2015年

1
平成 27 年度 鹿児島大学2次試験前期日程 (数学問題)
理・工・医・歯・農・水産・共同獣医・教育学部
平成 27 年 2 月 25 日
• 理 [数理・物理・地環]・工・医 [医]・歯学部は, 1 , 2 必答, 3 ∼ 5 から 1
問選択, 6 , 7 必答.数 II・III・A・B(120 分)
• 理 [生命化],医 [理学療法]・農・水産・共同獣医学部は, 1 , 2 必答, 3 ∼
5 から 1 問選択.数 II・A・B(90 分)
• 教育 [数学・理科・技術・教育・心理・家政・国語・社会・英語・特別支援教育・
健康教育] 学部は, 1 , 8 必答, 3 ∼ 5 から 1 問選択, 9 , 10 の 2 題から
1 問選択.数 II・A・B または数 III・A・B(90 分)
1 次の各問いに答えよ.
(1) SATTUN という 6 文字を並べかえて得られる順列のうち,最初が子音文
字になるものの総数を求めよ.
(2) 半径 r の円 O0 が半径 2r の円 O に点 P で内接し,さらに円 O0 は円 O の弦
AB に点 Q で接している.線分 PQ の延長が円 O と交わる点を M とする.
∠PQB = 60◦ のとき,線分 QM の長さを求めよ.
(3) 1 次不定方程式
37x + 32y = 1
の整数解を 1 組求めよ.
2
(1) 0 でない実数 a, b, c, d が 3a = 5b = 7c = 105d を満たすとき,
1 1 1
1
+ + =
a b c
d
が成り立つことを示せ.
(2) 関数 f (x) = −3mx + 2n と関数 g(x) = 6x2 − 2nx − m について
Z 2
Z 2
S=
f (x) dx, T =
g(x) dx
0
0
とおく.ただし,m = 0,n = 0 とする.このとき,次の各問いに答えよ.
(a) S と T を m と n を用いて表せ.
(b) S = 0,T = 0 のとき,m + n が最大となるような m と n を求めよ.
2
n{1 + (−1)n+1 }
(n = 1, 2, 3, · · · ) により定ま
2
るものとして,次の各問いに答えよ.
3 数列 {an } は a1 = 0,an+1 − an =
(1) a2 ,a3 ,a4 ,a5 をそれぞれ求めよ.
(2) 数列 {bn },{cn } を
bn = a2n−1 ,
cn = a2n
(n = 1, 2, 3, · · · )
で定めるとき,一般項 bn ,cn を求めよ.
(3)
50
X
(−1)n an を求めよ.
n=1
−→
−→
−→
4 平面上に三角形 ABC と点 O があり,OA = ~a,OB = ~b,OC = ~c とおくとき
~a·~b = ~b·~c = ~c·~a 6= 0
を満たしていると仮定する.辺 BC の中点を M,線分 OB の中点を N とし,三
角形 OBC の外心を P とする.このとき,次の各問いに答えよ.
(1) M 6= P のとき,線分 MP と線分 OA は平行であることを示せ.
−−→
−→ −→
(2) MP = t~a とおいて,OP と NP を ~a,~b,~c および実数 t を用いて表せ.
−→ −→
(3) OP と NP を ~a,~b,~c を用いて表せ.
5 整数 n (n = 4) に対し,2 枚のコインを同時に投げる試行を繰り返し,2 枚とも
表が出るか,または n 回繰り返した時点で試行を終了するときの試行の回数を
Xn とする.確率変数 Xn について,次の各問いに答えよ.
(1) n − 1 以下の自然数 k に対して,確率 P (Xn = k) を求めよ.また,確率
P (Xn > 3) を求めよ.
(2) 確率 P (Xn = n) を n を用いて表せ.
(3) Xn の平均を En とかくとき,En+1 − En を求めよ.
3
6 関数 f (x) = xe−x について,次の各問いに答えよ.ただし,e は自然対数の底
であり,x > 0 とする.
(1) f (x) の極値を求めよ.また,曲線 y = f (x) の凹凸を調べ,その概形を描
け.ただし, lim xe−x = 0 を用いてよい.
x→+∞
(2) t > 0 とするとき,曲線 y = f (x) と x 軸,および直線 x = t で囲まれる部
分の面積 g(t) を求めよ.
(3) t > 0 とするとき,曲線 y = f (x) と x 軸,および二つの直線 x = t と
x = t + 1 で囲まれる部分の面積 h(t) が最大となるような t の値を求めよ.
7 次の各問いに答えよ.ただし,i は虚数単位とする.
(1) 方程式 z 4 = −1 を解け.
(2) α を方程式 z 4 = −1 の解の一つとする.複素数平面に点 β があって
√
|z − β| = 2|z − α| を満たす点 z 全体が原点を中心とする円 C を描くと
き,複素数 β を α で表せ.
(3) 点 z が (2) の円 C 上を動くとき,点 i と z を結ぶ線分の中点 w はどのよう
な図形を描くか.
8 0 でない実数 a, b, c, d が 3a = 5b = 7c = 105d を満たすとき,
1 1 1
1
+ + =
a b c
d
が成り立つことを示せ.
9 関数 f (x) = −3mx + 2n と関数 g(x) = 6x2 − 2nx − m について
Z
Z
2
S=
f (x) dx,
0
2
T =
g(x) dx
0
とおく.ただし,m = 0,n = 0 とする.このとき,次の各問いに答えよ.
(1) S と T を m と n を用いて表せ.
(2) S = 0,T = 0 のとき,m + n が最大となるような m と n を求めよ.
10 関数 f (x) = xe−x について,次の問いに答えよ.ただし,e は自然対数の底で
あり,x > 0 とする.
(1) f (x) の極値を求めよ.また,曲線 y = f (x) の凹凸を調べ,その概形を描
け.ただし, lim xe−x = 0 を用いてよい.
x→∞
(2) 曲線 y = f (x) と x 軸,および直線 x = 1 で囲まれる部分の面積を求めよ.
4
正解
1
(1) 最初の文字が S または N のとき,ともに
5!
(通り)
2!
最初の文字が T のとき
5! (通り)
5!
よって,求める総数は
× 2 + 5! = 240 (通り)
2!
(2) Q は弦 AB と円 O0 の接点であるから
∠POQ = ∠PQB = 60◦
A
O
弦 OP は,円 O0 の直径であるから
∠OQP = 90◦
M
4OMQ ≡ 4OPQ であるから
r O0
Q
60◦ B
√
◦
QM = PQ = OP sin 60 = 2r ×
3 √
= 3r
2
(3) 37x + 32y = 1 · · · (∗) より,37 ≡ 5, 32 ≡ 0 (mod 32) であるから
5x ≡ 1
(mod 32) ゆえに 5x = 32k + 1 (k は整数)
これを満たす整数 k の 1 つは
k = 2 ゆえに x = 13
(∗) より,5x + 32(x + y) = 1 であるから
5 × 13 + 32(13 + y) = 1 ゆえに 64 + 32(13 + y) = 0
これを解いて
y = −15 よって (x, y) = (13, −15)
P
5
2
(1) 3a = 5b = 7c = 105d = M とおく.
a,b,c は 0 でない実数であるから,M は 1 でない正数.
したがって
1
logM 3
1
b = log5 M =
logM 5
1
c = log7 M =
logM 7
1
d = log105 M =
logM 105
a = log3 M =
1
a
1
ゆえに logM 5 =
b
1
ゆえに logM 7 =
c
ゆえに
logM 3 =
ゆえに
logM 105 =
1
d
1 1 1
1
logM 3 + logM 5 + logM 7 = logM 105 であるから
+ + =
a b c
d
·
¸2
Z 2
3
(−3mx + 2n) dx = − mx2 + 2nx
(2) (a) S =
= −6m + 4n
2
0
0
·
¸2
Z 2
2
3
2
T =
(6x −2nx−m) dx = 2x −nx −mx = −2m − 4n + 16
0
0
(b) (a) の結果から
1
1
m = 2 − S − T,
8
8
したがって
m+n=5−
n=3+
1
3
S− T
16
16
1
5
S− T
16
16
S = 0,T = 0 のとき,m + n が最大となるのは,上の諸式より
S = T = 0 すなわち m = 2, n = 3
6
3
n{1 + (−1)n+1 }
(n = 1, 2, 3, · · · )
2
(1) a1 = 0,an+1 − an =
· · · (∗)
(∗) に n = 1, 2, 3, 4 を代入すると
a2 − a1 = 1,
a1 = 0 であるから
a3 − a2 = 0,
a4 − a3 = 3,
a5 − a 4 = 0
a2 = 1, a3 = 1, a4 = 4, a5 = 4
(2) (∗) の n をそれぞれ,2n,2n + 1 に置き換えると
2n{1 + (−1)2n+1 }
=0
2
(2n + 1){1 + (−1)2n+2 }
= 2n + 1
=
2
a2n+1 − a2n =
a2n+2 − a2n+1
(
したがって
bn+1 − cn = 0
···°
1
cn+1 − bn+1 = 2n + 1 · · · °
2
上の 2 式から bn+1 を消去すると
n−1
X
n = 2 のとき
(ck+1 − ck ) =
cn+1 − cn = 2n + 1
n−1
X
(2k + 1)
k=1
k=1
1
cn − c1 = 2· n(n − 1) + n − 1 = n2 − 1
2
c1 = a2 = 1 であるから
cn = n2
したがって
上式は,n = 1 のときも成り立つ.
bn = cn−1 = (n − 1)2
°
1 から,n = 2 のとき
b1 = a1 = 0 であるから,上式は,n = 1 のときも成り立つ.
bn = (n − 1)2 , cn = n2
よって,求める一般項は
(3) (2) の結果から
50
X
25
X
(−1) an =
{(−1)2k−1 a2k−1 + (−1)2k a2k }
n
n=1
=
k=1
25
X
25
X
(−bk + ck ) =
{−(k − 1)2 + k 2 }
k=1
k=1
25
X
=
(2k − 1) = 252 = 625
k=1
7
4
(1) ~a·~b = ~b·~c = ~c·~a より
~a·(~c − ~b) = ~b·(~a − ~c) = ~c·(~b − ~a) = 0
すなわち
A
N
B
−→ −→ −→ −→ −→ −→
OA·BC = OB·CA = OC·AB = 0
M
O
C
P
したがって,O は 4ABC の垂心であり,
−→ −→ ~ ~
OB·OC = b·c 6= 0 ゆえに O 6= A
以上のことから
OA⊥BC
···°
1
また,P は 4OBC の外心であるから,P は線分 BC の垂直二等分線上に
ある.したがって MP⊥BC · · · °
2
°
1 ,°
2 から
MP//OA
−→ −−→ −−→ ~b + ~c
1
1
(2) OP = OM + MP =
+ t~a = t~
a + ~b + ~c
2
2
2
µ
¶
−→ −→ −→
1
1
1
1
NP = OP − ON = t~a + ~b + ~c − ~b = t~
a + ~c
2
2
2
2
−→ −→
(3) N は外接円の弦 OB の中点であるから OB⊥NP
−→ −→
したがって,OB·NP = 0 より
µ
¶
~b· t~a + 1~c = 0 ゆえに t~a·~b = − 1~b·~c
2
2
~a·~b = ~b·~c 6= 0 であるから
t=−
1
2
これを (2) の結果に代入すると
−→
1
1
1
OP = − ~
a + ~b + ~c,
2
2
2
−→
1
1
NP = − ~
a + ~c
2
2
8
5
(1) k 5 n − 1 のとき,
P (Xn = k) は,k 回目で初めて 2 枚とも表が出る確率であるから
(
µ ¶2 )k−1 µ ¶2
µ ¶
1 3 k`1
1
1
P (Xn = k) = 1 −
×
=
2
2
4 4
また,P (Xn > 3) は,上式により
P (Xn > 3) = 1 − P (Xn 5 3)
=1−
3
X
P (Xn = k) = 1 −
k=1
µ ¶k−1
3
X
1 3
k=1
4
4
¡ ¢3 µ ¶3
27
1 1 − 34
3
=
=
=1− ×
3
4
4
1− 4
64
(2) (1) の結果から
P (Xn = n) = 1 − P (Xn 5 n − 1)
=1−
n−1
X
P (Xn = k) = 1 −
k=1
k=1
¡ 3 ¢n−1
1 1− 4
=1− ×
4
1−
3
4
µ ¶k−1
n−1
X
1 3
=
4
4
µ ¶n`1
3
4
(3) (1),(2) の結果から
En =
=
n−1
X
k=1
n−1
X
k=1
kP (Xn = k) + nP (Xn = n)
k
4
µ ¶k−1
µ ¶n−1
3
3
+n
4
4
上式の n を n + 1 に置き換えると
En+1
µ ¶n
µ ¶k−1
n
X
k 3
3
=
+ (n + 1)
4 4
4
k=1
上の 2 式から
µ ¶n
µ ¶n−1
µ ¶n−1
n 3
3
3
En+1 − En =
+ (n + 1)
−n
4 4
4
4
¾ µ ¶n
µ ¶n−1 ½
3
3
n 3
+ (n + 1) − n =
=
4
4 4
4
9
6
(1) f (x) = xe−x より f 0 (x) = (1 − x)e−x , f 00 (x) = (x − 2)e−x
したがって,f (x) の増減表は次のようになる.
x
0
f (x)
f 00 (x)
(0)
f (x)
(0)
···
+
−
1 ···
0 −
− −
1
e
2
−
0
y
···
−
+
1
e
2
e2
O
(2, e22 )
1
また, lim f (x) = 0 より,グラフの概形は右上の図のようになる.
x→+∞
f (1) =
よって,極大値は
1
e
(2) (1) のグラフから
Z
Z
t
t
f (x) dx =
g(t) =
·
xe−x dx
0
0
¸t
= −(x + 1)e−x
= 1 − (t + 1)e`t
0
(3) (2) の結果から h(t) = g(t + 1) − g(t)
g 0 (t) = f (t) に注意して,h(t) を微分すると
h0 (t) = g 0 (t + 1) − g 0 (t) = f (t + 1) − f (t)
= (t + 1)e−t−1 − te−t = e−t−1 {(t + 1) − et}
= e−t−1 {1 − (e − 1)t}
t > 0 における h(t) の増減表は次のようになる.
t
h0 (t)
h(t)
(0) · · ·
+
%
よって,h(t) が最大となる t の値は
1
e−1
0
極大
···
−
&
t=
1
e−1
x
10
7
(1) 方程式の解 z の極形式を z = r(cos θ + i sin θ)
···°
1
z 4 = r4 (cos 4θ + i sin 4θ)
とすると
−1 を極形式で表すと −1 = cos π + i sin π
r4 (cos 4θ + i sin 4θ) = cos π + i sin π
よって
両辺の絶対値と偏角を比較すると
r4 = 1,
r > 0 であるから
r=1
θ=
また
4θ = π + 2kπ
(k は整数)
···°
2
π kπ
+
4
2
0 5 θ < 2π の範囲で考えると,k = 0, 1, 2, 3 であるから
θ=
π 3
5
7
, π, π, π
4 4
4
4
···°
3
°
2 ,°
3 を°
1 に代入すると,求める解は
1
1
z = ±√ ± √ i
2
2
(2) |z − β| =
√
2|z − α| の両辺を 2 乗することにより
|z − β|2 = 2|z − α|2
(z − β)(z − β) = 2(z − α)(z − α)
両辺を展開して整理すると
zz − (2α − β)z − (2α − β)z = −2αα + ββ
{z − (2α − β)}{z − (2α − β)} = 2(α − β)(α − β)
|z − (2α − β)|2 = 2|α − β|2
したがって
|z − (2α − β)| =
√
2|α − β|
· · · (∗)
このとき,点 z 全体が原点を中心とする円であるから
2α − β = 0 よって β = 2α
11
(3) β = 2α を (∗) に代入すると
|z| =
√
2|α|
···°
4
4
また,α は z = −1 の解であるから
α4 = −1 ゆえに |α4 | = | − 1|
|α|4 = 1 すなわち |α| = 1
√
これを °
4 に代入すると
|z| = 2 · · · °
5
したがって
w は i と z の中点であるから
w=
i+z
2
ゆえに
z = 2w − i
これを °
5 に代入すると
|2w − i| =
よって,点 w は,点
8
2 (1) と同じ
9
2 (2) と同じ
√
2 ゆえに
¯
¯
¯w −
¯
¯
i ¯¯
1
√
=
2¯
2
i
1
を中心とする半径 √ の円を描く.
2
2
10 (1) 6 (1) と同じ
(2) 求める面積を S とすると
Z
1
S=
·
−x
xe
0
dx =
¸1
−x
− (x + 1)e
=1−
0
2
e