海草から人工 イクラ を作ろう !!

じんこう い
く
ら
つ く ろ う
海草から人工イクラを作ろう!!
錦江湾高校コアSSH
じっけん
●どんな実験なの?
せいぶん
あ る ぎ ん さん な と り う む
イクラとはロシア語で魚卵のことです。海草の成分(アルギン酸ナトリウム)をつかって
じんこう い く ら
た べ も の
つか
り
か
まな
り
か
たい
かんしん
人工イクラを作りながら,食べ物に使われている理科のしくみを学び、理科に対する関心を深めよう。
じっけん
し か た
●実験の仕方とコツ
さん
① 50mlビーカーに水25ml ぐらいを入れ,アルギン酸ナトリウム0.4gをとかす。
しょくべに
てき
いろ
さん
すいようえき
② 食紅を5~10滴入れて色をつける。アルギン酸ナトリウム水溶液にとかす。
え ん か
③100mlビーカーに水 100ml を入れ,まぜて塩化カルシウム3gをとかす。
さん
すいようえき
え ん か
④ こまごめピペットに50mlビーカーのアルギン酸ナトリウム水溶液をとり,100mlビーカーの塩化カル
すいようえき
シウム水溶液にたらす。
じんこう
かんさつ
⑤ さじで,できた人工イクラをとって観察およびつぶしてみる。
えいせいてき
き
ぐ
*衛生上食べないでください!!! (衛生的な器具を使えば,食べられます。)
①・②アルギン酸ナトリウムと食紅をとかす
③ 塩化カルシウムをとかす
④アルギン酸ナトリウム水溶液を垂らす
塩化
カルシウム 3g
アルギン酸
ナトリウム 0.4g
食紅 5~6滴
アルギン酸ナトリウム水溶液 →
+
食紅
水 25ml
塩化カルシウム水溶液
● ●
● ●
●
● ●
●
水 100ml
● かたまるしくみ
かい そう
さん
ふ
で ん き
き
た と う るい
海藻の成分であるアルギン酸ナトリウムは負の電気をもつカルボキシ基(-COO―)をもつ多糖類で
え ん か
せい
で ん き
すいちゅう
す。そこに塩化カルシウムのカルシウムイオン Ca2+は正の電気をもっているので,水中 でくっつき,水
か き ょ う は んお う
に溶けにくい塩化カルシウムの膜である人工イクラができます。(これは,イオン架橋反応によるゲル化
といいます。アルギン酸カルシウムの皮膜とコラーゲンの皮膜が触感が非常に似ているため,イクラだ
ぎゅうにゅう
けでなく人工フカヒレなどに応用されている。)また,この仕組みは 牛 乳 のカルシウムとフルーチェにふ
かた
おな
くまれるペクチンが固まるのと同じです。
じ ゆ う けんきゅう
●自由研究へのヒント
おな
かた
ぎゅうにゅう
さまざま
え きた い
とうにゅう
① 同じしくみで固まるフルーチェを使って,牛 乳 のような様々なカルシウムをふくむ液体(豆乳など)だ
かた
じっけん
ったら固まるか。実験してみる。
さまざま
おお
じんこう
つくりかた
かんが
じっけん
② 様々な大きさの人工いくらの作り方を考え、実験してみる。
● 出展: 紙尾康作「海草から作った人工イクラ」、『高分子』第 47 巻第 1 号、高分子学会、1998 年、 33 頁。
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