平成28年度専攻科入学者選抜検査 (学力一次)試験問題 電子工学専攻 専 門 科 目 (試験時間 120分) (注) 1 2 3 4 5 問題用紙は、表紙を含めて1~5ページです。 2科目(電磁気学・電気回路)の両方に解答してください。 電卓は、使用禁止です。 解答は、全て解答用紙に記入してください。 スペースが不足する場合は、その旨を明記の上、用紙の裏を 使用してください。 5 試験終了後、試験問題は持ち帰ってください。 1 科目名:電磁気学 1.下図のように平行平板コンデンサが真空中にあり、極板間の距離を d [m] とする。極板の幅は l [m] であり、奥 行方向は十分に長いとする。また、d ≪ l であり、極板の端部分の影響は無視できる。コンデンサには、起電 力 V [V] の電源が接続されており、接続後十分時間が経っている。この時、コンデンサ左端の極板間中央に、 質量 m [kg]、電荷量 +Q [C] の荷電粒子が点 O から初速度 v0 [m/s] で右向きに入射する。荷電粒子の大きさは 無視でき、鉛直下方には重力加速度 g [m/s2 ] が働くとして、以下の設問に適切な単位を付して答えよ。 㖄┤᪉ྥ Ỉᖹ᪉ྥ Ⅼ ⅬK v0 㽢 ଶ 㽢 Ⅼ Q ௗ ଶ ܸ ௗ ଶ (1)平行平板コンデンサの内部における電界の強さを求めよ。 (2)鉛直方向について、荷電粒子の運動方程式を記せ。ただし、鉛直上向きを正とし、荷電粒子に働く加速度 を a [m/s2 ] とする。 (3)起電力が V = V1 の時、荷電粒子が鉛直方向に全く移動せずにコンデンサから脱出した。この時の V1 を 求めよ。 (4)起電力が V = V2 の時、荷電粒子は図中の点 A に到達した。この時の V2 を求めよ。 次に V = V3 とした上で、水平方向左向きに外部から一定の電界 Ep [V/m] を、空間全体に印加した。この後、 先と同様に点 O から荷電粒子が初速度 v0 で右向きに運動を開始した時、荷電粒子は平行平板コンデンサの内 部から出ることなく、図中の点 B に到達したとする。以下の設問に適切な単位を付して答えよ。 (5)荷電粒子が点 B に到達するまでの時間 tB [s] を求めよ。 (6)この時の Ep の強さを求めよ。ただし、答えには tB を含んで良い。 2 科目名:電磁気学 2.下図のように、z 軸正方向に磁束密度 B [T] の一様な磁界が存在する空間内において、x − y 平面上に間隔 d[m] の十分に長い平行導線があり、抵抗 R [Ω] とスイッチ S が接続されている。この平行導線に y 軸と平行な導体 棒を渡し、一定速度 v[m/s] で x 軸正方向に動かした。以下の設問に適切な単位を付して答えよ。ただし、抵 抗 R 以外での損失は無視できるものとする。 B (a) (b) ^ d z R y v x (1)S が開いているとき、S の両端に生じる起電力の大きさを求めよ。 (2)S を閉じた後に、回路に流れる電流の向きを (a) か (b) で答えよ。 (3)S を閉じた後に、回路に流れる電流の大きさを求めよ。 (4)S を閉じた後も、導体棒を v で移動させ続けるために必要な外力の大きさを求めよ。 (5)S を閉じた後も、導体棒を v で移動させ続けるために必要な外力の仕事率を求めよ。 3.下図のように、y 軸上に十分に長い半径 a [m] の円柱状導体があり、電流 I [A] が一様に流れている。そして、 x − y 平面上で、x = b [m] の場所に y 軸と平行な 1 辺 c [m] を持ち、幅 d [m] の三角形コイルがある。このと き、x − y 平面上に点 P(x, y) を定義する。円柱状導体及び三角形コイルは真空中にあるものとする。以下の設 問に適切な単位を付して答えよ。ただし、真空の透磁率を µ0 [H/m]、円周率を π とする。 y a I P(x,y) c b d x (1)点 P が円柱状導体内にあるとき、点 P における磁界の強さを求めよ。 (2)点 P が円柱状導体外にあるとき、点 P における磁界の強さを求めよ。 (3)点 P が円柱状導体外にあるとき、点 P における磁束密度の大きさを求めよ。 (4)三角形コイルに鎖交する磁束を求めよ。 (5)円柱状導体と三角形コイルの相互インダクタンスを求めよ。 3 科目名:電気回路 1.下図のように、電流 I˙s [A] の電流源、電圧 Ės [V] の電圧源、3 種類のインピーダンス Ża [Ω]、Żb [Ω]、Żc [Ω] を 組み合わせた回路を構成し、電流 I˙A [A]、I˙B [A]、I˙C [A] を定める。以下の設問に適切な単位を付して答えよ。 ܫሶ ܼሶ ܫሶ ܼሶ ܧሶ௦ ܫ௦ሶ ܼሶ ܫେሶ ܼሶ ܼሶ まず、インピーダンス Żc を回路から切り離し、端子 1-2 間を開放した状態を考える。 (1)電流 I˙A と I˙B を求めよ。 (2)端子 1-2 間に生じる電圧を求めよ。ただし、電圧の向きは端子 1 から 2 への向きとする。 さらに、電流源を開放、電圧源を短絡した状態を考える。 (3)端子 1-2 からみた回路のインピーダンスを求めよ。 最後に、インピーダンス Żc を回路に戻し、電流源、電圧源も元に戻した状態を考える。 (4)I˙C を求めよ。 (5)I˙C = 0 となるための、I˙s と Ės の関係を求めよ。 4 科目名:電気回路 2.下図の回路のように、抵抗 r, R [Ω] および、キャパシタンス C [F] で構成される回路に、スイッチ S を介して 起電力 E [V] の直流電源を接続した。時刻 t < 0 においてスイッチ S を開き、定常状態にあるとして、t = 0 [s] でスイッチ S を閉じた。以下の設問に適切な単位を付して答えよ。 S r E C R (1)S を閉じた後の時刻 t における C の電圧を v(t) として、R に流れる電流の式を書け。 (2)S を閉じた後の時刻 t における C の電荷を q(t) として、C に流れる電流の式を書け。 (3)電荷 q(t) に関する回路方程式を導け。 (4)前問で求めた回路方程式を解け。 (5)前問で求めた結果を用いて、R および、C のそれぞれを流れる電流が等しくなるまでの時間を求めよ。 3.下図の回路のように、抵抗 r, R [Ω] および、キャパシタンス C [F] で構成される回路に、スイッチ S を介して 起電力 E [V] の直流電源を接続した。時刻 t < 0 においてスイッチ S を閉じ、定常状態にあるとして、t = 0 [s] でスイッチ S を開いた。以下の設問に適切な単位を付して答えよ。 S r E C R (1)S を閉じた定常状態における C の電圧を求めよ。 (2)S を開いた後の時刻 t における C の電圧を v(t) として、回路方程式を導け。 (3)前問で求めた回路方程式を解け。 (4)前問で求めた v(t) について、横軸を時刻 t、縦軸を電圧とし、t ≥ 0 における v(t) の時間変化のグラフを 記入せよ。ただし、縦軸、横軸と v(t) が交わる場合はその交点の値も記入すること。 (5)S を開いた後の時刻 t において、回路で消費される電力を求めよ。 (6)S を開いた後、回路で消費される全エネルギーを求めよ。 5
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