30P-pm115

30P-pm115
BMAL1 は骨格筋において筋繊維のタイプを決定するとともに脂質代謝を制御する
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◯市橋 裕也 1 ,
岡松 優子 2 ,
齊藤 昌之 3 ,
榛葉 繁紀(
日本大薬,
北大,
天使大)
【目的】時計遺伝子 Brain and Muscle Arnt Like protein1(BMAL1)は、生体のサーカ
ディアンリズムを制御する転写因子であり、ヒト SNP 解析によりⅡ型糖尿病並び
に高血圧症との関連が示されている。BMAL1 はほぼ全身に発現し、全身のエネル
ギー代謝活性の制御に関与している事を我々は報告した。そこで、本研究では、
エネルギー代謝において中心的な役割を果たしている骨格筋における BMAL1 の
役割を明らかにするために骨格筋特異的 BMAL1欠損(M-BMAL1 KO)マウスを作
製し、その機能解析を行った。【結果・考察】マウス骨格筋において BMAL1 およ
びその標的遺伝子である時計遺伝子群の発現にサーカディアンリズムが認められ、
骨格筋においても他の組織と同様に BMAL1 が機能的作用を持つことが示された。
そこで M-BMAL1 KO マウスの表現型を解析したところ、体重及び呼吸商に関し
てコントロールマウスと有意な違いは認められなかった。しかしながら M-BMAL1
KO マウスは、コントロールマウスと比較して著しい遅筋(赤筋)量の増加が観ら
れた。そこで、骨格筋における遺伝子発現量を検討したところ、M-BMAL1 KO マ
ウスにおいて、遅筋型トロポニン、ミオグロビン、さらには筋分化制御に関わる
MyoD、Myf5 等の転写因子群の発現増加も認められた。この M-BMAL1 KO マウス
における遅筋量の増加は、骨格筋内における脂質代謝に影響を与える事が予想出
来る。そこで骨格筋中並びに血清中のトリグリセリド(TG)濃度を測定したところ、
M-BMAL1 KO マウスにおいてコントロールマウス以上の骨格筋 TG 量の蓄積並び
に血清 TG 濃度の低下が示された。以上の結果から、BMAL1 が骨格筋の分化及び
筋繊維タイプの決定、そして脂質代謝の制御に関与している事が示された。