Les Disques Du Crépusculeの衝撃

西暦 2015 年 12 月 02 日
ダレナン博士の研究所
研究報告書 No.84
題名:Les Disques Du Crépuscule の衝撃
報告者:ゴンベ
Les Disques Du Crépuscule はベルギーにあるインディーズの音楽レーベルで、日本語では Crépuscule
だけを取り、カタカナでクレプスキュールと称される。ちなみに Crépuscule はフランス語では黄昏の意と
なり 1)、Disques は円盤の意となることから、Les Disques Du Crépuscule を訳すと、黄昏の円盤の意と
なる。ただし、円盤は UFO ではなく、レーベルの設立が 1980 年になることから
2)
、当時の音楽の媒体で
あるレコードのことを指す。黄昏レコードたるその愛らしいネーミングから、レーベルを設立したジャーナリ
ストの Duval Honoré と Annik Honoré、およびデザイナーの Benoît Hennebert のセンスの良さが伺わ
れる 2)。図に初期のころのコンピレーションアルバムのジャケッ
トの裏表を示す。アルバム名は「The Fruit of the Original Sin」
で日本語では「原罪の果実」となり、ジャケットデザインだけで
なく、アルバム名のネーミングもとても優れている。ディスク 2
枚の構成で、全体的に音楽と言うよりも実験的な内容も多いが、
初期の Les Disques Du Crépuscule を知るにはよいアルバム
である。初めて聞くといささか衝撃的ではある。
レーベルの代表的なアーチストは、やはり Isabelle Antena
になろう。彼女の代表作は、ボサノバの代表として名高い Stan
Getz & Joao Gilberto のアルバム「GETZ/GILBERTO」のイ
パネマの娘をエレクトリックにアレンジした曲を含む「Camino
del Sol」をはじめとして数多くある。ただし、日曜の昼下がり
など、ゆったりしたのんびりとした雰囲気を楽しむには、
「Hoping for Love」もお勧めである。このアルバムはエレク
トリック主体よりも、円熟したジャズミュージシャンをバックに、
軽快なフランス語で歌う Isabelle Antena のよさがにじみ出て
いる。彼女の声はとても透き通っているため、聞き取りやすくフ
ランス語を勉強している人にもお勧めできるかもしれない。演奏
にもそこはかとない、おフランスな感じ、もにじみ出ている。
このようにしてインディーズレーベルのよさは、設立者のセン
スが反映しやすいことにある。そのため、そのセンスが気に入れ
ば、他にない無二の存在となる。しかしながら、大手レコード会
社に比べてごく小さなレーベルであることが多く、存在そのもの
を知らない人も多いであろう。そこがインディーズのよい点でも
あり、レーベルの経営上、難しい点でもある。
図 「The Fruit of the Original Sin」のジャケット 3)
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/クレプスキュール (閲覧 2015.12.2)
2) http://lesdisquesducrepuscule.com/history.html (閲覧 2015.12.2)
3) http://lesdisquesducrepuscule.com/fruit_of_the_original_sin_ltmcd2497.html (閲覧 2015.12.2)