平成26年度 4 保育所における食育に関する調査書の調査結果について ~民間保育所~ 食育を実践するにあたり、ねらいとしていること(民間保育所) ※主な内容を保育所保育指針「食育の5項目」で分類 (1)食と健康に関するもの <健康> ・心と体の健康については乳幼児期の今が一番大切なので、健全な育成をはかれるように 気を付ける。 ・食べる喜びを知り、望ましい食生活を身に着ける。 ・健康で丈夫な体づくりを目指し、 “食”への興味関心をもてるよう体験・体感できる環境 を作っています。 ・そしゃくの大切さを知る。 ・食べることは生きるための基本であるということ。 ・一人一人の「食べる力」を育てながら、自身の健康と食のかかわりに気付く。 <食と体の関係> ・何をどのように食べるか・・・、健康な大人になるために食物の選択ができる人になっ てほしいと思います。 ・ 「もぐもぐ」と噛むこと。 「おいしい」という味覚を感じること。 「ごっくん」と飲み込ん で消化すること。 「にこにこ」と食べる喜びを知ること。 ・楽しく食べる体験を深め、 「食を営む力」の基礎を養う。 <おなかのすくリズム> ・おなかがすき、喜んで楽しく食べる。 ・ 「早寝、早起き、朝ごはん」を合言葉に生活リズムを正すこと。 ・毎日、外遊び(運動遊び)をカリキュラムに入れ、お腹のすくリズムを整えている。 <おいしく食べる> ・楽しく食べる ・食べたいもの、好きなものが増える。 ・子どもの自主性を育み、食べることを楽しいと感じる。 ・いろいろな食事を喜んで食べる。様々な食材を知り、意欲的に食べるようになる。 ・ 「食に感謝、楽しく食べる」をもとに、子どもが楽しみながら行える内容にしていきたい。 ・日々の給食を通して、園児たちに「食べるという行為がどんなに楽しいことなのか」を 伝えていくことです。 ・毎日の食事を食育と考え、楽しくきちんと食べられること。 ・子どもたちが食に興味を持てるように、食の大切さ、楽しさを伝えていく。 <食への興味・関心> ・食に興味を持つ。 ・食事への意欲興味を持つ。 ・いっぱい食べて元気な子と保育目標の中にあるように、食に興味を持ち、食べることで 身体への働きや栄養が考えられるようにしています。また、食べる楽しさ、おいしさがわ かることをねらいとしています。 (2)食と人間関係に関するもの ・楽しい雰囲気の中食べる。 ・食材に興味を持ち、楽しい雰囲気の中で皆で食べる喜びを知る。 ・保育者や友達と一緒に食べる楽しさを味わう。 ・親しみのある大人と信頼関係を育みながら食習慣を確立する。 ・様々な食材に興味を持ち、仲間とともに食べることを楽しむ。 ・身近な人と一緒に食べる楽しさを味わう。 ・楽しく食べることを通じて、食の関心を高め、豊な人間性を育む。 ・食べ物に関する話題を主に一緒に楽しく様々なものを食べる環境を整えている。 ・子どもの身近な人が作ることで食にいっそうの関心を持ち、会話のきっかけや思いが共 有できるようにする。 ・昼食、おやつ、夕食など、1日のほとんどの「食」を園が担っているため、栄養面のみ ならず、「みんなで食べるとおいしい」という気持ちが持てるようにしている。 ・安定した人間関係の中で授乳や離乳食を進め、心地よい生活を送る。 ・保育士や友だちとの和やかな食事を経験し、安心感や信頼感を高める。 ・様々な人々と一緒に食べる楽しさを味わい、愛情と思いやりを育てる。 (3)食と文化 <マナー> ・食事のマナーを身に着ける。 ・食事のマナー、お箸の使い方、配膳の仕方など日々の声掛けを大切にしています。 ・楽しみながら知識やマナーを身につけ、食に興味を持ってもらう。 ・子ども達が楽しく食べたり、調理体験などをして、マナーや食への興味を持つこと。 ・スプーン、フォーク、箸の正しい使い方。 <習慣・文化> ・日本食の普及 ・食生活に必要な基本的な習慣、態度に関心を持つ。 ・楽しんで食事をし、食生活に必要な基本的習慣や態度を身に着ける。 ・旬の食材やメニューを積極的に取り入れ、野菜や伝統食を知ってもらう。 ・イベントを主にするのではなく、季節の行事を踏まえて日本の文化、食事等をとらえら れるようにしている。 ・食べることは生活していくことと共にあることで、季節を感じ年間を通して旬の食材を 使用。行事食と共に、お祝い時(入園おめでとう) 、おもてなし時(来客がある)、がんば る時(運動会など) 、楽しい時(クリスマスやクッキングなど) 、食を通しても感じられる ようにする。 ・日本古来伝承される行事食(イベント)や郷土料理、国際食を取り入れたメニュー作成 をしている。給食提供こそ食育と考え、その中で季節、旬を学ぶことができるよう工夫し ている。見て、触れて、考えてを心がけている。 ・行事食(七草かゆ、節分の豆を買いに、ひなまつりのちらし寿司など)を取り入れ、い ろどりのよい旬の食材を使って料理しています。主に栄養士と幼児の保育士が計画を立て、 月に1回スペースでクッキングを楽しんでいます。 ・食文化を伝える給食づくりをねらいとしている。 ・保育者や友だちと一緒に楽しく食事をしながら、食事の態度や基本的な習慣を身に付け る。 ・年間行事や季節と連携させ、日本の伝統と食文化を伝えるよう配慮する。 (4)いのちの育ちと食に関するもの <いのちの育ち> ・命を大事にする心を育てる。 ・収穫の喜び ・食の大切さ、命の尊さを学ぶ。 ・食べることは生きるための基本であるということ。 ・食に関心をもち、健康であることの大切さを知り、生きる力を養う。 ・栽培活動を通していのちの大切さ、いのちをいただくことを知る。 ・食を育むことは生きる力の土台と位置づけ、子どもの心身づくりのためによりよい食事 のありかたを追及する。 ・付属農園での収穫行事や飼育、栽培などを通して、じゃがいもやさつまいも等、季節に 応じた自然の恵みを味わったり、鶏の卵を食べたり、本当に卵からひよこが生まれる驚き を体験。 <感謝の気持ち> ・作った人や関わった人にも感謝する気持ちを持つ。 ・自然の恵みと働くことの大切さを知り、感謝の気持ちを持って味わう。 ・食物への感謝の気持ちや食物を通して季節を感じる心、楽しい、おいしいなど感じる体 と心を育てる。 ・ 「作る」ことを通し、給食の先生や作ってくれる家の人に感謝する気持ちを持つ。 ・食物栽培等を通し、生きることのつながりを学び、食べ物への感謝の大切さを感じとる。 ・作ること、食べることを通じて心と身体を健康にし、食べることへの興味、感心、感謝 の気持ちを育てていきたい。 ・ 「いただきます」 「ごちそうさま」の意味、食べることの感謝を伝える。 ・食べ物の生産から食物のことを知り、身体を作ってくれていることを学び、生産者の方 や食べられることに感謝する気持ちを育む。 ・食べ物に対して感謝する心、作ってくれる人への感謝の気持ちを大切にしていく。 ・食に関することを友だちと協力して、一つのことを挑戦することにより、食べることの 興味、楽しみを感じとる。そして、食物栽培等を通して、生きることのつながりを学び、 食べ物への感謝の大切さを感じとる。 ・栽培では、自分たちが植えたお世話をし、成長を感じてもらい、収穫することで、野菜 を好きになってもらう。 (5)料理と食に関するもの <食材> ・食べることが好きになれるように、食材や調理に興味を持てるような活動、食に関わる 機会を大切にしている。 ・様々な食材に触れ、 「食」の実体験をさせ、発見(気づき)をさせる。 ・食物本来の姿を知り、実際に触れることで興味を持つ。 ・食材に触れ、楽しい経験を通して、食べることが好きになる子ども、食に興味を持てる 子どもを育てる。 ・野菜栽培を通して個々のできることを知り、それぞれ役割分担しながら、皆で協力し、 一つの物を作り上げ、達成感や充実感を味わう。 ・家庭では食べない食材を食べたり触ったりすることで、興味をもたせて様々な食体験を できるようにしている。 ・子どもの成長にあわせ、多くの食材にふれることや食事に興味をもつことをねらいとし ている。 ・実際に食材に触れることで、食に対する関心や、もっといろいろなことに挑戦したいと いう自主性を育てる。 <調理体験> ・様々な食材に興味をもてるように、また、クッキングをすることによって食べることの 意欲を深める、作る楽しさを知る。 ・さやからの豆出し、キャベツちぎり、筍、とうもろこしの皮むき、クッキング保育、行 事食、バイキング給食、5歳児卒園前のリクエストメニュー、年齢に応じた野菜作り ・調理をすることで料理をすると食材の姿が変わると知ってもらう。料理中の香り、音、 色など。 ・調理をし、できた時の達成感を味わい、自分で取り組む意欲を育てる。 ・卒園のときの姿として、お米がひとりで炊けるようになる。子どもの興味にそって保育 とのつながりを大切にする。 ・畑の種まき、苗植えして野菜を育て収穫・クッキングを通して食物の大切さを伝えてい ます。 ・野菜の栽培活動と積極的なお手伝いを通して、野菜の色、形、味、香などの知覚が育つ ようにしている。また、自分達で調理することで野菜嫌いをなくす。 ・食べる物がどのように作られているか、どんな種類があって、どのような時期に何があ るか、誰が料理してどんな料理があってどんな味がするか知ること。 ・協調性を養う。みんなで作り、食べることの楽しさを学ぶ。食に興味、関心を持つ。 ・クッキングする事だけではなく、食物や成長過程、季節を感じる等広く体験できるよう に考えている。興味や楽しさをもてるように配慮。 ・子どもたちに様々な食体験を経験してもらうために、クッキングを企画し、保育園の給 食やおやつを自分たちでも作れることを知ると同時に、作る大変さなどを知ってもらって いる。 (6)その他 ・事前の計画にとらわれすぎずに、子どもたちの反応(理解度や興味の度合い)を見なが ら、計画よりも短縮化あるいは詳細化をし、次回の計画へ生かす。 ・子どものやりたい気持ちを尊重している。 ・イベント性の高いものより、毎日の生活の中での食育を大切にしています。 ・ 「食育」を特別な活動としてとらえず、日常の生活の中から自然と関わったり体験できる ように配慮している。 (クッキングを突然行うのではなく、その前後の流れを大切にしてい る) ・食に関することを友達と協力してひとつのことを挑戦することにより、食べることの興 味、楽しみを感じ取る。 ・結果よりプロセスを大切にし、変化をも含め実践できるようにする。 ・計画がその時だけのお楽しみにならないよう年間を通じて経験が上積みできるように計 画する。 ・普段の子どもの姿から、伸ばしたいことをねらいとしている。今年は地域とのつながり と食べ物と体の関係が分かるよう仕分けしている。 ・子どもたちの「ごちそうさま」の声が聞きたく、また「おなかがすいた~」との声が聞 きたくて一日のうち保育所に通所する子どもたちが、一番ゆっくりと楽しく食事ができる、 「昼食を楽しくする」をねらいとして日常でランチルームの実践を毎日行っています。 ・家庭だけではなかなか体験できないことを保育園という場で味わえるようにすること。 (みそ作り、梅干し作り、子ども達で協力しての調理) ・家庭でやってみよう!!と少しでも思ってもらえるよう身近で楽しい食育を心がけてい ます。 ・一人ひとりの発達過程を踏まえて、無理なく進める。 ・保育園での食育をとおして、家庭における食意識の変容(早寝、早起き、朝ごはん)を 推進する。 ・給食が媒体となり、テーマにそって、子どもたちにお話できる献立づくり。 ・保育士と栄養士が努力しあえる環境を作る。 ・食育がイベントにならないよう、日常の生活とつながるように取り組んでいる。 ・年度末に、年長クラスを対象として、リクエストメニューを聞き、保育園最後の給食を 楽しんでもらう。 ★総論的なもの ・ 「食べ物の大きさを知り、感謝の気持ちを持って食べられる子」を育てるため、栽培やお 手伝い、クッキングを通し、食事が作られるまでにはたくさんの人の愛情と手間がかかっ ていることを知った上で、おいしく楽しく食べられるようにしています。 ・ 「食事をおいしく楽しく食べるには」ということを念頭において、そのためにマナーはど うするか、作る側はどうするべきかということを考えています。 ・食事をただ食べるという行為だけでなく、マナーや一緒にお友達と食べる楽しさを知っ てもらうことと食材に触れたり見たりすることでどんな形や色をしているのかを知り、食 べるときに意識できるようになってもらう。 ・食育基本法「5つの子ども像」を目指す。 ・お腹がすくことは最高の調味料と考え、お腹がすくような体験をたっぷり行う。食べる ことが好きになるように、食べ物や食材に興味を持てるように、子ども達の自主性、自発 性(気持ち)を大切にした取り組みの方法を大切にしている。 ・食べることは生きることとして位置づけ、自分で食べる意欲、食への興味関心、みんな で食べる食卓の楽しさなど、食を通して育つ子どもの心を大切にしながら実践しています。 ・指針の中にも示されているとおり「楽しく食べる」ことを最優先とする。自然や人に感 謝しながら、食事時間を待ち遠しく感じ、楽しんで食べられる子どもを育む。 ・クッキング等の行事も大切ですが、一番のねらいは、日々の給食を通して、子どもたち が「食事がどんなに楽しいことなのか」を伝えていくこと。食べ終わった時に「おいしか ったです。ごちそうさまでした。 」の言葉が自然に心から発せられる給食運営をしていきた い。
© Copyright 2024 ExpyDoc