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平成22年度前期 電気電子数学 II 再試験
2010. 11. 24 K. Shibata (一部改変)
途中経過の式や理由を書けるものは必ず書いて下さい。
以下では,i, j, k はそれぞれ x 軸,y 軸,z 軸方向の単位ベクトル,r は位置ベクトル
とし,r は原点からの距離
ベクトルの成分は,たとえば,A の各成分は
とする。
のように書くこととする。
また,ベクトルとスカラー(r と r など)は区別がつくように書くこと。
[1] 以下の問いに答えなさい。
(1) 3次元空間上の点を表す位置ベクトル r に関して、以下のように2つの条件が与えられ
ている。
(条件1)
(条件2) y 方向の単位ベクトル j に対して内積
が0
(条件1)を満たす点の集合、(条件2)を満たす点の集合、(条件1)(条件2)の両方を満た
す点の集合がそれぞれどのような形状になるか答えなさい。
(2) ベクトル a は z = 0 の xy 平面上にあり、長さ2のベクトルである。ベクトル b は、ベク
トル a を xy 平面上で 30 度時計回りに回転させたベクトルと同じ向きで、長さ3のベク
トルである。
を求めなさい。また、ベクトル a, b の例、および
を図示しなさ
い。ベクトルは、いずれも原点を始点として描くこと。
(3) 右の図1のように、面積が の長方形の平面を磁束
密度ベクトル B の一様な磁束が貫いている。平面の
単位法線ベクトルのうち、B に向きが近い方を n とす
るとき、この平面を貫く磁束φを、B と と n を用い
て表しなさい。ただし、面と磁束密度ベクトル B が
直交するときは、
となる。
(答えだけでも良い)
B
n
[2] ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)につい
て考えてみたい。図1のように、質量 m の物体の位置
ベクトルを r、速度ベクトルを v、加速度ベクトルを a
とする。この物体の角運動量ベクトルは
と表
される。以下の問いに答えなさい。
図1
(1) 物体の速度ベクトル v および加速度ベクトル a を、位
置ベクトル r を使って表しなさい。
(2)
を展開すると、
となる理由を説明しなさい。
(3) 物体には、原点に固定された別の物体による原点方向
の重力加速度のみが加速度ベクトル a としてかかると
すると、
O
r
がどのようになるか説明しなさい。
(4) 図中の r ベクトルと v ベクトルと破線で囲まれた三角
形の面積である面積速度 S と、角運動量の大きさ と
の関係を、m を用いた式で示しなさい。
図2
(5) (3)と(4)の結果から、面積速度 S が一定であることを示しなさい。
v
m
[3] 次の問いに答えなさい。
(1) a を定ベクトル(すべての要素が定数であるベクトル)、A をベクトル関数とする。
∇⋅ (a × A) = −a⋅ (∇ × A) となることを示しなさい。変形の過程がわかるように、段階を
追って丁寧に記述すること。
€
(2) ベクトル場 A の各成分が、
( axx , axy ,⋅⋅⋅, azz : 0 でない実数) と表されるとする。
と
の両方を満たすベクトル場 A の例を示しなさい。
€
[4] 原点を中心とする半径 R の球の表面を S とし、球面における外向きの単位法線ベクトル
を n とする。また、dS は球面に対する微小な法線ベクトルであり、
(dS は球
面上の微小な面の面積)と表されるとする。次の問いに答えなさい。
(1)
∫ n⋅ dS を求めなさい。
S
(2) ∇r 2 を求め、位置ベクトル r を使って表しなさい。
€
€
(3) ある点における球面に対する単位法線ベクトル n を、その点の位置ベクトル r を用いて
表しなさい。
1
(4) 球の体積が V = ∫ S∇r 2 ⋅ dS と表されることを示しなさい。変形の過程がわかるように、
6
段階を追って丁寧に記述すること。
€
[5] xy 平面上で、ベクトル場
が与えられている。この平面上で、原点から(1,0)
への直線を経路 C1,(1,0)から(1,1)への直線を経路 C2、 (1,1)から原点への直線を経路 C3
とする。次の問いに答えなさい。
(1) 答案用紙に xy 平面を描き、(1, 0), (1, 1), (0, 1), (-1, 1), (-1, 0)の各点でのベクトル A を、そ
の点を始点として描き入れなさい。
(2) 線積分
(3) 線積分
(4) 線積分
(5) ベクトル場
を求めなさい。
と
を求めなさい。
を求めなさい。
が保存力となるようなポテンシャル U が満たす条件を示しなさい。