Q39.カンボジア国内で不動産保有法人の株式を

ウーリ会計事務所
FAQ
Q.39
カンボジア国内で不動産保有法人の株式を譲渡する方法と、保有する土地自体を直接
売却した場合に税法上どのような違いがありますか。
A.39 カンボジアで土地を所有できるのはカンボジア人、もしくはカンボジア法人に限られています。
よって、外国人が所有するためには、カンボジア人やカンボジアの法人が51%以上の出資をし
ている土地保有法人(land-holding company)を設立したり、カンボジア国籍(ここでは
citizenship)を取得して土地を購入することが最も一般的な方法です。
土地保有法人の形式で取得した土地を売却する場合、会社の株式を完全に譲渡する方法と、土地
だけを売却する方法があります。会社の株式全体を譲渡する場合には、譲渡に関連して売却差額(キ
ャピタルゲイン(capital gain)
)が発生し、税法上では当然課税対象となりますが、その課税方法
に特徴があります。
①
売主が個人の場合
株式の売主が個人である場合には、税源の確保が難しくて課税していない場合が多いのですが、
税法上では当然、累進所得税率で税金を納付しなければなりません。
②
売主が法人株主の場合
株式の売主が法人である場合には、売却益は、当然、当該年度の課税対象利益に加算され、法人
税率20%を乗じた税金を納付することが必要です。また、土地だけを売却した場合には、土地
の売却価格の1%が前払法人税の対象となるため、売却した日の属する月の翌月15日までに税
務署に申告および納付することが必要です。
③
VATその他の税の取り扱い
カンボジアの税法上の土地の売買は他の財とは異なり、付加価値税の対象外です。また、譲渡価
格と購入価格の差は当然課税対象所得に該当し、譲渡差益が発生した場合には法人税率20%を
適用して法人税を計算した後にすでに納付した前払法人税を差し引き、差額を翌年の3月末まで
に申告と納付を行わなければなりません。万一、譲渡差益ではなく差損が生じた場合は、譲渡差
益と同様に法人所得の計算で損失を計上することができます。差益と差損の両方がある場合、税
法上問題なく合算して課税対象額を計算することとなりますが、いずれの場合が節税をすること
ができるかは実際の取引が発生するケースバイケースです。慎重に検討をする必要があります。
(注)ここに記載するコメントは、個別の事例ごとにより適用されるもので、当該記
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します。
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