IDF栄養ホームページ http://www.idfdairynutrition.org/Public/FAQPage より IDF文書(フランス酪農公社 CNIEL 提供)をJIDF事務局が仮訳 よく尋ねられる質問 FAQ カルシウムのすすめ 骨粗鬆症 アジア人はカルシウム摂取量が少ないのに、乳製品の大消費者であるスカンジナビア 人やアメリカ人よりも骨粗鬆症や骨折の発症率が少ないのは何故ですか。 アジア人は乳製品摂取量が少なく、カルシウム摂取量も少ない(500mg以下/ 日)こと、平均的に大腿骨(骨盤)骨折の発生率が欧米人よりも低いことは事実です。 このことは次のように説明されます。 遺伝:骨密度の高さと関連する遺伝子はアジア人に多く見られる 体型:アジア人の背が低い(つまり低い高さから転ぶ)、大腿骨の頸部の形が 異なり、外傷性全身症状に抵抗性が高い 環境:体を動かすことがアジアではヨーロッパ人よりも大切なこと(また、し ゃがむという姿勢が骨への有効性を高めると考えられる)。たとえば、香港や シンガポールでは骨折の発生率は、米国よりもわずかに少ないだけである。 ビタミンD:アジア人は一般的に脂肪身の魚からより多くのビタミンDを摂取 している 日本では脊椎骨の圧縮が頻繁に見られる。寿命の延長に伴い、骨粗鬆症に関連する骨 折は、多分、アジアでは高い速度で増加している(世紀末までに、世界で発生する大 腿骨骨折の半分はアジアで見られるのではないかと専門家はみています)。多くのア ジア諸国で骨粗鬆症は公衆上の健康問題となっています。政府当局者は、予防策(例 えば、中国では学校給食牛乳を実施)を訴えるとともに、アジア人にとってのカルシ ウムと乳・乳製品摂取の重要性と利点を示す最近の研究成果を訴えています。 * コーカサス系人種と同様、アジア人の骨密度は、カルシウム摂取量に依存しています (摂取量が多いほど骨密度が高くなる)が、アジア人のリスク要因は活動量の不足、 カルシウム摂取不足と転倒です(カルシウム不足の人ではリスクが2、3倍高くな る)カルシウム摂取の増加は、骨密度の増加を伴います(3つの介入試験、子供対象 1件、成人対象2件により示されています)。 フルーツや野菜由来のカルシウムを牛乳由来のカルシウムに置き換えてもよいのです か? 牛乳由来のカルシウムは3つの利点があります:小腸での吸収が優れています。骨に とって生物学的に利用価値が高くなります。また大半の乳・乳製品にはカルシウムが 多く含まれます。しかしながら、多くの植物にはカルシウムの吸収を阻害する物質 (シュウ酸塩やフィチン酸)が含まれます(牛乳の吸収率は32.4%、ほうれん草 やクレソンは5%ないし13%)。さらには、植物ではカルシウム含有率が乳および 乳製品よりもずっと少なくなります(300mgのカルシウムを得るのに、牛乳25 IDF栄養ホームページ http://www.idfdairynutrition.org/Public/FAQPage より 0mlが必要ですが、キャベツでは850g、オレンジでは3kg必要です。植物中 のカルシウムは、乳および乳製品ほど生物学的な利用性が高くありません。乳および 乳製品と同じレベルの骨保持率もありません(牛乳ではカルシウム/リン比が有効)。 仮訳:JIDF事務局 編者注:仮訳の正確性、完全性、有用性等についてはいかなる保証をするものではありません。参考資料 として扱い、内容に疑義が生じた場合は英文の原文をご確認ください。
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