バーゼル級数 15 信大 (1) an = 1 π 1 その和は π ∫ n=1 π −π ∫ 事実が知られているなら別に難問でもないが,知られている事実知りたくない?フーリエ級数です。入 ∞ ∑ 1 が π2 と 試問題にフーリエ級数まで出始めたか,と思ったが,Wikipedia にはバーゼル級数の和 6 n2 x sin nxdx(n = 1, 2, 3, · · · ) とおくと,無限級数 ∞ ∑ なる証明にフーリエ級数を使ったものがちゃんと出ている。 a2n は収束し, フーリエ展開は,積分可能な関数 f (x) は f (x) = a0 + b1 sin x + a1 cos x + b2 sin 2x + a2 cos 2x + · · · n=1 と級数展開されるというもの。ここでは,関数 f (x) = x は奇関数だから,x = b1 sin x + b2 sin 2x + · · · ∫ π ∫ π 1 ただし,bn = f (x) sin nxdx = 1 x sin nxdx π −π π −π ∞ ∑ 1 の和を求めよ。 x dx であることが知られている。これを用いて,無限級数 2 n −π k=1 π 2 1 = a + b2 + c が x についての恒等式となるように, x x+1 x2 (x + 1) x 定数 a, b, c の値を求めよ。 ∞ ∑ 1 (3) 無限級数 の収束,発散について調べ,収束するときはその和を求めよ。 2 n (n + 1) n=1 テーラー展開とよく似てるんだよな。微分可能な関数 f (x) は f (x) = a0 + a1 x + a2 x2 + · · · と級数展開 (2) 等式 ∫ π ∫ π (1) (−x) sin n(−x) = x sin nx なので an = 1 x sin nxdx = 2 x sin nxdx π −π π 0 ]π [ { } 2(−1)n = 2 − x cos nx + sin 2nx = 2 − π (−1)n = − π n π n n n 0 [ ]π ∫ π ∞ ∑ 3 2 4 1 2 x 2 2 2 よって,an = 2 題意より, an = x dx = = 2π π −π π 3 0 3 n される。例えば,関数 sin x は奇関数だから,sin x = a1 x + a2 x3 + · · · f (n) (0) x3 + x5 + · · · は余計な話だけど。 ただし,an = 実際は sin x = x − n! 3! 5! ∫ π 1 2 2 2 2 2 だから,x = b1 sin x + b2 sin 2x + · · · + 2b1 b2 sin x sin 2x + · · · すると, x2 dx = b21 + b22 + · · · と π −π いうのが事実。 ∫ π 教科書には sin mx sin nxdx を求めよ,なんて問題がよくあるがこれにつながる。すっきりしました? −π え?とっと知りたい?「高木貞治再読」のフーリエ級数の部分をどうぞ。 n=1 ∞ ∞ ∑ 4 = 2π 2 よって, ∑ 1 = π 2 つまり, 3 6 n2 n2 n=1 n=1 (2) 分母を払って 1 = ax(x + 1) + b(x + 1) + cx2 が恒等式となるように,係数を比較して a + c = 0, a + b = 0, b = 1 よって,a = −1, b = 1, c = 1 ∞ ∑ 1 は収束するので, (3) (1) から 2 n n=1 n n ( n n ( ) ∑ ) ∑ ∑ 1 + 1 + 1 1 1 +∑ − 1 + 1 (2) より, = − = k k+1 k k+1 k 2 (k + 1) k2 k2 k=1 k=1 k=1 k=1 = n n ∑ 1 − 1 + 1 − 1 + 1 − · · · − 1 + 1 = ∑ 1 − 1 + 1 → π2 − 1 2 2 3 n n+1 n+1 6 k2 k2 k=1 k=1 ちなみに,Gegebra では TaylorPolynomial[sin(x), 0, 3] なんて命令があって,下はそのグラフ。
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