こうじ き ん しん ぴ 糀 菌 の神 秘 を伝えます ~米の花を紡 ぐ物語~ つむ 08 静岡県立藤枝北高等学校 まわ さいきん にゅうさんきん なっとうきん 私たちの 周 りには目に見えない 細 菌 ( 乳 酸 菌 ・納 豆 菌 等)やカビ(アオカビ・カワキコ お い ウジカビ・コウジカビ等 )がたくさんいます。それらは、食べ物を 美 味 しくしてくれる ほ ぞんせい えいよう はっこうちょう み りょう ばかりか、 保 存 性 や栄 養 も高めてくれます。特にコウジカビは日本の 発 酵 調 味 料 に しん ぴ は欠かすことはできない重要なカビであり、すごい力を持っています。その 神 秘 の力 えん げき を演 劇 も交えながら分かりやすく伝えます。 ●準備するもの 【実験4】 む だい ず ・蒸 した大 豆 さ ・糀(お米にコウジカビの花が咲 いている状態) しょうちゅう ・ 焼 酎 (消毒用) ●体験の手順 しょく えん ・食塩 たる ・樽 ※実際に演示を行う実験は【実験4】だけです。 つか 【実験1】コウジカビを捕 まえよう いね こうじ さい しゅ ちく りん ①稲 糀 からの採 取 さい きん なっ とう きん ②空中落下法による竹 林 からの採取 にゅう さん きん ○細 菌 、納 豆 菌 、 乳 酸 菌 ○カビ アオカビ、カワキコウジカビ、コウジカビ 【実験2】糀をつくろう(糀の好きな温度を調べる) てじゅん (1)糀づくりの手順 れい ぞう こ かん さつ (2)糀づくりを①30~35℃、②5~10℃(冷 蔵 庫 )、③50℃で観 察 【実験3】デンプンの変化(糀の働き) だ えき ①おかゆだけ、②おかゆ+糀、③おかゆ+唾 液 はんのう ヨウ素デンプン 反 応 だ えき 糀と唾 液 の働きによるデンプンの変化を観察 み そ 【実験4】味噌 をつくろう 実際に味噌をつくります。糀と蒸した大豆、食塩を混ぜる。 ●かいせつ 【実験1】糀菌を捕まえよう くう ちゅう らっ か ほう ○コウジカビを「稲糀」から採取する方法と「空 中 落 下 法 」による採取を行います。 細菌は 0.1~2㎛(マイクロメートル)、カビは1 きん るい ~100 ㎛の大きさです。細菌は約1万種、菌 類 (カ こ う ぼ ビ・酵母 ・キノコ)は約 10 万種あると言われてい ただよ ます。それらは、土の中はもちろん、空中に 漂 っ ています。※1㎛は1mm の 1000 分の1です。 納豆菌は納豆。乳酸菌はヨーグルト。アオカビ かつお ぶし はブルーチーズ。カワキコウジカビは 鰹 節 。コウ しょう ゆ に ほん しゅ ジカビは味噌や 醤 油 、日 本 酒 などをつくってくれ そ ざい ます。細菌やカビは素 材 を美味しく、保存性を高 えい よう か め、しかも栄 養 価 も高めてくれます。 私たちが採取した天然糀菌 胞子(分生子) 菌糸(分生子柄) ←糀菌の拡大写真 光学顕微鏡( こ う が くけ んびき ょ う ) 600 倍 ↑糀の拡大写真 実体顕微鏡 ( じ っ たい けん びき ょ う ) 20 倍 【実験2】糀をつくろう(糀の好きな温度を調べる) こうじ (1) 糀 づくりの手順 ひと ばん む ①米を一 晩 水につける→②米を蒸 す→③蒸し上がった米を 50℃くらいまで冷まし、 ほう し ふ 糀カビの胞 子 を全体に振 りかける→④両手で胞子をすりこむ→⑤ 30~35℃で保温 する→⑥翌日、米全体をすり込む(切り返し)→⑦3日目にできあがり (2)糀が好む温度は、30~35℃ かん そう 冷蔵庫の中は温度が低く乾 燥 しているため、成長が遅い。休眠しているからで しめ す。乾燥した糀を湿 らせて温かい部屋に置くと、寝ていたカビが起きて成長しは じめます。逆に温度が高くなると成長が遅くなり、60℃以上では生きられません。 【実験3】デンプンの変化(糀の働き) 試験体①おかゆだけ:紫色になる→デンプンが残っている うす ②おかゆ+糀:色が薄 くなった→デンプンが分解された ③おかゆ+唾液:色が薄くなった→デンプンが分解された ぶん かい 糀の働きで、おかゆのデンプ ンが分 解 されてブドウ糖になります。実際の味噌づ くりでも、米のデンプンをコウジカビがブドウ糖に分解し、それをエネルギーに酵 母菌が大豆を発酵させて味噌になります。 ヨウ素デンプン反応 デンプンが含まれているかどうか調べるときに使う 反応。長いらせんの形を したデンプンの中にヨウ素がとりこまれて紫色になる。デンプンが分解されて とうぶん 糖 分 になると、ヨウ素デンプン反応が消える。 【実験4】味噌をつくろう 材料:蒸した大豆、糀(お米にコウジカビの花が咲いている状態) 、食塩 だま 手順:①蒸した大豆をつぶし、糀と食塩を混ぜる→②味噌玉 をつくり樽につめる ※空気を抜くこと→③樽につまったらば、表面に焼酎を振りかけ塩をしきつ おも し める→④全体の2割ぐらいの重 石 をのせる ます。コウジカビはお米のでんぷんを糖化させ、ブドウ糖にしています。酵 母菌が、ブドウ糖をエネルギーにして大豆を発酵させ味噌にしています。 ●くわしくしらべてみよう ・カビのふしぎ 実験しよう ・カビのふしぎ 調べよう 監修・写真/細矢剛 監修・写真/細矢剛 著/伊沢尚子 著/伊沢尚子 汐文社 汐文社
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