-AX)及び水抽出可能ア
これは、FAが発見されるのは、不溶性繊維(WU-AX)のア
ラビノキシラン(WE-AX)に対して、非常に高い選択性を
ラビノキシランのキシロース分子200個中に1個、及
有することを示すために行った。これにより、アラビノ
び可溶性繊維(WE-AX)のキシロース分子2500個中に
キシランの限られた量だけが可溶化されると考えられ、
1個であるということを意味する。
その結果、これに関連する異臭の可能性は非常に低減さ
【0270】
れる。
キシラナーゼが、遊離フェルラ酸及び4-VG等のビールの
【0265】
異臭形成を引き起こすことはよく知られた事実である。
粘度が著しく減少すれば、マッシュ分離及びビール分離 40
【0271】
が容易になる。醸造に使用するための望ましいキシラナ
方法
ーゼ特性は、表8の次の点のうちの1つ以上を含んでも
表8及び9に記載した基準に基づいて、DuPont Industr
よい:
ial Biosciencesの15種を超えるキシラナーゼを候補
【0266】
として選定した。30%未満の大麦を麦芽と組み合わせた
【表14】
実験室のマッシング(糖化)を用いて、キシラナーゼを
スクリーニングした。中でも、マッシュの分離速度、ペ
ントサン/アラビノキシランのレベル、及びウォルトの
粘度をモニターした。
我々の仮説を試験し、キシラナーゼの特性を醸造におけ
50
る機能性と連動させるために、いくつかのパイロット醸
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造プラント試験で、最も良い候補を試験した。選択した
・アラビノキシランの分解に関連する異臭形成の可能性
キシラナーゼの候補の最適使用量を、β−グルカナーゼ
が低下
と組み合わせて試験した。
・キシラナーゼを過剰使用することに寛容性がある
【0272】
【0279】
結果及び考察:
多くの場合、キシラナーゼは、分離を制御するために、
【0273】
β-グルカナーゼと組み合わせて使用することができ、
【表16】
非常に有利な効果が得られる。
【0280】
実施例3:
10
2 HLパイロット醸造試験におけるX3/BglS (AtuXyn3/Bsu
GluSともいう)の組み合わせの評価
【0274】
【0281】
パイロットプラント醸造では、酵素使用量が唯一の変数
材料及び方法:
である。WU-AX選択性キシラナーゼ(X1)を使用すると、
実験:酵素:
ろ床の崩壊が生じる。WE-AX選択性キシラナーゼの候補
AtuXyn3(X3)/BsuGluS(Bgls)(a):BglS(バチルス(Bacill
(リファレンス、X2, X3)は、増加する圧力を軽減する
us)グルカナーゼ)及びX3(アスペルギルス(Aspergillus)
(減少させる)。リファレンスは、キシラナーゼ及びβ
キシラナーゼ)の組み合わせ;BgLS: 0.50 mgタンパク/k
-グルカナーゼのブレンドである。
gグリスト、及び、X3: 1.50 mgタンパク/kgグリスト。
【0275】
AtuXyn3(X3)/BsuGluS(Bgls)(b):AtuXyn3(X3)/BsuGluS(B
【表17】
20
gls)(a)と同様であるが、堅牢性(robustness)を試験す
るためにX3使用量を20%増加させる。
【0282】
リファレンス:使用量0.20 kg/Tグリストの基準酵素製
品(Ultraflo(登録商標)Max)。
【0283】
原料:
【0276】
付加原料:大麦
22% w/w。
【表18】
モルト:ピルスナーモルトChiraz
ナーモルトQuench DMG
30
42,6% w/w、ピルス
35,4% 重量/重量(ww)。
【0284】
pHの酸調整のために使用した全ての材料、カルシウム
、亜鉛、及び苦味レベルは、食品グレードであり、標準
的な醸造の材料であると考えられる。
【0285】
醸造のレシピは、国際的なラガービールのビールスタイ
ルを目的とした。
【0286】
【0277】
ミリング(粉砕):
β-グルカナーゼ(B)と組み合わせて中使用量(X)及び高
使用量(Xh)で使用した場合のWE-AX選択性キシラナーゼ
Kunzelの2ローラーパイロットミル。粉砕する原料をロ
40
ーラーに2回通して、4ローラーミルをシミュレートし
の最適なブレンド(20%大麦/80%麦芽の場合)。結果は
た。
、良好なマッシュ分離性能及びビール分離性能を示し、
【0287】
異臭形成及びろ床崩壊の危険性は低い。
モルトグリスト:ミルは、1回目にローラーに通す時は
【0278】
1.5 mm、2回目にローラーに通す時は0.7mmで運転した
結論
。
本試験により、マッシング中にWE-AXの選択性が高いキ
【0288】
シラナーゼを醸造に使用することが重要であることが証
大麦グリスト:ミルは、1回目にローラーに通す時は1.
明された。得られる利点は次の通りである:
5 mm、2回目にローラーに通す時は0.4mmで運転した。
・良好なマッシュ分離及びビールろ過性能
【0289】
・ロイターリング時のろ床崩壊の危険性が最小限
50
醸造所
2 HL:
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全ての醸造は、16°プラトー( Plato)を目標とした190
ビール分析:
LウォルトのHGB(高濃度醸造(High Gravity Brewi
GC-MSを用いて、新鮮ビール(fresh beer)を分析した。
ng))インフュージョンマッシング及び標準ロイターリ
【0298】
ングに基づいた。固定流量で実施したロイターリング中
GC-MSを用いて、化学的経時プロファイルを決定した。
、差圧を記録した(ロイターリング性能を評価するため
【0299】
のパラメータとして使用した)。全ての醸造原料を事前
結果及び所見:マッシング。
に(24時間前に)粉砕し、水と接触させるまでは密閉
以下の条件でマッシングを実施した:
容器内に保管した。マッシング開始後、最初の3分以内
52℃で10分間(ミルを動かし、15 -20分間のマッシング
に、全ての原料をマッシュケトルに投入した。酵素添加
をシミュレート)。
の前に、カルシウム及びpHの調整を行った。52℃休止後 10
65℃で40分間。
に、pH(20℃)を再確認した。72℃で10分後に、ヨウ素試
72℃で30分間。
験が正常であることを確認した。ロイターリングは、78
78℃で10分間。
℃で実施した。
【0300】
【0290】
温度勾配の工程は、全て1℃で実施した。グラフ表示は
ロイターロング性能は、一番麦汁の回収中に、90 l/ H
図7に示す。
の固定流量で評価した。ス
【0301】
パージング及び薄いウォルトの回収の間は、流量を110
16°プラトー( Plato)の醸造を目標とするこのマッシ
L/時及び130 L/時に増加させた。
ング計画を用いて、全ての試験を行った。この工程に対
冷却ウォルトについて、化学分析を実施した。
する特記事項はなかった。
【0291】
20
【0302】
ウォルトの煮沸:
結果及び所見:ロイターリング。
煮沸は、外部加熱機を用いて、4∼5%の蒸発で行った。
ロイターリングは、2hlの醸造所において、150 kg / m
ホップ抽出物は、ウォルト沸騰の最初から、最終ビール
の負荷で実施した。これは、標
中で20 BUを目標として添加した。
準的な醸造所の操作の代表的なものである。ロイタリン
【0292】
グ工程の制御は、平均100リットル/時の固定流量で行っ
発酵
た。初期流速は、90リットル/時であり、薄いウォルト
50L:
2
全ての発酵を50Lのシリンドロコニカルタンク(cylindr
の回収中は130リットル/時に増加させる。4回の醸造に
iconical tank)で実施した。
ついて、差圧及びヘイズ(haze)のインライン測定を記
発酵は、標準的な操作手順に従って行った。ピッチング
録した。全てのロイターリング及びウォルト回収を約2
6
(酵母添加)は、15 x 10 生酵母細胞 / mlで行った。N 30
時間かけて行った。
ucleo counterを用いて、酵母数及び生存率を計算した
【0303】
。
X3/BglS (b)とX3/BglS (a)の試験がロイターリング性能
【0293】
が最も良かった試験であると示唆され、その次がX3/Bgl
ビール加工:
S (a)の試験であり、UF maxの試験は性能が最も悪かっ
プレートとフレームのフィルタを一定の圧力で操作した
た。
。流量評価は、重量で行った。
【0304】
【0294】
【表19】
1枚のフィルタープレートの場合及び3枚のフィルタプ
レートの場合からデータを収集した。
【0295】
40
醸造終了(Debrewing):
全てのビールは、国際的なラガービールの基準と考えら
れる5.0% ABV (アルコール(体積)(Alcohol By Volum
e))に達した時点で醸造終了とした。
【0296】
瓶詰(Bottling):
CO2 を5.0g / Lに調製した。全てのビールサンプルは、M
【0305】
cLennon自動充てん機で、シングルエバキュレーション
表中の「差圧」および「一番ウォルトの増加した圧力」
を用いて、33 clの標準ボトルに瓶詰めした。
は、cmWC (cm 水柱)で測定した(それぞれ(cm)及び(cm/
【0297】
50
h)ではない)。
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【0306】
erowのKD7 (20cmx20cm)である。
結果及び所見:煮沸後の麦汁の分析
【0313】
冷却麦汁の分析は、各試験で似たような結果である。β
1枚又は3枚のフィルタプレートによるろ過のろ過曲線
-グルカンの分析は、サンプル間でわずかな違いがある
の全体像は、同じである。1枚のフィルタプレートによ
。
るろ過の記録は、敏感すぎて、実際の比率の違いを示す
【0307】
ことができないと考えられる。
【表20】
【0314】
【表23】
【0308】
【0315】
【表21】
結果及び所見:最終ビール(final beer)の分析
試験ビールは、標準的な操作手順(EBC)に従って分析
し、表18に示す。
【0316】
【表24】
【0309】
結果及び所見:発酵
若ビール(green beer)の分析を、表16に示す。
【0310】
【表22】
【0317】
結果及び所見:ストレッカーアルデヒド及び最終ビール
中の「経時マーカー(age markers)」
【0311】
新鮮(fresh)ビール及び時間経過した(aged)ビールの両
若ビール(green beer)の分析は、試験間で高い類似性
がある。全ての試験は、比較的低いRDFを有するが、こ
者について、分析を実施した。
40
新鮮ビール及び時間経過したビールの両者について、GC
れは、重量/重量(ww)基準で計算して22%の大麦を含む
-MSにより、ストレッカーアルデヒド、及び「経時及び
場合に通常見られることである。
加熱マーカー(age and heat markers)」(2-Me-Pr (2-メ
【0312】
チルプロパナール)、2-Me-Bu (2-メチルブタナール)、3
結果及び所見:ビールろ過
-Me-Bu (3-メチルブタナール)、フルフラール、メチオ
固定圧力を使用し、プレートとフレームのフィルタを用
ナール、PheAcal (フェニルアセトアルデヒド)、及びT2
いて、ビールサンプルをろ過した。約15 kgの2つの樽
N(トランス-2-ノネナール))を分析した。新鮮ビールの
をろ過した。個々の樽のろ過データを表17に示す。第
分析のデータを表19に示す。
1の樽は1枚のフィルタシートを用いてろ過し、第2の
【0318】
樽は3枚のフィルタシートを用いてろ過した。差圧は常
【表25】
に0.5 バール(bar)であった。フィルタプレートは、Beg 50
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。
【0325】
配列:
AtuXyn3, アスペルギルス・ツビゲンシス (Aspergillus
tubigensis) (配列番号1), 302 aa
QASVSIDTKFKAHGKKYLGNIGDQYTLTKNSKTPAIIKADFGALTPENSM
KWDATEPSRGQFSFSGSDYLVNFAQSNNKLIRGHTLVWHSQLPSWVQAIT
DKNTLIEVMKNHITTVMQHYKGKIYAWDVVNEIFNEDGSLRDSVFYQVIG
EDYVRIAFETARAADPNAKLYINDYNLDSASYPKLTGMVSHVKKWIEAGI
【0319】
10
PIDGIGSQTHLSAGGGAGISGALNALAGAGTKEIAVTELDIAGASSTDYV
ストレッカーアルデヒド分析の前に、試験ビールを37℃
EVVEACLDQPKCIGITVWGVADPDSWRSSSTPLLFDSNYNPKPAYTAIAN
で2週間インキュベートした。
AL
時間経過させたビールサンプルのデータを表20に示す
【0326】
。
TerXyn1, ゲオスミチア・エメルソニ (Geosmithia emer
【0320】
sonii) (タレロミセス・エメルソニ (Taleromyces emer
【表26】
sonii)) (配列番号2)
AGLNTAAKAIGLKYFGTATDNPELSDTAYETQLNNTQDFGQLTPANSMKW
DATEPEQNVFTFSAGDQIANLAKANGQMLRCHNLVWYNQLPSWVTSGSWT
NETLLAAMKNHITNVVTHYKGQCYAWDVVNEALNDDGTYRSNVFYQYIGE
20
AYIPIAFATAAAADPNAKLYYNDYNIEYPGAKATAAQNLVKLVQSYGARI
DGVGLQSHFIVGETPSTSSQQQNMAAFTALGVEVAITELDIRMQLPETEA
LLTQQATDYQSTVQACANTKGCVGITVWDWTDKYSWVPSTFSGYGDACPW
DANYQKKPAYEGILTGLGQTVTSTTYIISPTTSVGTGTTTSSGGSGGTTG
VAQHWEQCGGLGWTGPTVCASGYTCTVINEYYSQCL
【0327】
【0321】
AtuXyn4, アスペルギルス・ツビゲンシス (Aspergillus
表20のデータは、ストレッカーアルデヒドレベルの予
tubigensis) (配列番号3)
想された増加を示している。フルフラール及びトランス
EPIEPRQASVSIDTKFKAHGKKYLGNIGDQYTLTKNSKTPAIIKADFGAL
-2-ノネナールの増加は、予想されたレベルである。
TPENSMKWDATEPSRGQFSFSGSDYLVNFAQSNNKLIRGHTLVWHSQLPS
【0322】
30
WVQSITDKNTLIEVMKNHITTVMQHYKGKIYAWDVVNEIFNEDGSLRDSV
結論:
FYKVIGEDYVRIAFETARAADPNAKLYINDYNLDSASYPKLTGMVSHVKK
パイロットスケール実験に基づいて、この実験で試験し
WIAAGIPIDGIGSQTHLSAGGGAGISGALNALAGAGTKEIAVTELDIAGA
たBglS及びX3の比率は、パイロットスケール醸造におい
SSTDYVEVVEACLNQPKCIGITVWGVADPDSWRSSSTPLLFDSNYNPKPA
て、リファレンスのUltraFlo Maxと同じように良好な、
YTAIANAL
あるいはUltraFlo Maxよりもさらに良好な性能であると
【0328】
結論付けられる。
AacXyn2, アスペルギルス・アキュリエタス (Aspergill
【0323】
us aculeatus) (配列番号4)
300 mg/lのβ-グルカンを含有する麦芽と組み合わせて2
MVGLLSITAALAATVLPNIVSAVGLDQAAVAKGLQYFGTATDNPELTDIP
2%の大麦を含むというチャレンジングな原料を使用した
YVTQLNNTADFGQITPGNSMKWDATEPSQGTFTFTKGDVIADLAEGNGQY
点から見て、この結果は驚くべきものである。この性能 40
LRCHTLVWYNQLPSWVTSGTWTNATLTAALKNHITNVVSHYKGKCLHWDV
はマッシュ分離の結果において見られるだけでなく、ビ
VNEALNDDGTYRTNIFYTTIGEAYIPIAFAAAAAADPDAKLFYNDYNLEY
ールろ過においても見られる。BREW2(ペントサンのデ
GGAKAASARAIVQLVKNAGAKIDGVGLQAHFSVGTVPSTSSLVSVLQSFT
ータ)の場合に細胞壁材料の可溶化が低いことから、味
ALGVEVAYTEADVRILLPTTATTLAQQSSDFQALVQSCVQTTGCVGFTIW
の悪さ及び安定性に関する品質問題を引き起こす可能性
DWTDKYSWVPSTFSGYGAALPWDENLVKKPAYNGLLAGMGVTVTTTTTTT
のある細胞壁材料はより低レベルであると言える。
TATATGKTTTTTTGATSTGTTAAHWGQCGGLNWSGPTACATGYTCTYVND
【0324】
YYSQCL
更に、X3/Bgls (b)ではキシラナーゼ成分の使用量が20%
【0329】
増加されているにもかかわらず、評価パラメータのいず
TreXyn3, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
れにも影響を与えず、このことから、X3/Bgls (a)は堅
i) (配列番号5)
牢な(robust)酵素の組み合わせであることが示唆される 50
MKANVILCLLAPLVAALPTETIHLDPELAALRANLTERTADLWDRQASQS
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IDQLIKRKGKLYFGTATDRGLLQREKNAAIIQADLGQVTPENSMKWQSLE
SISKYDQLVQGCLSLGAYCIVDIHNYARWNGGIIGQGGPTNAQFTSLWSQ
NNQGQLNWGDADYLVNFAQQNGKSIRGHTLIWHSQLPAWVNNINNADTLR
LASKYASQSRVWFGIMNEPHDVNINTWAATVQEVVTAIRNAGATSQFISL
QVIRTHVSTVVGRYKGKIRAWDVVNEIFNEDGTLRSSVFSRLLGEEFVSI
PGNDWQSAGAFISDGSAAALSQVTNPDGSTTNLIFDVHKYLDSDNSGTHA
AFRAARDADPSARLYINDYNLDRANYGKVNGLKTYVSKWISQGVPIDGIG
ECTTNNIDGAFSPLATWLRQNNRQAILTETGGGNVQSCIQDMCQQIQYLN
SQSHLSGGGGSGTLGALQQLATVPVTELAITELDIQGAPTTDYTQVVQAC
QNSDVYLGYVGWGAGSFDSTYVLTETPTGSGNSWTDTSLVSSCLARK
LSVSKCVGITVWGISDKDSWRASTNPLLFDANFNPKPAYNSIVGILQ
【0335】
【0330】
TreGlu3, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
TreXyn5, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
i) (配列番号11)
i) (配列番号6)
QTSCDQWATFTGNGYTVSNNLWGASAGSGFGCVTAVSLSGGASWHADWQW
QCIQPGTGYNNGYFYSYWNDGHGGVTYCNGPGGQFSVNWSNSGNFVGGKG 10
SGGQNNVKSYQNSQIAIPQKRTVNSISSMPTTASWSYSGSNIRANVAYDL
WQPGTKNRVINFSGSYNPNGNSYLSVYGWSRNPLIEYYIVENFGTYNPST
FTAANPNHVTYSGDYELMIWLGKYGDIGPIGSSQGTVNVGGQSWTLYYGY
GATKLGEVTSDGSVYDIYRTQRVNQPSIIGTATFYQYWSVRRNHRSSGSV
NGAMQVYSFVAQTNTTNYSGDVKNFFNYLRDNKGYNAAGQYVLSYQFGTE
NTANHFNAWAQQGLTLGTMDYQIVAVEGYFSSGSASITVSD
PFTGSGTLNVASWTASIN
【0331】
【0336】
BsuGluS, バチルス・スブチリス (Bacillus subtilis)
TreGlu4, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
(配列番号7), 214 aa
i) (配列番号12)
QTGGSFFDPFNGYNSGFWQKADGYSNGNMFNCTWRANNVSMTSLGEMRLA
HGHINDIVINGVWYQAYDPTTFPYESNPPIVVGWTAADLDNGFVSPDAYQ
LTSPAYNKFDCGENRSVQTYGYGLYEVRMKPAKNTGIVSSFFTYTGPTDG
NPDIICHKNATNAKGHASVKAGDTILFQWVPVPWPHPGPIVDYLANCNGD
TPWDEIDIEFLGKDTTKVQFNYYTNGAGNHEKIVDLGFDAANAYHTYAFD
CETVDKTTLEFFKIDGVGLLSGGDPGTWASDVLISNNNTWVVKIPDNLAP
WQPNSIKWYVDGQLKHTATNQIPTTPGKIMMNLWNGTGVDEWLGSYNGVN 20
GNYVLRHEIIALHSAGQANGAQNYPQCFNIAVSGSGSLQPSGVLGTDLYH
PLYAHYDWVRYTKK
ATDPGVLINIYTSPLNYIIPGPTVVSGLPTSVAQGSSAATATASATVPGG
【0332】
GSGPTSRTTTTARTTQASSRPSSTPPATTSAPAGGPTQTLYGQCGGSGYS
TerGlu1, ゲオスミチア・エメルソニ (Geosmithia emer
GPTRCAPPATCSTNPYYAQCLN
sonii) (タレロミセス・エメルソニ (Taleromyces emer
【0337】
sonii)) (配列番号8)
TreGlu6, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
APVKEKGIKKRASPFQWFGSNESGAEFGNNNIPGVEGTDYTFPNTSAIQI
i) (配列番号13)
LIDQGMNIFRVPFLMERMVPNQMTGPVDSAYFQGYSQVINYITSHGASAV
AFSWKNVKLGGGGGFVPGIIFHPKTKGVAYARTDIGGLYRLNADDSWTAV
IDPHNFGRYYNNIISSPSDFQTFWHTIASNFADNDNVIFDTNNEYHDMDE
TDGIADNAGWHNWGIDAVALDPQDDQKVYAAVGMYTNSWDPSNGAIIRSS
SLVVQLNQAAIDGIRAAGATSQYIFVEGNSWTGAWTWTQVNDAMANLTDP
DRGATWSFTNLPFKVGGNMPGRGAGERLAVDPANSNIIYFGARSGNGLWK
QNKIVYEMHQYLDSDGSGTSDQCVNSTIGQDRVESATAWLKQNGKKAILG 30
STDGGVTFSKVSSFTATGTYIPDPSDSNGYNSDKQGLMWVTFDSTSSTTG
EYAGGANSVCETAVTGMLDYLANNTDVWTGAIWWAAGPWWGDYIFSMEPP
GATSRIFVGTADNITASVYVSTNAGSTWSAVPGQPGKYFPHKAKLQPAEK
SGIAYEQVLPLLQPYL
ALYLTYSWWPDAQLFRSTDSGTTWSPIWAWASYPTETYYYSISTPKAPWI
【0333】
KNNFIDVTSESPSDGLIKRLGWMIESLEIDPTDSNHWLYGTGMTIFGGHD
BsuGlu103FULL, バチルス・スブチリス (Bacillus subt
LTNWDTRHNVSIQSLADGIEEFSVQDLASAPGGSELLAAVGDDNGFTFAS
ilis) (配列番号9)
RNDLGTSPQTVWATPTWATSTSVDYAGNSVKSVVRVGNTAGTQQVAISSD
DDYSVVEEHGQLSISNGELVNERGEQVQLKGMSSHGLQWYGQFVNYESMK
GGATWSIDYAADTSMNGGTVAYSADGDTILWSTASSGVQRSQFQGSFASV
WLRDDWGITVFRAAMYTSSGGYIDDPSVKEKVKETVEAAIDLGIYVIIDW
SSLPAGAVIASDKKTNSVFYAGSGSTFYVSKDTGSSFTRGPKLGSAGTIR
HILSDNDPNIYKEEAKDFFDEMSELYGDYPNVIYEIANEPNGSDVTWDNQ
DIAAHPTTAGTLYVSTDVGIFRSTDSGTTFGQVSTALTNTYQIALGVGSG
IKPYAEEVIPVIRDNDPNNIVIVGTGTWSQDVHHAADNQLADPNVMYAFH
SNWNLYAFGTGPSGARLYASGDSGASWTDIQGSQGFGSIDSTKVAGSGST
FYAGTHGQNLRDQVDYALDQGAAIFVSEWGTSAATGDGGVFLDEAQVWID 40
AGQVYVGTNGRGVFYAQGTVGGGTGGTSSSTKQSSSSTSSASSSTTLRSS
FMDERNLSWANWSLTHKDESSAALMPGANPTGGWTEAELSPSGTFVREKI
VVSTTRASTVTSSRTSSAAGPTGSGVAGHYAQCGGIGWTGPTQCVAPYVC
RESASIPPSDPTPPSDPGEPDPGEPDPTPPSDPGEYPAWDSNQIYTNEIV
QKQNDYYYQCV
YHNGQLWQAKWWTQNQEPGDPYGPWEPLKSDPDSGEPDPTPPSDPGEYPA
【0338】
WDSNQIYTNEIVYHNGQLWQAKWWTQNQEPGDPYGPWEPLN
TreGlu7, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
【0334】
i) (配列番号14)
TreGlu2, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
HGQVQNFTINGQYNQGFILDYYYQKQNTGHFPNVAGWYAEDLDLGFISPD
i) (配列番号10)
QYTTPDIVCHKNAAPGAISATAAAGSNIVFQWGPGVWPHPYGPIVTYVVE
QQTVWGQCGGIGWSGPTNCAPGSACSTLNPYYAQCIPGATTITTSTRPPS
CSGSCTTVNKNNLRWVKIQEAGINYNTQVWAQQDLINQGNKWTVKIPSSL
GPTTTTRATSTSSSTPPTSSGVRFAGVNIAGFDFGCTTDGTCVTSKVYPP
RPGNYVFRHELLAAHGASSANGMQNYPQCVNIAVTGSGTKALPAGTPATQ
LKNFTGSNNYPDGIGQMQHFVNDDGMTIFRLPVGWQYLVNNNLGGNLDST 50
LYKPTDPGILFNPYTTITSYTIPGPALWQG
( 34 )
JP
65
2015-527065
A
2015.9.17
66
【0339】
TlaXyn1, サーモミセス・ラヌギノサス (THERMOMYCES L
TreGlu8, トリコデルマ・リーゼイ (Trichoderma reese
ANUGINOSUS) (配列番号20), 225 AA
i) (配列番号15)
AFPAGNATELEKRQTTPNSEGWHDGYYYSWWSDGGAQATYTNLEGGTYEI
GKIKYLGVAIPGIDFGCDIDGSCPTDTSSVPLLSYKGGDGAGQMKHFAED
SWGDGGNLVGGKGWNPGLNARAIHFEGVYQPNGNSYLAVYGWTRNPLVEY
DGLNVFRISATWQFVLNNTVDGKLDELNWGSYNKVVNACLETGAYCMIDM
YIVENFGTYDPSSGATDLGTVECDGSIYRLGKTTRVNAPSIDGTQTFDQY
HNFARYNGGIIGQGGVSDDIFVDLWVQIAKYYEDNDKIIFGLMNEPHDLD
WSVRQDKRTSGTVQTGCHFDAWARAGLNVNGDHYYQIVATEGYFSSGYAR
IEIWAQTCQKVVTAIRKAGATSQMILLPGTNFASVETYVSTGSAEALGKI
ITVADVG MVGFTPVALAALAATGAL
TNPDGSTDLLYFDVHKYLDINNSGSHAECTTDNVDAFNDFADWLRQNKRQ
【0345】
AIISETGASMEPSCMTAFCAQNKAISENSDVYIGFVGWGAGSFDTSYILT
TauXyn1, サーモアスカス・オーランティアカス (THERM
LTPLGKPGNYTDNKLMNECILDQFTLDEKYRPTPTSISTAAEETATATAT 10
OASCUS AURANTIACUS); 310 AA (配列番号21),
SDGDAPSTTKPIFREETASPTPNAVTKPSPDTSDSSDDDKDSAASMSAQG
SPILEERQAAQSVDQLIKARGKVYFGVATDQNRLTTGKNAAIIQADFGQV
LTGTVLFTVAALGYMLVAF
TPENSMKWDATEPSQGNFNFAGADYLVNWAQQNGKLIRGHTLVWHSQLPS
【0340】
WVSSITDKNTLTNVMKNHITTLMTRYKGKIRAWDVVNEAFNEDGSLRQTV
BsuGluC CBD, バチルス・スブチリス (Bacillus subtil
FLNVIGEDYIPIAFQTARAADPNAKLYINDYNLDSASYPKTQAIVNRVKQ
is) (配列番号16)
WRAAGVPIDGIGSQTHLSAGQGAGVLQALPLLASAGTPEVAITELDVAGA
MKRSISIFITCLLITLLTMGGMIASPASAAGTKTPVAKNGQLSIKGTQLV
SPTDYVNVVNACLNVQSCVGITVWGVADPDSWRASTTPLLFDGNFNPKPA
NRDGKAVQLKGISSHGLQWYGEYVNKDSLKWLRDDWGITVFRAAMYTADG
YNAIVQDLQQ
GYIDNPSVKNKVKEAVEAAKELGIYVIIDWHILNDGNPNQNKEKAKEFFK
【0346】
EMSSLYGNTPNVIYEIANEPNGDVNWKRDIKPYAEEVISVIRKNDPDNII
SthXyn1, S.サーモビオラセウス (S. THERMOVIOLACEU
IVGTGTWSQDVNDAADDQLKDANVMYALHFYAGTHGQFLRDKANYALSKG 20
S) (配列番号22), 295 AA
APIFVTEWGTSDASGNGGVFLDQSREWLKYLDSKTISWVNWNLSDKQESS
DTITSNQTGTHNGYFYSFWTDAPGTVTMNTGAGGNYSTQWSNTGNFVAGK
SALKPGASKTGGWRLSDLSASGTFVRENILGTKDSTKDIPETPSKDKPTQ
GWATGGRRTVTYSGTFNPSGNAYLALYGWSQNPLVEYYIVDNWGTYRPTG
ENGISVQYRAGDGSMNSNQIRPQLQIKNNGNTTVDLKDVTARYWYKAKNK
TYKGTVDSDGGTYDIYMTTRYNAPSIEGTKTFNQYWSVRQNKRTGGTITT
GQNFDCDYAQIGCGNVTHKFVTLHKPKQGADTYLELGFKNGTLAPGASTG
GNHFDAWAAHGMPLGTFNYMILATEGYQSSGSSNITVGDSGGDNGGGGGG
NIQLRLHNDDWSNYAQSGDYSFFKSNTFKTTKKITLYDQGKLIWGTEPN
GGGGGNTGGCTATLSAGEQWSDRYNLNVSVSGSDNWTVTMRVPAPEKVMA
【0341】
TWNVTASYPDAQTLVARPNGNGNNWGVTIQKNGSTTWPTVSCSVG
BsuXyn3, バチルス・スブチリス (Bacillus subtilis)
【0347】
キシラナーゼ変異体 (配列番号17)
TfuXyn1, サーモビフィダ・フスカ (THERMOBIFIDA FUSC
ASTDYWQNWTFGGGIVNAVNGSGGNYSVNWSNTGNFVVGKGWTTGSPFRT
A) (配列番号23), 296 AA
INYNAGVWAPNGNGYLTLYGWTRSPLIEYYVVDSWGTYRPTGTYKGTVKS 30
AVTSNETGYHDGYFYSFWTDAPGTVSMELGPGGNYSTSWRNTGNFVAGKG
DGGTYDIYTTTRYNAPSIDGDDTTFTQYWSVRQSKRPTGSNATITFSNHV
WATGGRRTVTYSASFNPSGNAYLTLYGWTRNPLVEYYIVESWGTYRPTGT
NAWKSHGMNLGSNWAYQVMATEGYQSSGSSNVTVW
YMGTVTTDGGTYDIYKTTRYNAPSIEGTRTFDQYWSVRQSKRTSGTITAG
【0342】
NHFDAWARHGMHLGTHDYMIMATEGYQSSGSSNVTLGTSGGGNPGGGNPP
BsuXyn4, バチルス・スブチリス (Bacillus subtilis)
GGGNPPGGGGCTATLSAGQQWNDRYNLNVNVSGSNNWTVTVNVPWPARII
キシラナーゼ変異体 (配列番号18)
ATWNIHASYPDSQTLVARPNGNGNNWGMTIMHNGNWTWPTVSCSAN
ASTDYWQNWTDGYGIVNAVNGSGGNYSVNWSNTGNFVVGKGWTTGSPFRT
【0348】
INYNAGVWAPNGNGYLTLYGWTRSPLIEYYVVDSWGTYRPTGTYKGTVYS
FoxXyn2*, フザリウム・オキシスポルム (FUSARIUM OXY
DGGWYDIYTATRDNAPSIDGDFTTFTQYWSVRQSKRPTGSNATITFSNHV
SPORUM) (配列番号24)
NAWRSHGMDLGSNWAYQVMATEGYLSSGSSNVTVW
【0343】
MKLSSFLYTASLVAAIPTAIEPRQASDSINKLIKNKGKLYYGTITDPNLL
40
GVAKDTAIIKADFGAVTPENSMKWDATEPSQGKFNFGSFDQVVNFAQQNG
ApuXyn1, オウレオバシディウム・プルランス (AUREOBA
LKVRGHTVVWHSQLPQWVKNINDKATLTKVIENHVTNVVGRYKGKIYAWD
SIDIUM PULLULANS) (配列番号19), 343 AA
VVNEIFDWDGTLRKDSHFNNVFGNDDYVGIAFRAARKADPNAKLYINDYS
TPTDYSTSSYSKNQGLAQAWTSKGRQYIGTALTIRDDPVEQGIIQSRTDF
LDSGSASKVTKGMVPSVKKWLSQGVPVDGIGSQTHLDPGAAGQIQGALTA
NSITPENAMKWESTEPQRNNFTFAGADAVADFADRYNKEMRCHTLVWHSQ
LANSGVKEVAITELDIRTAPANDYATVTKACLNVPKCIGITVWGVSDKNS
LPAWVSQGNFDNKTLISIMENHIKKVAGRYKNKCTHWDVVNEALNEDGTY
WRKEHDSLLFDANYNPKAAYTAVVNALR
RSSVFYNTIGEAFIPIAFRFAEKYAGSKTKLYYNDYNLEYGSAKALGAQR
【0349】
ILKLVQSYGVQIDGVGLQAHLSSEATASTGGGVTPDVQTLTNVLKLYTDL
FveXyn4*, フザリウム・バーティシリオイデス (FUSARI
GVEVAYTELDVRFTTPATDAKLKAQADAYARVVQSCINVKRCVGITVWGV
UM VERTICILLOIDES) (配列番号25)
SDKYSWIPGVFPTEGAALLWDENFNKKPAYSSVLKTIQSFRKS
QAADSINKLIKNKGKLYYGTITDPNLLGVAKDTAIIKADFGAVTPENSGK
【0344】
50
WDATEPSQGKFNFGSFDQVVNFAQQNGLKVRGHTLVWHSQLPQWVKNIND
( 35 )
JP
67
2015-527065
A
2015.9.17
68
KATLTKVIENHVTQVVGRYKGKIYAWDVVNEIFEWDGTLRKDSHFNNVFG
YATVTKACLNVPKCIGITVWGVSDKNSWRKEHDSLLFDANYNPKPAYTAV
NDDYVGIAFRAARKADPNAKLYINDYSLDSGSASKVTKGMVPSVKKWLSQ
VNALR
GVPVDGIGSQTHLDPGAAGQIQGALTALANSGVKEVAITELDIRTAPAND
【図1】
【図4】
【図5】
【図2】
【図6】
【図3】
【図7】
( 36 )
【配列表】
2015527065000001.app
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 37 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【請求項9】
【提出日】平成27年7月24日(2015.7.24)
食品製品、飼料製品、若しくはモルト飲料製品の製造に
【手続補正1】
おける、又はドウ製品若しくはベークド製品の製造にお
【補正対象書類名】特許請求の範囲
ける、又はパルプ若しくは紙の調製における、又はライ
【補正対象項目名】全文
麦、小麦、若しくは大麦等の穀物成分の調製のための、
【補正方法】変更
又はビールの製造若しくは醸造工程からの副産物の改変
【補正の内容】
における、又はワイン若しくはジュースの製造における
【特許請求の範囲】
、又はバイオエタノール等の第一世代若しくは第二世代
【請求項1】
のバイオ燃料の製造における、請求項1若しくは2に記
エンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示す酵素であって、
載の酵素、請求項5に記載の調製物、又は請求項6∼8
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
のいずれか一項に記載の組成物の使用。
号5、配列番号6、配列番号17、配列番号18、配列番号19
【請求項10】
、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、
デンプン含有原料のろ過性を変更する方法であって、請
配列番号24、及び配列番号25から選択されるいずれか1
求項1若しくは2に記載の酵素、請求項5に記載の調製
つと少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又
物、又は請求項6∼8のいずれか一項に記載の組成物で
はその任意の機能性断片を含む酵素。
前記デンプン含有原料を処理する工程を含む方法。
【請求項2】
【請求項11】
エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性を示す酵素であっ
醸造工程においてロイターリング中に増加する圧力を軽
て、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、
減する方法であって、請求項1若しくは2に記載の酵素
配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配
、請求項5に記載の調製物、又は請求項6∼8のいずれ
列番号15、及び配列番号16から選択されるいずれか1つ
か一項に記載の組成物で醸造用マッシュを処理する工程
と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列、又は
を含む方法。
その機能性断片を含む酵素。
【請求項12】
【請求項3】
食品製品、飼料製品、又は、アルコール飲料若しくはノ
DNA構築物を含む組み換え発現ベクターであって、前
ンアルコール飲料や、ビール若しくはウイスキーのよう
記DNA構築物が請求項1又は2に記載の酵素をコード
な穀物使用飲料若しくはモルト使用飲料等の飲料製品を
するDNA配列を含む、組み換え発現ベクター。
製造する方法であって、請求項1若しくは2に記載の酵
【請求項4】
素、請求項5に記載の調製物、又は請求項6∼8のいず
請求項3に記載のベクターで形質転換された細胞。
れか一項に記載の組成物でデンプン含有原料を処理する
【請求項5】
工程を含む方法。
請求項1若しくは2に記載の酵素、請求項3に記載のベ
【請求項13】
クター、又は請求項4に記載の細胞を含む調製物。
醸造用マッシュを製造する方法であって、請求項1若し
【請求項6】
くは2に記載の酵素、請求項5に記載の調製物、又は請
請求項1に記載のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示
求項6∼8のいずれか一項に記載の組成物でデンプン含
す酵素を、任意の1種以上のβ-グルカナーゼ、例えば
有原料を処理する工程を含む方法。
請求項2に記載のエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性
【請求項14】
を示す酵素、と組み合わせて含む組成物。
バイオエタノール等の第一世代又は第二世代のバイオ燃
【請求項7】
料を製造する方法であって、請求項1若しくは2に記載
請求項2に記載のエンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性
の酵素、請求項5に記載の調製物、又は請求項6∼8の
を示す酵素を、任意の1種以上のキシラナーゼ、例えば
いずれか一項に記載の組成物でデンプン含有原料を処理
請求項1に記載のエンド-1,4-β-キシラナーゼ活性を示
する工程を含む方法。
す酵素、と組み合わせて含む組成物。
【請求項15】
【請求項8】
請求項13又は14に記載の方法によって得られた製品
前記エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ活性及び前記エン
。
ド-1,4-β-キシラナーゼ活性が、少なくとも2種の異な
【請求項16】
る酵素、例えば2つの異なる種(species)からの少な
請求項15に記載の製品を含む組成物であって、前記製
くとも2種の異なる酵素、に由来する、請求項6又は7
品が0.1%∼99.9%の範囲で含まれるような組成
に記載の組成物。
物。
( 38 )
【国際調査報告】
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 39 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 40 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 41 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 42 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
( 43 )
JP
2015-527065
A
2015.9.17
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
テーマコード(参考)
C12N
5/10
(2006.01)
C12N
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C12N
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C12N
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C12P
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A21D
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A23L
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H
A23L
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A23L
2/00
A
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A23K
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(2006.01)
C10L
1/02
(81)指定国
101
4B035
Z
4B115
4H013
J
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,T
M),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,R
S,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,
BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,H
U,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI
,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,
UZ,VC,VN
(74)代理人
100123892
弁理士
(74)代理人
内藤
弁理士
(74)代理人
今井
小原
正信
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弁理士
(72)発明者
千裕
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弁理士
(74)代理人
忠雄
100169993
逢坂
敦
ソレンセン、ジェンス・フリスバック
デンマーク王国、オーフス
(72)発明者
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ミラー、ローン・ブロンド
デンマーク王国、フィビー・ジェイ
(72)発明者
ディング
20
200444、ボーシャン・ディストリクト、スイート
13、チェンイン・ロード
2702、ビル
655
ユ、チェヨン
中華人民共和国、上海
ング
(72)発明者
ディーケー―8260、ブローソンズフェィ
チャン、ジェンホン
中華人民共和国、上海
(72)発明者
93
200434、ホンコー・ディストリクト、スイート
17、グゥワンギュ・ロード
フー、リン
150
501、ビルディ
( 44 )
中華人民共和国、上海
ング
JP
2015-527065
201102、ミンハン・ディストリクト、スイート
58、グダイ・ロード
Fターム(参考) 2B150 BA01
BB03
CE01
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LP06
4B023 LK17
LP20
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BA02
1199
CE02
CE04
DF11
DD01
DD02
DD03
LL02
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LL10
A
2015.9.17
501、ビルディ