タイトル:グループごとに決定

教科書と参考書からみた学習の過程
1班
1727045
1827044
1822102
1826001
佐々木勇希
佐藤翔太
渡邊久里子
阿部貴弘
Motivation(動機)
 教科書で得た知識をどのように訓練することによって、
その分野の知識を伸ばすことができるかまとめたいと考
えたから。
 大学受験勉強の際、教科書よりも参考書の方が役に立っ
た経験があり、両者の学習における違いに興味があった
から。
概要
教科書と参考書の使われ方・内容の特徴の違いに
ついて調べ、そこからどのように学習していくとその
分野についての知識が得られていくか検討した
それぞれの印象と特徴(数学分野について)
・教科書
 学問的・基礎的な印象を受ける。
 定理などの証明が事細かに書かれている。
 演習問題は少なめで、基礎レベルのものが多い。
 描かれている図表は概念をわかりやすく説明するためのものが
多く、図そのものの理解を促すものが多い
 クラスの学生が同じものを持つ
・参考書
 問題解決について実用的・応用な印象を持つ。
 定理などは自明の事として扱われ、詳しい証明は省かれることが多い。
 あらゆるタイプの具体的な演習問題・解法が網羅されている。
 描かれている図表は、具体的な問題の状況や性質を表し、それを把握す
ることによって問題解決に役立てるものが多い
 種類が豊富で自分にあったものを選べるが、選考に困難することがある
使用について
・教科書
・ 新しい分野を学習するとき、基礎を学ぶときに利用する(授業)
・ 主に授業で使われるため先生の指導によって理解力が変わってくる
・ 多数の生徒のレベルに合わせることが難しいため理解力に違いが出
る
・参考書
・
教科書からの発展、応用を自主学習するため
・
具体的な問題を解き、概念や公式の利用方法を学び訓練する
・
具体的な問題を解くことで類似問題に出会ったときの対策法を学ぶ
問題数の比較
高等学校の“数学Ⅲ”を例にして、教科書と参考書の問題数を比較した。結果を次の表
1に示す。
表1.高等学校数学Ⅲにおける教科書および参考書の問題数比較表
教科書
参考書
487
447
348
200
128
ページ数
189
例題数
127
189
練習問題数
93 109
章末問題数
合計問題数
教科書の合計問題数は348問であり、予想していたよりも多い結果だった。しかし、ほとんど
の問題が証明等を扱ったものであり、全てが日常学習用のレベルの問題であった。
参考書の合計問題数は487問であった。日常学習用の易しい例題から、入試レベルの演習
まで散りばめた内容となっており、広い範囲をカバーしていた。
[教科書]大島利雄,他「数学Ⅲ」数研出版,2004,文部科学省検定済教科書104,p1~200
[参考書]内田清,他「Focus Up 数学Ⅲ+C」啓林館,出版年不明,p1~322(数Ⅲ範囲のみ)
知識の認知過程~問題解決について
ある学問分野の初心者
与えられた条件から、その情報を含む公式を使い
目的の値をもとめる傾向がある
(後ろ向き推論)
何がわかっていれば何を求めることができるか
という知識の獲得
ある学問分野の
熟練者・専門家
参考文献:山村功(多鹿秀継 編「認知と思考」8章より
「知識の手続き化」
と呼ばれている
目的の値から与えられた数値に遡る傾向がある
(前向き推論)
1994年サイエンス社出版)
知識の手続き化
知識
宣言的知識
数学の公式などの命題で表すことができる知識
明言できるような知識
手続き的知識
自転車の乗り方のような、はっきりと明言はできないが知っている知識
知識の手続き化とは、数学の公式などの宣言的知識を利用を繰返す
ことによって宣言的知識をどんなときどのように適応するかという形
で手続き的知識に変化することをさす
参考文献:山村功(多鹿秀継 編「認知と思考」8章より
1994年サイエンス社出版)
宣言的知識
知
識
の
手
続
き
化
変
化
教科書によって得た公式・命題・概念の知識
参考書よって得られた知識を利用することの訓練
手続き的知識
高校生時代では教科書で公式を学び、参考書・問題集の問題を解くことによって
知識の手続き化を行い知識を伸ばしていた
(ただし伸びるのは学習した分野の知識のみで、一般的な知識・知能が上がるわけではない)
このことから、参考書の特徴と表現より具体的な知識を伸ばすための要素を見つける
 具体的な問題を解くことにより、自分がどこがわからないかはっきりさせ
ることができる
(自分の限界を評価することができる:メタ認知)
 具体的な問題の性質や特徴を表す図表を活用することによって問題の把握
することができる (より確かに問題を理解する)
問題を図表を使って特徴・性質を表し問題解決に役立て、自分が問
題を理解していることを評価できる
(メタ認知)
 類似問題の対策として意識して問題を解くことにより、問題の予測ができ
るようになる
(手続き的知識の確立)
 解いた問題を自分で解答し、間違えを分析することにより教訓を残すこと
ができる
このような学習を意識して行い、問題解決にむけて教科書だけではなく参考書
を使用することによって知識を伸ばす訓練をしていたことが改めてわかった。