8 August,2015 不動産マーケットレポート 首都圏中古マンション市場の動向 ・・ 2 経済トレンド・ウォッチ ・・・・・・ 4 不動産市場トレンド・ウォッチ ・・・ 6 首都圏中古マンション 新規登録物件・成約物件の比較 ・・・・ 8 ■本 レポ ートに 関 するお 問 い 合 わ せ 先■ みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部 金子 伸幸 TEL.03-3274-9079(代表) 首都圏中古マンション市場の動向 首都圏中古マンションの成約件数は2013 年に大幅増加し、その後前年同月比で減少が続きましたが、 2015 年 4月から増加に転じています。新築マンションとの価格差の拡大や新規登録件数の増加など、中古 マンションの成約件数が増加する条件は揃っていると考えられます。 ●成約件数は2013 年に大幅増加。その後減少が続いたが直近は前年同月を上回る 首都圏※ 1 中古マンションの新規登録件数※ 2 は、世界 えのための売却が大幅増加につながったことなどが考え 金融危機後の2009 年、2010 年を除き増加傾向で推移し、 られます。 2012 年には 18.2 万 件 弱まで増 加しました( 図 表 1) 。 しかし、2014 年に入ると、前年の大幅増加の反動など 2013 年、2014 年は前年比で減少が続きましたが、2015 から、成約件数の前年同月比の増加幅が低下し、4 月 年に入ってからは5 か月連続で前年同月を上回っており、 には減少に転じました。以後、前年同月比減少の月が かつ増加率が上昇傾向で推移しています (図表 2) 。 12か月連続しましたが、2015年4月には増加に転じ、5月は 一方、成約件数はわずかながら増加傾向で推移して 14%増加しました (図表 2) 。 きており、特に2013 年は大きく増加し36,432 戸(前年比 ※ 1 首都圏:東京都、 神奈川県、 埼玉県、 千葉県 ※ 2 新規登録件数:当該月に新たに東日本レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構) が運営している、会員不動産会社間の 物件情報のためのコンピューターネットワークシステムに登録され た物件情報の件数。 16%増加)でした(図表 1) 。2013 年は新築マンションの 価格が上昇し、中古マンション価格の割安感が強まった こと、消費増税を前に新築マンション供給が増加し、買換 [図表 1] 首都圏中古マンション新規登録件数・成約件数、新築マンション新規発売戸数の推移 (万件) (万件) 20 10 15 7.5 10 5 成約件数 (右軸) 新築マンション 新規発売戸数 (右軸) 2.5 5 0 新規登録件数 (左軸) 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年) 14 13 0 データ出所:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watch」( 、株) 不動産経済研究所「不動産経済調査月報」 [図表 2] 首都圏中古マンション新規登録件数・成約件数の推移 18,000 (件) (%) 40 30 12,000 20 9,000 10 6,000 0 3,000 -10 0 5 月 4 月 3 月 2 月 月 月 月 月 9 10 11 12 1 月 8 月 7 月 6 月 新規登録件数前年同月比 5 月 2014年 4 月 3 月 2 月 月 月 月 月 9 10 11 12 1 月 8 月 成約件数 7 月 新規登録件数 6 月 2013年 5 月 4 月 3 月 2 月 月 月 月 2012年 月 9 10 11 12 1 月 8 月 7 月 6 月 5 月 4 月 3 月 2 月 月 1 前年同月比 15,000 -20 2015年 成約件数前年同月比 データ出所:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watch」 2 2015, August みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ●成約価格は2013 年 1 月以降前年同月比の上昇が続く 数が増加しました。 首都圏中古マンションの成約価格の前年同月比は、 今後供給される新築マンションは、地価上昇や建築費 2013 年 1月以降 29 か月上昇が続いています。特に、都 心3区 ※3 上昇の影響を受けた物件であることから、新築マンション の中古マンション成約価格の上昇が顕著で、 2013 年 10月以降は5 千万円前後で推移し、2015 年 2月 の価格はさらなる上昇が見込まれます。中古マンション 以 降は 5 千 4 百 万 円 前 後の高 価 格 が 続いています 価格も連動して上昇するとみられるものの、価格差が大 (図表 3)。景気の回復に伴う実需の増加に加え、富裕 きい状況は続くと考えられます。また、 前述のように、 中古 層や外国人投資家、 相続対策を目的とした資産家層によ マンションの新規登録物件数は最近増加傾向にあります。 る取得増加が要因の一つとして考えられます。 さらに、需要サイドからみても住宅ローン金利がまだ低水 中古マンション成約価格と新築マンション価格の前年 準であることなどから、景気動向に大きな変動がなけれ 比は同様の動きをしており、世界金融危機後も、ともに ば、中古マンションの成約件数が増加する条件は揃って 2009 年~2012 年まで上げ下げしながら、横ばい傾向で いると考えられます。 推移していました。しかし、2013 年に新築マンション価格 (以上、 都市未来総合研究所 佐藤 泰弘) が大幅上昇したことから、中古マンション価格と新築マン ションの価格差が拡大(図表 4) し、前述のように成約件 ※ 3 千代田区、 中央区、 港区 [図表 3] 首都圏・都心 3 区の中古マンション成約価格と前年同月比の推移 6,000 (万円) (%) 40 30 4,000 20 3,000 10 2,000 0 1,000 ー10 5 月 4 月 3 月 2 月 都心3区成約価格 月 2014年 月 月 月 9 10 11 12 1 月 8 月 7 月 6 月 5 月 4 月 3 月 首都圏成約価格 2 月 2013年 月 月 月 月 9 10 11 12 1 月 8 月 7 月 6 月 5 月 4 月 3 月 2 月 2012年 月 月 月 月 9 10 11 12 1 月 8 月 7 月 6 月 5 月 4 月 3 月 2 月 1 月 0 前年同月比 成約価格 5,000 ー20 2015年 首都圏成約価格前年同月比 都心3区成約価格前年同月比 [図表 4] 首都圏中古マンション成約価格、新築マンション価格の推移 (万円) 6,000 (%) 20 中古マンション 成約価格 4,000 10 新築マンション 価格 価格差 (新築マンション価格 ー中古マンション成約 価格) 2,000 0 前年比 (中古マンション成約 価格) 前年比 (新築マンション価格) 0 2000 01 02 03 ※2015年は1~5月の平均値 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 -10 (年) データ出所:図表 3、 4とも公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watch」 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2015, August 3 経済トレンド・ウォッチ ■ 景気の動向(全国) 図 1 景気動向指数 140 (景気動向:CI指数 2010年=100) (4月) C125.2 130 120 A. 先行指数 B111.0 110 B. 一致指数 A106.4 100 90 C. 遅行指数 80 70 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 1月 2011年 1月 2012年 1月 2013年 1月 2014年 1月 2015年 注:図の指数は第 10 次改定の値。 データ出所:内閣府 「景気動向指数」 図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数 70 (景気の方向性:DI指数) (5月) 60 B54.5 50 40 A. 景気の現状判断DI A53.3 30 B. 景気の先行き判断DI 20 10 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 1月 2011年 1月 2012年 1月 2013年 1月 2014年 1月 2015年 データ出所:内閣府 「景気ウォッチャー調査」 図 3 企業の業況判断指数 30 (業況判断指数:業況DI) 19 (18) 20 10 (9) 7 (7) 2 (1) 10 0 ‒10 全規模合計 大企業 (6月) ‒20 中堅企業 ‒30 ‒40 中小企業 ‒50 ‒60 3月 6月 9月12月3月6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月 3月6月 9月 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 注:「大企業」は資本金 10 億円以上、 「中堅企業」 は資本金 1 億円以上 10 億円未満、 「中小企業」 は資本金 2 千万円以上 1 億円未満。 ( )内の数値は直近調査の 3 ヶ月後に関する予測値 (本稿は 9 月を対象とする予測値) 。 データ出所:日本銀行 「全国企業短期経済観測調査 (短観) 」 【データ概要】 4 2015, August 図 1 景気動向指数の CI 指数 :CI 指数は、景気の拡大・後退の大きさやテンポを示す。 (CI:コンポジット・インデックス) 景気先行指数は、景気一致指数より数ヶ月先行して動き、景気を予知するための指数。 景気一致指数は、 実際の景気動向とほぼ一致して動き、景気の現状を示す指数。 景気遅行指数は、景気一致指数より数ヶ月遅れて動き、景気の変化を確認する指数。 図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数 :景気の動きに敏感な職業の人を景気ウオッチャーに選び、街中の景気の現状や先行き ( 2 , 3 ヶ月先)について、景気ウオッチャーの判断による景気の方向性を示す指数。 (DI 指数:50=変わらない・横ばい、50 より高い =良くなる、50 より低い = 悪くなる) 図 3 企業の業況判断指数 :業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた値を 業況判断指数とするもの。「良い」と「悪い」の回答割合が同じ場合は「0」となる。 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ■ 物価・雇用・金利等の動向(全国) 図 4 物価指数 (2010年=100) 110 (5月) C103.9 A. 消費者物価指数 (生鮮食品を除く総合) 105 A103.4 B. 消費者物価指数 (民営家賃) 100 B97.7 C. 国内企業物価指数 (総平均) 95 90 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 1月 2011年 1月 2012年 注:国内企業物価指数の 5 月は速報値。 1月 2013年 1月 2014年 1月 2015年 データ出所:総務省 「消費者物価指数」 、 日本銀行 「企業物価指数」 図 5 雇用情勢 (完全失業率 : %) (有効求人倍率 : 倍) 7.0 1.4 (5月) 1.19 1.2 6.0 1.0 5.0 0.8 8.0 4.0 0.6 3.0 3.3% 0.4 2.0 0.2 1.0 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 1月 2011年 1月 2012年 1月 2013年 1月 2014年 完全失業率 (左目盛) 有効求人倍率 (右目盛) 0.0 1月 2015年 注:図の値は季節調整値。完全失業率の 2011 年 3 月から 8 月は、 岩手県、 宮城県、 福島県を除く全国の結果 (5 月は速報値) 。 データ出所:総務省 「労働力調査」 、 厚生労働省 「職業安定業務統計」 図 6 主要金利 (%/年) 4.000 (5月) 3.500 3.000 2.475 2.500 2.000 1.850 1.150 1.500 1.000 0.500 0.000 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 【データ概要】 1月 2010年 1月 2011年 1月 2012年 1月 2013年 1月 2014年 0.390 1月 2015年 長期固定金利型 住宅ローン (返済期間20年以下) 都市銀行 住宅ローン (変動) 長期プライムレート 長期国債 (10年物) 新発債流通利回り データ出所:日本銀行 「金融経済統計」 、 日本相互証券及び住宅金融支援機構ホームページ公表資料 図 4 消費者物価指数 国内企業物価指数 :全国の家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価を時系列的に測定する指数。 :企業間で取引される国内向け国内生産品の価格水準を示す指数。 図 5 完全失業率 有効求人倍率 :労働力人口 (15 歳以上で働く意志をもつ人)に占める完全失業者の割合。完全失業者は一定 期間中に収入を伴う仕事に従事しなかった人で、実際に求職活動を行った人。 :公共職業安定所で扱う求職者1人に対する求人数。 図 6 長期固定金利型住宅ローン 都市銀行住宅ローン (変動) 長期プライムレート 長期国債新発債流通利回り :民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品「フラット35」の借入金利の最高。 (保証型は含まない) :個人向け都市銀行住宅ローンの変動金利型の基準金利。 :民間金融機関が信用力の高い企業に資金を1年以上貸付ける際の基準となる貸出金利。 :金融機関や機関投資家などの間で取引される長期国債新発債の利回り。 注記:図 1 から図 6 はいずれも 2015 年 7 月 1 日時点で入手できたデータに基づき作成 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2015, August 5 不動産市場トレンド・ウォッチ ■ 東京圏 図 1 用途別平均地価 (公示価格の前年比) 5.0 (%) 4.0 3.0 2.0 1.8 1.9 3.4 2.7 3.4 1.4 1.1 0.8 1.3 1.0 1.7 1.5 1.4 住宅地2014年 2.8 2.4 2.4 1.4 1.1 0.9 1.5 2.0 住宅地2015年 0.1 0.2 0.0 0.0 商業地2014年 -0.3 -1.0 商業地2015年 -2.0 -3.0 東京23区 多摩地域 横浜市 川崎市 さいたま市 千葉市 注:各年 1 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。 データ出所:国土交通省 「地価公示調査」 図 2 総人口の推移 12,000 (千人) (%) 2.0 2013年4月(左目盛) 10,000 1.5 8,000 1.0 2015年4月(左目盛) 6,000 0.5 4,000 0.0 2014年4月 前年同月比増減率 (右目盛) 2,000 -0.5 0 東京都区部 東京都下 横浜市 川崎市 さいたま市 -1.0 千葉市 2014年4月(左目盛) 2015年4月 前年同月比増減率 (右目盛) 注:各年 4 月 1 日現在の値。 データ出所:各都市の 「推計人口」 及び総務省公表資料 図 3 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り [運用時 NOI 利回り] 16.0 (%) (前年同期比:%ポイント) 2.0 14.0 1.5 2012年12月期 (左目盛) 12.0 1.0 10.0 0.5 2013年12月期 (左目盛) 8.0 0.0 6.0 -0.2 -0.2 5.3 4.0 -0.2 5.2 4.9 -0.3 5.6 -0.3 6.1 -0.3 -0.5 -1.0 -1.5 2.0 0.0 5.8 全国 東京23区 都下 (多摩地域) -2.0 神奈川県 埼玉県 2014年12月期 (左目盛) 2013年12月期 前年同月比増減率 (右目盛) 2014年12月期 前年同月比増減率 (右目盛) 千葉県 注:各投資法人の 2014 年 12 月末までの決算資料による。 【データ概要】 6 2015, August データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー) 」 図 1 用途別平均地価 (公示価格) : 「地価公示」 は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え公共事業用地の取得価格の算定の規準 となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、国土交通省の土地鑑定委員会が 毎年1回、標準的な土地についての正常な価格を示すもの。 図 2 総人口 :各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。 国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。 図 3 NOI 評価額利回り :NOI 評価額利回りは、J-REIT(上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸 マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益 (NOI )の割合を示す。 図は地域別に物件毎 (賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ■ 主要大都市(札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡) 図 4 用途別平均地価 (公示価格の前年比) 5.0 (%) 4.2 4.0 3.0 2.0 1.0 1.2 3.7 3.4 3.1 3.2 2.2 2.3 1.7 1.6 1.5 0.7 0.1 0.3 0.0 3.8 3.6 3.5 2.9 2.6 0.6 0.6 0.1 0.3 1.0 1.2 1.8 2.2 住宅地2014年 2.9 住宅地2015年 商業地2014年 -1.0 商業地2015年 -2.0 -3.0 札幌市 仙台市 名古屋市 京都市 大阪市 神戸市 福岡市 注:各年 1 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。 データ出所:国土交通省 「地価公示調査」 図 5 総人口の推移 3,000 (千人) (%) 2.0 2013年4月(左目盛) 2,500 1.5 2,000 1.0 2015年4月(左目盛) 1,500 0.5 1,000 0.0 2014年4月 前年同月比増減率 (右目盛) 500 -0.5 0 札幌市 仙台市 名古屋市 京都市 大阪市 神戸市 注:各年 4 月 1 日現在の値。 -1.0 福岡市 2014年4月(左目盛) 2015年4月 前年同月比増減率 (右目盛) データ出所:各都市の 「推計人口」 及び総務省公表資料 図 6 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り [運用時 NOI 利回り] (%) 16.0 (前年同期比:%ポイント) 2.0 14.0 1.5 12.0 1.0 10.0 0.0 8.0 6.0 -0.3 4.0 -0.1 6.0 6.6 0.5 -0.1 6.8 -0.2 6.0 0.0 5.7 -0.4 5.7 -0.5 5.7 -0.3 5.8 2.0 0.0 -0.5 -1.0 -1.5 政令指定都市 札幌市 仙台市 注:各投資法人の 2014 年 12 月末までの決算資料による。 【データ概要】 名古屋市 京都市 大阪市 神戸市 福岡市 -2.0 2012年12月期 (左目盛) 2013年12月期 (左目盛) 2014年12月期 (左目盛) 2013年12月期 前年同月比増減率 (右目盛) 2014年12月期 前年同月比増減率 (右目盛) データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー) 」 図 4 用途別平均地価 (公示価格) : 「地価公示」 は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え公共事業用地の取得価格の算定の規準 となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、国土交通省の土地鑑定委員会が 毎年1回、標準的な土地についての正常な価格を示すもの。 図 5 総人口 :各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。 国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。 図 6 NOI 評価額利回り :NOI 評価額利回りは、J-REIT ( 上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸 マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益 (NOI) の割合を示す。 図は地域別に物件毎 (賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。 注記:図 1 から図 6 はいずれも 2015 年 7 月 1 日時点で入手できたデータに基づき作成 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2015, August 7 首都圏中古マンション 新規登録物件・成約物件の比較 首都圏中古マンションの新規登録物件*と成約物件の平均価格、平均面積、㎡単価、築年数の比較から、中 古マンション成約物件の特徴を整理しました。 平均価格は、新規登録物件が成約物件を上回っていましたが、2008 年度以降その差が縮小(1に近づき) 、 2014 年度は成約平均価格が初めて新規登録平均価格を上回りました。不動産価格が上昇する中、成約価格 が新規登録価格に比べ大幅上昇したと考えられますが、その要因として、価格の高いエリアの成約が多かった こと (平均価格の高い東京都区部が首都圏に占める件数割合は、新規登録が 44.4%に対し、成約は39.1%にと どまる) 、 高額物件の取引が増加したことなどが影響したと考えられます。 一方、平均面積は成約物件が新規登録物件を上回っており、2006 年度以降 1.1 弱を推移しています。新規 登録された物件の中でも、 面積の大きな物件が選好され、 成約する可能性が高い傾向にあります。 平均築年数は、2003 年度以降 1を下回り (成約物件の平均築年数が新規登録物件よりも短い) 、 その差は大 きくなる傾向で推移しています。築年数の短い物件の方が選好され、 成約する可能性が高い傾向にあります。 *本紙 2 頁 ※ 2 参照 ■首都圏中古マンション 成約物件・新規登録物件の比較 1.20 (倍) 成約平均価格 / 新規 登録平均価格 1.10 成約平均面積 / 新規 登録平均面積 1.00 成約平均㎡単価 / 新規 登録平均㎡単価 0.90 0.80 0.70 成約平均築年数 / 新規 登録平均築年数 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年度) データ出所:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」 不動産の仲介物件のご紹介、売却のご依頼やご相談はこちらへ。 〈お 問 合 せ 先〉 宅地建物取引業:届出第2号 所属団体:一般社団法人不動産協会、一般社団法人不動産流通経営協会 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟 みずほ信託銀行株式会社 不動産マーケットレポート 2015.8 発 行 みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部 編集協力 株式会社都市未来総合研究所 〒103-8670 東京都中央区八重洲 1-2-1 http://www.mizuho-tb.co.jp/ 〒103-0027 東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル 11 階 http://www.tmri.co.jp/ 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