7 月 15 日発表の日本銀行「当面の金融政策運営

2015 年 7 月 15 日
セントラル短資株式会社
総合企画部 企画調査グループ
★ 7 月 15 日発表の日本銀行「当面の金融政策運営について」
―金融市場調節方針を据え置き、景気の現状判断を据え置き―
7 月 14、15 日に政策委員会・金融政策決定会合が開催され、金融市場調節方針の据え置きが決定された。
(金融・経済情勢等に対する現状判断)
○景気判断については、「わが国の景気は、緩やかな回復を続けている」と据え置いた。
○短観の発表を受け、「業況感は総じて良好な水準で推移しており」という表現が追加された。
○「輸出」「鉱工業生産」に「振れを伴いつつも」という表現が追加され、若干の下方修正がなされた。
○4 月 30 日に発表した「展望レポート」の見直しについては、「成長率は、2015 年度について幾分下振れる一方、2016
年度、2017 年度については概ね不変である。消費者物価は、概ね見通しに沿って推移すると見込まれる」とした。
(変更点を青字で記載)
(日本銀行による発表)
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとお
りとすることを決定した(賛成 8 反対 1) 。
マネタリーベースが、年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。
2.資産の買入れについては、以下の方針を継続する(賛成 8 反対 1)
。
①長期国債について、保有残高が年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。ただし、イールドカーブ
全体の金利低下を促す観点から、金融市場の状況に応じて柔軟に運営する。買入れの平均残存期間は 7 年~10 年程度と
する。
②ETF および J-REIT について、保有残高が、それぞれ年間約 3 兆円、年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買
入れを行う。
③CP 等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。
3.わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している。
そうしたもとで、輸出や鉱工業生産は、振れを伴いつつも、持ち直している。企業収益が改善するなかで、業況感は総じて良
好な水準で推移しており、設備投資は緩やかな増加基調にある。雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推
移しているほか、住宅投資も持ち直しつつある。この間、公共投資は高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている。また、わ
が国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想
物価上昇率は、やや長い目で見れば、全体として上昇しているとみられる。
4.先行きのわが国経済については、緩やかな回復を続けていくとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響
から、当面 0%程度で推移するとみられる。
5.4 月の「展望レポート」で示した見通しと比べると、成長率は、2015 年度について幾分下振れる一方、2016 年度、2017 年度
については概ね不変である。消費者物価は、概ね見通しに沿って推移すると見込まれる。
6.リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復
ペースなどが挙げられる。
7.「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的
に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク
要因を点検し、必要な調整を行う。
以上
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