こちら - 藤尾 潔

加東市議会議員 藤尾潔
議会報告 ㉟
2015.8
公共施設再配置計画
公共施設適正配置計画について、市長が9月までの熟慮を表明されてから半年。その9月を目前に控
え、議会としても色々と対応していく部分もあります。多くの施設で利用者の方がおられる以上、市民の皆
さん全員に歓迎されるものではないと思いますが、右肩上がりで税収が望める時代でもなく、福祉等にも
多額の財源が今後必要とされる中、避けて通れない道であるとも考えます。そのような中で、可能な限り市
民の皆さんに説明し、意見を聞きながら進めるように議会で発言してきましたし、そのような方向で進んで
きたと思っています。
1・コスミックホール
コスミックホールについては、維持費の問題や学校用地にすること等から、廃止・取り壊しの方針が出てい
ましたが、音響の良いホールであるとして存続を求める声も多く、他の2館と分離して指定管理者を募集す
ることとなりました。市として3館の文化会館を持ち続けることはない、と言われていた中では最大限の譲歩
案であるとも思います。
通例であれば、9月下旬に指定管理者の公募が始まるので、今後どのような条件で募集されるのか・どの
ような団体が応募されるのか という部分が今後影響してくると思います。
2・小中一貫教育
市で小中一貫教育研究会も立ち上がって議論をされており、小学校と中学校がより連携を深めていく
「小中一貫教育」については理解が進んできているように思います。
ただ、加東市の計画していることは、それよりかなり踏み込んでいる、「地域の小学校を旧町ごとに統合
し、中学校と一体化した”小中一貫校”とする」ということです。「小中一貫校」に関しては、先に述べた「小
中一貫教育」の効果がより期待できるということも言われる反面、地域の小学校を統廃合すること・それに
伴う通学の問題・小学校と中学校を一体化することによるデメリット(中学校が荒れた場合小学校に影響を
及ぼさないか等)等もあると言われています。また、一般的に教員の物理的な負担は増す、と言われてい
ます。
特に通学の問題について、スクールバスでの送迎が補完策として考えられますが、大体一台の運行に
年間600万円程度かかるとみられるため、何台も運行することは困難です。一台のバスの定員が40名くら
いだとして、複数のバスが必要になる学校もあると考えられ、統合対象の小学校の児童すべてに対応する
ことは困難だと考えられ、長距離の徒歩通学を余儀なくされる児童も出ると考えられます。
「学校から4km」という一定の基準はあるものの、それだと社地域を小中一貫校にした場合、福田小学校
区では中古瀬や大門まで、三草小学校区では上三草・吉馬・牧野まで、米田小学校区では下久米くらい
までは「徒歩で(現在の社中学校の場所まで)通ってください」と言われる可能性はあります。東条・滝野の
場合は推進するにしても場所が未定なので推定できませんが、通学距離が伸びるケースが出ることは考え
られます。(注:ただ、現在でも4km程度の徒歩通学をしている地区はあるわけで、これらが“無茶だ”と一
概には言えない面もあります)細部にわたっては無理にしても、大まかな方針は示しておく必要があると考
えられます。
3.小中一貫校の整備順について
市は、平成32年度までに東条地域で小中一貫校を建設したいとしてきましたが、冒頭のコスミックホール
の件と関連したこともあって住民の反対意見もあり、整備順を変更して社から行うこともあり得る、という方針
になりました(ただ、現段階で議会に、具体的な整備順・年度が改めて明らかにされている訳ではありませ
ん)。これは、「市長が折れた」というような話ではなく、地域の学校を作る話をしていく場合に、地域の協力
を得ることが難しい状態で突っ走ることが妥当なのか、という判断であるかと思います。ただ、7月5日の住
民説明会でも、東条西小学校の児童数減少を懸念する声も出ていたので、単に”先送り”という話で済む
問題でもないように思います。と同時に、仮に社地域で先行実施することになったとしても、先ほどの通学
の問題など解決すべき課題も多くあります。
4・今後の進め方
市の小中一貫教育研究会では8月21日に中間まとめを出される予定で、それを受けて8月24日の臨時
教育委員会で小中一貫教育について審議される予定です。それを受けて議会でも9月議会で審議してい
くことになると思いますが、審議するにあたっては、教育委員会において「市立の学校を3つの小中一貫校
にしていく」という基本方針が確認されていることが前提だ、ということは何度も当局に念を押しています。メ
リットは感じつつも、課題もある。それを9月までに本当に整理できるのか…私は非常に不安を覚えていま
すが、当局は何度も「できます。まとめます。」と述べているので、信用して待つしかありません。熱い八月
下旬になりそうです。(これらを受け、8月26日には議会の公共施設適正化等検討委員会も行う予定で
す。こちらも委員長の許可により傍聴できますので、議会事務局43-0385までお問い合わせください。)
なお、8月22・23日には、未就学児の保護者を対象とした小中一貫教育の説明会が開催されるようです。
保育園・幼稚園等を通じてご案内も配布されていると思うのですが、通われていなかったり、市外の保育園
に通われている等の事情で行きわたっていないケースもあろうかと思います。実際に今回の小中一貫校の
話に、より大きな影響を受けるのは低年齢の児童なのですから、ご多忙の折とは思いますが、関係者の方
は是非足を運んでいただければ、と思います。(問い合わせ:教育総務課 43-0540)
鴨川保育園の存続を求める請願
6月議会では、鴨川地区の3区長さんの連名で、鴨川保育園の存続を求める請願が提出されま
した。(注:議会に対していただく要望のうち、議員が紹介議員として署名したものを“請願”
と言い、議題として上程します。紹介議員がないものは“陳情”と言います。今回は、大畑議員
が紹介議員でした。)
従来鴨川児童館において児童の預かりを実施していたものを、市になってから「へき地保育
所」の制度を活用して保育園として整備し、園児数も27名と増加している。保育園があるから
鴨川に戻ってきた若者もおり、過疎対策にもなっているという実情がある。また、統合して通園
バスで送迎するにしても、0・1歳児などの長距離通園は負担ではないか、と言ったような問題
提起がありました。
反面、今回の統合に関しては、市として
・保育と幼児教育を統合した、認定子ども園への移行を市全体として推進していきたいこと
・加東市においては、私立保育園の取り組みも水準が高いことから、民営化も推進する
といった点を考えて取り組むようにした、という背景もあります。
(小学校の統合問題に関しても同じことが言えるのですが)身近な地域で育んでいる、という
反面、多人数の中での関わりを育てていく、という視点も重要です。
今回の請願では、現行通り(即ち市立のまま)保育園を存続してほしい、とう内容になってい
ました。先ほどの「認定子ども園への移行」「公立施設の統廃合・民営化」の内容を含む「子ど
も・子育て支援事業計画」も、この3月に全会一致で可決しています。
地域の方の冒頭の思いや、特に低年齢児の送迎への不安等、理解できる面はあるものの、先に
述べたような事情もあり「現行のまま存続」という請願への賛成は難しいと思い、反対をしまし
た。(結果 7対8で不採択)
その後、市長より低年齢児の児童対象の小規模保育所の開設を検討すること等の対応が示されま
した。今後とも、可能な限り地域と丁寧に調整をしていくべきだと考えます。
加東市の高齢・介護サービスの充実度?
加東市では、回想法教室であったり、生活支援サポーター制度であったり、色々な事業に取り
組んでいることもあって、他市に出かけると「加東市さんは色々先進的な取り組みをされていま
すね」と言われることがあります。
反面、市民の方から「困ったときの相談の受け皿がない」「地域で見守り・支える体制が本当
にできているのか」「在宅介護をしているけど本当に大変だ」等のご意見をいただくこともあり
ます。一朝一夕で片付く問題ではないと思いますが、地域包括ケアシステムを真の意味で構築す
ることで、住み慣れた地域で安心して暮らせる体制づくりにつなげていきたいものです。
今回、介護・高齢化対応度調査ランキングが698位だったことを一般質問で取り上げたのは
そのための激励のつもりで、(ランキングが全てではないにせよ)体制の充実で今後向上してい
くように取り組んでいきたいと考えています。
地域創生
…詳しくはまだ説明を受けていないのですが、加東市では「地方創生」ではなく「地域創生」と
いう用語を使うようです。(県が「地域創生戦略」としているからでしょう)
◎3月議会において、「ご当地カード」の話があったとき、「本当にこのような検討状況で事業
化して大丈夫なのか…」という懸念から反対(注:この時は補正予算として、病院への追加赤字
補填問題もあったため、ご当地カードのみで反対した訳ではないのですが)したのですが、
「どうせ事業化するならうまくいったほうが・・・」との思いから、6月議会の一般質問で「ヘ
ルスケアポイント制度」について提案しました。医療・介護にかかる費用が年々増加する中で、
抑制につなげるには地道かも知れませんが健康寿命を延ばしていくような施策が求められます。
健診の受診や、健康目標の達成などによりポイントがたまるような制度により、市民の健康への
関心が高まれば…との思いもあったのですが、答弁が「ご当地カードの導入は当面見送る」との
ことでした。さまざまな調整が困難で、参加事業者が十分に集まらなかったことが原因のようで
すが…いつも一般質問の際、想定問答を色々考えていくのですが、かなり想定外の答弁で、後の
議論が組み立てられませんでした。
◎ご当地カードのポイントとして配布する予定だったプレミアムの部分は、結局「プレミアム商
品券」として発行されることになりました。買えた方はお得になると思うので、詳細が発表され
たら是非お買い求めください…と言いつつ、市民全員が買える訳ではないのですが。
景気対策の国策としてこれが有効なのか、とかというような問題は後から考えることにして…
◎市役所では9月18日まで、地域創生に関するアイデアを募集しています。いろんな市で、住
民主導の施策が地域を動かしているような事例もあります。御提案があればお寄せいただけれ
ば、と思います。
◎今後、定住自立圏構想ということで、加西市、西脇市、多可町とさまざまな面で連携する機会
も増えてくるように思います。それは良いことであると考えますが、旧加東郡の時代から小野市
との結びつきが強かったわけですから、そういった連携も深めていかなければならないと考えま
す。
藤尾個人の報告会を8月16日(日)19:00~コスミックホールリハーサル室、
8月30日(日)14:00~やしろ国際学習塾第2会議室
で行います。是非お越しください。途中入退室も歓迎です。もちろん地域割などありません。
藤尾からは、小中一貫教育を中心に公共施設適正化の話をさせていだたく予定です。
(その他のご質問・ご相談等ももちろんお受けいたします。)
加東市議会議員
藤尾潔
〒673-1465 加東市喜田1丁目5-1ライラック104号
Tel/Fax 0795-42-5155
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