ワークショップ進行シート 作成日: タイトル: 2015 年 7月 28 日 水からはじまる平和のおはなし ファシリテーター(グループ) :新潟県立大学 世界の現実チーム 1:本ワークショップの要旨 終戦 70 年目という大きな節目にあたる今年、本ワークショップでは「平和」をテーマとする。 そこで、抽 象的でとらえにくい平和を、私たちの身近にある「水」を切り口として考えていく。その中でも「水紛争」を 具体例として用い、シミュレーション等の体験を通して身近に存在する 「水」と「平和」に関連があるとい うことを理解してもらう。このような活動を通して、参加者に身近な所から改めて平和について考えるきっか けの場を提供する。 2:本ワークショップの目的(目標、実現したいこと) 本ワークショップでは、平和について考えてもらうきっかけ作りをすることを目的とする。 「平和」という 言葉は抽象的で、地球規模のことという認識が強いように感じられる。もちろん最近話題の「安保法制」は政 治の世界のことで、国民とはかけはなれたもののようにも感じられる。また、70 年前に終わった戦争もきっ と遠い昔のことであるという認識が強いだろう。しかし、それらは自分たちに大変大きく関わることであり、 ひとりひとりがしっかり考えなければならないことである。今回は、そのような大きく、また遠いことのよう に感じられる「平和」について、「水」という身近なものを通して考えることで、その認識を変え、参加者に 今後も平和について積極的に考えてもらえるような変化をもたらすことを目的とする。 3:本トピックをとりあげる理由 水は私たちにとって非常に密接に関わるものであり、とりわけ深く考えることがないように思われる。平和 は抽象的で、世界規模的な大きなものであり、大きすぎてあまり深く考えることがないように思われる。この -両極端にある-普段からあまり深く考えることのない 2 つのことを同時に考えることで、自分に身近なこと と自分からは比較的かけ離れているものとの間の溝を埋めるとともに、考えることの大切さ、あるいはものご との意外なつながりを発見することのおもしろさを理解してもらうことが、本ワークショップで「水」と「平 和」というトピックを扱う理由である。 1 4:活動過程 過 程 (使用時間: 活動内容 (所要時間) 90 分(休憩 10 分含む) 具体的な発問・説明・ 参加人数: ねらい 動きなど 40 人想定(超過も可能) ) 使用する教材 ・備品 予想される反 応.その他, 注意事項 導 入 :起 (40 分) ・グループ分け(8 ・ゲームの設定:メコ チーム) ン川の水をめぐる問題 をベースとし上流と下 流の間で対立が起こ <シミュレーショ る。 ・水を巡って起こ 水 ・ゲームはメコ ゲーム> 問題の原因として、上 る様々な問題が ・寸劇 流地域が下流地域に相 起こる過程を経 ・ダム建設をめぐ 談することなくダムを 験してみる。 る問題で不満を感 建設し、下流地域の不 マニュアル(紙) の 問 題 を 再 現 じて、対立構造を 満が高まる。また、ダ しているわけ 描く ム建設によって下流一 ではなく、若干 ・議論 部地域では塩害、水質 のオリジナリ 変化による漁獲量が悪 ティをゲーム 化、腹痛・麻疹などの の中に入れ込 病気の蔓延。 んでいる。 ・上流地域がダムの建 ・上流グループ 設を行う様子を示す寸 はファシリテ 劇を見せる。 ーターが行い、 ン川をベース マジックテープ に作っている が、忠実に現実 下流グループ ・上流の村は水に恵ま は参加者が行 れており、より豊かな うものとする。 生活にしようと水を求 めている一方で、下流 の村は水不足であり生 活が困難なため、水を 求めている。 ・上流の村は有 ・地域(グループ)ごと 利であると感 に地域の設定が書かれ じ、下流の村は たマニュアルを渡す 不利と感じる 2 展 開 ( :承 7 分) ・シミュレーショ ・ 「このゲームを通じて ・ゲームを通じて ンゲームの振り返 どういう気持ちになり 感じたことを共 り、感想(口頭) ましたか?」など 有 ・平和を可視化す ・マジックテー る(平和メータ プ ー) 発展 :転 (10 分) ・ゲームのタネ明 ・ゲームを通して体験 ・ゲームは現実問 かし したことが実際の現実 題とリンクして 世界で起きている。 いたことを知っ てもらうこと。 ・実例(その他の ・メコン川の事例以外 ・メコン川以外の ・マジックテー 世界の水をめぐる にもの水をめぐる問題 水問題があるこ 問題) がある プ とを知ってもら うことで視野を 広げてもらうこ と まとめ :結 ・平和について考 ・自分の地域を豊かに ・個々と全体の平 ・模造紙 ・「平和」と ( える活動(ゲーム することだけが平和だ 和の関係などを いう抽象的な で登場した平和メ ったのでしょうか? 考えながら、平和 ことについて ーターを用いて考 について考えて 考えることで えを深める) もらう 、いろいろと 分) 悩む。 ・水紛争が簡単な ・答えが見つ 問題ではないこ からなくても とを知る やもやする。 etc. ・参加者の身の周 りの様々な問題 についても関心 を向けてもらい たい。 3 5:会場のセッティング 上流国 D C A E B F <図説明・補足> ・上流国(ファシリテーター) ・A~F は下流国を表す(参加者) ・☆はゲームマスター(ファシリテーター) 6:使用する教材 机・椅子・模造紙・筆記用具・水・マジックテープ・パソコン(パワーポイント)・プロジェクター 7:参考にした資料 ・日本環境会議/「アジア環境白書」編集委員会 『アジア環境白書 2003/04』 東洋経済新報社、2003 ・ロビン・クラーク、ジャネットキング 『水の世界地図』 丸善株式会社、2006 ・橋本淳司 『67 億人の水 「争奪」から「持続可能」へ』 日本経済新聞出版社、2010 ・大塚健司 『流域ガバナンス -中国・日本の課題と国際協力の展望-』 アジア経済研究所 2008 ・日本環境会議/「アジア環境白書」編集委員会 『アジア環境白書 2010/11』 東洋経済新報社、2010 ・山内祐平・森玲奈・安斎勇樹『ワークショップ・デザイン論』慶應義塾大学出版会 2013 8:その他 2 週間から 1 ヶ月前に、事前うち合わせに伺う際に諸注意等含め、詳細について確認させていただきます。 4
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