新製品紹介 ショートストロークアクチュエーター Short Stroke Actuator Dual-Max® ショートストロークアクチュエー は両者の中間特性を有したアクチュ 令動作に追従できなくなるのに対 ターはこれまでソレノイドとボイス エーターである。本開発品はコイル し,Dual-Max は 50 Hz 付近まで励 コイルモーター (以下, VCM とする) 通電で発生した磁場とマグネットの 磁降下せず,追従する( 図 4)。 で各ユーザーに対応してきた。ソレ 吸引・反発作用を利用し,軸方向に 本開発品は現在エレベーター防振 ノイドは高推力・低応答性が特徴で, 可動子を動かすことで推力を発生す 用として納入している( 図 5)。こ 油圧バルブの弁制御などに用いられ る( 図 2) 。また,ケイ素鋼板を使っ れはエレベーターが移動する際,ガ る。一方,VCM は低推力・高応答 た独自形状コアを使用することで, イドレールの歪みによって起こる 性が特徴で,磁気記録装置のヘッド ソ レ ノ イ ド よ り 高 い 応 答 性 と, ボックス振動の抑制( 乗り心地の向 駆動などに用いられる。しかし,加 VCM より少ないマグネット量で高 上)を目的としており,振動に対し 振・防振などを目的とした制振装置 推力を可能にする。 て打ち消す方向に Dual-Max でガイ には,ソレノイドでは応答性が悪く, 定格推力は 140 N を発生し (図 3) , ドローラーを可動させ,振動を吸収 VCM で は 推 力 が 弱 い た め, ユ ー 同等推力を発生するソレノイドと応 する。本開発品はその他にも,住宅 ザーにとって選択が困難であった。 答性を比較した場合,インダクタン 免震装置や自動車用エンジンマウン 今回 NEOMAX エンジニアリン スはソレノイドより低く,ソレノイ グが開発した「Dual-Max ®」 ( 図 1) ドが 10 Hz 付近で励磁降下し,指 Coils (arrows indicate winding direction) Laminated core Magnetic repulsion トなどで試作検討されている。 (NEOMAX エンジニアリング株式会社) Magnetic attraction Magnetic attraction Magnetic repulsion Magnetic field from coil Magnets (arrows indicate magnetic field direction) Movement Magnetic field from magnet Yoke 図 1 Dual-Max® の構造図 Fig. 1 Structure of Dual-Max® 表 1 基本仕様 Table 1 Basic specifications Thrust (N) 150 100 -4 -2 0 2 4 6 Inductance (mH) 図 3 推力特性 Fig. 3 Thrust characteristics 250 Dual-Max® 200 150 Weight : 2.5 ㎏ Rated current : 1.8 A Resistance : 5.2 Ω (20 ℃) DualMax® Power :17 W consumption Solenoid VCM 40 mm 10 100 Frequency (Hz) 図 4 インダクタンス比較 Fig. 4 Inductance comparison 58 Elevator box Guide rail Dimensions : 88 mm×88 mm×117 mm Stroke (mm) 100 50 0 1 Current (+) 図 2 推力発生原理 Fig. 2 Thrust generation principle 200 50 0 -50 -6 Movement Current (−) 日立金属技報 Vol. 33(2017) 1,000 Rated thrust Running direction :140 N Thrust :77 N/A constant Guide roller ® 図 5 Dual-Max 取り付け事例 ® Fig. 5 Dual-Max mounting model
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