京コンピュータを利用した高層建築物の風荷重評価 Wind load

京コンピュータを利用した高層建築物の風荷重評価
Wind load evaluation for high-rise building using K computer
鹿島建設株式会社,挾間 貴雅
Kajima Corporation,Takamasa Hasama
Abstract / アブストラクト
街区に建つ高層建築物の構造骨組や外装材などの風荷重評価を対象にした高精度な風
圧予測が可能な「数値風洞」の構築を目標として,計算を行う上で難易度が高い複雑表面
形 状 を 持 つ 高 層 建 築 物 を 対 象 に 高 精 度 な 数 値 流 体 力 学 手 法 で あ る Large-Eddy
Simulation(LES)を適用し,風洞実験との比較を行った結果について紹介する。約 1 億 4
千万要素の計算メッシュを適用して複雑な表面形状を解像し,京コンピュータを用いて計
算を行った結果,バルコニー内部やアウターフレーム周りの複雑な流れが再現されている
ことが確認され,インナーバルコニーの形状に起因する微細な渦構造を内包する逆円錐
渦の放出が確認された。LES と風洞実験を比較すると,外圧係数の平均・標準偏差・最大
ピーク・最小ピークは,風上側の隅切り部において一部乖離する傾向にあるが,概ね一致
することを示した。転倒モーメント係数およびねじれモーメント係数のパワースペクトル・平
均・標準偏差について,LES と実験は良く一致することを示した。