笠松 幸一 - 日本大学文理学部

平成 26 年度
日本大学文理学部個人研究費 研究実績報告書
学科・資格 哲学科・教授
申請者氏名 笠松 幸一 ㊞
研 究 課 題
研究目的
お よ び
報
研究概要
告
研 究
の
の
概
結 果
要
研
究
の
パラダイム論の記号学的解明
目的:本研究においては、T.S.クーンのパラダイム論を、記号学(構文論、意味論、語用論)の観点から把
握する。とりわけ、パラダイム転換における語用論(プラグマティクス)の果たす機能の解明を目指し
ている。(クーンは、モリスの指導および推薦により彼の『科学革命の構造』を著した(本書「まえが
き」参照)。
概要:T.S.クーンの著『科学革命の構造』は元来、モリス(―プラグマティズムを方法とする―)とカルナッ
プ(―論理実証主義を方法とする―)が、物理学をモデルに推進したところの「統一科学運動」にお
ける「統一科学百科全書」の一書として著わされた。すなわち両者は、この運動について次のように
主張する。諸科学の成果は記号表現として成立する。したがって、記号学の研究(構文論・意味
論・語用論)を基礎として統一科学は成立しえる。
1) モリスは記号学におけるプラグマティクス(語用論)の創始者である。プラグマティクスは、特にパラダ
イムの転換(旧パラダイムから新パラダイムへの転換)において機能する。
2) 新パラダイムは、科学者共同体における、プラグマティックな理論選択(―正確性、広範囲性、単純
性、多産性、等の観点にもとづく―)により形成される。
3) カルナップは特に構文論と意味論を彼の研究領域とした。構文論と意味論は、特に通常科学期(「パ
ズル解き」に例えられる)における科学者共同体に成立し機能する。
すなわち、科学の発展は、通常科学期と科学革命期が交互に繰り返されて進展する。主として、構文論と
意味論は通常科学期において、語用論は科学革命期において働くことになる。
1)モリスの著 Signification and Significance (意味と意義) において、語用論がパラダイム転換において
働くことを確認した。
2)カルナップはクーンのパラダイム論をいかに捉え評価するのか、この点をカルナップの著述に確認しな
ければならない。
考 察
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反 省
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研究発表
学会名
発表テーマ
年月日/場所
研究成果物
テーマ
誌 名
巻・号
発行年月日
発行所・者
笠松幸一「哲学と科学」、『哲学』石浜弘道(弘文堂、2015年10月刊行予定)。
笠松幸一「記号学と科学革命」、『プラグマティズムの新展開』高頭直樹(世界思想社、2016 年刊行予定)