第4学年4組 総合的な学習の時間 学習指導案 - 岩国小学校

第4学年4組 総合的な学習の時間 学習指導案
平成26年11月12日(水)第5校時
第4学年4組(於:4-4教室)
指導者 飯 田 展 章
1
単元名 だれもが ほこれる 錦帯橋
2
単元設定の理由
(1)児童がもっている力
本学級の児童32名(男子17名、女子15名)は、与えられた課題に対して、真面目に意欲
的に取り組むことができる。しかしながら、間違いを恐れるあまり、大勢の前では自分の考えを
伝えることに抵抗のある児童が多い。そこで、学年当初からペアや小グループでの活動を仕組ん
できた。グループの中で自分の考えを伝えることはできるようになってきたが、友達と話し合う
ことにより、自分の考えを深めるといった段階にはまだ至っていない。
児童はこれまで、社会科「きょう土を開く(城下町
岩国)」で、地域の人々の生活を向上さ
せてきた先人の働きについて学んできた。その中で、特に、吉川氏が築いた岩国城(横山地区)
と城下町(錦見地区)をつなぐ大切な役割を果たしてきた錦帯橋、寛永年間から行われてきた鵜
飼について資料を活用して調べ、先人たちの苦労や工夫、努力について学んできている。しかし、
まだ知るということに留まっている。今後は自分たちで錦帯橋のよさをみつけ、錦帯橋に主体的
に関わっていく力を高めていく必要がある。
(2)地域マテリアルについて
岩国小学校の校区には、錦帯橋など、多数の文化財が存在している。その多くは、江戸時代の
岩国藩主吉川氏が築いたものである。岩国市では、平成18年から、錦帯橋の国際的な価値とそ
の永続性を確立し、広く知ってもらう手段の一つとして、「錦帯橋とその町割り」の世界遺産登
録に向けた活動を行っている。世界遺産登録には、二つの大きな意義がある。一つは文化財の価
値が国際的に評価されることであり、もう一つは、地域における総合的な文化財保護の取組が充
実することである。
本単元では、錦帯橋を中心に、地域の未来を考える。児童は、身近な錦帯橋が世界遺産登録を
目指していることを知ると、素直に驚くであろう。また、登録に向けて自分たちができることを
考え、話し合う活動を通して、地域への愛情と誇りを育み、地域の未来へつながる学習になると
考える。
そのためには、まず、児童が興味をもった世界遺産について調べ、驚きと興味をもって対象を
捉えられるようにする。そして、今一度錦帯橋のよさを自分なりに再発見させ、そのすばらしさ
を感じさせる。さらに、ゲストティーチャーの話を聞くことで、世界遺産登録に向けて動いてお
られる人々の願いや苦労に目を向けさせる。それらの活動を通し、自分たちの住む地域を誇りに
思い、地域の問題に積極的に関わろうとする気持ちを育てたい。
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(3)児童につけたい力
本校では、地域マテリアルを活用しながら、以下の5つの力をつけたいと考えている。
①
課題を発見する力
・調べたい世界遺産を見つけることができる。
・錦帯橋が世界遺産登録に向けて動いていることから、知りたいことや疑問に思ったことを見
つけようとしている。
②
課題を追求する力
・世界遺産について、疑問に思ったことやさらに知りたいと思ったことを資料を使って調べよ
うとしている。
・錦帯橋の世界遺産登録についてのゲストティーチャーの話や、自分の目でよさを再発見でき
る。
③
情報収集・選択する力
・世界遺産に関する集めた情報の中から、必要なことが書かれている内容を見つけようとして
いる。
④
伝え合う力
・錦帯橋で再発見したよさを伝え合うことができる。
⑤
未来を創造する力
・錦帯橋に誇りをもち、錦帯橋のよさを自分なりにまとめることができる。
・錦帯橋の未来に向けて、自分たちにできることを考えようとしている。
そこで、指導にあたっては、次のことに留意したい。
・錦帯橋の見学に行き、錦帯橋のよさや好きなところを見つけさせる活動を取り入れる。
・観点に分けたワークシートに自分の考えを書かせたり、調べ学習の時間を確保したりするこ
とで、話し合いに誰もが参加できるようにする。
・世界遺産について学び、その価値に触れることで、世界遺産を目指そうとしている錦帯橋の
すばらしさを再発見させるとともに、錦帯橋について学ぶ活動を通して、地域の未来につい
て考え、地域を大切にしていこうという気持ちをもたせる。
・ゲストティーチャーの生の声を聞くことで、世界遺産登録を目指して活動しておられる地域
の人々の苦労や努力を知り、自分たちにもできることはないか考えさせるようにする。
3
指導目標
○ 自分なりの錦帯橋のよさを見つけることができるようにする。
○ 錦帯橋の世界遺産登録に向けた地域の人々の取り組みや思いを知り、郷土の一員として地域を大
切にし、誇りをもつことができるようにする。
○ 必要なことを、資料を用いて調べたり、メモを取りながら話を聞いたりすることで、自分の考え
をもち、伝え合うことができるようにする。
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4
単元の評価規準
観点別学習状況の評価規準
課題を発見する力
課題追求の力
表現の力
・調べたい世界遺産や地 ・本やインターネットを
自己評価の力
・自分なりの考えをも ・地域の人々の思いを知
域の未来に向けて課題
活用したり、ゲストテ
ち、目的に合った方法
り、錦帯橋の未来に向
を見つけている。
ィーチャーから話を聞
でまとめている。
け自分たちにできるこ
いたりして、必要な情 ・友達と意見を交換する
とを考えようとしてい
報を集めている。
る。
ことで、自分の考えを
振り返ったり、質問を
したりしている。
5
指導と評価の計画(全15時間)
次
時
主な学習活動
観
□
主な評価規準
一
1
錦帯橋が世界遺産を目指しているこ
発
錦帯橋が世界遺産を目指していることに
(5)
とを知る。
関心をもとうとしている。
(観察、ノート)
2
世界遺産について知る。
発
世界遺産についてすばらしいと思ったこ
とやもっと知りたいことを見つけてい
る。
(観察、ノート)
二
(5)
三
(5)
3
4
5
興味をもった日本の世界遺産につい
1
2
3
4
5
錦帯橋のよさを再発見しに行く。
1
2
3
錦帯橋のすばらしさの紹介や、ゲスト
追
資料から必要な情報を収集している。
て調べる。
(観察、ワークシート)
発
自分なりの錦帯橋のよさを見つけること
ができる。
追
ティーチャーの話から、自分たちが
できることを考える。
(本時)
(観察)
ゲストティーチャーの話から大事なこと
をメモしている。
表
自分の考えをもって班の話し合いに参加
している。
自
(ワークシート)
(観察、ワークシート)
錦帯橋の未来に向けて、地域を大切にし
ようという気持ちをもち、自己の生き方
について考えようとしている。
(観察、ノート)
4
5
自分が思う錦帯橋のすばらしさを感
自
想にまとめる。
錦帯橋の未来に向けて考えようとしてい
る。
表
錦帯橋のすばらしさを自分なりにまとめ
ている。
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(観察、ワークシート)
(ワークシート)
6
本時の学習 (第三次 1/5時分)
(1)主 眼 世界遺産を目指して活動している人々の苦労や思いを知り、自分たちにできることを
考えることで、地域を大切にしようとする気持ちをもつことができる。
(2)準備・資料 ワークシート、発表ボード(教師)
(3)展 開
過程
学習活動・学習内容
教師の手だて(○)と評価(◆)
1 錦帯橋のお気に入りのところを発表する。
○前時までに世界遺産について学び、そのすばら
・5連のアーチ(日本3名橋、日本3奇橋)
しさについて考えておくことで、それを目指そ
つ
・木造のアーチ橋
うとしている錦帯橋の価値を再認識させる。
か
む
・木をつなぐ技術
○世界遺産登録の活動に関わっておられる方を
・岩国城や錦川との景観
ゲストティーチャーとしてお招きしているこ
・横山と錦見をつなぐ役割
とを伝え、自分たちも何かをしたいという意欲
・錦帯橋から見た町並み
化を図る。
○自分が見つけた錦帯橋のお気に入りのところ
を紹介し合い、錦帯橋のすばらしさを共有させ
る。
錦帯橋のすばらしさを守るために、自分たちができることを考えよう。
2
ゲストティーチャーに錦帯橋と世界遺産の
話を聞く。
・活動をしている思い
・活動をするなかでの苦労
・錦帯橋のすばらしさ
・子ども達に伝えたいこと
・地域の人への発信
○錦帯橋を世界遺産にしようと動いておられる
方の話を聞くことで、その人たちの願いや苦労
を感じさせる。
○事前にゲストティーチャーに話して欲しいこ
とについていくつかお願いしておくことで、内
容を子ども達の身近なものにする。
○聞く観点に分けたワークシートにメモを取ら
せることで、目的意識をもって話を聞くことが
できるようにする。
◆ゲストティーチャーの話から大事なことをメ
モしている。(ワークシート)【課題追求の力】
3
○ワークシートに自分の考えを書かせることで、
自分の考えをもち話し合いに参加できるよう
にする。
○班で話し合う際、ゲストティーチャーに質問が
あれば答えてもらうようにする。
◎班で考えを伝え合うことで、多様な方法がある
ことを知り、お互いの意見を尊重しながら、よ
りよい方法を考えさせるようにする。
○班で出た意見を発表ボードに書かせることで、
全体での発表をしやすくし、他の児童がその内
容をよく理解できるようにする。
◆自分なりの考えをもって、話し合いに参加しよ
うとしている。
(ワークシート、観察)
【表現の力】
※自分たちが実際にできることを考えさせるこ
とで、錦帯橋をより身近に感じ、大切にしてい
こうという気持ちにつなげたい。
考
え
る
・
伝
え
合
う
錦帯橋のすばらしさを守るために自分たち
ができることを話し合う。
・自然環境、町並みの保護
・自分たちが錦帯橋について知ること
・地域や観光客への発信
・観光客へのおもてなし
・錦帯橋への誇り
ひ
ろ
げ
る
4
本時のまとめをする。
・次時の予告
○発表ボードを黒板に掲示することで、次時の学
習への足がかりにさせる。
◎下線部は伝え合いに関する部分
※太字は「未来を創造させる力」に関する部分
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