授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 概 論 2 担 当 教 員 教授 三 浦 秀 一 開 講 曜 日 講 時 セメスター 3 火 2 宋代思想史概説 ⑴ 中国近世の前期に相当する宋代に生きた知識人の思想内容と、それらの史的展開に ついて、原典にもとづいた理解を得る。 ⑵ いわゆる宋学の思考方法に慣れる。 ◆ 講義題目 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 西暦960年に創建され、1279年に滅亡した宋王朝(北宋・南宋)のもとで思想活動を営んでいた人びとの思想を、 現代語に翻訳した原典を用いながら紹介し、思想相互の歴史的関連性について解説をおこなう。宋代の思想家は、 当初、それ以前の思想界の影響を受け、いわゆる儒仏道三教のそれぞれに対し融和的な態度を採りながら思想活動 を展開していたが、やがてそのなかから独自の儒学思想を生み出してゆく。欧陽修・司馬光・王安石・蘇軾・蘇轍 といった知識人が華々しい活動をおこなう一方、後の朱子学へと繋がる思想を編み出した周敦頤・程顥・程頤・張 載らがそれぞれに思想活動を営むのであり、そうした知的遺産を継承するなかで、朱熹がスケールの大きな思想を 構築し、その思想に対して陸九淵が批判活動を展開する。以上のような思想の展開について、個別に説明を加えて ゆきたい。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 数回のレポートもしくは筆記試験(100%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。参考書は講義内に紹介する。 その他: 特になし。 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 概 論 2 担 当 教 員 准教授 齋 藤 智 寛 開 講 曜 日 講 時 セメスター 4 火 2 魏晋南北朝思想史概説 ◆ 講義題目 魏晋南北朝の主な思想的作品に見える思想内容を理解する ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 中国の魏晋南北朝時代(220−589)は、後漢の崩壊から隋の統一に至るまでの長い分裂期であり、隋唐五代を含 む中国中世の前期にあたる。ほぼ儒教一教の支配する後漢思想と、仏教各宗とその影響を濃厚に受けた道教が教理 を確立する隋唐思想をつなぐさまざまな思想的営みを、本講義では紹介し考察する。具体的には、おおよそ以下の 項目を取り上げる予定である。 一、中国中世思想のはじまり 1、易と老荘の思想 2、魏晋期の儒教 3、鳩摩羅什一門の仏教思想 二、さまざまな道教の実践 1、『抱朴子』の神仙術 2、『真誥』の神降ろし 三、南朝梁の学術と思想 1、南朝仏教の『涅槃経』解釈 2、皇侃の『論語』解釈 四、魏晋南北朝の「諸子」の思想 五、儒仏道三教の論争 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 講義期間中の小テストおよび小レポート(30%) 、学期末レポート(70%) 教科書は使用しない。参考書は講義中に紹介する。 その他: −79− 授 業 科 目 中 国 思 想 基 礎 単 位 講 読 2 担 当 教 員 教授 三 浦 秀 一 開 講 曜 日 講 時 セメスター 3 火 5 ◆ 講義題目 中国思想文献講読・初級1 ◆ 到達目標 中国の古典文に独特の語彙や語法に関する知識を深める。 ◆ 授業内容・目的・方法 思想的な内容を含むとともに訓点などが施された中国古典文をテキストに用い、受講者が訓読や和訳、解説をお こなうことによって、高校段階における「漢文訓読」のレベルを超え、当該文献の自主的な読解に必要な実践的知 識を習得する。 受講態度(100%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。参考書等は講義のなかで紹介する。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 その他: 特になし。 授 業 科 目 中 国 思 想 基 礎 単 位 講 読 2 担 当 教 員 教授 三 浦 秀 一 開 講 曜 日 講 時 セメスター 4 火 5 中国思想文献講読・初級2 ◆ 講義題目 中国の古典文に独特の論理構造に習熟する。 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 思想的な内容を含むとともに訓点などが施された中国古典文をテキストに用い、受講者が訓読や和訳、解説をお こなうことによって、高校段階における「漢文訓読」のレベルを超え、当該文献の自主的な読解に必要な実践的知 識を充実させる。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 受講態度(100%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。参考書等は講義のなかで紹介する。 その他: 特になし。 −80− 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 各 論 2 担 当 教 員 教授 三 浦 秀 一 開 講 曜 日 講 時 セメスター 5 水 5 明代中期の思想情況 ⑴ 明代思想史全般に関する知識を得るなか、とくにその中期の思想情況について理解 を深める。 ⑵ この時期に成立し、普及し始めた陽明学の思考方法を知る。 ◆ 講義題目 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 明代中期を、おおよそ成化から嘉靖に至る一時代を指すものと捉え、その間に生まれた個別の思想現象と、諸現 象間の関連性について、原典を紹介しながら解説する。通常、この一時代は、明朝の国家教学としての朱子学が硬 直化現象を引き起こしていたなか、その克服を企図して陳白沙や王陽明が独自の思想を生み出した時期として知ら れる。こうした通説はその大筋において妥当だと見なせるが、しかし硬直化現象の実態や、白沙や陽明による克服 方法ないしその意図の全貌に関しては、解明され尽くしてたとは言いがたい。本講義では、科挙や学校行政などと いった制度的側面にも留意しながら、この時期の思想現象について分析をおこなう。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 期末レポート(100%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。参考書等は講義のなかで紹介する。 その他: 特になし。 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 各 論 2 担 当 教 員 准教授 齋 藤 智 寛 開 講 曜 日 講 時 セメスター 6 水 5 唐代仏教思想の諸問題 ◆ 講義題目 中国仏教諸宗派における伝統形成についての諸問題を理解する ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 隋唐時代は、宋代以降にもつづく中国仏教の各宗派が成立した時期である。この時期において、各宗派は何を根 拠にみずからの正統性を主張し、また他宗派との関係を処理しようとしたのか、また当事者の持つ宗派意識や教団 の形成と、士大夫や他宗派からの承認との間にはいかなる関係があるのか、さらには中国仏教における「宗」とは 何なのか。本講義では仏教宗派の形成をめぐる諸問題について、まずは20世紀初頭以来の諸論文についてその観点 を紹介、検討し、その上で現在の研究者に可能な新たな視点を探ることを目指す。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 学期末のレポートおよび簡単な発表(100%) 教科書は使用しない。参考書は授業中に紹介する。 その他: −81− 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 各 論 2 担 当 教 員 非常勤 講師 有 馬 卓 也 開 講 曜 日 講 時 セメスター 集 中 ⑸ 淮南王劉安とその著作 ⑴ 古代中国思想の問題の所在を理解できるようになる。 ⑵ 古代中国思想へのアプローチ法を理解できるようになる。 ⑶ 古代中国思想の文献の処理の仕方を理解できるようになる。 ◆ 講義題目 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 漢代初期の思想・文化を道家思想、特に淮南王劉安を中心に見ていくことによって、漢代思想全体を俯瞰できる 能力を養うことを目的とする。内容は以下の通り。 10.淮南萬畢術の思想⑴ ─解題⑴ 1.ガイダンス 11.淮南萬畢術の思想⑵ ─解題⑵ 2.劉安とその時代⑴ ─始皇帝から武帝へ 12.淮南萬畢術の思想⑶ ─呪術系医学・心を操作する 3.劉安とその時代⑵ ─史記六家要指 呪術 4.淮南子の思想⑴ ─無為の治 13.淮南萬畢術の思想⑷ ─化の思想・生活の知恵 5.淮南子の思想⑵ ─以小知大 14.淮南萬畢術の思想⑸ ─その他(占い・予兆など) 6.淮南子の思想⑶ ─応時遇化と遇不遇 15.まとめ─両書がもつ今後の課題 7.淮南子の思想⑷ ─無為と因循① 8.淮南子の思想⑸ ─無為と因循② 9.劉安登仙伝説の成立と伝播 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 ( )筆記試験[ %] ・ (○)リポート[60%] ・ (○)出席[20%] (○)その他(授業中に求めたコメントなど) [20%] 教科書は使用しないが、金谷治『淮南子の思想』(講談社学術文庫、1992)は読んでおくこと が望ましい。その他の参考文献は授業中に提示する。 その他: オフィスアワー:随時 授 業 科 目 中 国 思 ◆ 講義題目 ◆ 到達目標 想 単 位 演 習 2 担 当 教 員 非常勤 講師 髙 橋 睦 美 開 講 曜 日 講 時 セメスター 5 水 2 漢代思想文献読解 原典の読解を通して漢代思想の一側面について知り、またそうした思想の背景にある前 提知識に関しても一定の理解を得る。 ◆ 授業内容・目的・方法 易緯のひとつである『易緯乾鑿度』をテキストとして使用し、輪読形式で授業を行う。毎回担当者が訳注を作成 し、それを参加者全員で検討する。訳注作成作業を通して漢代思想の重要な側面である緯書の思想の一端について 知るとともに、その背景にあるさまざまな思想、『周易』に関する基礎的な知識等に関しても理解を得ることを目 的とする。授業では『乾鑿度』と、鄭玄の作とされる注の訳注を作成する。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 発表(50%)授業への取り組み(50%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。 その他: −82− 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 演 習 2 担 当 教 員 教授 開 講 曜 日 講 時 セメスター 三 浦 秀 一 6 水 2 王夫之「周易内伝発例」精読 いわゆる気の思想家として知られる王夫之の学問をその「周易内伝発例」の精読を通し て理解するとともに、易学一般に関する知識を習得する。 ◆ 講義題目 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 王夫之がその晩年六十七歳の折にまとめた『周易』の注釈書である『周易内伝』の「発例」を輪読する。王夫之 は明末清初を代表する思想家のひとりであり、また清王朝の支配に対し抵抗を続けた人士でもあるが、かれは清朝 が中国全土を支配し始めた当初から『周易』の研鑽を始め、その成果を『周易外伝』や『周易大象解』として発表 し、それらに基づきつつも自身の円熟した易学理解を『周易内伝』に集約した。一方、当時の経学に目を転じるな らば、宋儒の易学、なかでも朱熹らによって尊重された「河図」「洛書」に対する実証的な批判の運動が力を持ち 出しており、そうした時代の経学潮流が『周易内伝』にどう反映しているのか、またこの書物に、王夫之のいわゆ る気の思想が如何なる表現によって語られているのかを、原典の読解をとおして明らかにしたい。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 発表(75%) 、受講態度(25%) 教科書は使用せず、プリントを配布する。参考書等は講義のなかで紹介する。 その他: 特になし。 授 業 科 目 中 国 思 想 単 位 演 習 2 担 当 教 員 准教授 開 講 曜 日 講 時 セメスター 齋 藤 智 寛 6 金 1 中国古代中世思想資料選読 ◆ 講義題目 句読点が施された中国古典文を正確に読み、内容を理解することができる。 ◆ 到達目標 ◆ 授業内容・目的・方法 唐代の『群書治要』 『意林』や、北宋の『唐文粋』 『文苑英華』といった編纂物に収録された文章の中から、中国 思想を学習研究する際に重要な作品、および漢文読解力の向上に資する文章を選んで読む。 ◇ 成績評価の方法 ◇ 教科書・参考書 予習の状況および討論への参加(100%) 教科書は用いず、プリントを配布する。参考書は授業中に紹介する。 その他: −83−
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