食品安全と食糧確保に貢献する酪農乳業

IDFホームページ/http://www.fil-idf.org/ファクトシートより
IDF文書を仮訳
IDFファクトシート2013年12月
食品安全と食糧確保に貢献する酪農乳業
酪農乳業は食品安全の分野で長きにわたって指導的地位を保ってきました。そ
して世界の人々に安全で健康的な食物の提供に意義深く貢献しています。
家族の食を支えるために家畜による生乳生産に依存する小規模酪農家から、先進国の
都市消費者まで、酪農は世界の国民にとって安全で健康的な食物の意義深い貢献者で
す。
すぐに消費、すぐに冷やす必要がある食品の生産者として、酪農乳業は食品安全の分
野で長らく指導的立場にありました。酪農乳業は世界のなかで生産者と製造業者のた
めに食品安全基準案を開発し、安全な食品生産の必要性を強化してきました。
安全な乳製品づくりを誓う
食品安全は公衆衛生に係る普遍的に認知された優先事項です。生産から消費まで全体
的なアプローチを必要とします。
酪農乳業は安全で健全な製品を届けることを誓います。国際酪農連盟(IDF)は世
界の乳処理業者が採用した適正な行動規範と厳しい食品安全基準案づくりを強化しま
す。
ハサップ(HACCP)や「安全・品質・食品の取り組み」のような包括的な食品安
全と食糧確保計画を実践することによって、世界のなかで乳生産者は消費者の要望に
見合う安全な食品づくりに努めています。
IDFは食品安全管理の重要性を促進する主要な団体と共同歩調をとっています。公
的な協力関係を通じてIDFは、コーデックス食品委員会、国際標準機構(ISO)、
国際獣疫事務局(OIE)の標準策定作業に積極的に関与しています。
ケーススタデー:乳製品の安全危機に対応するIDF
世界のデイリーサプライチェーンの安全性は、メラミンによる乳の偽和問題が浮上
した2008年8月に国際的な注目を浴びました。この行為により少なくとも6人
の児童が死亡し数千人が入院する事態に至りました。
IDFはこのような状況下で、適用可能な方法の見直しと分析手段の評価について
大至急見直し作業を開始して、この危機に対応しました。
その結果、IDFは近代的な酪農乳業が求めた知見の共有を確保しつつ、IDF専
門家の技術情報を持ち寄りスクリーニングと確認試験法を開発しました。IDFは
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サプライチェーンの完全な安全性確保のために技術的な支援も提供しました。
適正農場規範が不可欠
安全な乳製品の生産は農場から始まります。農場で対策がなされないなら、乳牛と生
乳は化学的、生物学的、物理的な汚染物質に曝されます。これらの汚染物質はすべて
潜在的な食品安全リスクを惹起します。
適正農場規範の主な目的のひとつは、そのような危害を極小化することです。
適正農場規範は、家畜生産に係るすべての法的な義務事項を認識しそれらを遵守する
ことに関係があります。疾病発生の報告、記録の維持管理、家畜の同定および死骸の
廃棄処理が含まれます。
清潔さの保持を目的とした衛生と疾病の予防、病原菌の増殖と伝染の回避は、いかな
る酪農事業にも不可欠です。
牧草の正しい育種管理や家畜の健康処置、隔離期間の遵守も、フードチェーンに侵入
する化学的残留物質の排除にとって重要となります。
適正農場規範は、食糧安全とも結びついています。自然資源に対する持続可能な管理
がなければ、農耕地の生産性が低下し、個人のレベルを超えて農村地域の食糧確保問
題を引き起こします。
ケーススタデー:適正規範の国際ガイド
国際的には、安全な食品生産の点で酪農生産者は強固な足跡を残しています。酪農
生産者を支援するために国際酪農連盟(IDF)と国連食糧農業機構(FAO)は
適正酪農場規範ガイド(2011)を共同でつくりました。安全で品質が保証され
た乳および乳製品の生産とマーケティングを支援するために、このガイドは酪農生
産者が実務的に使える様式で書かれています。また、消費者の安全性と農場レベル
における経済的・社会的・環境的管理との関係にも焦点をあてています。このガイ
ドは無料でIDFウェブサイト www.fil-idf.org(発行物)から英語、アラビア
語、中国語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語およびスペイン語で入手できま
す。
技術力の向上
適正農場規範を達成するために、世界の酪農乳業は、良質な能力開発訓練プログラム
を生産者に提供する必要性を認めています。
酪農業の種々の手法と技術は常に進化しています。したがって世界の酪農乳業として
は、生産者や生産管理者である自分たちのために適切な訓練の機会を積極的に求める
ように背中を押しています。
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知識を現場に活用するために、消費者に安全な食品を確かに届けるために、酪農生産
者は自分たちの能力向上をはかってゆきます。
ケーススタデー:乳質の向上と収益の増加、南アフリカの事例
南アフリカの高地では、生産者は飲用乳、ヨーグルト、飲むヨーグルト、マース
(発酵乳製品)およびチーズを製造する工場の株主となっています。多くの酪農家
は手で搾乳しています。原乳は軽トラック、馬、驢馬がひく荷車、トラクターや自
転車で集乳所に運ばれます。生乳は生産者が持ち込み乳量ベースで取引されます。
衛生状態が悪いと生産乳量や乳質だけでなく事業の健全性にも悪影響を及ぼしま
す。生産者に提供される教育訓練では、個人的な衛生管理、洗浄、殺菌、微生物の
管理と殺菌の重要性が説かれます。
早見表:世界の酪農業
世界の家畜生産は農業
畜肉乳由来の食品はヒ
家畜動物は世界の多く
生産額全体の40%を占 トのたんぱく質摂取の3 の貧者を含む約10億人
める
分の1を占める
の収入、社会的地位およ
び安全性の貢献する
世界で8人に1人が食
乳製品は家族世帯の食
乳は栄養価の高い食品
糧 を 確 保 で き ず ( F A 糧確保に重要な要素(F のなかで、たんぱく質と
O)
AO)
無機質を含む最も栄養的
に豊かな食品
編者注:仮訳の全体は会員頁をご参照ください。仮訳の正確性、完全性、有用性等については
いかなる保証をするものではありません。参考資料として扱い、内容に疑義が生じた場合は英
文の原文をご確認ください。