問1 以下の問いに1000から2000字程度(あくまで目安であり、字数の不足・ 超過による減点はしません)で答えなさい。 説明に説得力を持たせるため、適宜表やグラフを用いても構わない(表やグラ フは字数に含めない)。 これはとある大学生、誠二くんと未来さんによる、教室での会話である。 誠二「おはよう。昨日風邪で休んでたけど、大丈夫だった?」 未来「おはよう。もう大丈夫。大学病院に行ってもらった風邪薬を飲 んだら、すぐ直ったよ。 」 誠二「え、風邪で大学病院に行くんだ。僕は風邪なら家で寝てるけど なあ。 」 未来「だって簡単に病院に行けるし、病院で診てもらったほうがなん か安心じゃん。 」 誠二「日本はいつでもどこでも医療サービスを受けられる、フリーア クセスっていう体制になってるからね。でもそのせいで軽い病気でも 大きな病院で診てもらえるから、医療費がかなりかかったり、勤務医 の負担が増えたりしてるみたい。 」 未来「そうなんだ。少子高齢化の影響で医療費がかなり増大してるし、 今後は控えようかな。でも、逆に海外では自由に病院に行けないの?」 誠二「イギリスだと、病院へのアクセスが制限されてるらしいよ。医 療費を抑えるためにも、医療のムダを無くしていかないといけないよ ね。」 未来「医療のムダと言えば、過剰医療って言葉をたまに聞くことがあ るよね。 」 誠二「日本は医療サービスの値段を決めるときに、出来高払い方式っ ていう方式を取っていて、それが過剰医療につながってるんだって。 」 未来「じゃあその出来高払い方式ってよくないの?」 誠二「海外だと包括払い方式とか、別の制度を導入している国もあっ て、日本でも導入されてるとこがあるらしいけど、逆に適切なサービ スよりも少ないサービスしか提供されなくなる問題も起きてるみた い。」 未来「なるほど。日本の医療の質って海外と比較しても高い方だって 聞いたし、医療の質を維持しながらムダだけを無くすのって難しいの かな。 」 誠二「そうだね。日本にある病床数規制っていうのも、医療費を増大 させている一因とされているけど、この規制を緩めて市場原理が導入 されると、これも医療の質が下がっちゃう可能性があるんだ。 」 未来 「そうなんだね。思った以上に医療の問題って複雑で難しいなあ。 」 少子高齢化により、社会保障関係費が今後増大して行く中で、医療機関が診療などの医 療サービスを患者に供給していく体制、すなわち医療供給体制の効率化は大きな課題と なっている。 上記の会話の中には医療供給体制を効率化する際のいくつかの問題が含まれている。 この会話を読んだうえで、会話の中のいくつかの問題が、医療供給体制を効率化する際 にどのように問題となるのかを述べよ。 その上で、あなたが最も問題だと思うものを理由とともに説明し、その問題を解決する ために参考になる海外の制度を1つ挙げ、そのメリットデメリット、日本に適用された 際の影響を述べよ。 <審査する能力> ・問題を整理する能力(複数ある問題に関して、各問題の本質を理解したうえで、整理で きるかどうか。) ・論理的思考力(因果関係に論理的一貫性はあるかどうか。また、統計に基づく定性的・ 定量的分析から導き出された推論は妥当かどうか。例:…なため、これが最も大きな問 題と考えた。…というデータから、…と考えられる。 ) ・政策・制度を評価する能力(政策や制度のメリット、デメリットや、導入した際の影響 を考える能力) 以下の問いは、任意解答です。解答しなくても構いません。 問 1 が一定以上の点数だった場合、問 2 が加点の要素となります。 (問 1 だけでも満点が取れ るようになっています。 ) 問2 問 1 の解答を、パワーポイント形式でわかりやすくまとめなさい。 スライドに関しては 5 ∼ 10 分のプレゼンテーション用資料となるように作成 してください。必要に応じてアニメーションなどを入れて構いません。
© Copyright 2024 ExpyDoc