第一建設(1799)

岡三にいがた
県内企業レーティング情報
第一建設(1799
東証JASDAQスタンダード)
2015年12月22日
16年3月期は減収減益見込みも、高い利益水準は維持へ
<<アナリストの視点>>
レーティング
強気
(前回:強気 )
今後6カ月の目標株価
1,550円 (前回:1,550 円)
株価 =
1,174
円 ( 12/21 )
年初来高値 =
1,395 円 ( 01/05 )
年初来安値 =
1,128 円 ( 08/25 )
予想PER (単独) =
7.8 倍 (
16/3 )
予想PER (単独) =
7.6 倍 (
17/3 )
実績PBR (単独) = 0.52 倍
予想ROE (単独) =
242 億円
発行済株式数
(除く自己株)
20,587 千株
<<レーティングの根拠>>
同業2社のPERは10倍を超えており、同社の16年3月期予想PER7.8
倍は割安感が強い水準といえよう。建設業界の中でトップクラス
の営業利益率であることを加味すると16年3月期予想PER10倍程度
の評価が可能と考え、目標株価1,550円、レーティング「強気」
を継続する。
<<16年3月期第2四半期累計は増収減益>>
6.3 %
時価総額
16年3月期第2四半期累計の業績は施工高の増加に伴い増収となっ
たものの、教育研修や新工法に関する研究開発コストなどの販管
費がかさんだ影響で減益となった。上期の業績は期初の会社計画
を上回る着地となっており、同社の業績が下期に偏重する傾向で
あることを考えると業績には上振れ余地があるとみている。JR東
日本関連の大型案件の受注が一巡した反動で通期は減収減益を見
込むものの、営業利益は過去3番目と高い利益水準を維持できる
点は評価できよう。
16年3月期第2四半期累計の業績は、前期からの繰越工事の進捗
に伴い建設事業の施工高が増加し、売上高が206億61百万円(前
年同期比4.7%増)となった。
利益面では、教育研修や新工法に関する研究開発コストが増加
したほか、仙台市のテナントビル取得の初期費用がかかったこと
で営業利益が19億3百万円(同5.2%減)、経常利益が20億29百万
円(同6.0%減)、四半期純利益は13億29百万円(同2.9%減)と
なった。
セグメント別では、主力の建設事業は前期からの繰越工事の進
捗に伴って施工高が増加したことで建設事業売上高が203億45百
万円(同4.8%増)となった。土木工事と比較して採算性の低い
建築工事の比率が高まったことで建設事業総利益は31億66百万円
(同0.1%減)となった。
予想配当利回り = 2.04 %
エクイティ情報部
仲野 惠理佳
<<業績推移>> 日本基準(非連結)
決算期(年/月)
2013/03
2014/03
2015/03
会社
2016/03(予)
弊社前回
弊社今回
弊社前回
2017/03(予)
弊社今回
売上高
41,670
50,148
48,584
47,000
47,500
47,800
48,200
48,800
営業利益
3,996
5,360
5,500
4,400
4,510
4,600
4,600
4,800
経常利益
4,192
5,550
5,744
4,600
4,650
4,700
4,700
4,900
当期純利益
2,571
3,358
3,580
3,000
3,050
3,100
3,100
3,200
一株純利益
125.09
163.13
173.92
145.72
148.15
150.58
150.58
155.44
一株配当金
19.00
22.00
24.00
24.00
24.00
24.00
25.00
25.00
単位:百万円、一株純利益・配当は円
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
1
岡三にいがた県内企業レーティング情報
第一建設(1799東証JADAQスタンダード)
不動産事業売上高は、賃貸用不動産の売上高減少によって、3億16百万円(同1.8%減)となった。不動産
事業総利益は売上高の減少や賃貸用不動産取得に伴う費用増加等により、1億14百万円(同18.2%減)と
なった。
(億円)
<<受注減とともに完成工事総利益率が低下>>
250
16年3月期第2四半期累計の建設事業の受注高は199億1百万円
(同4.3%減)となった。建設事業の内訳をみると、土木工事
の受注高は前年同期にあったJR東日本関連の大型工事の反動等
受注高の推移
建築工事
土木工事
200
50.6
150
58.0
52.0
55.2
39.2
100
により、143億77百万円(同8.6%減)となった。
157.3
143.8
136.2
132.0
131.1
50
一方、建築工事は首都圏を中心に民間マンションの受注が伸
びたことや、前年同期は選別受注により受注を抑制していた反
0
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
16/3期
動から、55億23百万円(同9.1%増)となった。
2Q累計
2Q累計
2Q累計
2Q累計
2Q累計
出所:会社資料より岡三にいがた証券作成
建築工事の受注高は増加したものの、土木工事の受注減で
相対的に利益率の低い建築工事の比率が上昇したことで、工事採算を表す完成工事総利益率は前年同期比
0.8ポイント低下の15.5%となった。
<<16年3月期の見通し>>
上期の受注高は概ね計画線に沿った形になったと考えており、期初計画の受注目標478億円は達成可能な
水準であろう。上期は売上高・利益面ともに期初計画を上回る着地であり、同社の業績が下期に偏重する傾
向であることを加味すると、通期の会社計画には上振れ余地があると考える。労務費や原材料費は依然とし
て高止まりの傾向が続いているものの、同社は工期が比較的短いため価格上昇リスクを抑えることが可能と
考える。
主力の土木工事は前期の大型案件の反動減によって前期比で受注は減少しているものの、営業活動強化を
通じて受注確保に取り組んでいるようだ。建築工事は県内の受注が低調に推移する一方、首都圏の民間マン
ション工事の案件が増えており、下期も受注増の傾向が続くと予想する。採算性を重視した選別受注を進め
ているが、土木工事と比べて利益率が相対的に低いため、建設事業は15年3月期と比べて利益率が低下する
とみられる。
不動産事業は、上期に取得した仙台市のテナントビルが10月から稼働したことで下期の業績に寄与する。
さらに、上期は新潟市にある貸地の契約満了に伴い賃貸収入が減少したが、跡地利用として来年3月から賃
貸収入が加わる見込みとなっている。同社は不動産開発・販売、不動産賃貸などに注力していく方針であり、
今後は不動産事業の伸びが期待される。
岡三にいがた証券では上期の実績を加味して、売上高478億円(前期比1.6%減)、営業利益46億円(同
16.3%減)、経常利益47億円(同18.1%減)、当期純利益31億円(同13.4%減)と前回予想から変更する。
業績推移
(億円)
600
売上高(左軸)
500
400
営業利益(右軸)
451
357
374
336
386
370
386
385
31
22
200
15
7
13
7
8
00/3
01/3
8
34
23
18
11
21
43
40
34
28
300
100
429
出所:会社資料より岡三にいがた証券作成
16/3期は会社予想。
485
501
当期純利益(右軸)
55
457
53
430
407
427
424
416
20
23
33
22
39
40
23
23
39
33
35
(億円)
60
470
50
44
30
40
30
25
17
20
13
10
2
0
0
99/3
02/3
03/3
04/3
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
10/3
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
16/3(予)
2
岡三にいがた県内企業レーティング情報
レーティングの基準など
強 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
中 立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
弱 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三にいがた証券
エクイティ情報部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は6 ヵ月以内です。目標株価達成を
阻むリスク要因としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・
サービス需要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、
国内外の金融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられま
す。なお、これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価
達成が妨げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三にいがた証券として
の個別銘柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングと
して記載しています。
・株価は日付日の終値。年初来高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時
(前場・後場)における約定値段を用いています。
・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載して
います。
・時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三にい
がた証券が算出しています。
・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額
を用いています。
・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用
いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三にいがた証券の推定による試
算値を用いる場合があります。
・日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成27 年4月1日以後開始する連
結会計年度の期首から適用)。
・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
(平成27年5月改訂)
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特
定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果
を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願
いします。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損
失が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外
部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三にいがた証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものです
が、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、
過去に言及した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記
された意見や予測等は、資料作成時点での岡三にいがた証券の判断であり、今後予告なしに変更される
ことがあ ります。なお、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナ
リスト・レポートとして審査されたものです。
・ 岡三にいがた証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品につい
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・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあり
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・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」(もしくは目論見書及びそ
の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契
約ください。
・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700 円を
下回った場合は2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242%
(税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払
いいただきます。
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(平成27年5月改訂)