日本ビタミン学会第 67 回大会開催にあたって 大会委員長 近畿大学農学部 重岡 成 この度、日本ビタミン学会第 67 回大会を“奈良大和”で、2015 年 6 月 5 日(金) 〜6 日(土)に開催することになりました。大会を主催するにあたり、ご挨拶申し上 げます。これまでの本学会大会におきまして、奈良大和での開催は初めてのことであ ります。本大会のテーマは“ビタミン・バイオファクター研究のさらなる魅力〜大和 まほろばからの発信〜”としました。会場の奈良県新公会堂は、奈良公園の中にあり、 東大寺、興福寺、春日大社(今年は式年造替)、若草山に囲まれた、世界遺産の真ん中 に位置しております。奈良大和は、日本国発祥の地、まさに古事記、日本書紀、そし て万葉の世界が息づいています。そこで、文化講演には奈良県立図書情報館館長 千 田稔先生をお招きし、「古典にみる橘について」と題したご講演をお願いしました。 この数年来、本学会が取り組んできております“学会の活性化”のための一つとし て、年一回会員が一同に会する年次大会も、会員の皆様にとって、いかに魅力ある、 役に立つ機会であることをより明確に出来ないかと考え、いくつかの新しい試みを行 います。まず、特別講演として、筑波大学 裏出良博先生に、 「プロスタグランジン D2 に学ぶ:睡眠研究から筋ジス治療薬の開発まで」をお願いしました。そして、一般演 題をこれまでの13種類のビタミンおよびバイオファクターとしての分類から、それ ぞれの代謝、機能、分析などの7つの分類に変更してみました(本大会でアンケート を取り、皆様のご意見を次回の大会開催の参考にさせていただきます)。さらに、例 年2日目の午後に行っている一般演題を午前中に行い、午後から2つのシンポジウム を開催します。シンポジウムテーマは、「ビタミン・バイオファクターの男女間での 栄養学」および「Global Trend in Recent Health Claim System and Research Topics for Nutrients:最近の健康強調表示システムと栄養機能研究の世界的な動向 -新しい栄養素 の健康機能研究とその制度のイノベーション-」です。 そして、お昼の時間は、お弁当を持 って、時間ある限り会場周辺の「記紀」・「万葉」の世界をお楽しみいただきます。 大会を開催するにあたって、名誉大会委員長の中野長久先生、植野洋志先生、田 口寛先生そして大阪府立大・近畿大などの先生方で実行委員会を組織し、プログラム の編成、大会運営の準備などを行っております。また、企業などから協賛のご援助を 賜り、有意義な大会となるよう鋭意努力しております。懇親会では近大のマグロも待 っておりますので、多くの皆様のご参加を切に願っております。 奈良大和には、東大寺大仏さまだけでなく、荘厳でみずみずしく、ときには甘美 ささえ湛える、とても美しい仏さま“美仏”(中宮寺の如意輪観音、薬師寺の薬師三 尊、興福寺の阿修羅など)もおられます。さらに、学会の余韻を味わいながら、山辺 の道を経て、桜井市磐余(いわれ)、飛鳥、吉野などへの心満ちる道草の旅をお楽し み下さい。 奈良大和での学会参加は、古代・万葉へのお誘いとともに、ビタミン・ バイオファクター研究への新たな感動と刺激をもたらしてくれるものと確信してお ります。
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