被告人のPS(検乙3)

検乙第3号証
供
述
調
書
本
籍
鹿児島県鹿児島市公園通3丁目30番6号
住
居
名古屋市中区三の丸1丁目4番2号ルビーパレス三の丸405号
(電話
職
業
派遣社員
氏
名
岩
川
052-937-8744)
(電話
-
-
)
哲
昭和52年11月17日生(37歳)
上記の者に対する窃盗被疑事件につき,平成27年9月5日,名古屋地
方検察庁において,本職はあらかじめ被疑者に対し,自己の意思に反して
供述をする必要がない旨を告げて取り調べたところ,任意次のとおり供述
した。
1
私は,今年6月下旬の午前4時過ぎころ,名古屋市中区三の丸内の
マンションの建設現場の事務所のようなプレハブの建物の中からトラン
シットやレベルという測量機やハツリ機などの電動工具等6点くらいを
盗みました。
当時,私は,鈴木という男の運転手として働いていましたが,鈴木は
給料をまったく支払ってくれませんでした。
鈴木は,中区にあるテーカンマンションに住んでおり,私も昨年8月
ころから鈴木が借りているテーカンマンションの別の部屋に週に3日く
らい泊まったりしていました。
名 古 屋 地 方 検 察 庁
その後,鈴木に言われて,昨年9月下旬ころから私はテーカンマンシ
ョンの部屋でほぼ毎日寝泊まりして生活するようになりましたが,鈴木
が給料を支払ってくれないので,家賃を支払うことができませんでした。
それで,同月鈴木に給料を支払ってくれるよう文句を言いましたが,
鈴木は一向に給料を支払ってくれませんでした。
そこで私は,
こうなったら泥棒してでも金を作るしかないのかな。
と思いましたが,この時はまだ具体的な計画までは立てていませんでし
た。
しかし,その後も鈴木は一向に給料を支払ってくれなかったので,今
年6月下旬頃,ついに今回の盗みをしたのです。
今回の盗みをした日ははっきり覚えていませんが,今年6月の下旬こ
ろの午前4時過ぎころだった覚えで,盗んだ物をその日に私が自分の自
動車運転免許証を身分証として店に売却したことを覚えています。
警察が調べたところ,その日が今年の6月21日だということなので,
私が今回の盗みをしたのは今年6月21日の午前4時過ぎころというこ
とになります。
盗みをした当日のことについてお話しします。
当日の午前1時か2時過ぎころ,私は自分の車でテーカンマンション
の駐車場を出発し,車上ねらいができそうな車がないか探しながら名古
屋市内を走行していました。
ですが,この日は車上ねらいできそうな車が見つからなかったので,
テーカンマンションに帰ることになり,私は,テーカンマンションに向
名 古 屋 地 方 検 察 庁
-2-
けて車を走らせていました。
すると今回盗みをしたマンションの建設現場が目につきました。
私は,建設現場なら長年土木作業員をしていた経験から,値が張る測
量機械や電動工具類が置いてあったりする場所や,建設現場の事務所等
の合い鍵がどの辺りに隠してあるかなどがよくわかっていました。
それで私は,その建設現場を見て
ここなら金になる機械があるだろうし,状況も大体見当が付く
から盗みに入れる。
と思い,建設現場のアコーディオン式の出入口の向かってすぐ右前に車
を右向きに駐めました。
そして車を降りて,出入口のところに行ってみたところ,出入口には
鍵が掛かっていましたが出入口の両側の壁はシートが支柱に紐で結びつ
けられているだけの状況でした。
それで,私は,私の車の影になっている出入口のすぐ右側の部分のシ
ートの紐をほどいてシートを捲り,そこから中に入りました。
2
建設現場に入ったところ,ほぼ正面に事務所か休憩所のようなプレ
ハブの建物があったので,私は,それまでの土木作業員としての経験か
ら値が張るトランシットなどの測量機等は外に出さずに
この事務所の中にあるだろう
と思い,この建物の出入口ドアの所に行って開けようとしましたが,ド
アには鍵が掛かっていました。
それで,私の経験上,建設現場の事務所の鍵はその建物の出入口ドア
の近くの軒下の土台の辺りか出入口ドアの前の足ふきマット,あるいは
名 古 屋 地 方 検 察 庁
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近くの配電盤の箱の中等に隠してある場合がほとんどなので,それらの
場所を探してみたところ,確か足ふきマットの下に鍵があったので,そ
れを使って出入口ドアの鍵を開けて中に入りました。
そして,持っていたペンライトの明かりを点けて建物の中を照らした
ところ,出入口ドアから右奥の棚の辺りに今回盗んだトランシットやレ
ベルなどの測量機やハツリ機,ドリル等の電動工具等が置いてあったの
で,それらを持ち出して盗みました。
その他に電動工具等の電圧などをチェックする機械も建物内にあった
のでそれも盗んだ覚えです。
トランシットやレベルはオレンジ色の箱に入っていた覚えです。
建物の中で見た時は暗かったので何色の箱かよくわかりませんでした
が,後で見たらオレンジ色だった覚えです。
私は,建物の中で見つけた測量機や電動工具等を1つずつ手に持って
は出入口ドアの外に運び出し,車に積み込んでいきました。
被害にあった人が,盗まれた物として,トランシットやレベル,電動
ハツリ機,電動ドリル2台,レーザーレベルを盗まれたと話していると
聞きましたが,私の記憶とも大体合いますし,私がそれらの物を盗んだ
ことに間違いありません。
そして,私は車に乗ってテーカンマンションに戻りました。
今回盗んだ物は,最初にお話ししたとおり,盗みをした翌日に店に売
却しました。
最初に売りに行った名古屋市内のSOFT
OFFという店ではトラ
ンシット,レベル,ハツリ機等は1万円で買い取るが,他の物は買い取
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れないということで思ったよりずっと安かったので,他の店を探したと
ころ,一宮市辺りの店で,SOFT
OFFでは買い取れないと言って
いた機械を3,000円くらいで買い取ってくれました。
ですがこの店では残りの機械についてSOFT
段だったので,結局SOFT
OFFよりも安い値
OFFで残りの機械を1万円で売りまし
た。
これらのお金はテーカンマンションの家賃の支払いに充てました。
今は,お金がなく家賃が支払えなくなったからといって安易に窃盗を
するというのは,とても考えが甘かったと反省しています。
社会に復帰したら,被害者に謝罪して弁償するとともに,まじめに生
きて行きたいと考えています。
以上のとおり録取して読み聞かせたところ誤りのないことを申し立て署
名指印した。
前同日
名古屋地方検察庁
検察官検事
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野
田
雄 一 郎