昼休み休憩時間中に会社トイレで足を滑らせて転倒し負傷

安全最優先のホンネを示す安全管理のすすめ
日々の作業実態 に目を向けて
災害予防研究所 所長 中村昌弘
安全 のノウハ ウ共有を図る
第 50回 建災防全国大会
墜落 災害 防 止 ヘ キ ャンペ ー ン
三機工業
1)/イ │
■ 災 害 の あ らま し ■
社労士が教える
労災認定の境界線
所長 戸谷 一彦
︲ 東京会
一般 社 団 法 人 S R ア ップ 2
T & K マネ ジ メ ント オ フ ィ ス
昼休み休憩時間中 に会社トイレで足を滑らせ て転倒し負傷
食品製造販売会社 S社 の地方支店 に勤務
する男性営業社員 (K氏 )が 昼休みの休憩
時間中、支店内の トイ レで転倒、足を負傷
し、営業の業務に就 けない状態 になった。
トイ レの床が水で濡れていたため、足を滑
らせて転倒 し負傷 した との ことである。支
店の トイ レは同 じフロアに他の会社 も人居
している 5階 建ての雑居 ビル 内にあ り、 ト
イ レもフロア共有の部分 となっていた。
■ 判断 ■
休憩時間
lに :事 業場内において、生理的
必要行為や作業に関連する行為によ り被災
した場合、た とえ休憩時間中であってもそ
の後 の就業が 予定されてお り、また、事業
場内で発生 した災害については、事業 上の
支配下 にある業務 における付随行為 として
解 され、 ビル 内の共川部分 も事業場施設 と
考 えられるため、業務上 と判断された。
■ 解説 ■
業務災害 と認め られ るためには、 「業務
起因性Jと 「業務遂行性Jの 双方が必要で
あ り、行政解釈 によると、業務遂行性は業
務起囚性の第一次的判 trl基 準 とされる。
業務遂行性が認め られる内容 として、①
事業主の支配下にあ り、かつ管理下 にあ っ
て、業務 に従 事 してい る場合 (作 業中の用
便、飲水な どの生理的必要行為や作業中の
反射的行為な どを含む業務遂行行為および
それに伴 う一定 の行為、その他労働関係 の
本旨に照 らして合理的 と認められる行為中
な ど)の 災害、②事業主 の支配下 にあ り、
かつ管理 下にあるが、業務 に従事 していな
い場合 (休 憩時間な ど、1事 業場施設内で自
由行動を許容 されている場合や就業時間後
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く安全スタッフ》2013
11 15
に 11業 場内施設にいる場合な ど)の 災害、
OJ`業 主の支配 ドにあるが、管理 ドを離れ
て業務に従事 している場合 (出 張、外勤、
配送その他事業場外で業務 に従事 している
場合など)の 災:キ が認め られている
.
方で業務起 囚1■ は、業務遂行性が認め
られる場合に、業務起 因1■ の判断がなされ
る。例えば、1■ 記Cの 場 合では、災J子 の発
生は、作業過rJや 作業管馴1も しくはiiL設 、
な どか ら発生するものであ
設備 の管理状渉せ
るか ら、他にlll外 を除 き、または特
理
"1の
由がない限 りは業務起因‖:が 認め られる。
また、 1記 ② の場合 (例 として休憩 ‖
キ円卜ll
あると解されるのである。
の 自11イ J為 )で は、事業 ]:の 支配下にあ り、
したがって、休憩1キ ‖
1中 で 1`業 場 におい
かつ管理 下にあるため Hlな る私的行為 とは
て これ らの行為に際 し、発生 した災害につ
いえないが、ll々 の行為は 般 には私的行
いては、特に事業場 I内 の施設の欠陥な どに
為であ り、積極 llJな 私的行為によって発生
起因するとい う祠Iげ 1を 待つ ことな く、業務
した災害は業務災害 とは認め られないもの
L災 害 と認められるのである。
の、 1'業 場施設に起因す るもの、あるいは
なお、被災 した場所が他の会社も入居 し
就業中であれば業務行為に含まれると考え
ているビルの共Лl部 分 とい う点について、
られる業務付随行為
や作
■業場 施設 に該 当す るか どうか につ いて
業 と 期連ある行為)は 、業務起囚性が認め
は、通勤災害ではな く、業務災害 とした過
られている。
去の事例 (被 災労働者が時間外勤務を終え
(`Lコ 1的 必要行 /・
今 11の 場合は、休憩時
「月中に会社の トイ
て、帰宅するため入居 しているビルを出る
レ内で足を滑 らせ転倒 し負傷 した とい うも
際、玄511の 全透明ガラス ドアがり
Hい ている
のである。営 業社員 (K)の トイ レに川を
もの と錯党 し、 ドアに前額 部をぶつけ、llx
足 しに行 く行為は、生理的必 要行為に該当
lllし
する。その場合、 事業主の 支配下、管理下
用 ビルの共Fll部 分 (玄 関、廊下 階段など)
にある限 り、業務遂行性があると解される.
は不特定 多数の者の通行を予定 しているも
休憩1寺 間中のツ′
働者 の行IItは 私的行為で
たガラスによ り負傷 した)か ら、「共
のではな く、また、その維持管Jl費 用が当
あるものの、た とえ休憩 Iキ ‖
りとい う自由な
該共用 ビル人居事業場 の均等rtJ
時Hり であった としても、休憩時間11に
と、およびその使用]に あたっての了解 事rli
場 内において、 1'業 場施設 またはその '業
等か ら判断す ると、 当該 ビル所イJ者 と人,計
'1理
上の欠陥が原区 となった場合や、災害の原
1'業 場の各 f・ 業 主等が、当該共川l部 分を共
因が労働者の恣意的行為によるものではな
同管理 しているもの と認めるのが妥当であ
く、11理 的必要行為や作業 と関連す る行為
る (昭 51・
な どに際 して被災 した場合な どは、業務に
と解されてお り、 ビル 内の共月〕
部分につい
おける付随行為 として捉え、業務起因性が
ても事業場施設 と認められている。
2・
lで ぁるこ
17九 1収 集 252')の
《
安全スタッフ》2013
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