3月21日号を発行いたしました。

2016 年 3 月 21 日
<今週の市況展望>
日本株の出遅れ修正に期待
先週の日本株は大幅高でスタート。3月10日の
ECB (欧州中央銀行) 理事会直後に乱高下した欧米
株が、その後堅調な値動きとなったのが好感され
た。大幅な下落が警戒されてきた欧州銀行株や原
油価格が出直りを強めており、リスクオン・ムードを後
押ししている。
こうした中、NYダウは200日移動平均線を上回る
水準まで回復したのに対して、日経平均は同水準を
大きく下回り、出遅れ感が目立ち始めている。ドル・
円相場における円安修正が、さほど進んでいないの
が背景にあると思われる。ただ、世界的に投資家心
理は改善しつつあり、リスク回避の円買いは今後限
定的となる公算。また、円高を受けたアナリストによ
る業績予想の修正も進展しつつあるとみられ、17/3
期業績見通しの不透明感も徐々に解消していこう。
過度な悲観が和らぐ中、3月期末に向けては日本株
の出遅れ修正の動きに期待したい。
今週は、国内で25日に2月の消費者物価指数
(CPI) 、2月の企業サービス価格指数が発表予定。
投資の視点
エコノミスト Eye
為替展望
グローバル投資戦略
米国では21日の2月の中古住宅販売などの住宅関
連統計のほか、24日に2月の耐久財受注、2月の製
造業受注・資本財(非国防・航空機) 、25日に10-12
月期のGDP(確報)が発表される予定。なお、21日は
国内、25日は米国が祝日のため休場。 (鈴木 晃)
<日経平均と NY ダウの推移>
22000
日経平均(左軸)
20000
18000
16000
200日移動平均線
ドル
18500
14000
17500
16500
NYダウ(右軸)
15500
14500
15/7/1
15/8/20
15/10/9
15/11/30
16/1/21
16/3/11
出所)QUICKより東海東京調査センター作成
<今週の主な予定>
3月21日 (月)
3月22日 (火)
米国
日本
3月23日 (水)
米国
米国
3月24日 (木)
米国
日本
3月25日 (金)
米国
2月の中古住宅販売件数
1月の全産業活動指数
2月のコンビニエンスストア売上高
1月のFHFA住宅価格指数
2月の新築住宅販売件数
2月の耐久財受注
2月の製造業受注・資本財(非国防・航空機)
2月の消費者物価指数(CPI)
2月の企業サービス価格指数
10-12月期のGDP(確報)
グッド・フライデーにつき、米国株式市場休場
予定は変更されることがあります。東海東京調査センター作成
表れ始めたマイナス金利の効果
機械受注統計、実態はまだ弱めの動き
豪ドルは上昇に弾みも
中国株は買い安心感が広がりそう
東南アジア株の見直し買いが広がる
株式分析
円
個別好業績株、テーマ株の銘柄選別へ
◇◆ 今週の参考銘柄 ◆◇
メニコン(7780)
物語コーポレーション(3097)
◇◆ 海外企業紹介銘柄 ◆◇
ウィン・リゾーツ
(米国・WYNN)
レッド・ハット
(米国・RHT)
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
投資の視点
表れ始めたマイナス金利の効果
2月16日にマイナス金利制度が導入されて
りで現物国債に対する需要が低下、先物に対
1ヵ月が経過。これまでに市場に表れた変化を
するヘッジ需要も低下した可能性が大きい。
通じてマイナス金利の効果を検証したい。
資金の流れでも変化があった。マイナス金利
マイナス金利が適用された日銀当座預金(金
導入後3週間で信託銀行が1.2兆円日本株を買
融機関が日銀に預ける余剰資金)の残高は、導入後
い越したことと、信託銀行を含む日本勢が外債
250兆円台で横這い。日銀は年間80兆円ペー
と外国株を5.5兆円買い越したことだ(下図)。前
スで国債を買い入れて資金を供給しており、実
者については、信託銀 行が日経平 均で1万
際、当座預金残高はこれまで月間約7兆円ペ
6000円台前半を中心に買い越したことが、後の
ースで増えていた。これが横這いになったこと
1万7000円台回復につながった。後者について
は、マイナス金利を嫌って約7兆円の資金が当
は、国内勢が日経平均が1万4000円台に急落
座預金にシフトしなかった可能性が大きい。
した2月第2週に1.3兆円売り越した後(株価急落
で出た損失を外債の売却益で埋め合わせた可能性) 、
マイナス金利導入後、規模が縮小した市場
がある。1つは金融機関が資金を融通し合うコ
大幅買い越しに転じてドルを下支えた(下図)。
ール市場。市場残高は導入前の23兆円台から
日銀が供給した月間7兆円の資金の大半が内
4兆円台に急減、金融機関の資金需要は乏しく
外の株式と外債にシフトした計算で、マイナス
なった。もう1つは債券先物市場。未決済建玉
金利の効果が表れ始めた。新年度入り後も効
は11兆円台から6兆円台に減少、マイナス利回
果が持続することが期待される。 (隅谷 俊夫)
125
円
65
< ドル・円相場と日本勢の外債と外株の売買 >
60
120
日銀
マイナス金利
(2/16)
▼
ドル・円相場
(週足)
55
50
45
40
115
35
30
110
25
↑ 買い越し
20
日本勢の外債と外株の売買
(週間)
15
105
10
5
0
100
-5
↓ 売り越し
千億円
(出所:財務省、QUICK、東海東京調査センター作成)
95
-10
-15
15.10/9
15.10/30
15.11/20
15.12/11
16.1/1
- 1 -
16.1/22
16.2/12
16.3/4
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
エコノミスト Eye
機械受注統計、実態はまだ弱めの動き
を除く民需)から鉄鋼業の受注を除いた系列をみ
鉄鋼業の「大型案件」が影響
てみると、1月は前月比で▲0.2%、10-12月平
16年1月の機械受注 (船舶・電力を除く民需) は
均対比で▲2.9%とやはり減少基調だ(図表2)。
前 月 比 + 15.0 % と 事 前 の 市 場 コ ン セ ン サ ス
つまり単に強い業種と弱い業種が混在している
(+2.7%:QUICK調査)を大幅に上回る伸びとなっ
というのではなく、全体としてはまだ減少基調と
た (図表1) 。しかし内容を良くみると鉄鋼業から
いう評価が正しいと思われる。今回の機械受注
の受注が前月比+928.5%と10倍以上に膨れ
統計についての内閣府の基調判断は「機械受
あがっており、今回の受注額の大幅な上振れ
注は、持ち直しの動きが見られる」と前月から変
はほぼこれだけで説明できる。内閣府に問い合
わっていないが、この表現は実態を過大評価し
わせたところ、今回の鉄鋼業の受注の中には
ていると思われる。
大型受注案件が3件 (火水力原動機2件、化学機械
「外需」の弱さも重石に
1件)も含まれており、翌月には着実に反動減が
国内の設備投資には直接カウントされない
見込まれる。
が、海外からの受注動向を示す「外需」をみると
実態は弱めの動きが継続
1月は前月比▲29.4%と大幅に減少しており、
この他、自動車・同付属品からの受注は前月
当面は海外景気の減速の影響が日本経済にと
比+0.9%、10-12月平均対比で▲3.6%、は
って重石になり続けるであろうことを示唆してい
ん用・生産用機械も前月比▲0.7%、10-12月
る。国内消費も盛り上がりを欠く状況であるた
平均対比で▲7.0%といずれもまだ減少傾向が
め、今後設備投資に関してもそれほど力強い
続いている。一方で電気機械、情報通信機械
伸びは期待し難いと考えられる。15年10-12月
からの1月の受注額は10-12月平均対比でそ
期の実質設備投資は前期比+1.5%と比較的
れぞれ+4.6%、+9.1%と少し持ち直し傾向が
高めの伸びとなったが、筆者は1-3月期以降
見てとれる。業種によってまちまちという見方も
に1%を割り込んでくると予想している。
できなくはないが、冒頭のコア受注(=船舶・電力
(10億円)
(武藤 弘明)
(図表1)コア機械受注の推移(=船舶・電力除く民需)
1,000
(10億円)
950
四半期データ
950
四半期データ
900
月次データ
900
(図表2)鉄鋼業からの受注を除いたコア機械受注の推移
月次データ
850
850
800
800
750
750
700
700
650
650
600
600
1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1
12
13
14
15
1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1
16
12
13
(年・月)
(出所)内閣府より東海東京調査センター作成
14
15
16
(年・月)
(出所)内閣府より東海東京調査センター作成
(注)四半期データは発表月の平均
- 2 -
(注)四半期データは発表月の平均
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
為替展望
豪ドルは上昇に弾みも
同期比+3.0%)となるなど、良好な経済指標が目
中国懸念の後退や鉄鉱石価格の反発などを
立ってきた。豪州経済の底堅さに加え、豪中銀
背景に、豪ドルが上昇基調を強めている。
3月5日からの全人代(全国人民代表大会。日本の
は「インフレ率 (昨年10~12月期は前年同期比+1.7
国会に相当) では、中国政府が「第13次5ヵ年計
%)は目標(年+2.0~+3.0%)に近く、経済は成長
画」で、景気底入れを目指した措置を強化する
する合理的な見通しがある」と指摘。当面は政
方針を表明。周人民銀行 (中銀) 総裁は、人民
策金利の据え置きが見込まれ、相対的な高金
元安定への自信を示した。これまで波乱要因
利の魅力が豪ドル高につながりやすい。
だった中国経済の減速懸念や人民元急落へ
豪ドルは、リーマンショック後の2009年半ば
の警戒感が和らぐとともに、インフラ投資の拡大
から2012年末にかけ、概ね1豪ドル=80円±3
期待による鉄鋼需要の見通し改善から、鉄鉱
円での取引が継続。そのため、80円前後は強
石価格が急反発 (年初から一時40%以上も上昇) し
い下値支持帯と考えられ、2月11日につけた77
た。豪州最大の貿易相手国である中国経済が
円台半ばで当面の底値を形成した可能性が高
安定し、鉄鉱石価格が引き続き緩やかな上昇
い。87円台前半にある200日移動平均線を明
基調をたどるなら、豪ドルの支援材料となろう。
確に突破すれば上昇に弾みがつき、豪ドルは
さらに、豪州では昨年10~12月期の実質
昨年12月高値の90円台を視野に入れる展開が
GDP (国内総生産) 成長率が予想外の伸び (前年
105
予想される。
(柴田 秀樹)
<豪ドル・円と豪州から中国への鉄鉱石の輸出価格の推移>
1豪ドル=円
160
150
100
豪ドル・円(日足、左軸)
米ドル/トン
90円73銭
12月4日
95
140
200日移動平均線 130
87円27銭
120
3月14日時点
110
90
100
豪ドル高円安
鉄鉱石価格の上昇
85
90
80
70
80
豪州から中国への鉄鉱石の
輸出価格(日足、右軸)
77円59銭
2月11日
75
60
50
40
(出所:ブルームバーグデータより東海東京調査センター作成)
70
2015年
2014年
01月
04月
07月
10月
01月
04月
- 3 -
07月
10月
30
2016年
01月
04月
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
グローバル投資戦略
中国株は買い安心感が広がりそう
中国人民銀行 (中央銀行)の周小川総裁は12
可能性を否定した。こうして、人民銀行が金融
日、開催中の全人代(全国人民代表大会、日本の国
政策の面では継続的に景気の下支えに注力
会に相当) で記者会見を開いた。成長目標 (今年
すると同時に、為替政策の面では人民元の安
は6.5~7.0%)を達成させるために、「大規模な金
定推移を維持する意欲を改めて確認できたの
融緩和に踏み切る必要はない」とする一方、
で、中国株式市場はしばらく買い安心感が広
「国内外で重大な異変が生じる場合、金融政策
がるとみられよう。さらに、このところ発表された
に柔軟性を持たせる必要がある」と述べた。必
経済指標は中国経済の弱さを改めて確認する
要に応じて大胆な金融緩和策に踏み切ること
こととなったため、追加の景気対策への期待が
に含みを持たせた。実際、北京、上海など1級
高まっている。
都市における不動産価格の急騰を受けバブル
同様に、証券監督管理委員会 (証監委) の劉
を警戒する声が浮上するなか、人民銀行が2月
士余主席は12日の記者会見で、国営の中国証
29日に預金準備率の引き下げを発表したこと
券金融公司が昨年夏から株価対策の一環とし
は、成長重視の姿勢とみて取れよう。このため、
て「購入した株式を売却するのは時期尚早」と
人民銀行は今後も不動産価格の上昇を意識し
言及した。このように株式市場の安定化を優先
ながらも、追加金融緩和に踏み切るとみられる。
させる姿勢を示したことから、上海総合指数と
また、周総裁は「人民元を切り下げても (輸出
香港ハンセン指数はそれぞれ3000ポイント、
増による)経済への浮揚効果は限定的」との見方
22000ポイントの上値を目指す展開になるとみら
を示し、輸出拡大のために人民元を切り下げる
れる(下図)。
(胡 細蓮)
<上海総合指数および香港ハンセン指数>
8500
2015年8月11日
人民銀行が取引中間値の
引き下げを発表
▼
8000
7500
30000
28000
200日移動平均線(右目盛)
7000
6500
26000
24000
6000
22000
5500
5000
20000
香港ハンセン指数(右目盛)
4500
18000
4000
3500
16000
3000
14000
2500
上海総合指数(左目盛)
200日移動平均線(左目盛)
2000
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9
出所:ブルームバーグのデータより、東海東京調査センター作成、3月14日時点
- 4 -
15/11
16/1
12000
16/3 (年/月)
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
グローバル投資戦略
東南アジア株の見直し買いが広がる
国を中心に世界経済の成長も勢いを欠いた状
シンガポール株が急反発
況が続くとの見方に変わりはない。
足元で東南アジアの株・通貨がともに反発基
そのため、ファンダメンタルズを伴わない株
調を強めている。背景にあるのは、米追加利上
価上昇はそれほど長く続かず、輸出や生産な
げ観測の後退に加え、原油をはじめとした資源
ど主要経済指標の低迷が続くシンガポール、あ
価格の底入れ期待が高まっていることなどであ
るいは昨年末にかけて改善した経済指標が既
る。特に注目しているのは、昨年半ば以降、ア
に悪化しているタイなどの株価の戻り余地は限
ジア主要国の中でも下げがきつかったシンガポ
られるものと警戒している。
一方、ファンダメンタルズが堅調、あるいは改
ール株が急反発していること。
善しているフィリピンとインドネシアについては
シンガポールの特徴として、①GDPに占める
引き続き強気の見方を維持している。
輸出の比率が極端に高い(世界経済の影響を受け
やすい)、②上場企業の中に掘削装置(リグ)等の
フィリピン株は直近の株価上昇によって割安
資源関連企業や、中国を中心に積極的に海外
感が後退。また、インドネシア株は、ファンダメ
事業を展開する企業が多い、等が挙げられる。
ンタルズの改善や金融緩和を好感する形で年
こうした特徴が嫌気されて割安のまま放置さ
初から上昇してきたことにより、上値の重さが意
れてきたシンガポール株にも見直し買いの動き
識されつつある。
が広がってきた。このことは、一方的なリスクオ
しかし、外部環境の不透明感という重石が後
フの流れが明確に変化していることを示唆する
退したことにより、外国人投資家はフィリピンの
ものであると捉えている。
良好な成長率見通し、及びインドネシアの景
気・企業業績の回復見通しを改めて評価しよ
<ASEAN 主要国の主要株価指数の推移>
105
(2015.6末=100)
インドネシア
100
めるものと想定している。
マレーシア
<フィリピンとインドネシアの株価指数の推移>
90
8000
85
75
(井澤 誠)
フィリピン
95
80
う。そうなれば、両国株は一段と上昇基調を強
2015年9月
2015年11月
100日移動平均
7500
シンガポール:ST指数
インドネシア:ジャカルタ総合指数
マレーシア:ブルサマレーシアKLCI指数
フィリピン:フィリピン総合指数
タイ:SET指数
70
2015年7月
フィリピン : フィリピン総合指数
200日移動平均
3/11:7119.86
タイ
7000
シンガポール
2016年1月
50日移動平均
6500
2016年3月
6000
15年7月
注: 株価は3月11日(金)時点
出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成
5200
割安修正一巡後は選別色強まる公算
4900
1/21:6084.28
15年9月
15年10月
15年11月
16年1月
16年3月
インドネシア : ジャカルタ総合指数
200日移動平均
50日移動平均
100日移動平均
3/7 : 4870.276
4600
もちろん、原油をはじめとした資源価格の反
4300
発は売られ過ぎの反動という側面が強く、需要
9/29:4033.587
4000
15年7月
15年9月
15年11月
注: 株価は3月11日(金)時点
出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成
面から見れば上値余地は限られよう。また、中
- 5 -
16年1月
16年3月
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
株式分析
個別好業績株、テーマ株の銘柄選別へ
米国株に比べ出遅れた日本株
個別好業績株に注目
過度な世界経済の減速懸念が後退し、世界
短期的には日経平均は日銀のマイナス金利
の株式市場は2月以降、反発を強めている。とく
導入決定 (1/29) 後の高値17905円 (2/1) に接近
に、NYダウは3月11日にいち早く、200日移動
すると、戻り売りの圧力が高まる可能性がある。
平均線を突破し、立ち直りの動きを強めてい
東証1部の騰落レシオ (3/14) が115%まで上昇
る。一方で、日経平均は昨年12月30日を100と
し、売られすぎ感が後退していることや、3月期
した指数でみると、3月14日で90.5とNYダウの
末を控え売買代金が盛り上がりに欠けると見込
97.9に比べ出遅れた(下図)。これはドル円相場
まれるためだ。当面は、個別好業績株、好配当
が111~114円台のもみ合いで推移していること
利回り株や、安倍首相が掲げる“一億総活躍社
が主因と見られる。しかし、新年度(4月)以降は
会”に関わる子育て・介護関連株などの個別テ
マイナス金利の効果が浸透することによって、ド
ーマ株を選別物色する動きが強まろう。
ル円相場はより円安で推移することが期待さ
そこで、先週号に引き続き、当調査センター
れ、日本株は4~5月に向けて出遅れ修正が続
のアナリストが業績・株価予想について強気見
くものと見られる。
通しを示している主な銘柄をピックアップした。
参考銘柄では16/3期業績が会社計画を上回る
<出遅れが目立ってきた日経平均>
105
公算が大きいメニコン (7780) を取り上げた。ま
15年12月30日=100
NYダウ
100
た、次ページでは16/12期は減益予想ながら四
97.9
(3/14)
95
半期ベースで見ると16年1-3月期が業績モメ
90.5
(3/14)
90
ンタムの最悪期となることが予想されるSUMCO
85
(3436) 、1ドル110円を前提にしても17/3期の営
80
日経平均
業増益が予想されるいすゞ(7202)を掲載した。
75
70
15/12/30
(梅田 俊一)
16/1/13
16/1/26
16/2/8
16/2/19
16/3/3
16/3/16
(出所)QUICKより東海東京調査センター作成
<弊社アナリストが強気の投資判断を付与している主な銘柄(3月7~11日発行分)>
株価
予想経常利益増減率
3月14日 15年度
16年度
コメント
レポート
発行日
コード
銘柄名
7780
メニコン
3,375
52.4
27.9
コンタクトレンズの国内市場シェア18%。使い捨て商品の好調で、16/3
期の経常利益は前期比52.4%増(会社計画同12.5%増)の見通し。
3月11日
7202
いすゞ
1,199
7.8
4.0
弊社では1ドル110円を前提に、17/3期の経常利益を前期比4%増と予
想。出荷台数増加によって、円高によるデメリットを吸収すると予想。
3月10日
7951
ヤマハ
3,465
36.1
12.9
17/3期の経常利益は、前期比12.9%増の見通し。16/3期に進めた原価
改善の効果が通期で寄与すると予想。
3月9日
5384
フジミインコ
1,421
-24.9
10.7
17/3期は経常増益の見通し。最先端のロジックデバイス向け関連製品
の拡大や、一般研磨材の増加が業績拡大に寄与すると予想。
3月9日
3436
SUMCO
855
16.5
-32.3
16/12期の通期経常利益は減益予想。しかし、前年同期比の伸び率は
16年1-3月期が最悪期となり、16年10-12月期には増益転換の見通し。
3月8日
4555
沢井製薬
7,290
15.4
19.7
弊社では16/3期、17/3期ともに2ケタ経常増益を予想。医療費拡大の抑
制に向けジェネリック薬の普及促進策が今後も期待される。
3月7日
出所)QUICK、東海東京調査センター企業レポートより弊社作成、予想は東海東京調査センター、レポート発行日の新しい順
15年度はSUMCOが15/12期実績、そのほか5社は16/3期予想を示す。
- 6 -
(円、%)
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
株式分析
SUMCO といすゞに注目
SUMCO(3436)
シリコンウエハー大手。16年1-3月期は不需要期にあ
16/12 予
たるため、会社側は同期間の営業利益を前年同期比66%
連結経常利益
同 EPS
同 PER
減の30億円と計画。しかし、弊社は主力の300mmウエハー
の在庫調整は1-3月期で終了し、4-6月期の営業利益
17/12 予
173 億円
39.9 円
21.4 倍
234 億円
55.2 円
15.5 倍
予想は東海東京調査センター
は70億円に回復すると予想。春から秋にかけてはスマホ新
株価(3/14)
15年来高値
〃 安値
売買単位
製品の作りこみの時期にあたるため、4-6月期から数量が
回復すると見る。弊社では16/12期経常利益を前期比32%
855
2,458.0
611.0
100
円
円 (15/3/2)
円 (16/2/12)
株
*詳細は3月8日付けの企業レポートをご覧ください
減と予想するも、続く17/12期は同35%増と予想。
弊社では、株価は17/12期予想EPS55.2円にPER17.5
(武井 宏彰)
倍を乗じた*970円を目指すと予想。
いすゞ自動車(7202)
国内トラック製造販売の大手。弊社では、16/3期経常
利益を前期比8%増、続く17/3期を同4%増と予想。同社
連結経常利益
同 EPS
同 PER
の為替感応度は、1円/米ドルの円高で年間約6億円の営
業減益要因と弊社は試算*。しかし、輸出がほとんど円建
16/3 予
17/3 予
2,020 億円
164.9 円
7.3 倍
2,100 億円
171.2 円
7.0 倍
予想は東海東京調査センター
てであり、また現地市場での販売価格見直しにより増益基
株価(3/14)
15年来高値
〃 安値
売買単位
調が続くと考える。中期的には、メンテナンスリース事業の
拡大、インド新工場の稼動なども業績に寄与しよう。
1,199.0
1,824.0
971.5
100
円
円 (15/3/10)
円 (16/2/12)
株
*弊社の17/3期想定為替レートは、110円/ドル
2/8には総額600億円の自社株買いを発表するなど積
極的な株主還元姿勢を見せ始めた。株価も15年8月から
の上値抵抗線を突破し、今後の戻りを試す展開に期待。
(武井 宏彰)
<SUMCO の日足チャート>
円
1500
(15/11/24)
1410.0
<いすゞ自動車の日足チャート>
2000
SUMCO(日足)
1800
円
(15/8/6)
1752.0
いすゞ(日足)
(15/11/9)
1501.5
1250
1600
25日移動平均線
1000
1400
1200
750
1000
千株
500
611.0
(16/2/12)
出来高
15000
1153.5
(15/9/29)
25日移動平均線
800
10000
出来高
971.5
(16/2/12)
4000
0
0
15/11/2
15/11/20
15/12/10
15/12/30
16/1/21
16/2/9
16/2/29
16/3/17
12000
8000
5000
(出所)QUICKより東海東京調査センター作成
千株
15/7/1
15/8/5
15/9/8
15/10/16
(出所)QUICKより東海東京調査センター作成
- 7 -
15/11/20
15/12/28
16/2/3
16/3/9
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
今週の参考銘柄
メ
ニ
市場:東証1部
コ
株 価(3/14):3,375.0円
ン (7780)
15 年来高値
〃 安値
業種:精密機器
4,040.0 円 (16/1/27)
2,050.0 円 (15/8/25)
■業績推移
決算期
連
連
連
連
(単位:百万円、円)
売上高
伸び率
62,209
7.4%
63,131
1.5%
68,000
7.7%
73,800
8.5%
14/3
15/3
16/3 予
17/3 予
営業利益
伸び率
2,294
-9.9%
2,863
24.8%
4,300
50.2%
5,300
23.3%
経常利益
伸び率
2,550
-11.7%
2,822
10.6%
4,300
52.4%
5,500
27.9%
一株当たり
利益
配当
61.9
30.0
87.6
30.0
121.6
30.0
169.8
36.0
当期利益
伸び率
1,010
9.2%
1,431
41.6%
2,220
55.1%
3,100
39.6%
予想は東海東京調査センター(赤羽 高)
■投資指標
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
配当利回り
16/3期 予
実績
16/3期 予
27.8 倍 17/3期 予 19.9 倍
1.63 倍
(15/3期 1株純資産 2,068.1 円)
4.3 % (15/3期)
0.88 % ROE(自己資本利益率)
時価総額
売買単位
616 億円
100 株
国内コンタクトレンズ市場シェア 18%、月額会員制サービスに注力
国内コンタクトレンズ市場でシェア18%(2013年)、国産メーカーではトップ。長期使用レンズに強みを持
つが、使い捨てレンズでも、遠近両用レンズやサークルレンズ(瞳を大きく見せる効果により人気化)で拡販を進
める。業界で初めて月額会員サービス「メルスプラン」を導入、顧客の囲い込みと収益安定化を図る。15
年9月末の会員数は114万人(3月末比4万人増)、同売上高も15/3期313億円(前期比8%増)と拡大基調(図1)。
会社は 16/3 期計画を据え置いたが東海東京調査センターは上ブレ予想
15年4-12月期の営業利益は34億円と16/3期通期の会社計画31億円を上回ったが、会社は同計画を
据え置いた。学生などの新学期需要に向け販促費の上積みを見込むためとするが、東海東京調査セン
ターは43億円(前期比50%増)と上ブレを予想。会社計画は販促費を見込んでも保守的とみること、15年12
月投入の新製品(酸素透過率が高く、目に優しい素材の遠近両用レンズ)の売上寄与を見込むこと、などによる。
株価は 17/3 期予想 PER で業界平均並みの 3,900 円を目指すとみる
当調査センターは、続く17/3期の営業利益も前期比23%増と好調持続を予想しており、株価は17/3期
予想PER23.5倍の3,900円程度に向けて上昇と予想。チャート上、25日移動平均線を突き抜ける動きも期
待される。なお、PER23.5倍は16年度の業界平均予想PER。
<図 1:部門別売上高の推移>
800
その他
600
500
400
<図 2:株価チャート(日足)と出来高の推移>
億円
700
268
289
313
356
402
(川又 信之)
メルスプラン
(月額会員サービス)
300
4200
4000
3800
3600
3400
3200
3000
2800
2600
2400
円
メニコン(日足)
100
4040(16/1/27)
(16/3/4)
3570
25日移動平均線
2922(16/2/19)
千株
2601(15/11/5)
250
200
出来高
コンタクトレンズ、
サービスなど
200
(15/12/29)
3895
150
100
50
0
0
13/3
14/3
15/3
16/3予 17/3予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成
予想は東海東京調査センター
15/10/1
15/11/9
15/12/15
16/1/25
出所:QUICK より東海東京調査センター作成
- 8 -
16/3/1
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
今週の参考銘柄
-名古屋・中部圏銘柄-
株 価(3/14):5,760.0円
物語コーポレーション (3097)
市場:東証1部
15 年来高値
〃 安値
業種:小売業
5,980.0 円 (15/12/18)
3,420.0 円 (15/2/12)
■業績推移
(単位:百万円、円)
売上高
伸び率
26,846
18.9%
33,432
39,100
17.0%
44,500
13.8%
決算期
単
連
連
連
14/6
15/6
16/6 予
17/6 予
営業利益
伸び率
2,011
7.1%
1,959
2,700
37.8%
3,100
14.8%
経常利益
伸び率
2,099
5.0%
2,407
3,050
26.7%
3,450
13.1%
当期利益
伸び率
1,189
9.9%
1,257
1,590
26.5%
1,910
20.1%
一株当たり
利益
配当
215.3
35.0
209.9
53.0 記
265.1
55.0
318.4
57.0
予想は東海東京調査センター(細井 克己) 15/6期より連結決算を実施のため、同期の伸び率は非掲載
■投資指標
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
配当利回り
16/6期 予
実績
16/6期 予
21.7 倍 17/6期 予 18.1 倍
3.29 倍
(15/6期 1株純資産 1,751.2 円)
0.95 % ROE(自己資本利益率) 11.9 % (15/6期)
時価総額
売買単位
346 億円
100 株
関東・中部圏を中心に食べ放題店「焼肉きんぐ」などを展開
同社は、ファミリー層をターゲットとした郊外型・食べ放題方式の焼肉店「焼肉きんぐ」を主力に、「丸源
ラーメン」、「お好み焼本舗」、「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵(以下、ゆず庵)」などを展開する。全店舗数(直営
店・フランチャイズ)は、関東・中部圏を中心に15年12月末で350店(14年12月末312店)。
16/6 期は、「ゆず庵」の積極出店も加わり前期比 27%経常増益を予想
16/6期業績予想について、東海東京調査センターでは、売上高を前期比17%増の391.0億円、経常
利益を同27%増の30.5億円と、会社計画(売上高387.8億円、経常利益29.5億円)を上回ると予想する。主力の
焼肉店「焼肉きんぐ」の売り上げ伸長に加え、「ゆず庵」の積極出店による収益拡大が続くとみるため。続
く17/6期は同13%経常増益と、2ケタの増益が続くと見込む。なお、「ゆず庵」は14/6期より本格的な出店
を開始し、15年12月末時点で店舗数は22店舗。毎期10店舗以上の新規出店で収益拡大を見込む。
株価は 17/6 期予想 PER21 倍に相当する 6,600 円程度を目指すとみる
当調査センターでは、業績の好調から株価は17/6期予想PER21倍の6,600円程度(≒17/6期予想一株当
たり利益318.4円×PER21倍)を目指すとみる。PER21倍は類似企業3社[あみやき亭(2753)、安楽亭(7562東2)、ハイデ
イ日高(7611)]の今期予想PER※(2月29日時点)の平均値である。 ※ハイデイ日高のみ前期推定PER
<図 1:売上高及び経常利益の推移>
億円
50
億円
売上高
400
<図 2:株価チャート(週足)と出来高の推移>
円
(予 想)
500
(左軸)
40
34
300
30
200
30
24
100
0
19
12
20
6500
6000
5500
5000
4500
4000
3500
3000
5980(15/12/18)
物語コーポ(週足)
(15/8/19)
5130
(15/4/14)
4365
4160
(16/2/12)
3420(15/2/12)
26週移動平均線
400
経常利益
200
(右軸)
‐100
10
11/6期
12/6期
13/6期
14/6期
15/6期
16/6期
千株
600
出来高
20
15
(廣瀬 治)
17/6期
0
14/8/18
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
14/6期以前は単独決算、15/6期以降は連結決算
- 9 -
15/2/16
15/8/17
出所:QUICK より東海東京調査センター作成
16/2/15
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
海外企業紹介銘柄
ウィン・リゾーツ (WYNN RESORTS, LIMITED)
市場:米国(NASDAQ:ナスダック)
銘柄コード:WYNN
業種:カジノ・ゲーム
決算月:12 月
■事業内容
米国のカジノ運営大手。マカオとラスベガスでカジノリゾート・ホテルの開発、運営を行う。マカオでは、「ウィン・
マカオ」や「ウィン・アンコール・マカオ」、ラスベガスでは、「ザ・べラジオ」や「ウィン・ラスベガス」の名称で展開。
近年、カジノのみならず大衆向け娯楽を強化した統合型リゾートに注力している。
■業績推移(単位:千ドル、%、ドル)
■株価指標
売上高
決算期
純利益
伸び率
15/12 4Q(実績)
15/12(実績)
16/12 予
17/12 予
946,902
4,075,883
4,542,611
5,412,941
-16.8
-25.0
11.5
19.2
一株当たり
伸び率
87,221
195,290
317,500
398,000
-20.2
-73.3
62.6
25.4
利益
配当
1.03*
3.44*
3.10*
4.21*
0.50
3.00
2.05
2.45
業績予想はブルームバーグ。*:特殊要因を除く継続事業ベース
株価(16/3/11)
52 週高値(15/4/9)
52 週安値(16/1/14)
PER16/12 月期(予)
17/12 月期(予)
5 年平均予想 PER
時価総額
86.06
136.93
49.95
27.8
20.4
22.4
8,757
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(倍)
(倍)
(倍)
(百万ドル)
2015年 12 月期4Q(10-12 月)はマカオ地域の不振から減収減益
2015年12月期4Q決算は、売上高が前年同期比16.8%減、純利益は同20.2%減。ラスベガスが同3.8
%増収と健闘したものの、売上高の約6割を占めるマカオが同27.0%減収と業績の重しになった。主力の
カジノ事業が同21.8%減収となったことが響き、ホテルを除く飲食やその他事業も減収となった。損益面
では、新施設開業に伴う費用負担の増加などが利益を圧迫し、減益率は減収率を上回った。
マカオのカジノ業界は、低迷期からの回復基調が鮮明に
中国政府による汚職取締りの強化や中国の景気減速により、マカオの月次カジノ売上高が2014年6月
以降マイナス成長となっていたことから(左下図)、同社株は低迷が続いていた。しかし、昨年12月より減少
率の縮小傾向が鮮明になってきている。直近で発表された2016年2月も前年同月比0.1%減とさらにマイ
ナス幅が縮小したことや4QのEPS※が市場予想を上回ったこと等を背景に、株価は戻り基調に転じた。
※特殊要因を除く継続事業ベース
マイナス成長サイクルが一巡し、株価は底堅い推移を予想
昨年後半から業界内では、マカオのカジノ業界の事業環境が今年、安定化するとの発言が出ている。
また、カジノ運営各社が需要拡大が見込まれる大衆向け娯楽を強化した新施設の開業を進める中、同社
も今年上期に新施設の完成を予定しており、この成否が業績回復の鍵を握るとみられる。さらに、月次統
計が今後も回復傾向を示すこととなれば、株価の底堅さがサポートされるものと考える。
<マカオのカジノ売上高伸び率(前年同月比)の推移>
60
40
20
0
-20
-40
-60
<ウィン・リゾーツの週足チャート>
(%)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3
2014年
2015年
2016
年
出所:マカオ博彩監察協調局より東海東京調査センター作成
出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成
- 10 -
(加藤 千明)
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
海外企業紹介銘柄
レッド・ハット (RED HAT, INC.)
市場:米国(ニューヨーク証券取引所)
銘柄コード:RHT
業種:システム・ソフトウェア
決算月:2 月
■事業内容
企業向けオープンソースソフトウェア(ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、誰でもそのソフトウェア
の改良、再配布が行えるようにしたもの)の世界最大手。Red Hat Enterprise Linux(RHEL、企業向けオペレーティング
システム)等のソフトウェアのライセンスを無料で提供し、サポート等を有料契約としたビジネスモデルを展開。
■業績推移(単位:百万ドル、%、ドル)
■株価指標
売上高
決算期
純利益
伸び率
16/2 3Q(実績)
15/2(実績)
16/2 予
17/2 予
524
1,789
2,046
2,353
一株当たり
伸び率
14.9
16.5
14.4
15.0
47
180
197
240
利益
0.48*
1.60*
1.86*
2.18*
-2.1
1.1
9.4
21.8
業績予想はブルームバーグ。*:特殊要因を除く継続事業ベース
配当
-
0.00
0.00
0.00
株価(16/3/11)
52 週高値(15/12/30)
52 週安値(16/2/8)
PER16/2 月期(予)
17/2 月期(予)
5 年平均予想 PER
時価総額
71.80
84.44
59.59
38.6
32.9
40.9
13,112
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(倍)
(倍)
(倍)
(百万ドル)
「Linux(リナックス)」のトップ企業として高成長続く
旗艦のインフラ関連製品であるRHELの好調から、為替影響を除くベースでは前年同期比20%超の増
収が続いている(下図参照)。RHELで提供するオープンソースのLinux(リナックス)が、導入コストの安さや使
い勝手の良さなどから、従来主力のWindowsなどからシェアを奪い、サーバーでの搭載率を高めているこ
とが背景。また、データセンター投資拡大などでシステム需要が高まっていることが追い風となっている。
「クラウド」の普及本格化で恩恵、マイクロソフトとの提携で一段の飛躍へ
ソフトウェアなどをネットワーク越しに利用するクラウド・コンピューティングの普及本格化で、オペレーテ
ィングシステムなどインフラ構築をサポートする同社への恩恵は大きい。先般の新たな業務提携でマイクロ
ソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」上でもRHEL利用が可能となった。また、マイクロソフトはデータベ
ース管理システムをLinux向けに提供する計画を発表するなど、収益機会は一段の広がりをみせている。
EPS 成長加速を視野に、新規分野の収益貢献にも期待がかかる
セキュリティ機能などを強化したRHELの最新バージョンのリリースもあり、良好な契約モメンタムが継続
すると見込まれる。また、システム管理ソフトウェアなど新規分野の収益貢献も加わり、中期的には年率20
%近いEPS成長が期待される。2016年2月期はドル高や先行投資が利益成長を抑えてきたとみられるが、
今後の成長加速を視野に入れつつ、同社株式のパフォーマンスは堅調さを増そう。
<レッド・ハットの売上高成長率・EPS の推移>
%
<レッド・ハットの週足チャート>
ドル
25
0.6
為替影響を除く売上高成長率
(前年同期比、左軸)
20
0.5
0.4
15
0.3
10
0.2
特殊要因を除くEPS(右軸)
5
0.1
0
0
1Q
2Q
3Q
14/2
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
15/2
1Q
2Q
3Q
16/2
出所:会社資料より東海東京調査センター作成
出所:ブルームバーグより東海東京調査センター作成
- 11 -
(中川 雅人)
宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
今週の「フォーカス・ワン」
< No.126 > 4 月の日銀金融政策決定会合、5 月の「伊勢志摩サミット」が次の重要イベントに
2月26・27日のG20(20ヵ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議、3月5~16日の中国全国人民
代表大会、10日のECB(欧州中央銀行)理事会、14・15日の日銀金融政策決定会合、15・16日
のFOMC(米連邦公開市場委員会)が終わった。これで、3月中旬に向けた注目イベントは全て終
了したことになる(なお、20日開催予定の主要産油国会合は4月半ばに延期される見通し)。この間G20で
政策総動員の声明が出され、全人代で柔軟な政策運営が表明され原油価格が反発、ECB
のドラギ総裁もかなり踏み込んだ追加緩和を発表したことで、世界市場のリスクオフ・ムードは
大きく後退した。日本が次にできる政策としては、一つが4月27・28日の日銀金融政策決定会
合での追加緩和か。その内容は、①マイナス金利幅の拡大、②ETF(上場投信)、REIT(不動産
投資信託)の買入増額、③購入対象資産の拡大
― 等が予想される。二つ目は、5月26・27日
の伊勢志摩サミット(先進国首脳会議)での「補正予算を含めた緊急経済対策」と「消費増税の
先送り」表明ではないか。当然そうなれば、夏の参院選挙と衆院選挙のW選挙の蓋然性が高
まることになる。英エコノミスト誌(2/23)のいう「今こそ、政治家が中銀と共に戦いに参加すべき
時が来た」という言葉は、まさに日本に向けられたメッセージになるだろう。
(中井 裕幸)
今・来週のタイムテーブル
・ 国内では、3月25日(金)に2月の消費者物価指数(CPI)、30日(水)に2月の鉱工業生産指数(速報)、4月1日
(金)に3月調査の日銀短観などの発表が予定されている。
・ 米国では、3月21日(月)に2月の中古住宅販売件数、24日(木)に2月の耐久財受注、28日(月)に2月の個
人所得・個人支出などの発表が予定されている。
月日
3.22(火)
国内経済
1月の全産業活動指数
2月のスーパー売上高
2月のコンビニエンスストア売上高
新規上場予定
月日
3.21(月)
チエル (3933 ジャスダック)
米国経済
2月の中古住宅販売件数
22(火)
1月のFHFA住宅価格指数
23(水)
2月の新築住宅販売件数
24(木)
2月の耐久財受注
2月の製造業受注・資本財(非国防・航空機)
25(金)
10~12月期のGDP(確報)
グッド・フライデーにつき、米国株式市場は休場
28(月)
2月の個人所得・個人支出
2月の中古住宅販売仮契約
2月の完全失業率
2月の有効求人倍率
2月の家計調査
2月の商業動態統計(速報)
29(火)
1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数
3月の消費者信頼感指数
30(水)
3月のADP雇用統計
30(水)
2月の鉱工業生産指数(速報)
31(木)
3月のシカゴ購買部協会景気指数
31(木)
2月の住宅着工統計
4.1(金)
4.1(金)
3月調査の日銀短観
3月の新車販売台数
3月の雇用統計
3月のISM製造業景況指数
2月の建設支出
3月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報)
3月の自動車販売台数総計
ウイルプラスホールディングス
(3538 ジャスダック)
ベネフィットジャパン (3934 東証マザーズ)
24(木)
25(金)
29(火)
2月の消費者物価指数(CPI)
2月の企業サービス価格指数
1月の景気動向指数(改定)
PR TIMES (3922 東証マザーズ)
エボラブルアジア (6191 東証マザーズ)
経済指標の発表は変更されることがあるのでご注意ください。担当アナリストの取材およびブルームバーグ、日経クイック他より作成。
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宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
このレポートは、東海東京調査センターが作成し、宇都宮証券株式会社が許諾を受けて提供いたして
おります。投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
金融商品取引法に基づきお客様にご留意いただきたい事項を以下に記載させていただきます
宇都宮証券の概要
商 号 等 : 宇都宮証券株式会社
加入協会 : 日本証券業協会
金融商品取引業者
関東財務局長(金商)第32号
リスクについて
◎ 国内外の金融商品取引所に上場されている有価証券(上場有価証券等)の売買
等にあたっては、株式相場、金利水準等の変動や、投資信託、投資証券、受益証
券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式、債券、投資信託、不動産、
商品等(裏付け資産)の価格や評価額の変動に伴い、上場有価証券等の価格等
が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
◎ 上場有価証券等の発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合や、裏付
け資産の発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合、上場有価証券等
の価格が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
◎ 新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利
を行使できる期間に制限がありますのでご留意ください。
◎ 上場有価証券等が外国証券である場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変
化することにより、為替相場が円高になる過程では外国証券を円貨換算した価値
は下落し、逆に円安になる過程では外国証券を円貨換算した価値は上昇すること
になります。したがって、為替相場の状況によっては為替差損が生じるおそれがあ
ります。
※ 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券
等である場合には、その最終的な裏付け資産を含みます。
※ 新規公開株式、新規公開の投資証券及び非上場債券等についても、上記と同様
のリスクがあります。
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宇都宮ウィークリー 平成28年3月21日
手数料等諸費用について
Ⅰ 国内の金融商品取引所に上場されている有価証券等
国内の取引所金融商品市場における上場有価証券等の売買等についてお支払いいただく委託手
数料等は、次の通りです。
(1)国内の金融商品取引所に上場されている株券等(新株予約権付社債券を除く。)
委託手数料の上限は、約定代金の1.242%(税込)になります。
(2) 国内の金融商品取引所に上場されている新株予約権付社債券等
委託手数料の上限は、約定代金の1.08%(税込)になります。
※上記金額が2,700円(税込)に満たない場合には、2,700円(税込)になります。
Ⅱ 外国金融商品市場等に上場されている株券等
外国株券等(外国の預託証券、投資信託等を含みます。)の取引には、国内の取引所金融商品市
場における外国株券等の売買等のほか、外国金融商品市場等における委託取引と国内店頭取引
の2通りの方法があります。
(1)外国金融商品市場等における委託取引
① 国内取次ぎ手数料
国内取次ぎ手数料が約定代金に対して掛ります。
当該手数料の上限は、約定代金の1.188%(税込)になります。
② 外国金融商品市場等における委託手数料等
外国株券等の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における委託手数料及び公租公
課その他の諸費用が発生します。当該諸費用は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて
決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
(2)国内店頭取引
お客様に提示する売り・買い参考価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基
準に合理的かつ適正な方法で算出した社内価格を仲値として、仲値と売り・買い参考価格との差
がそれぞれ原則として2.5%(手数料相当額)となるように設定したものです。当該参考価格には
手数料相当額が含まれているため、別途手数料は頂戴いたしません。
※ 外国株券等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際の為替レートは、外国為替市場の動
向をふまえて当社が決定した為替レートによるものといたします。
Ⅲ その他
募集、売出し又は相対取引の場合は、購入対価をお支払いいただきます。また、お客様との合意に
基づき、別途手数料をいただくことがあります。
セミナー等の開催について
このレポートで紹介するセミナー等では、金融商品取引契約の締結の勧誘(勧誘を目的とした具体的
商品の説明を含む)を行うことがありますのでご留意ください。
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◆ 営業店のご案内 ◆
店
舗
住
所
電話番号
本店営業部
〒320-0801
栃木県宇都宮市池上町 4-4
028-614-5111
宇都宮東支店
〒321-0953
栃木県宇都宮市東宿郷 3-2-18
028-633-0411
今市支店
〒321-1261
栃木県日光市今市 474
0288-21-1010
鹿沼支店
〒322-0051
栃木県鹿沼市久保町 1864-9
0289-64-1131
真岡支店
〒321-4361
栃木県真岡市並木町 4-5-10
0285-84-6511
西那須野支店
〒329-2753
栃木県那須塩原市五軒町 6-4
0287-28-5511
-----宇都宮証券 「金融セミナー」 開催----今市支店
3月 18日 ( 金 ) 15: 30~ 16: 30 今 市 支 店
TEL0288-21-1010
宇都宮東支店
3月 23日 ( 水 ) 15: 30~ 16: 30 宇 都 宮 東 支 店
TEL028-633-0411
本店営業部
3月 25日 ( 金 ) 16: 00~ 17: 00 本 店 営 業 部
TEL028-614-5111
*詳しくは、最寄りの営業部店にお問合せ下さい。
当社の概要
商号等:宇都宮証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第32号
加入協会:日本証券業協会
◎金融商品等にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。また、各商品等には
価格等の変動等による損失が生じるおそれがあります。商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、当該商品等の契
約締結前交付書面等をよくお読みください。
今回ご紹介するセミナー等では、セミナーでご紹介する商品等の勧誘を行うことがありますので、ご留意ください。