津別町地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の

津別町地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン
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地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
津別町は、北海道の東部、オホーツク海から 50 ㎞内陸に位置し、総面積 716.60 ㎞ 2 でその
86%を山林が占め、扇状に広がる河川流域に農村集落が形成されている典型的な中山間地域で、
近年、高齢化の進行が著しく、集落機能の低下が懸念される地域も見られる。
農業経営の形態は、小麦・てん菜・馬鈴しょ・豆類を主体とした畑作経営と酪農・畜産経営
や野菜(玉ねぎ)を取り入れた複合経営が行われている。
本町の稲作については、5戸の稲作農家のうち専業稲作経営が1戸で、その他は自家米生産
農家が多く、戸作付け面積も小規模で、畑作混合経営と野菜混合経営が主体である。この間、
生産調整による転作においては、米粉用米・飼料作物・豆類等を中心に進めてきたが、小規模
水田での耕作であることから作業性が悪く、総じて生産性も低い状況にある。
今後とも米など食料の安定供給や国土・環境の保全など、水田の持つ多様な機能を維持・保
全、需要動向に即した安全・安心な米づくりを推進し、地域に適した新たな作物の導入や取組
などの展開を進めていくとともに、水田等の最大限の活用による食料自給力・自給率の維持・
向上を図っていくこととする。
畑作については、複数個法人が町内に形成されつつあり、規模拡大が進んでおり、小麦・て
ん菜・馬鈴薯を中心とした経営体とそれらに玉葱を加えた経営体がある。秋まき小麦が過作傾
向で、雪腐大粒菌核等の病害虫が多発し、収量の停滞傾向にある。戸当たり耕作面積の増加か
ら適期なは種、防除、収穫体制が遅れる傾向にあり、品質低下もあり、収益性も伸び悩んでい
る。近年のゲリラ豪雨などの異常気象に対応するためにも輪作体系の維持をはじめとする土作
りを実践し、地域に適した新たな作物の導入や取組などの展開を進めていくとともに農地の効
率的活用により食料自給力・自給率の維持・向上を図っていくこととする。
適期作業に向けた機械の効率化、作業の省力化に繋がる輪作体型、機械体型の検討により品
質向上を含め経営の安定に期していきたい。
また、農地中間管理機構の事業を活用することで、担い手への集積を促進することや各営農
振興組合を対象とした懇談会において、制度の内容周知・ビジョンの設定に係る検討を進め今
後においても更に制度に対する理解の浸透を図る。
2
作物ごとの取組方針
(1)主食用米
米の生産については、消費者と顔の見える関係作りに取り組み、消費者が安心できる供給
を通じて、学校給食や各種イベント等への出荷及び消費者等への直売により、米の生産と安
定取引を進める。
(2)非主食用米
ア 飼料用米
イ
米粉用米
非主食用米については、この間取り組んできた新規需要米(米粉用米)を中心とした取
り組みを継続していくこととする。
ウ
エ
オ
WCS 用稲
加工用米
備蓄米
(3)麦、大豆、飼料作物
畑地では小麦が過作傾向であったことから、小麦の作付構成割合を減少させる方向で設定
するが、水田においては輪作の確立のため小麦の作付けを行う。
適期作業と土壌診断を利用した品質の向上を目指す。
特に品種では、食品メーカーのニーズに応えた加工適正に優れたものへの転換を推進する。
(4)そば、なたね
当面作付見込み無し
(5)野菜
適正な輪作体系(持続的かつ安定的な畑作農業を可能とする輪作体系)の確立に向けて、
近年作付面積が減少しているてん菜とでん原馬鈴しょについては、作付構成割合を必要最低
限で抑えたい。
てん菜において、は種作業、出荷作業の省力化図り今後耕作面積の増加に繋げて行きたい。
(6)不作付地の解消
水田耕作者においても、従事者の高齢化が進んでいることから、農地の出し手と受け手に
係る情報の一元的把握の下に両者を適切に結びつけて利用権設定等を進める。これらの農地
の流動化に関しては集団的土地利用調整を全町的に展開して集団化・連担化した条件で担い
手に農用地が利用集積されるよう努める。
3
作物ごとの作付予定面積
作物
主食用米
平成 25 年度の作付面積
平成 27 年度の作付予定面積
平成 28 年度の目標作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
8.97
8.97
6.00
6.58
10.44
飼料用米
米粉用米
6.58
WCS 用稲
加工用米
備蓄米
麦
1182.8
1213.1
1100
大豆
191.6
244.8
210
飼料作物
927.3
1003.7
930
2282
2091.8
2390
そば
なたね
その他地域振興作物
野菜
421.9
369.9
450.0
・てん菜
966.7
900.0
1000.0
・でん原芋
201.6
199.7
230.0
・豆類・馬鈴しょ
691.8
622.2
710.0
4
平成 28 年度に向けた取組及び目標
取組
番号
1
対象作物
取組
米粉用米
安定的な栽培
分類
※
ア
指標
実施面積
平成 25 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
(現状値)
(予定)
(目標値)
6.58ha
6.00ha
6.58ha
※「分類」欄については、要綱別紙 16 の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複
数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入して下さい。
)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組
5
産地交付金の活用方法の明細
別紙のとおり