女性ファッション誌市場の 活性化 早稲田大学 守口ゼミ 非耐久消費財 竹川班 竹川晴菜・大久保真衣 本地真紀子・中島優美・馬場喜美子 1 目次 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. はじめに 現状分析 リサーチクエスチョン 先行研究 仮説 検証 提案 今後の課題 参考資料 2 1、はじめに 研究対象について 研究対象:女性ファッション誌市場 理由: 共通テーマ「不況に打ち勝つ」 × 私たちのテーマ「女性がターゲット」 3 1、はじめに 「不況に打ち勝つ」とは 「継続的に同じ雑誌を購入してくれる、 優良顧客(ロイヤリティの高い客)を増やすこと」 を、ファッション誌市場での「不況に打ち勝つ」ことだと、 私たちは定義付けます。 4 2‐1、雑誌の現状 5 2‐1、雑誌の現状 女性誌の発行部数 女性誌全体(週刊誌を除く)の部数推移 (×100冊) 32000 31500 31000 30500 30000 29500 29000 28500 28000 27500 27000 26500 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2000年度から下降傾向にある 2006 2007 (年) 6 2‐1、雑誌の現状 女性ファッション雑誌の特色 月に1部~2部発行 価格400円~600円 雑誌カラーを強調する キャッチコピーで 女の子像の提案 ex)non・noの場合 「20代前半の『HAPPY!』になれる ファッション雑誌」 毎月豪華付録つき 季節ごとの特集やその時々の 流行を届ける 7 2‐1、雑誌の現状 付録つき雑誌の増加 付録添付回数の推移 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 付録付き女性誌は年間850点も! (2007年度) 2003 2004 (単位:回) 2005 2006 2007 出所:社団法人ABC協会 2001年に「雑誌付録の基準」が大幅に緩和 8 2‐1、雑誌の現状 付録の常態化 年齢層低め ハナチュー ラブベリー Popteen Ranzuki Egg Zipper SEVENTEEN Cawaii CUTiE ELLE girl 付録付き女性ファッション誌は ギ ャ ル 系 non-no 年間850点 にも及んでいる ViVi JJ Ray KERA SEDA GLAMOROUS GISEL AneCan Sweet style BAILA 年齢層高め カ ジ ュ ア ル 系 nadesico GLITTER 小悪魔ageha S cawaii PINKYCanCam JELLY BLENDA JILLE PS mina Spring Soup. Steady. FUDGE In Red 9 2‐1、雑誌の現状 書店の様子 (撮影協力:ときわ書房本店) 店頭でも付録が訴求されている 10 2‐1、雑誌の現状 付録のもたらすメリット (×100冊) 発行部数 一年半で約3倍に!! 11 2‐1、雑誌の現状 付録のデメリット (×100冊) 発行部数 付録の付かない雑誌は 発行部数が安定 Popteenは付 録を付けてい ない雑誌 12 2‐1、雑誌の現状 付録のデメリット (×100冊) 発行部数 付録付き雑誌は発行部数に 大きなぶれがある 13 2‐1、雑誌の現状 雑誌の現状のまとめ 付録は一時的な購買促進には役立つ しかし、付録に左右される消費者が 増え、売上が不安定になっている 14 2‐2、読者の現状 15 2‐2、読者の現状 読者の現状-1 Q.あなたは、雑誌を読みますか? (2008年10月実施) 11,5% 「いつも決まった雑誌を 毎号自分で買って読 む」の割合が少ない http://www.tepore.com/research/co/081120/index.htm 16 2‐2、読者の現状 読者の現状-2 「毎月同じファッション雑誌を買いますか」 調査対象:19~23歳の女性(n=104) 13% 買う 買わない 87% 87% 17 2‐2、読者の現状 読者の現状-3 同じ雑誌を毎月買わない (継続的購入にならない) 各々の雑誌の違いが分からない →ほぼ全ての雑誌に付録がついている →雑誌の種類、選択肢の多さ →各々の雑誌カラーが分かりづらい 18 2‐2、読者の現状 ファッション誌の知覚マップ 年齢層低め ハナチュー ラブベリー Ranzuki SEVENTEEN Popteen Egg ギ ャ ル 系 Cawaii ELLE girl Zipper CUTiE JILL mina EPS カ ジ ュ ア ル 系 今ある雑誌(知覚マップ内の雑誌)で non-no GLITTER 小悪魔ageha nadesico 2000年以降に創刊されたものは、32/40 S cawaii JELLY BLENDA GLAMOROU S GISEL ViVi JJ PINKYCanCam Ray KERA SEDA AneCan Sweet style BAILA 年齢層高め Spring Soup. Steady. FUDGE In Red 19 2‐2、読者の現状 読者の分類 優良顧客:毎月同じ雑誌を買っている人 浮動顧客:毎月購入する雑誌がバラバラな人 ⇒継続して同じ雑誌を買わない人 浮動 顧客 優良 顧客 20 3、リサーチクエスチョン 女性ファッション誌を 継続購買させるには何が有効か。 21 4、先行研究 22 4、先行研究 先行研究内容 ①ネットコミュニティの有効性 ②浮動層に対してのステータスの有効性 ③階層制の成功事例 23 4、先行研究 先行研究① ①ネットコミュニティの有効性 「ブランドに対する共感といった感情的態度を 促進させるためには、 メンバー相互が信頼しあえるような場の運営 (コミュニティー形成)が求められる」 出所:(金森剛[2007]『ブランドマーケティングにおけるネットコミュニティの活用』) 24 4、先行研究 先行研究② 浮動層に対してのステータスの有効性 「浮動層が「同じブランド」を購入し続ける条件」 浮動層がブランドを購入し続ける条件は以下の3通りであ る。 1:常に期待や基準(価格面、性能面)を上回っている場合 2:そのブランドに関与することでステータスを得られる場合 3:そのブランドを上回る他ブランドが出現しなかった場合 (16品目における「ブランドを購入する条件」に関する調査) 25 4、先行研究 “ステータス”の定義 ステータスとは、「身分や社会的地位」のこと 現代では「高い身分や社会的地位、ある種の 優位性・優越感を象徴する言葉」として用い られる (広辞苑より引用) 「ステータスを感じさせるようなコミュニティ」 ⇒他者に対する優位性・優越感を感じられる コミュニティ 26 4、先行研究 先行研究③ 階層制を用いた成功事例 ヒメクラブマーケティング 航空会社ANAのマイレージのシステム 楽天Point Club 27 5、仮説 ステータスを感じさせるような ネットコミュニティ形成が、 女性ファッション誌の継続購買に有効である。 28 6、仮説の検証 29 6、仮説の検証 検証内容 以下のものは先行研究により証明さ れている コミュニティ形成 継続購買 よって「ステータス」の消費者にもたら すプラスの効果をT検定により検証す る ステータスを感じさせるような コミュニティ形成 継続購買 30 6、仮説の検証 調査方法 ステータス無し ステータス有り 継続購買への意欲 の差をはかる 継続購買 31 6、仮説の検証 調査上の留意点 「ステータスあり」のアンケートには 「提示したコミュニティにステータスを 感じるかどうか」の設問を入れた 「ステータスを感じていない」と回答し た対象者の調査票は集計から外した 32 6、仮説の検証 調査票 ステータス無し ステータス有り 33 6、仮説の検証 T検定 分析結果 調査対象:19~23歳女性 n=それぞれ68人ずつ 継続購入意図の平均値 (1に近いほど意欲が高い) ステータス有 2.17 ステータス無 2.84 両者の間には差がある (有意確立0.00%) 34 6、仮説の検証 検証からの考察 「ステータスを感じさせるようなコミュニティ形 成」は、そうでないコミュニティ形成と明確な 差があり、より継続購買にプラスに働く 「ステータスを感じさせるようなコミュ ニティ形成が、消費者に継続購買さ せることに有効である。」 以上の仮説が検証された 35 7、提案 36 7、提案 提案 ステータスを感じさせる ような ネットコミュニティ 階層制の導入 SNS 37 7、提案 提案の具体例 読者限定の特別イベントへ招待 ブランドの展示会へ招待 ヘアサロンの割引 SNSが利用可能 38 8、今後の課題 『階層制を用いたネットコミュニティ』が、他の 浮動顧客の増加が問題となっている業界 (ex:携 帯電話のキャリア、スーパーマーケット等小売業)で も有効といえるか調査し、浮動顧客の獲得に普 遍的に有効なものかを結論付ける必要がある 39 9、参考文献 桑名淳二『編集会議 第95号』宣伝会議 小川孔輔『ブランド戦略の実際』日経文庫 鬼頭孝幸『ブランドのレシピ』日本能率協会 『編集会議 2008年11月号』宣伝会議 『出版月報 2008年8月号』出版科学研究所 大野高司[2007]『ファン・コミュニティ性格 と機能』 『出版指標出版年鑑2007』 『出版年鑑 ABC』 文教堂販売データ 『情報源に関する意識・実態報告書2007 経済広報センター』 松尾武幸・佐山周・三田村蕗子 多様化・個性化の動きが一目で見てとれる 本』こう書房 根来龍之[2004]『経営戦略としてのCRM. 資源 優位・活動システム・差別化の三位一体構 造』 ヴァニティ&アナーキー[2001]『女性誌のお まけ合戦はブランド・メイキングの証拠』 販促会議[2008]『座談会 新しい時代のプレミアム を考える』宣伝会議 『販売促進 支店・営業所で効果の高いノベルティ の選び方--その発想は石田三成に学べ!』(日本 実業出版社) 『T&Mシステムズ株式会社2006年09月27日調査 16品目における「ブランドを購入する条件」に関 する調査について』 『顧客を振り分けることの定義』 http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/binary/ pdf/library/presentation/0804 金森剛『ブランドマーケティングにおけるネットコ ミュニティの活用』 『T&Mシステムズ株式会社2006年09月27日調査 16品目における「ブランドを購入する条件」に関 する調査について』 http://www.prblog.biz/archives/2006/09/16.htm 40 ご清聴ありがとうございました 41
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