タイトル: 紛争という敵~異文化理解は武器となる

ワークショップ進行シート
作成日:
タイトル:
2015 年
7 月 16
日
紛争という敵~異文化理解は武器となるのか~
ファシリテーター(グループ)
:
国際情報大学
世界の現実
Fチーム
1:本ワークショップの要旨
異文化理解ってなんだろう。仮に集団同士が紛争状態の場合、異文化理解は役に立つのだろうか。紛争状態が解
決しないのは、文化の違いだけでなく、もっと別の複合的問題もある。それらを踏まえて、具体的な事例を基にし
たワークを行いながら、異文化理解の必要性を考えたい。このワークショップを通して、これからの自分の行動や
考えに疑いを持つきっかけを提供したい。
2:本ワークショップの目的(目標、実現したいこと)
異文化理解はいいものだと思われがちだが、本当にそうなのだろうか。紛争を再発させないために、壁で隔てて
しまうことはいけないのだろうか。また、なぜ異文化理解はよいのだろうかということを考えてほしい。そして、
紛争の長期的な和解を実現するために異文化理解が必要かどうかを考えてほしい。
3:本トピックをとりあげる理由
紛争解決の手段には様々あるが、長期的な和解が成されることは多くない。そこで、長期的な和解に
は異文化理解が必要なのかどうか、また、なぜそうなのか、ということを考えてほしいため。
本ワークショップでは、実例として北アイルランドを取り上げる。北アイルランドには平和の壁と呼ば
れる壁が建設されており、その壁は行き来可能な壁である。しかし本当にその壁は長期的な和解に有効
なのか、異文化理解の視点を考えてほしい。
1
4:活動過程
過 程
(使用時間:
活動内容
90分
参加人数:
具体的な発問・説明・
15 人 )
ねらい
動きなど
(所要時間)
使用する教材
・備品
予想される反
応.その他,
注意事項
起 (10 分)
ア イ ス ブ レ ゲーム
紙をちぎってチームで 参加者の緊張を
イク
与えられたテーマにつ ほぐす
して 1 つのも
いてひとつの形をつく チームで話しや
のを作り上げ
る。
すい雰囲気を作
る。思っていた
る
ように上手に
「私は彫刻家」
紙
チームで協力
できないこと
を楽しんでほ
しい。多様な解
があることに
気付く。
導入
(5 分)
「紛争」イメージ
「紛争」と聞いてイメ 自分は紛争をど
・模造紙
自分は紛争と
マインドマップ
ージするものをマイン うイメージして
・ペン
聞いて最初に
ドマップで出してもら いるか考える。
何を思い出す
う。
か書く。自らの
紛争イメージ
に気付く。
2
承:展開
・これからのワー
紙芝居でこれからする
・紙芝居
紙芝居でわか
(35分)
クの紛争の設定説
ワークの設定(紛争が
・パワーポイント
りやすく物語
明
なぜ起こったのかと現
・スクリーン
風に引き込む
コマや壁の模型を使っ 後のグループワ
・人コマ、ミニ
紛争を再発さ
て状況を作ってもらっ ークにつなげる
チュア壁、橋
せないために
て一緒にその後を含め ために紛争解決
・ペン
壁で分断する
(10 分)
在の状況)を説明する。
(15 分)
・ストーリー作成
たストーリーを考えて 方 法 を 考 え る 。
か、それとも交
もらう。
(紛争が二度と
流の手段を継
起こらない手段
続するか考え
を検討)
る。また、そう
する理由も考
える。
(10 分)
・ストーリーの結
皆に向けて、チームご 他のチームがど
自分のチーム
果共有
とに発表してもらう
うなったのかを
の意見と違う
知ってもらう。
意見が出てい
ることで、紛争
を再発させな
いための方法
は 1 つではな
いことに気付
くのではない
か。
3
転:発展
(35分)
・事例説明
(10 分)
ワークの北アイルラン 実際の紛争を知
パワーポイント
紙芝居、ワーク
ドの説明と、もう一つ ってもらい作っ
スクリーン
を通して考え
の事例としてルワンダ たものと比較し
たことは、実際
を取り上げる。
に世界で起こ
てもらう。
っていること
だと知る。
(10 分)
・グループワーク
ストーリー作成で作っ 長期的な和解を
模造紙
先ほどの壁、橋
たものに対しての質問 実現させるもの
ペン
等を使ったワ
について話し合っても は何かを考える。 事例説明の紙
ークを踏まえ
らう。
ながら、長期的
な和解、紛争を
(15 分)
共有
ワールドカフェ形式で 他のチームの意
模造紙
再発させない
共有。
ペン
ために必要な
見を共有する。
1 回目にチームで話し もう一度長期的
ことは何かを
合ったことと違う意見 な和解を実現さ
考える。
はあるか、同じ意見は せるものは何か
壁で分断する
あるかなど話し合う。
ことはいけな
を考える。
また、それぞれが持ち
いのだろうか、
寄った意見を踏まえ、
それとも分断
新しい意見も考える。
させ、紛争が止
まったのであ
ればそれは和
解なのだろう
か。
4
まとめ :結
(
5
分) 私たちが、今まで
参加者が述べてく
ワークショップの振り 集団同士の紛争
今日も世界の
返りとまとめをする。
状態を止め、長期
どこかで紛争
的な和解をもた
が起きている。
れた意見を紹介す
る。異文化理解と
参加者が挙げてくれた らすものは何か、
それはどうや
いう視点で捉え直
意見を振り返る。話し それはもしかし
ったら解決で
す。
合いの過程そのものが たら異文化理解
きるのか、なぜ
異 文 化 理 解 で あ る こ と呼ぶものかも
解決できない
と、今日の体験が紛争 しれない。
のか考える。
解決への第一歩かもし これからの自分
そして、海で囲
れないことを伝える。
の考えや行動に
まれた日本は
疑いを持つきっ
どうか。私たち
かけを提供する。
日本人は異文
化理解ができ
ているのか。
北アイルラン
ド紛争を通し、
以上のことを
考え続けてほ
しい。
5:会場のセッティング
プロジェクター
☆(メインファシリテーター)
6~8人(1 チーム)
4人
4人
5
6:使用する教材
・パワーポイント
・スクリーン
・太洋紙
・ペン
・紙芝居
7:参考にした資料
鈴木良平
(2000 年)
『アイルランド問題とは何か イギリスとの闘争、そして和平へ』丸善
ジョセフ・セバレンジ、ラウラ・アン・ムラネ
(2015 年)
『ルワンダ・ジェノサイド
生存者の証言』立教大学
出版会
堀越智(1996 年)
『北アイルランド紛争の歴史』論創社
波多野裕造 (2004 年)
『物語 アイルランドの歴史
中国新聞
(2013 年)
「ルワンダ支援
欧州連合に賭ける“妖精の国”』中央公論新社
NGОの佐々木さんに聞く
期待」
『ヒロシマ平和メディアセンター』
(2015 年 7 月 26 日閲覧
和解の歩み
共同で家造りヒロシマとの連携
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=19145)
伊東乾(2008 年)「「差別と断罪」から「和解と補償」へ」『伊東乾の源流探訪』(2015 年 7 月 26 日閲覧
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080602/160098/)
8:その他
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