梅雨どきの食品のカビ対策

(公社)福岡市食品衛生協会FAX情報サービス 平成26年6月 174号
梅雨どきの食品のカビ対策
うっとうしい梅雨の季節が来ました。じめじめした気候が長く
続き、食品にはカビが生えやすくなります。カビは見た目に不快
なだけでなく、ヒトに健康被害を及ぼすものもあります。
そこで今回は、食品のカビ対策を取り上げてみました。
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カビとは?
・カビは分類学的にキノコ(松茸、椎茸など)や酵母(パン
酵母、ビール酵母など)と同じ仲間の「真菌(菌類)」に属
し、1万 3000 種以上の種類があります
・ヒトに危害を加えるカビもありますが、逆に味噌、醤油、鰹節、チーズなどカビ
を利用して食生活を豊かにしたり、ペニシリンなどの抗生物質として医療に役立つ
ものもあります
・食品にカビがつくと、腐敗や変敗の原因になるだけでなく、カビ毒を産生し人体
に危害を与えます。アフラトキシン、デオキシニバレノール、パツリン等のカビ毒が知られています
・カビは基本的に、「菌糸」と「胞子」で構成され、生育条件が揃うと菌糸を枝分か
れして伸ばし、先に胞子を作ります。胞子の色や形は、カビの種類によって様々で
すが、非常に軽く風の流れるままに空気中を浮遊し、どこへでも飛散します
2 カビが生えやすい食品と発育条件
・カビによる食品事故・苦情の統計をみると、菓子、嗜好飲料、パンの順に多く、
加工・調理食品と嗜好飲料が苦情食品の90%を占めています。また6∼10月に
苦情発生が多く、冬場は少ない傾向です
・食品とカビには相性があり、生育するカビの種類は食品によって異なります
アオカビ:パン、餅、オレンジなどに多く、150種類以上ある
クロカビ:キュウリ、トマトなどの野菜類に多い
クモノスカビ:パン、腐敗した食品に多い
コウジカビ:まんじゅう、穀類、ナッツ類などに多い
・カビが発育する条件として、温度、水分(湿度)、空気(酸素)、栄養分の4つが
必須です
温度:最もカビが発生しやすい温度は 20∼30℃です。しかし4∼10℃の冷蔵状
態でも発育します。30℃以上になるとカビの発育は著しく抑えられます
水分:カビが発育するには水分が必要です。カビは種類により水分活性 Aw が違
います (Aw 値が高いほど水分が多く、低いほど水分は少なくなります)
Aw 0.94∼0.99 クロカビ、ススカビ
0.85∼0.93 アオカビ、コウジカビ
0.65∼0.84 カワキコウジカビ
0.65 未満
カビはほとんど発育できない
空気:カビにとって酸素は不可欠です。無酸素ではカビは発育できません。
(よく菓子の袋の中に脱酸素剤が入っているのはこのためです)
しかし極く少量でも酸素があればカビは発育できます
栄養分:カビにとって糖分がエネルギー源で、蛋白、脂質、ビタミン等があればさらに
生えやすくなります。逆に糖分や塩分が多すぎると水分活性 Aw が下が
り、カビは生えにくくなります。保存食として砂糖漬けや塩漬けが
利用されるのは、このためです
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カビが付着した食品を発見したら?
・カビが着いていない箇所にも菌糸が入り込んでいる可能性があるので、食べずに
全部を捨てた方がよいでしょう。カビによってはカビ毒を作る物もあるからです
・冷蔵庫に入れていてもカビは生えます。カビ対策として、生鮮食品は早めに食べ
ましょう。そして冷蔵庫内の食品は定期的にカビをチェックしましょう