兵庫県立淡路医療センター薬剤部の臨床教育について 兵庫県立淡路医療センター 薬剤部 仲野笑美、嶋田友香、藤原和彦、塩田恵、国東ゆかり、辻本勉 【目的】兵庫県立淡路医療センターでは、採用後5年以下の職員が半数以上を占めている。 今後、病棟薬剤業務を拡げていく上で、早期の臨床能力育成が必要である。このたび、臨 床能力育成のために院内における薬剤師教育の取り組みを報告する。 【方法】 1 毎日のチームミーティング:平成 26 年 7 月より薬剤管理指導を行う薬剤師を3チーム 編成としてチームごと当日の服薬指導業務の報告、疑問点の討議を行う(業務終了後約 15 分) 。 2 週1回のミニカンファレンス:平成 25 年 8 月より薬剤管理指導において薬学的管理を した事例を報告する(業務開始後約 10 分) 。 3 月1回の VCM-TDM 症例検討会:平成 26 年 5 月より実症例の処方解析手法や処方提 案をディスカッション形式で討議する(業務終了後約 30 分) 。 4 救急外来の実習:平成 25 年 11 月から 4 ヶ月間採用3年目以下の職員 5 名を対象とし て救急外来に配置し、医師の診療から検査オーダ、診断の進め方や処方設計の考え方を見 学した(毎日1人ずつ約 2 時間程度)。 【結果】1 薬剤管理指導業務での疑問点や発見情報等を当日中にチーム内で解決・共有 することができた。若手職員への指導、知識の伝達をタイムリーに行うことができた。2 チームを超えて多くの症例を共有できた。指導内容の妥当性や適切性の評価は副作用のモ ニタリング、処方提案等に活かすことができた。3 の見方を実症例から学ぶことができた。4 解析結果に至る考え方や検査データ 救急医療の体験は、医師の診断プロセスを知 ることができ、薬剤師として総合的な臨床知識の必要性、チーム医療の大切さを実感でき た。 【考察】薬剤師の院内教育は、臨床経験が浅い薬剤師も一定レベル以上の薬学的指導、VCM -TDM の解析ができ、今後の病棟薬剤業務に活かしていくために有効であった。また、早 期から救急現場を体験することにより、今後の臨床現場で活躍するにあたってモチベーシ ョンを高めていくのに有意義であった。 (本文 794 文字)
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