0.03

片手親指の操作における特性に基いたソフトウェアキーボードの提案
研究背景
研究目的
問題点がキーレイアウトに起因すると考え、この改善策
として
• スマートフォンの入力方式
として様々なソフトウェア
キーボードが存在する
• これらのキーボードの問題
点として、片手親指での入
力が難しい場面がある
• 手の大きさに基づきレイアウトを設計、操作性を改善
• 片手入力における速度減少の防止
この2点を目的とするキーボードの設計を行う
提案手法
先行研究
片手親指の特性に関する研究
タップ精度の低下、必要時間の増加
親指の伸縮が
必要な場合
• 入力速度減少の防止として、フリック入力方式の導入
• 操作性の改善として、レイアウトの工夫
• 問題の簡略化のため、ひらがな50音についての実装を行う
①
先行研究に基づいた方法により、
ユーザの親指の軌跡を楕円に近似することで、
基準となる楕円を生成する。
②
基準となる楕円の長径を5等分し、線を引く。
楕円との交点から垂線を下ろし、
これを二段目以下のキーの中心線とする。
通常の場合
特性に基づいて操作性を改善した研究
• 楕円上の親指の軌跡から、手の大きさ
に応じキーサイズを変更して
キーボードを生成し操作性を改善
• ツータッチ入力方式を用いており、
入力速度に問題があると考えられる
極力楕円上にキーを配置することで、
指の伸縮を抑える目的
③
④
あか
さ た
な は
ま や
ら わ
評価実験
•
•
提案手法、先行研究、従来の12キー型フリック入力キーボードについて比較
基準楕円の大きさを長径1000px短径800px、キーの大きさを200px×200pxとした
一段目が左右どちら側にも
寄り過ぎないようにする目的
指の移動距離の平均
任意のひらがな2文字を入力する時の移動距離の期待値を取る時、
座標の変化を極座標(r,θ)で見た際の、rの変化量についての比較評価の結果
キーと楕円の距離の平均
フリック倍率
0.25
0.5
1
2
4
最小距離平均
提案手法 133.48px (σ = 93.89px)
先行研究 186.57px (σ = 255.64px)
従来手法 171.04px (σ = 126.15px)
• 先行研究の手法では、内縁側をタップする際、
指を基準楕円から大きく動かす必要がある。
• また提案手法は従来手法、先行研究と比較して距離平均が
少なく、より親指が自然な状態で入力ができると言える。
一段目については、
右端に置いた時の中心線と
二段目の位置での中心線との中点を取る。

先行研究
タップ距離
0.51
0.51
0.51
0.51
0.51
従来手法
タップ距離
0.22
0.22
0.23
0.23
0.24
提案手法
フリック距離
0.03
0.04
0.09
0.15
0.2
先行研究
フリック距離
0.02
0.02
0.03
0.05
0.06
従来手法
フリック距離
0.03
0.04
0.06
0.08
0.17
フリック倍率が大きくなるほど、フリック距離が大きくなる。
入力が熟練するに従ってフリック距離は小さくなるが、タップ距離は
変化せず、小さくすることが難しいことがわかる。
提案手法について、タップ距離の比較で他の手法を超える結果となった。
 工夫した点であるレイアウトにより影響するタップ距離について良い
結果を出すことができたことは、研究の意義を示せたといえる。


提案手法
タップ距離
0.16
0.16
0.16
0.17
0.22