一般前期文系 - 入試の軌跡 & 入試問題(数学)

1
平成 27 年度 九州大学2次試験前期日程 (数学問題)120 分
文系 (文学部,教育学部,法学部,経済学部 (経済・経営))
1 座標平面上の 2 つの放物線
C1 : y = x2
C2 : y = −x2 + ax + b
を考える。ただし,a,b は実数とする。
(1) C1 と C2 が異なる 2 点で交わるための a,b に関する条件を求めよ。
以下,a,b が (1) の条件を満たすとし,C1 と C2 で囲まれる面積が 9 であると
する。
(2) b を a を用いて表せ。
(3) a がすべての実数値をとって変化するとき,放物線 C2 の頂点が描く軌跡
を座標平面上に図示せよ。
2 1 辺の長さが 1 である正四面体 OABC を考える。辺 OA の中点を P,辺 OB を
2 : 1 に内分する点を Q,辺 OC を 1 : 3 に内分する点を R とする。以下の問い
に答えよ。
(1) 線分 PQ の長さと線分 PR の長さを求めよ。
−→ −→
−→ −→
(2) PQ と PR の内積 PQ·PR を求めよ。
(3) 三角形 PQR の面積を求めよ。
3 袋の中に最初に赤玉 2 個と青玉 1 個が入っている。次の操作を考える。
(操作) 袋から 1 個の玉を取り出し,それが赤玉ならば代わりに青玉 1 個
を袋に入れ,青玉ならば代わりに赤玉 1 個を袋に入れる。袋に
入っている 3 個の玉がすべて青玉になるとき,硬貨を 1 枚もらう。
この操作を 4 回繰り返す。もらう硬貨の総数が 1 枚である確率と,もらう硬貨
の総数が 2 枚である確率をそれぞれ求めよ。
4 以下の問いに答えよ。
(1) n が正の偶数のとき,2n − 1 は 3 の倍数であることを示せ。
(2) p を素数とし,k を 0 以上の整数とする。2p−1 − 1 = pk を満たす p,k の組
をすべて求めよ。
2
解答例
1
(1) y = x2 と y = −x2 + ax + b から y を消去すると
x2 = −x2 + ax + b すなわち 2x2 − ax − b = 0
· · · (∗)
C1 と C2 が異なる 2 点で交わるとき,(∗) より
(−a)2 − 4·2·(−b) > 0 ゆえに a2 + 8b > 0
(2) 方程式 (∗) の解を α,β とすると (α < β)
a
b
α + β = , αβ = −
2
2
p
1√ 2
β − α = (α + β)2 − 4αβ =
a + 8b
2
···°
1
C1 と C2 で囲まれる部分の面積は
Z β
Z β
2
2
{(−x + ax + b) − x } dx = −
(2x2 − ax − b) dx
α
α
Z β
= −2
(x − α)(x − β) dx
α
1
= (β − α)3
3
1
(β − α)3 = 9 ゆえに β − α = 3 · · · °
2
3
9
1
1√ 2
°
1 ,°
2 より
a + 8b = 3 よって b = − a2 +
2
8
2
したがって
(3) (2) の結果から,C2 は
1
9
y = −x2 + ax − a2 +
8
2
すなわち
C2 の頂点を (x, y) とすると
a
x= ,
2
y=
1 ³ a ´2
2 2
³
a ´2 1 2 9
+ a +
y =− x−
2
8
2
+
y
9
2
5
よって,C2 の頂点が描く軌跡の方程式は
1
9
y = x2 +
2
2
その軌跡は,右の図のようになる.
9
2
−1
O
1
x
3
2
−→
−→
−→
(1) ~a = OA,~b = OB,~c = OC とおくと
|~a| = |~b| = |~c| = 1
O
1
P
~a·~b = ~b·~c = ~c·~a = 1·1 cos π = 1
2
3
2
−→ 1 ~ −→ 2~ −→ 1~
OP = a, OQ = b, OR = c
A
2
3
4
Q
−→ −→ −→ 2~ 1 ~
1
PQ = OQ − OP = b − a
3
2
−→ −→ −→ 1~ 1 ~
B
PR = OR − OP = c − a
4
2
¯
¯
−→ 2 ¯ 2~ 1 ~ ¯2 4 ~ 2 2 ~ ~ 1 ~ 2
¯
したがって
|PQ| = ¯ b − a¯¯ = |b| − a·b + |a|
3
2
9
3
4
4 1 1
13
= − + =
9 3 4
36
¯
¯2
¯1
−→
1 ¯
1
1
1
|PR|2 = ¯¯ ~c − ~a¯¯ = |~c|2 − ~c·~a + |~a|2
4
2
16
4
4
1
1 1
3
=
− + =
16 8 4
16
√
√
13
3
,PR =
よって
PQ =
6
4
R
3
別解 4OPQ および 4OPR に余弦定理を適用すると
µ ¶2 µ ¶2
1
2
1 2 1
13
+
− 2· · · =
2
3
2 3 2
36
µ ¶2 µ ¶2
π
1
1
1 1 1
3
PR2 = OP2 + OR2 − 2OP·OR cos =
+
− 2· · · =
3
2
4
2 4 2
16
π
PQ = OP + OQ − 2OP·OQ cos =
3
2
2
¶µ
¶
1~ 1 ~
1~
a · c− a
2
4
2
1
1
1
1
= ~b·~c − ~a·~b − ~c·~a + |~a|2
6
3
8
4
5
1
1
1
1
=
− −
+ =
12 6 16 4
48
s
r
µ ¶2 √
131
1 −→ 2 −→ 2 ³−→ −→´2 1 13 3
5
(3) 4PQR =
|PQ| |PR| − PQ·PR =
· −
=
2
2 36 16
48
96
−→ −→
(2) PQ·PR =
µ
2
2~
b−
3
C
4
3 1,3 回目の操作で青玉の個数は 2 個または 0 個.
2,4 回目の操作で青玉の個数は 3 個または 1 個.
したがって,もらう硬貨の枚数は 0,1,2 枚のいずれかである.
2 回目の操作で青玉 3 個である確率は
2 1
2
× =
3 3
9
したがって,2 回目の操作で青玉 1 個である確率は
1−
2
7
=
9
9
2,4 回目の操作で青玉 3 個,すなわち,もらう硬貨の総数が 2 枚である確率は
2
2
1
×1× =
9
3
27
2,4 回目の操作で青玉 1 個,すなわち,硬貨を 1 枚ももらわない確率は
7 7
49
× =
9 9
81
よって,もらう硬貨の総数が 1 枚である確率は
µ
¶
26
2
49
1−
+
=
27 81
81
5
4
n
(1) n が正の偶数のとき, は自然数であるから
2
n
n
2n − 1 ≡ 4 2 − 1 ≡ 1 2 − 1 ≡ 0
(mod 3)
よって,2n − 1 は 3 の倍数である.
(2) 2p−1 − 1 = pk (p は素数,k は 0 以上の整数)
· · · (∗)
(i) p = 2 のとき,(∗) は
1 = 2k
ゆえに
k=0
(ii) p 6= 2 のとき,p は奇素数であるから,p − 1 は偶数である.
(1) の結果から,2p−1 − 1 は 3 の倍数である.
(∗) より,pk は 3 を因数にもつから
p=3
これを (∗) に代入すると
3 = 3k
よって
ゆえに
(p, k) = (2, 0), (3, 1)
k=1