平面上のベクトル 空間内のベクトル . . 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 土屋和由 基礎・教養教育センター 2015 年 04 月 09 日 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 工学と線形代数学 工学と線形代数学 工学では多次元データを扱う場面がしばしば現れる. 多次元データの解析において,幾何学的な発想が有用となる. 線形代数学では「真っ直ぐな図形」に対する強力なツールを提供 する. 線形代数学 I で扱う内容 . 平面( 2 次元),空間( 3 次元)の幾何学 1 幾何学的直観が働く世界で線形代数学のプロトタイプを理解 する . 行列,行列式の理論 2 n 次元の幾何学を理解するための計算手法を習得する 特に,連立方程式の解法は多くの工学的応用を有する 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 平面上のベクトルの定義 . Definition (平面上のベクトルの定義) . a 長さと向きだけに着目した平面上の有向線分を平 面上のベクトルと呼ぶ.特に,位置は問題にし ない. |a| によって a の長さを表す. . ベクトルと座標の間の一対一対応 xy 平面上の原点を始点とするベクトル a ( ) と,終点の座標 a1 a2 が一対一に対応 y a2 ( a= a1 a2 する. √ 特に,|a| = a12 + a22 が成立する. a1 O ⇒ 計算(代数学)によって,幾何学的性質が調べられる. 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル ) x 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 身の回りの「ベクトル」 力や速度はベクトルで表される. 出典:E. クライツィグ著(堀素夫訳),線形代数とベクトル解析(原書第 8 版),技術者のための高等数学 2,培風館 ⇒ 物理量が計算によって求められる. 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 平面上のベクトルの演算 平面上のベクトルの演算 ( ) ( ) a1 b1 a= ,b = :ベクトル,c :実数に対して, a2 b2 和 a + b 及びスカラー倍 ca が ( ) ( ) a1 + b1 ca1 a+b= , ca = a2 + b2 ca2 によって定義される. ⇐ ベクトルの演算を定義する意義は? 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . ベクトルの演算と合力 二つの力の合力はベクトルの和で表される. 出典:E. クライツィグ著(堀素夫訳),線形代数とベクトル解析(原書第 8 版),技術者のための高等数学 2,培風館 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 平面上のベクトルの演算の例 . Example . ( ) ( ) −2 2 a= ,b = . 4 1 √ (1) |a| = 2 ( 5 ) 0 (2) a + b = 5) ( 2 (3) −a = −4 . 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 平面上のベクトルの内積 . Definition (平面上のベクトルの内積) . ( ) ( ) ( ) a1 b1 0 a= ,b = ̸= 0 = a2 b2 0 に対して,内積 (a, b) を b (a, b) = |a||b| cos θ = a1 b1 + a2 b2 .と定義する.ただし,0 ≦ θ ≦ π とする. θ a O 内積と直交性 a と b が直交する ⇔ (a, b) = 0 . Example . ( ) ( ) −2 2 a= ,b = ⇒ (a, b) = 0 4 1 . 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 空間内のベクトルと座標 空間内のベクトルと座標の間の一対一対応 z xyz 空間内の原点を始点とする ベクトル a と,終点の座標 a1 a2 が一対一に対応する. a3 √ 特に,|a| = a12 + a22 + a32 が 成立する. 土屋和由 a3 a1 a = a2 a3 O a2 a1 x 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル y 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 空間内のベクトルの演算 空間内のベクトルの演算 a1 b1 a = a2 , b = b2 :ベクトル, a3 b3 c :実数に対して, 和 a + b 及びスカラー倍 ca が a1 + b1 ca1 a + b = a2 + b2 , ca = ca2 a3 + b3 ca3 によって定義される. 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 空間内のベクトルの内積 . Definition (空間内のベクトルの内積) . a1 b1 0 a = a2 , b = b2 ̸= 0 = 0 a3 b3 0 に対して,内積 (a, b) を b (a, b) = |a||b| cos θ = a1 b1 + a2 b2 + a3 b3 .と定義する.ただし,0 ≦ θ ≦ π とする. θ a O 内積と直交性 a と b が直交する ⇔ (a, b) = 0 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 空間内のベクトルの例 . Example . −3 a = 2 ,b = 1 √ (1) |a| = 14 −1 (2) a + b = 3 5 −12 (3) 2a − 3b = 1 −10 2 1 . 4 3 (4) 3(a − b) − 2(a − 3b) = 5 13 (5) (a, b) = 0 . 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル 平面上のベクトル 空間内のベクトル . 平面 vs 空間 類似点 幾何学(ベクトル)と代数(座標)との対応 演算の定義 ベクトルの和は「各成分ごとの和」 ベクトルのスカラー倍は「各成分ごとの実数倍」 内積の定義と性質 相違点 座標成分の個数 平面上の座標は二つの実数の組 空間内の座標は三つの実数の組 図示した場合の複雑さ 類似点は n 次元に拡張可能? 相違点を n 次元に拡張することは困難? 土屋和由 線形代数学 I - b 01. 平面上,空間内のベクトル
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