自作ガスビュレットを用いた分解発生ガスの定量(|) 一洗剤中の炭酸塩

〔(社) 日 本 家 政 学 会
被 服
I Fa −11
自 作 ガ スビ ュ レ ッ ト を 用 い た 分 解 発 生 ガ ス の定 量( | )
一洗 剤 中 の 炭 酸 塩 及 び 漂 白 剤 中 の 次 亜 塩 素 酸 塩 の 定 量 −
○ 篠 原 陽 子 所 康 子 山 下 伸 典 ( 鳴 門 教 育 大 )
目 的 市 販 洗 濯 用 洗 剤 中 の炭 酸 塩 の 配 合 率 や 漂 白 剤 中 の 次 亜 塩葉 酸 塩 濃 度 は 明 示 さ れ て い
な い 。 本 研 究 で は , 化 学 反 応 に よ る 発 生 ガ ス の 測 定 を 通 し た , 簡 便 な 定 量 法 の 開 発を 目 的
と し て , 自 作 ガ ス ビ ュ レ ッ ト の 活 用 ’を 検 討 し た 。
左迪 ガ スビ ュレ ッ ト は 水 位 変 化 部( ガ ラ ス 管 , 内 径2.21cm..
高 さ110cm) と 気 体 発 生 部
( 二 股 型 反 応 管 ) か ら 構 成 さ れ , 気 体 発 生 に 伴う 体 積 変 化 を 水 位 で 読 み 取 る 装 置 で あ る 。
洗 剤 中 の 炭 酸 塩 の 測 定 は , 反 応 管 に 精 秤 し た 洗 剤( 約2g )を 入 れ。 蒸 留 水50ciii=を 加 え 充
分 分 散さ せ た 後 , 他 方 の 反 応 管 に 入 れ た 大 過 剰 の 塩 酸(6N )を 流 し 込 み冷 却 下 で 撹 絆 し た 。
反 応 前 の 水 位(y 。)と 反 応 後 の 水 位(yj か ら 水 位 差(yi-y 。)を 求 め , 発 生 し た 二 酸 化 炭 素 の
体 積 を 算 出 し た 。 同 様 に 漂 白 剤 中 の 次 亜 塩 素 酸 塩 の 測 定 は , 触 媒 ( 酸 化 コ バ ルト )に よ る
次 亜 塩 素 酸 塩 の 分 解 に よ り 発 生 す る 酸 素 の 体 積を 測 定 し た 。 試 料 と し て 炭 酸 ナト リ ウ ム ,
洗 濯用 石け ん4種 ,粉末 合成洗 剤6 種, アンチ ホルミン ,塩 素系漂白 剤を 用い た。
拉 是 炭 酸 ナ ト リ ウ ム の 重 量 と , 塩 酸 と の 反 応 で 発生 し た 二 酸 化 炭 素 の 体 積 と は , 一 次 式
で 表 さ れ , 本 装 置 に よ る 定量 的 測 定 が 可 能 で あ る こ と が 確 認 さ れ た 。 こ の 式 を 検量 線 とし
て ,個 々の洗 剤中 の炭酸 塩配合率 が決 定で きた。 配合率 は洗 剤の種類 と採 取箇所 により 異
な り, 2% ( 洗 濯 用 石 け ん , 脂 肪 酸 塩 配 合 率9B %と 明 示 ) ∼39 %( 粉 末 合 成 洗 剤 ) で あ っ
た。 同 様にア ンチ ホルミン の測定 値を 検量 線とし て,塩 素系漂白 剤中 の次亜 塩素酸 塩 の決
定 が 可 能 であ っ た 。 分 解 反 応 の 経 時 変 化 を 追 跡し , 分 解 速 度 係 数 と 含 有 率 が求 め ら れ た 。
* 勢 力 , 所 , 山 下 他 : 科 教 研 報 告,
I Fa −12
10,
(3),27-32(1996 )
自 作 ガ スビ ュレ ット を 用 い た分 解 発生 ガ ス の定 量(n )
一有 機化 合 物 の 分解 に よ る発 生ガ ス の定 量 −
( 鳴 門 教 育 大 学)
○ 池添 奈 都 子 所 康子 山 下 神典
目 的 繊 維 な ど の 有 機 化 合 物 に は 化 学 反 応 に よ り , 分 解 ガ ス を 発 生 さ せ る も の が あ る 。 本
一
研 究 で は, 自 作 ガ ス ビュ レ ット の活 用 と して 各種 有機化 合物 につ いて 分解 条 件 を 検討 した。
方 法 発 生 ガ ス の 体 積 測 定 に は , 気 体 発 生 部 の 二 股 反 応 管 と 水 位 測 定 部 の ア ク リ ル 管 か ら
一 一
構 成 さ れ た ガ ス ビ ュ レ ッ ト を 用 い た 。 測 定 は,
I 法 : 反 応 管 の 一 方 に 試 料(0.05 ∼0.5g) 及
び 重 クロ ム 飽 和 溶 液 を 入 れ , 他 方 の 反 応 管 に 入 れ た 硫 酸 を 徐 々 に 移 し 分 解 さ せ , 反 応 前 ・
後 の 水 位(yo.y,)
か ら 水 位 差(yi-yo)
を 求 め , 発 生 し た ガ ス の 体 積 を 算 出 す る,
用 反 応 管 に さ ら に 触 媒 と し て 硫 酸 銅(n)
を 加 えI
皿法 :試 料
一
法 と 同 様 に測定 す る, の二 方 法 によ って
行 っ た 。 試 料 と し て , サ ッ カ ロ ー ス( 純 粋 有 機 化 合 物 と し て 使 用),
脱 脂綿 , ガ ーゼ, ティ
ッ シ ュペ ー パ ー , 絹 , 羊 毛 及 び ポ リ エ ス テ ル 製 品 等 を 用 い た 。
結 果 ①I 法 では , す べて の 試 料 につ いて 重 量と 発生 ガ スの 体 積と は 原点 を 通 ら ない が ,
一
直 線 関 係を示 し た。 そ の勾 配 値 は試 料 の 種類 に より 異 な る。 ② 硫酸 銅を 加 え た U 法で は ,
サ ッカロ ース 及 び脱 脂 綿は い ず れ もほ ぼ原 点を 通 る比 例 関係 を示 し , 両 者 の勾 配 値は よ い
一 致を 示 し た 。こ れら の有 機 化 合物 で はn 法 の 分解 条 件 の方 が より 理 想的 な反 応 であ ろ う
と 思 わ れ る。 この 直 線 は, 綿 と 他種 繊 維の 混 紡率 や 加工 剤の 付与 等 の 測定 の 検 量 線と し て
も使 用可 能 であ るこ とが 示 唆 さ れ た。 絹及 び 羊毛 は , 測定 方 法 の違 い によ る差 は ほと んど
な く ,硫 酸 銅 量や 重 クロ ム飽 和溶 液 量 が発 生 ガ スの 体 積 や分 解 安定 性 に 影響を 及ぼ す もの
と 思 わ れ, さ ら に詳 細 な検 討 が 必要 で あ る。 ③I 法 に よ るペ ット ボト ル の 分解 で は ,発 生
ガ スは検 出 さ れ なか っ た。
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